
大きな体でゆったりと泳ぐアロワナは、その存在感から「アクアリストの最終目標」とも呼ばれる魚です。
しかし、アロワナを健康に育てるためには、水槽サイズの選び方がとても重要になります。
種類や成長度合いによって最適な水槽の大きさは異なり、間違ったサイズ選びはアロワナにストレスや病気を招く原因にもなります。
この記事では、アロワナの水槽サイズを幼魚・成魚別に詳しく解説し、設置時の注意点、掃除や水換えの方法まで、飼育に必要な情報をわかりやすくまとめました。
これからアロワナをお迎えする方も、すでに飼育している方も、安心してアロワナとの暮らしを楽しむための参考にしてください。
アロワナの水槽サイズは何センチ必要?

幼魚の場合は60センチ~90センチの水槽
成魚の場合は150センチ以上の水槽
成長を踏まえて幼魚のうちから大きな水槽に入れるのは、幼魚が餌を食べられない、幼魚のストレスになることからおすすめされていません。
アロワナの幼魚を育てる場合、常に満腹常態にしておかないと上手く育たないと言われています。
アロワナを大きく育てたい場合は餌は回数を多めに、なるべく小さく育てたい場合は1日1回と餌の回数を調整しましょう。
アロワナの成魚を育てる場合はとても大きな水槽が必要です。
アロワナは体の大きさもありますが、回遊魚です。
高さと幅はもちろん上手く回遊できるように奥行きも必要。
幅180センチほどあればどのアロワナでも飼育が可能ですが、種類によって若干の差があります。
アロワナの水槽を販売しているサイトには120センチ150センチ180センチの3サイズが主に販売されていました。
水槽サイズ別おすすめのアロワナ
120センチ~150センチ水槽:ブラックアロワナやアジアアロワナ

アジアアロワナ
これらのアロワナは最大60センチ程度の為、180センチ級の大きな水槽は必要ありませんが、水質安定のために150センチの水槽で飼育している方も多いです。
なおアジアアロワナについては飼育許可が必要ですので要注意です。

180センチ:シルバーアロワナ

安価で入手しやすいシルバーアロワナは最大1メートル以上の大型で、180センチの水槽が必要。
150センチの水槽だと窮屈で、背が曲がるなど健康状態によくありません。
120センチの水槽ならば通販や店舗で入手が可能ですが、それ以上の大きさは基本オーダーメイドとなっていました。
大きければ大きい方が良いかもしれませんが、購入費用だけではなく、維持費、撤去費も考えて水槽を購入しましょう。
幼魚から大型水槽で飼育するのは可能?
アロワナの幼魚と成魚では前述のように適した水槽サイズが異なります。
しかし「どうせ大きく成長するのだから幼魚も大きな水槽で飼えば良いのでは?」と言う疑問を持つ方は多いでしょう。
幼魚を大きなサイズの水槽で飼育も可能

幼魚のアロワナを最初から150センチ以上の大型水槽に入れることは、必ずしも禁止ではありません。
しかし、そのままの状態で広い空間に放つと、幼魚の健康や成長に影響が出る可能性があります。
広すぎる水槽では、幼魚が餌を見つけにくくなり、食べ残しが増えることで水質が悪化する恐れがあります。
また、野生では比較的狭い環境で安心して過ごすため、広すぎる空間は逆にストレスとなり、餌食いや泳ぎの動きが落ち着かなくなることもあります。
セパレーターを使って飼育スペースを区切る
このような場合は、セパレーター(仕切り板)を使って飼育スペースを区切る方法が有効です。
水槽内に隠れ家や障害物を配置し、視界を適度に遮ることで落ち着いた環境を作ることができます。
大型水槽で幼魚を飼育する場合は、こまめな餌やりと水質チェックが欠かせません。
大きな水槽ほど管理が楽に見えますが、実際には食べ残しが底に溜まりやすく、目視では気づきにくいため注意が必要です。
このように、幼魚から大型水槽で飼育することは可能ですが、空間管理とこまめなメンテナンスが成功の鍵になります。
アロワナ水槽の設置場所と注意点(床の耐荷重や部屋環境)

アロワナ用の大型水槽は、水の重さだけで数百キロになることがあります。
たとえば、180cm水槽(約500リットル)に水を満たすと、水だけで約500kg、さらに水槽本体・台・機材を含めると総重量は600〜700kgになることも珍しくありません。
そのため、設置する床の耐荷重を必ず確認する必要があります。
住宅環境の耐荷重性能や水平を保てるかを確認
特に木造住宅の2階やアパートの上階では、耐荷重不足で床がたわんだり、最悪の場合破損する可能性があります。
安全のため、鉄筋コンクリート造の1階部分や、床補強ができる場所に設置するのが理想です。
また、水平が保てる場所に設置することも重要です。
水槽がわずかに傾いているだけでも水圧のかかり方が変わり、ガラス面に負担がかかります。
設置時には水平器で確認し、水槽台の足の高さを微調整してください。
水槽周辺が濡れることも想定が必要
さらに、アロワナ水槽は蒸発や給水時の湿気、排水時の水跳ねなどで周囲が濡れることも多くあります。
水害防止のため、耐水性の高いフローリングや防水マットを敷くと安心です。
このように水槽の大きさだけでなく、設置場所の安全性や耐荷重にも注意することで、長期的に安心してアロワナ飼育を楽しむことができます。
アロワナ水槽の掃除方法
フンや食べ残しをスポイト等で取り、メラミンスポンジで水槽を磨きます。
肉食性のアロワナは水を汚しやすいので、フィルターもこまめに掃除しましょう。
フィルターの給水管はメラミンスポンジ、ブラシで磨みがきます。
中のスポンジやウールマットも水洗いしましょう。
フィルター内部はそれ以上洗ってしまうとろ過バクテリアが死んでしまうのでスポンジやフィルター周り以外はそのままで大丈夫です。
アロワナの水槽の掃除はアロワナを入れたまま行うので、アロワナを驚かせないようにアロワナから遠い場所から行いましょう。
その際アロワナが飛び出さないように蓋は完全に開けたままにしてはいけません。
掃除が終わったら排水です。アロワナを飼育している水槽の多くはホースで直接排水します。
その時に抜く水の量は1/3程度。水を換える際も水を多く抜きすぎないようにしましょう。
水を足す時も慎重に、底材を敷いている場合は舞い上がらないように気を付けてください。
カルキ抜きは忘れずに、いきなり大量の水を流さないようにゆっくりと注水。
その時水温差でアロワナが弱りますので、お湯と水を混ぜて水温を合わせてあげましょう。
これでアロワナ水槽の掃除は完了です。
アロワナの水換え方法と頻度
アロワナの水槽はサイズが大きく、水量も多いため、水換えは一見大変そうに思えるかもしれません。
しかし、やるべき内容は他の観賞魚とそれほど変わりません。
必要な道具と正しい手順を知っておけば、安全かつ効率的に行えます。
水換えの基本手順と必要な道具

アロワナ水槽では、基本的に1週間に1回、全体の1/3程度の水を交換します。
水槽が大きいため、水槽ごと動かすのではなくホースでの排水・給水が基本です。
必要な道具は次のとおりです。
- 排水用ホース:バケツや灯油ポンプ(未使用品)などを使い、床や排水口へ水を流します。
- 給水用ホース:水道と水槽をつないで給水。バケツでの手運びより圧倒的に効率的です。
- カルキ抜き剤/粘膜保護剤:新しい水に含まれる塩素を中和し、アロワナの健康を守ります。
手順は以下の流れです。
- 排水ホースで水槽の水を約1/3抜く(底に汚れが溜まっていれば一緒に吸い出す)
- 汚れが目立つ場所は軽く掃除(スポイトやスポンジ使用)
- 水温を合わせた新しい水をゆっくり注ぎ足す
- 給水後すぐにカルキ抜きと粘膜保護剤を投入する
この流れを覚えておけば、初めてでも安心して水換えができます。
水換え頻度はどのくらい?

水換えは基本的に週1回で十分です。
アロワナは肉食魚で排泄量も多いため、定期的な水換えが必要です。
ただし、飼育に慣れてくると2週間に1回~月1回まで頻度を減らす飼育者もいます。
これはフィルター性能やエサの量、水質管理スキルにより左右されます。
初心者のうちは週1回を厳守しつつ、水質の変化を観察して調整していくのが理想です。
また、水換えをしない日でも、以下の日常ケアは欠かさず行いましょう。
- フンや食べ残しをスポイトで除去
- コケがあればメラミンスポンジなどで軽く拭き取る
水換えでの注意点(カルキ抜き・水温・病気防止)

アロワナの水換えで特に注意したいのが、水温差とカルキ抜き忘れです。
新しい水が冷たすぎたり熱すぎたりすると、アロワナがショックを受けて体調を崩すことがあります。
可能であれば、給水前にぬるま湯(熱湯+水道水)で水温調整をしておきましょう。
また、塩素を含む水道水をそのまま入れてしまうと、アロワナのエラや粘膜を傷め、最悪の場合死に至ることもあります。
給水のタイミングで必ずカルキ抜き剤を忘れずに投入してください。
不安な方はアクアリウム用浄水器の導入を検討するのもおすすめです。
これを通すことで塩素除去と水質安定が図れます。
アロワナの水槽は何センチが理想?【まとめ】
アロワナは見た目の美しさだけでなく、大きさや泳ぎ方も魅力的な魚ですが、その分しっかりとした水槽管理が求められます。
成長に合わせた適切な水槽サイズの選定、床の耐荷重や排水経路を考えた設置、日常の掃除や水換えといった基本を丁寧にこなすことで、アロワナは長く健康に育ってくれます。
この記事をきっかけに、アロワナが快適に過ごせる水槽環境を整えて、充実したアクアライフを楽しんでください。