
アロワナは迫力ある姿で人気の高い大型魚ですが、縄張り意識が強く混泳は難しいとされます。
しかし水槽サイズや相性を見極めれば、アロワナ同士や他種との混泳も実現可能です。
本記事ではアロワナ混泳におすすめの種類、成功のコツ、失敗しないための注意点を詳しく紹介します。
アロワナ混泳でよくある失敗と回避法

アロワナとの混泳は、一見うまくいっているように見えても、ある日突然トラブルが起きることがあります。
特に次のような失敗例はよく見られます。
サイズ差による捕食事故
混泳相手がアロワナの口に入る大きさだと、ある日突然捕食されてしまうケースがあります。
導入時には十分なサイズ差を確保し、その後も成長スピードを定期的に確認しましょう。
餌の奪い合いによる衰弱
底層魚でも、アロワナが水面付近で与えた餌を独占し、混泳魚が餌不足になることがあります。
複数の給餌ポイントを設け、底層魚用の餌がしっかり届くよう工夫が必要です。
夜間や消灯後の攻撃
昼間は落ち着いて見えても、夜間や消灯後に縄張り争いが激化するケースもあります。
暗視カメラや翌朝の点検でヒレの欠けや擦れがないかを確認し、異常があれば早期対応しましょう。
隠れ家不足によるストレス
アロワナ水槽では水草は使いにくいですが、大型流木や岩組みで底層魚の退避スペースを確保することで、緊張状態を和らげられます。
混泳は「トラブルが起きない」ことを前提にするのではなく、「トラブルが起きたときにすぐ対処できる準備」を整えておくことがポイントです。
アロワナ同士は混泳出来る?

稀に大丈夫な個体もいるようですが、基本的にアロワナは縄張り意識の強い魚。
争いやいじめがおこります。
アロワナのストレスになるのでアロワナ同士の混泳はやめておきましょう。
1つの水槽に4~5匹入れる過密状態ならば大丈夫との情報もありましたが、過密飼育はストレスにもなりますし、水質悪化にもなります。
どうしてもアロワナ同士を混泳させたい場合の条件
基本的にはアロワナ同士の混泳は推奨されませんが、どうしても挑戦したい場合は以下の条件を整えることでリスクを最小限に抑えることができます。
- 十分な水槽サイズを確保する
最低でも横幅240cm以上、水量1,000Lクラスの水槽が必要です。水量が少ないと逃げ場がなく、攻撃が激化します。 - 同サイズ以上の個体を導入する
サイズ差があると小さい個体が標的になります。導入は全て同じくらいのサイズに揃えるのが鉄則です。 - 一度に複数(3匹以上)を同時導入
2匹飼いは一方が標的になりやすいため危険です。3匹以上で過密状態にし、個体間の攻撃意識を分散させます。 - 導入初期はこまめな観察と隔離準備
導入直後〜数週間は攻撃が起こりやすい時期です。隔離用の水槽や仕切りをすぐ設置できるよう準備しておきましょう。 - 水質管理と給餌量を徹底
過密状態では水質悪化が早く、ストレスから攻撃が激化します。水換え頻度を増やし、餌は全個体に行き渡るようにしましょう。
アロワナの種類による相性と選び方
アロワナ同士の混泳を行う場合、同じ種類同士か異なる種類同士かで相性が変わります。
基本的に性格は個体差が大きいですが、種類ごとに傾向があります。
同種同士はサイズ・導入条件が揃えば安定しやすい
同種同士(例:シルバー同士、アジア同士)は、サイズや導入タイミングを揃えれば比較的安定しやすい傾向があります。
血統や色変わりが違っても、同じ種であれば行動パターンが似ており、致命的な争いが起きにくいです。
異種混泳は相性差に注意
- アジアアロワナ:
縄張り意識が特に強く、異種との混泳はリスクが高め。同種複数飼いのほうがまだ安定します。 - シルバーアロワナ:
比較的温厚で、異種との混泳も成功例あり。ただし大型化するため水槽サイズは必須。 - ブラックアロワナ:
性格は穏やかですがサイズが小さく、シルバーやアジアと混泳するといじめられやすい傾向があります。 - ジャーディニアロワナ:
性格が荒めで混泳難易度高め。基本単独飼育推奨。
異種混泳でうまくいきやすい組み合わせ例
・シルバーアロワナ × ブラックアロワナ(サイズ差を揃える)
・シルバーアロワナ × シルバーアロワナ(同種複数)
・アジアアロワナ × 同種(同サイズ、同時導入)
アロワナが混泳出来るおすすめ

アロワナの混泳相手には底で生活する大人しい種類がおすすめです。
混泳相手のサイズはアロワナの口に入らないようなサイズにしましょう。
貝やエビはおすすめしません。
貝は固くアロワナが丸飲みした際のどに詰まらせてしまう場合があります。
エビは食べられてしまうのでおすすめしません。
自然界のアロワナはザリガニなども食べます。
それをふまえてアロワナが混泳出来る種類は底を泳ぐ魚です。
ポリプテルス

この魚はアロワナと同じ古代魚に分類され、なんと4億年前から存在していたと言われています。
体が蛇のように長く、特徴的な胸びれと恐竜のような見た目の背びれを持っています。
水槽の下層部で生活していて、性格からもアロワナと喧嘩になることがないので混泳相手におすすめです。
セルフィンプレコ

プレコの中でも大型のセルフィンプレコ。
コケ取り能力が優れていて、コケ掃除が大変な大型水槽にはとても助かる魚ですね。
安価で入手しやすく、体も丈夫で特に餌を与えなくても弱る心配はありません。
飼育の際は目を観察してみて、目がくぼんできたら痩せてきたサインです。
その場合はプレコ用の餌を与えてください。
淡水エイ

見た目にインパクトが強いエイも水槽の下層部を泳ぐためアロワナの混泳に向いています。
エイを飼育する際には尾ひれについている毒針に注意しなければなりません。
エイの入った水槽に素手で作業することはやめましょう。
刺されるとめまいや熱、最悪呼吸困難になってしまうと言われています。
対策は毒針の先端を切断することです。アクアリウム上級者向けの魚だと感じました。
カラープロキロダス

こちらもコケ取り能力が優れている魚で、コケ対策で導入されている方も多いです。
値段も安価で入手しやすく、丈夫ですが、気性が荒いと言われていますので導入時には注意が必要。
また餌が足りなくなると他の魚の体をなめて死なせてしまうことがあるので、痩せていないか日々観察してください。
アロワナを飼育できるレベルならばどの魚も問題なく飼育できると思います。
もしアロワナがメインで飼育に手間をかけたくなければ、カラープロキロダスかセルフィンプレコが良いと思います。
好みもありますが、古代魚仲間のポリプテルスと水族館でしか見られないような淡水エイを混泳させると鑑賞性が上がると思います。
オスカー

アロワナとオスカーはどちらも大型魚で縄張り意識が強く、混泳は難易度が高く基本的にはおすすめできません。
ただし、水槽サイズを横幅180cm以上に確保し、サイズ差を揃えた個体を同時導入することで成功例もあります。
オスカーは性格に個体差があり、荒い性格だとアロワナのヒレをかじることがあるため注意が必要です。
餌争いも起こりやすいので、給餌ポイントを複数用意し、双方に十分餌が行き渡るよう工夫します。
隠れ家やシェルターを設けるとオスカーのストレス軽減につながり、長期安定の可能性が高まりますが、それでも急な争いに備えて隔離設備を用意しておくと安心です。
エンゼルフィッシュ

エンゼルフィッシュは温和そうに見えますが、意外と縄張り意識が強く、アロワナとの混泳は基本的に推奨できません。
サイズ差が大きすぎると捕食される恐れもあります。
どうしても試す場合は、アロワナがまだ若く小さい時期に導入し、大型水槽で空間を確保しましょう。
ディスカス

ディスカスは水質管理がシビアで高温を好むため、アロワナとの混泳は条件が合いづらい組み合わせです。
特にアロワナの活発な動きがディスカスのストレスになりやすく、混泳は非推奨です。
どうしても試すなら、落ち着いた性格の個体同士で水質を安定させることが必須です。
鯉、錦鯉

鯉・錦鯉はアロワナの混泳相手として水温やサイズ面では適合しますが、動きが活発で水質を汚しやすく、アロワナ水槽の水質管理が難しくなります。
混泳可能ではありますが、強力なろ過設備と頻繁な水換えが必要です。
スネークヘッド

スネークヘッドは肉食性が強く、気性も荒いためアロワナとの混泳は高リスクです。
実際に同居させる場合は非常に大型の水槽と、両種が干渉しにくいレイアウトが必要ですが、失敗例が多いため上級者向けです。
グッピーや金魚

グッピーや金魚は、アロワナにとって捕食対象となるサイズのため、基本的には混泳相手にはなりません。
ただし、一部の飼育者は餌用として導入し、食べられるまでの間を観賞として楽しむケースもあります。
この場合、見た目は混泳しているように見えますが、長期的な共存を目的とする混泳ではありません。
注意点として、餌魚として導入する金魚やグッピーは病原菌や寄生虫を持ち込むリスクがあるため、事前のトリートメント(隔離・薬浴)が望ましいです。
また、食べられるまでの間にアロワナと同じ水槽で泳がせる場合、水質の悪化が早くなることがあるため、こまめな水換えと濾過能力の確保が必要です。
アロワナの混泳のコツと喧嘩防止

アロワナの混泳相手の事をよく調べてから混泳させましょう。
コツはこれと言ってありません。
小型の魚は喧嘩防止に水草などで隠れ家を作りましょう。と書かれていますがアロワナ水槽は水草を入れません。
混泳前にどの層で生活する魚か(アロワナと生活圏がかぶらないように)、性格はどうか(攻撃されないか)、大きさはどのくらいか(食べられない為)ということをきちんと調べてから混泳させた方が良いです。
もしアロワナ同士で混泳させる場合、縄張り意識が強いアロワナ同士で喧嘩が起こります。
その場合は同じサイズのアロワナ3匹以上で飼育し、縄張り意識を持たせないようにしましょう。
ブラックアロワナはアロワナの中でも小さく、シルバーアロワナのような大型のアロワナにいじめられてしまいますのでやめた方が良いです。
3匹でも水槽が広くスペースがあれば喧嘩をします。
狭く過密状態で飼育すると喧嘩防止になるようですが、水質悪化が早くなるので水替え頻度が上がります。
アロワナの混泳の種類【まとめ】
アロワナ混泳は一筋縄ではいきませんが、種類選び・サイズ調整・導入手順をしっかり押さえれば安定飼育は可能です。
混泳相手の性格や成長、給餌量、水質を常に観察し、問題があればすぐ隔離対応できる準備を整えておきましょう。
アロワナの迫力ある単独飼育も魅力的ですが、相性の良い混泳はさらに飼育の楽しみを広げてくれます。