
犬は言葉を話せませんが、耳や目、しっぽ、姿勢などを使ってさまざまな気持ちを表現しています。
愛犬を見ていると、「いつもより耳が外側を向いている」「耳が横に開いているけど、これってどんな気持ち?」と気になることもありますよね。
犬が耳を外側に向けるときには、興味を持っている、不安や緊張を感じている、嬉しくて興奮している、リラックスしているなど、いくつかの可能性があります。
ただし、耳の向きだけを見て犬の気持ちをひとつに決めることはできません。
この記事では、犬が耳を外側に向ける理由から、リラックスと不安の見分け方、柴犬の場合、耳のトラブルを疑いたい症状まで詳しく解説します。
愛犬の耳だけでなく、表情やしっぽ、姿勢、そのときの状況も一緒に観察してみてくださいね。
犬が耳を外側に向けるのはどんな気持ち?

犬が耳を外側に向けていると、「怖がっているのかな?」と思う飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、耳が外側を向いているというひとつの仕草だけで、犬の気持ちを判断するのは難しいものです。
耳の向きだけで犬の気持ちは断定できない
犬の耳は、周囲の音に反応したり、感情の変化によって動いたりします。
そのため、同じように耳が外側を向いていても、そのときの状況によって意味が変わることがあります。
たとえば、知らない音が聞こえて耳を動かしている場合もあれば、大好きな飼い主さんが帰ってきて嬉しくなっている場合もあるでしょう。
反対に、苦手な音や知らない犬を警戒している可能性もあります。
「耳が外側を向いている=必ず不安」「耳が横を向いている=嬉しい」と決めつけず、その前後の状況も確認することが大切です。
耳以外のボディランゲージも一緒に見る
犬の気持ちを知りたいときは、耳だけではなく全身を観察しましょう。
- 目や口元の表情
- しっぽの位置や動き
- 体の姿勢
- 体に力が入っているか
- 飼い主さんとの距離
- 耳が動く直前に何が起きたか
たとえば耳が外側を向いていても、表情が穏やかで体の力が抜けていれば、落ち着いている可能性があります。
一方で、体を低くしてしっぽを下げているなど、ほかにも緊張を思わせる様子があれば、不安を感じている可能性も考えられます。
耳と全身のボディランゲージをセットで見ることが、愛犬の気持ちを理解するポイントです。
犬が耳を外側に向ける3つの理由

犬の耳にはさまざまな形がありますが、耳を外側に向けるときにはいくつかの理由が考えられます。
ここでは、日常生活で見られる代表的な3つのパターンを紹介します。
音や物に興味を持っている

犬が何かに興味を持ったとき、耳の向きが変わることがあります。
- 散歩中に知らない人や物を見つけた
- 遊んでいる途中で別のおもちゃに気づいた
- 寝ているときに玄関から音が聞こえた
- どこかから気になる物音がした
「うちの子もする!」と思い当たる飼い主さんもいるのではないでしょうか。
犬は周囲から聞こえてくる音にもよく反応します。
耳が外側を向いた直後に犬が何を見ているのか、どの方向の音を気にしているのかを確認すると、その理由を推測しやすくなります。
不安や緊張を感じている

犬が何かに不安や緊張を感じているときにも、耳の位置や向きが変化することがあります。
- 聞き慣れない音がした
- 雷など大きな音が聞こえた
- 引っ越しなどで生活環境が変わった
- 知らない人や犬が近づいてきた
- 慣れていない場所へ連れて行かれた
こうした場面で耳が外側や後方へ向いている場合は、耳だけではなく犬の表情や姿勢にも注目してみましょう。
体を低くしていたり、しっぽを下げていたりするなど、ほかにも普段とは違う様子が見られるなら、不安や緊張を感じている可能性があります。
嬉しい・興奮している

飼い主さんを見ながら耳を外側に向けている場合には、嬉しさや期待などが関係していることもあります。
- 大好きなおやつを準備する音が聞こえた
- 散歩へ行く準備を始めた
- 飼い主さんが帰宅した
- 大好きなおもちゃを持ってきてくれた
犬は飼い主さんの日常の行動や音をよく覚えています。
耳の向きが変わるだけでなく、飼い主さんへ近づいてきたり、遊びに誘ったりする様子が見られることもあるでしょう。
耳が外側を向いていても、穏やかな表情で飼い主さんへ近づいてくる場合には、嬉しさや期待が表れている可能性があります。
リラックスしている犬も耳を外側に向ける?
犬の耳が横や外側を向いていると、「何か不満なのかな?」と心配になることがあります。
しかし、必ずしもネガティブな感情とは限りません。
体の力が抜けているならリラックスしている可能性
犬がくつろいでいるときには、体全体の力が抜けています。
その状態で耳も自然な位置にあり、横や外側を向いて見えることがあります。
寝る前や飼い主さんのそばでゆっくりしているときなど、安心できる状況で耳が外側を向いているのであれば、耳の向きだけを見て心配する必要はありません。
大切なのは犬の全身です。
目・口元・姿勢・しっぽも確認する
リラックスしているか判断したいときは、目や口元、姿勢なども確認します。
目元や口元が穏やかで、体に余計な力が入っておらず、自然な姿勢でくつろいでいるなら、落ち着いている可能性があります。
反対に、耳が外側を向いているうえに体がこわばっている場合は、何かを警戒している可能性もあります。
「耳がどちらを向いているか」より、「犬の体全体がどんな状態なのか」を見るようにしましょう。
耳を外側に向ける犬が不安かどうか見分けるポイント

愛犬が耳を外側に向けたとき、飼い主さんが特に気になるのが「怖がっていないかな?」ということではないでしょうか。
不安かどうか判断するときも、耳以外のサインを確認します。
しっぽが下がっている・体を低くしている
耳の向きに加えて、しっぽや姿勢を見てみましょう。
しっぽが普段より低い位置にあったり、体を低くしたり、後ろへ下がろうとしている場合には、不安や警戒が関係している可能性があります。
反対に、体の動きが自然で、自分から興味の対象へ近づいているなら、単純に周囲へ関心を向けている場合もあります。
視線をそらす・舌なめずり・あくびなどがある
犬は緊張やストレスを感じている場面で、視線をそらしたり、舌なめずりやあくびなどの行動を見せることがあります。
ただし、舌なめずりなら食事の前、あくびなら眠いときにも見られます。
ひとつの行動だけで「不安だ」と判断するのではなく、複数のサインとそのときの状況を合わせて考えることが大切です。
苦手なものや大きな音の直後ではないか確認する
耳が外側を向いた「直前」に何があったのかも重要です。
雷が鳴った、知らない犬が近づいてきた、掃除機を使い始めたなど、きっかけが分かれば犬の気持ちも推測しやすくなります。
愛犬が明らかに怖がっている場合は、無理に対象へ近づけるのではなく、落ち着ける距離や環境を作ってあげましょう。
柴犬が耳を外側に向けるのも同じ意味?
柴犬と暮らしている飼い主さんの中には、「柴犬の耳が急に外側を向くのはどうして?」と気になる方もいるでしょう。
柴犬は立ち耳なので、耳の角度が変わったことに気づきやすい犬種でもあります。
柴犬も耳だけで気持ちは判断できない
柴犬の場合も、耳を外側に向けるという仕草だけで気持ちを断定することはできません。
興味を持って周囲の音を聞いている場合もあれば、緊張や不安、嬉しさなどが関係している場合もあります。
柴犬だから特別な意味があると考えるのではなく、そのときの状況と全身の様子から判断しましょう。
立ち耳は耳の角度の変化に気づきやすい
柴犬のように普段から耳が立っている犬では、耳が横や外側へ動いたときの変化が目立ちます。
そのため、飼い主さんが「急に耳が外を向いた」と気づきやすいでしょう。
耳が動いたら、その方向に音がしなかったか、何か気になるものがなかったか、しっぽや姿勢に変化がないかを一緒に確認してみてください。
犬の耳を外側に向けるときに同時に見たいサイン
犬の気持ちをより正確に読み取りたいなら、耳と同時にほかのボディランゲージも観察しましょう。
耳だけでなく、目や表情・しっぽ・姿勢・直前の出来事を一緒に確認することがポイントです。
目や表情
耳が外側を向いていても、目元や表情が穏やかなら、落ち着いている可能性があります。
一方で、目を大きく見開いたり、視線をそらしたりするなど、普段とは違う様子が見られる場合は、そのときの状況にも注意してみましょう。
耳と表情をセットで観察すると、耳だけを見るより愛犬の状態を理解しやすくなります。
しっぽ
しっぽの位置や動きも確認しましょう。
しっぽが下がっている場合には不安や緊張などが関係している可能性があります。
ただし、しっぽを振っているから必ず嬉しいとも限りません。
耳と同じように、しっぽだけで感情を決めつけず、全身を見ることが大切です。
姿勢や体の力
体がリラックスしているのか、こわばっているのかも重要なポイントです。
耳が外側を向いていても、体の力が抜けてゆったり過ごしているなら、それほど心配する必要はないでしょう。
一方、体が硬くなって動かなくなっていたり、後ろへ下がろうとしていたりする場合は、緊張している可能性があります。
耳が動いた直前の出来事
犬のボディランゲージを理解するときには、「直前に何が起きたのか」を見ると分かりやすくなります。
玄関で音がした直後なら、その音へ注意を向けた可能性があります。
飼い主さんがおやつを準備した直後なら、期待しているのかもしれません。
雷が鳴った直後なら、不安を感じている可能性も考えられます。
耳の形だけを見るのではなく、「いつ・どこで・何が起きたときに耳が動いたのか」まで観察してみてください。
耳を外側に向けるだけでなくこんな症状があれば注意

犬が耳を外側に向けているだけなら、周囲の音や感情に反応して耳を動かしている可能性があります。
しかし、耳の向き以外にも異常が見られる場合は、単なるボディランゲージではなく耳のトラブルが隠れている可能性もあります。
耳を頻繁にかく・頭を振る
犬が何度も耳をかいたり、頻繁に頭を振ったりしている場合は注意しましょう。
一時的に耳をかく程度なら珍しくありませんが、何度も繰り返す場合は、耳にかゆみや違和感がある可能性があります。
耳が臭う・耳垢が増えている
いつもと違う臭いがしたり、耳垢が急に増えたりしていないかも確認します。
普段から愛犬の耳の状態を見ておくと、変化にも気づきやすくなります。
耳を触ると嫌がる・痛がる
これまで普通に触らせてくれていたのに、突然耳を触ることを嫌がるようになった場合にも注意が必要です。
特に触ったときに痛そうな反応をしたり、片側だけを気にしたりしている場合は、無理に耳掃除をしないようにしましょう。
気になる症状が続くなら動物病院へ
耳を頻繁にかく、頭を振る、臭いが強い、耳垢が増えた、痛がるなどの症状が続く場合は、動物病院へ相談しましょう。
耳の中を自宅で無理に掃除すると、かえって刺激してしまう可能性があります。
耳の奥へ綿棒などを入れて自己流で掃除するのではなく、異常が疑われるときは獣医師に確認してもらう方が安心です。
犬の耳を外側に向けることについてよくある質問

犬の耳が横向きになるのはなぜ?
周囲の音へ注意を向けていたり、感情の変化によって耳の角度が変わったりすることがあります。
ただし、耳が横向きになっているだけでは、犬の気持ちは判断できません。
表情や姿勢、しっぽ、そのときの状況も一緒に確認してください。
犬が耳を外側に倒すのは怖がっているから?
怖がっている可能性はありますが、必ずそうとは限りません。
不安や緊張がある場合には、耳以外にも体を低くする、しっぽを下げる、距離を取ろうとするなど、ほかの変化が見られることがあります。
「耳を外側に倒した=怖がっている」と決めつけず、全身の様子から判断しましょう。
片耳だけ外側を向くのは大丈夫?
音の方向などに反応して、一時的に片耳だけ違う方向を向くことも考えられます。
その後すぐ普段の状態へ戻り、ほかに変わった様子がなければ、まずは愛犬の様子を観察してみましょう。
一方、片耳の状態がいつもと違うまま続き、耳をかく、頭を振る、臭いがする、触ると嫌がるなどの変化もある場合は、耳のトラブルも考えて動物病院へ相談してください。
柴犬の耳が横を向くのは普通?
柴犬のような立ち耳の犬でも、周囲の音や状況などに応じて耳の角度は変化します。
耳が横を向いたというだけで異常とは判断できません。
普段と比べてどうなのか、表情やしっぽ、姿勢などにも変化がないか確認してみましょう。
犬が耳を外側に向ける理由【まとめ】

犬が耳を外側に向けるときには、周囲の音や物に興味を持っている、不安や緊張を感じている、嬉しくて興奮している、リラックスしているなど、さまざまな可能性があります。
そのため、耳の向きだけで犬の気持ちを決めつけないことが大切です。
目や口元の表情、しっぽ、姿勢、体の力、耳が動く直前に何が起きたのかまで観察すると、愛犬の気持ちを理解するヒントになります。
また、耳が外側を向いていることに加えて、頻繁に耳をかく、頭を振る、臭いがする、耳垢が増える、触ると痛がるなどの症状がある場合は、単なる感情表現ではなく耳のトラブルが隠れている可能性もあります。
普段から愛犬の耳や全身の様子を観察し、「いつもと違う変化」に気づけるようにしてあげてくださいね。