
高級感あふれる姿と存在感から、アロワナは「金持ちの魚」というイメージを持たれがちです。
しかし実際には、種類や設備次第で一般家庭でも十分飼育可能なケースもあります。
本記事では、アロワナの維持費や購入費用、そして節約のコツまで詳しく解説します。
アロワナは金持ちが飼うものなの?

アロワナが「金持ちの魚」と呼ばれるのにはいくつか理由があります。
まず、アジアアロワナのように1匹数十万~数百万円する品種が存在し、しかも大型水槽や専用機材が必要なため、飼育環境自体が限られてきます。
ちなみにアジアアロワナは飼育許可が必要な唯一の種類のアロワナです。

こうした条件から、豪邸や高級マンションに住む人がステータスシンボルとして飼っているイメージが定着しました。
しかし、すべてのアロワナが超高額というわけではありません。
シルバーアロワナやブラックアロワナは比較的安価で入手でき、数千円から購入可能な個体もいます。
さらに水槽や周辺機材は中古や譲渡品を活用すれば、初期費用も維持費も抑えることができます。
つまり「金持ち専用の魚」というより、スペースと初期設備を用意できる人であれば、一般的な家庭でも十分飼育が可能なのです。
工夫次第では、アロワナは身近な観賞魚になり得ます。
アロワナ飼育の初期費用
アロワナ飼育にはの導入時にかかる費用は主に以下の通りです。
・アロワナ個体
・水槽
・水槽台(なくても良いですが・・・)
・ヒーター
・エアレーション
・フィルター
アロワナ個体の価格相場

アジアアロワナ
アロワナは品種やサイズによって価格が大きく変わります。
安価な種類であれば数千円から購入できる一方で、希少なアジアアロワナや特定の色変種は数百万円に達することも珍しくありません。
- シルバーアロワナ・ブラックアロワナ
比較的手頃な品種で、幼魚であれば数千円〜1万円前後。
成長した個体や状態の良いものは数万円になる場合もあります。 - アジアアロワナ(紅龍・過背金龍など)
国際的な取引規制のもと販売されるため高額になり、一般的には20万〜50万円前後。
特に色合いや体型の美しい個体は100万円を超えることもあります。 - その他の珍しいアロワナ
プラチナアロワナなどの特殊個体は数百万円クラス。
愛好家やブリーダー間で取引される希少種です。
初めて飼育する場合は、高額種よりも丈夫で比較的安価な品種から始める方が安心です。
慣れてから理想の品種にステップアップする方法もおすすめです。
水槽と水槽台
個体以外で、最も高額なものは水槽。
アロワナは大型の観賞魚なので大型の水槽が必要になります。
150センチ水槽(約150×60×60cm/450L前後)
- ガラス製(標準仕様):8万円〜15万円
- ガラス製(オーバーフロー仕様):12万円〜20万円
- アクリル製(標準仕様):15万円〜25万円
- アクリル製(オーバーフロー仕様):20万円〜35万円
👉 ガラスよりアクリルが高額。大型魚用だと軽量・強度面でアクリルが人気。
180センチ水槽(約180×60×60cm/650L前後)
- ガラス製(標準仕様):15万円〜25万円
- ガラス製(オーバーフロー仕様):20万円〜30万円
- アクリル製(標準仕様):25万円〜40万円
- アクリル製(オーバーフロー仕様):30万円〜50万円以上
👉 このサイズ以上になると輸送や設置工事も別途費用がかかることが多い。
次に水槽台。重い水槽を支えてくれる水槽台は最低でも5万円からそれ以上します。
水槽台は無くても大丈夫ですが、あった方が鑑賞しやすいとは思います。
アロワナの飼育水槽のサイズについては以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

フィルターと水槽用照明
次にフィルターと水槽用照明が3万円程度。
ヒーターは2本買うと仮定し1万円前後。
エアレーションは5千円程度で購入できます。
アロワナ飼育の維持費
アロワナの餌代
アロワナ飼育の維持費に最もコストがかかるのが餌代です。
人口餌を食べてくれれば毎月1,000円程度。
生餌を与えるのであれば2,000円~3,000円程度になります。
アロワナの幼魚は常に満腹にしておく必要がある為、メダカなどを常に10匹泳がせておくという方法があります。
特に情報はありませんでしたが、それを考えると幼魚時代の方が餌代はかかるのかな、と思いました。
成魚の場合人口餌のみで飼育されている方ももちろんいます。
しかしアロワナは餌を食べなくなる、ということが多いので生餌はほぼ必須と考えて良いでしょう。
人口餌に比べ生餌は費用が掛かります。
また生餌によっては保存や繁殖に費用がかかる場合もあります。
餌用の金魚などは繁殖も手軽ですが水槽設備や餌が必要になりますね。
電気代
ヒーターを使用しない月は3,000円~4,000円ヒーターを使用する月は8,000円~9500円程度。
それに加えて数か月に1回ろ材の交換など、その他費用も掛かります。
光熱費は年々上がってきているので、これからどんどん上がる可能性もありますね。
アロワナの維持費の内容はヒーター、フィルター、照明などの電気代。
水道代
アロワナの維持費というと電気代や餌代に注目されがちですが、水道代も気になるポイントです。
実際にはどのくらいかかるのでしょうか。
150cm水槽(約450L)や180cm水槽(約650L)を想定し、毎週30〜50%の水換えを行うケースで試算してみます。
150cm水槽の場合、週30%の換水で月約480L(0.48㎥)、週50%で月約800L(0.8㎥)の水を使用します。
180cm水槽では週30%で月約720L(0.72㎥)、週50%で月約1,200L(1.2㎥)の水を使う計算になります。
東京都水道局の家庭用料金を例にすると、1㎥あたりおよそ200円前後。
つまり、150cm水槽で月100〜160円程度、180cm水槽で月150〜240円程度が目安です。
思ったほど負担は大きくありませんが、井戸水やRO水を使用する場合はフィルターやメンテナンスのコストが加わる点に注意しましょう。
アロワナの維持費は毎月いくらかかる?
アロワナの維持費は、餌代・電気代・水道代を合計するとおおよそ月5,000〜12,000円程度が目安になります。
- 餌代:人工餌のみなら1,000円〜/月、生餌併用で2,000〜3,000円/月
- 電気代:ヒーターを使わない時期で3,000〜4,000円/月、冬場は8,000〜9,500円/月
- 水道代:150〜240円/月(地域や水槽サイズによる)
冬季は電気代が大きく上がるため、年間平均では月7,000〜8,000円程度で考えると現実的です。
もちろん水槽サイズが大きいほど消費電力も増えるので、維持費も上がります。
アロワナ飼育で想定外にかかる高額リスク
アロワナ飼育は、毎月の維持費が1万円前後であれば一見手の届く趣味に思えます。
しかし、実際には想定外の高額出費が発生することも珍しくありません。
特に大型水槽を扱う場合は注意が必要です。
- 大型水槽の移送費用
150cm〜180cm水槽は重量100kgを超えるため、運搬が可能な業者も限られています。
購入時や引っ越し時には輸送費だけで数万円〜十数万円かかるケースがあります。 - 水槽設置にかかる工事費用
マンションの高層階や木造住宅では、耐荷重の問題が発生します。
床の補強や専用の水槽台製作を行うと、数万円〜数十万円の追加費用が必要になることもあります。 - 緊急時の修理・交換費用
ヒーターやフィルターが故障すると、すぐに交換が必要です。
ヒーターは数千円〜1万円、フィルターは数万円、ガラス水槽が破損した場合は交換と設置で数十万円単位の出費になります。 - 電気設備の追加工事
複数のヒーターや大型濾過機を使用する場合、コンセントの増設やブレーカーの容量変更が必要になることもあり、工事費が数万円規模になるケースもあります。 - 突発的な生体トラブル
病気治療や拒食対策で薬品や生餌の購入が急増すると、一時的に餌代が倍以上になることもあります。
こうした突発的な費用も考慮して、余裕を持った予算計画を立てておくことが大切です。
アロワナの維持費【まとめ】
アロワナは確かに高級魚であり、金持ちのシンボルとして扱われることもありますが、全ての品種や飼育方法が高額とは限りません。
現実的な維持費を理解し、準備を整えれば、あなたの家でも金持ち気分を味わいながらアロワナ飼育を楽しめます。