
セキセイインコにとっておやつは飼い主との大切なコミュニケーションの手段です。
ただ「どんなおやつを選べばいいの?」「どれくらい与えればいいの?」と迷う飼い主さんも多いはず。
この記事では、主食がシードの場合とペレットの場合での違いやおすすめおやつ、与える際の注意点を詳しく紹介します。
セキセイインコのご褒美のおやつ|主食毎に解説

セキセイインコの主食がシードの場合
主食をシードにしているセキセイインコの場合、ビタミンが不足すると言われています。
ビタミン不足を補うために、おやつをあげるのはセキセイインコにとって良いと思います。
小松菜や豆苗のような野菜や、みかんやりんごといった果物を与えている人が多いようです。
豆苗は種からの水耕栽培も簡単ですし、買ってきたものの再生もとても簡単ですのでおすすめします。
私は7羽のセキセイインコを飼育していましたが、全員が豆苗大好きだったので台所で水耕栽培をしていました。
セキセイインコがわらわらと寄ってきて、プチプチと音を立てながら食べているのを見ているととても癒されました。
くちばしやその周囲の毛が緑色になり、体から豆苗の匂いがしばらく消えないのですが、なぜか幸せな気持ちになりました。
セキセイインコの主食がペレットの場合
主食をペレットにしているセキセイインコの場合、ペレットは総合栄養食なので必要な栄養素は含まれています。
では、おやつはあげてはいけないのでしょうか?
私は、セキセイインコが本来持つ「皮をむいて食べる」習性を満たすためにおやつをあげることはストレス解消になることも含め良いと思います。
極々少量のおやつをコミュニケーションのひとつとして活用する分には、大きな健康被害につながるとは思いません。
野菜や果物の他にも、殻つきのひまわりの種、麻の実、エン麦が比較的喜んで食べてくれるのでおすすめです。
主食がシード、ペレット共に注意点
主食がシード、ペレット共に気を付けなければいけないのは、「与え過ぎない」ということです。
人と一緒で、食べすぎは当然よくありませんよね。
シードには脂質の多いものがありますし、果物には糖分、野菜には水分が多く含まれています。
セキセイインコは自身で1日の食べる量を調整しているように見えますが、個体差によって食いしん坊の子や小食の子もいます。
飼い主が日頃の様子をよく観察し、上手にコントロールしてあげることが大切です。
大きな注意点として、人間用に調理されている食べ物は絶対に与えてはいけません。
また、野菜や果物にもセキセイインコにとって害になるものもあります。
与える前によく調べ、ペットショップや病院でも情報をよく集めてくださいね。
セキセイインコのご褒美のおやつ|種類と与え方

野菜や果物を使った自然派おやつ
セキセイインコにとって最も安心なおやつは、小松菜や豆苗などの葉物野菜、そしてリンゴやみかんなどの果物です。
野菜はビタミンや食物繊維を補う役割があり、果物は嗜好性が高く「特別なご褒美」として使いやすいです。
ただし果物は糖分が多いので、ひと口サイズを週に数回程度に抑えるのが理想です。
穀物系のおやつ
殻つきのエン麦や麻の実、ひまわりの種はセキセイインコが夢中になりやすいおやつです。
特に「殻を割って中身を食べる」という行為は本能的な行動欲求を満たし、ストレス発散にもつながります。
ただし脂質が多いものは肥満の原因になりやすいので、1粒〜2粒を目安にしましょう。
手作りおやつや市販おやつの利用
最近はインコ専用の「シードバー」や「フルーツチップ」なども販売されています。
手作りで人参やカボチャを薄く切って乾燥させた野菜チップスを作る飼い主さんもいます。
市販品を選ぶ際は必ず「添加物・砂糖・塩分が含まれていないもの」を確認してください。人間用のドライフルーツやお菓子は厳禁です。
セキセイインコのご褒美のおやつ|具体的な与え方

小松菜
栄養価の高さと健康効果
小松菜はビタミンA・C・K、カルシウム、鉄分などを豊富に含む緑黄色野菜です。
セキセイインコにとって不足しやすいビタミンやミネラルを補えるため、日常的なおやつや副食としてとても優れています。
特にカルシウムは骨や卵の殻を作るために重要で、産卵期のメスには欠かせません。
生で与える場合
基本的には「生のまま」与えるのが理想です。
加熱による栄養素の損失を避けられるうえ、パリッとした葉の食感を好むセキセイインコも多いです。
よく洗ってから水気を切り、茎の部分ごと差し出すとついばみやすくなります。
ケージにクリップで留めておく方法もおすすめです。
茹でて与える場合
小松菜を茹でると葉が柔らかくなり、雛やシニアのインコでも食べやすくなります。
ただし加熱によってビタミンCなど一部の栄養素は減少します。
与える場合は「お湯でさっと数秒だけ湯通し」する程度にし、必ず冷ましてからあげましょう。
塩を加えたり、人間用に味付けされたものは絶対に与えてはいけません。
豆苗
豆苗の栄養と魅力
豆苗はエンドウ豆の若芽で、ビタミンA・C・E、葉酸、カルシウムなどが豊富に含まれています。
特にビタミンAは視力や皮膚・粘膜の健康を保つのに役立ち、セキセイインコの健康維持に欠かせません。
シャキシャキとした歯ごたえもあり、多くのインコが好んで食べる野菜です。
与え方と工夫
豆苗は生のまま与えるのが基本です。
よく洗ったあと水気を切り、数本ずつ差し出すとセキセイインコが夢中になってついばみます。
ケージに野菜クリップで挟んで設置すると、遊びながら食べることができ、ストレス解消にもつながります。
食べるとくちばしや顔周りが緑色になることがありますが、体に害はありません。
栽培と保存のしやすさ
豆苗は水耕栽培が簡単で、買ってきた豆苗の根を水に浸けておくだけで数回再生できます。
常に新鮮な葉をインコに与えられるため、コストパフォーマンスにも優れています。
ただし、長く水に浸けっぱなしにすると雑菌が繁殖しやすいため、こまめな水替えと清潔な管理が必要です。
みかん
みかんの栄養と効果
みかんにはビタミンCをはじめ、クエン酸や食物繊維が豊富に含まれています。
特に冬場は体調を崩しやすいため、ビタミン補給の一助として少量与えるのは良い効果があります。
みかんの爽やかな酸味と甘味はセキセイインコにとっても魅力的で、好んで食べる子が多い果物のひとつです。
与え方のポイント
みかんは必ず皮をむき、薄皮ごと少量を与えるのが基本です。
果汁が多いため、そのまま差し出すと床や羽が汚れやすいので、小さくちぎって与えるか、果汁を少し指先につけてなめさせるようにすると扱いやすいです。
ケージの中に長時間放置すると傷みやすいので、食べ残しはすぐに取り除きましょう。
りんご
りんごの栄養と魅力
りんごは水分が多く、食物繊維やカリウム、ポリフェノールを含んでいます。
甘味が強すぎずクセも少ないため、セキセイインコが好んで食べやすい果物のひとつです。
特にポリフェノールは抗酸化作用があり、健康維持にも役立ちます。
与え方の工夫
りんごは必ず皮をむき、種を取り除いてから与えましょう。
種には「アミグダリン」というインコに有害な成分が含まれているため、誤って食べさせないよう注意が必要です。
小さくカットした果肉を手から直接差し出すと、コミュニケーションの一環として楽しめます。
すりおろしたりんごをほんの少量与えると、雛やシニアのインコにも食べやすいです。
ひまわりの種
嗜好性が高い特別なおやつ
ひまわりの種はセキセイインコが大好きなおやつの代表格です。
殻を割って中身を食べる行動はインコの本能を満たし、ストレス解消や遊びにもなります。
ご褒美や特別な訓練時に活用すると効果的です。
栄養価と与える量の目安
ひまわりの種は脂質が非常に多く、少量でも高カロリーです。
与えすぎると肥満や脂肪肝のリスクが高まるため、1日に1~2粒程度にとどめるのが理想です。
体力を消耗する繁殖期や換羽期にはエネルギー補給として役立つこともありますが、あくまで「特別なおやつ」として考える必要があります。
与え方の工夫
殻付きのまま与えると、インコが殻を割る楽しみを味わえます。
殻を割る動作そのものが遊びの一環となり、満足感を与えてくれます。
初めて与える場合は殻を少し割ってあげると食べやすいです。
また、保存する際は湿気に注意し、カビや虫が発生していないか必ず確認してください。
バナナ
バナナの栄養と魅力
バナナは糖質が豊富でエネルギー源になりやすく、さらにカリウムやビタミンB群、食物繊維も含まれています。
甘味が強くやわらかいため、セキセイインコにとって食べやすく、特に好む子が多い果物です。
疲れている時や換羽期などの一時的な栄養補給にも役立ちます。
与え方と工夫
バナナは皮をむき、少量を小さくちぎって与えるのが基本です。
やわらかいので雛やシニアのインコでも食べやすく、手から直接与えるとコミュニケーションにもなります。
冷凍して軽く解凍したバナナを夏に少し与えると、暑さ対策にもなります。
いちご
いちごの栄養と魅力
いちごはビタミンCを多く含む果物で、免疫力の維持や皮膚・羽の健康に役立ちます。
さらにポリフェノールや食物繊維も含まれており、抗酸化作用や腸内環境の改善にも期待できます。
甘酸っぱい風味と鮮やかな赤色は、セキセイインコにとって興味を引くおやつになります。
与え方と工夫
いちごは必ずヘタを取り除き、よく洗ってから小さく切って与えます。
果肉を手から差し出したり、細かく刻んで餌皿に入れても構いません。
果汁が多いので床や羽が汚れやすいため、新聞紙やペーパーを敷いておくと掃除が楽になります。
サツマイモ
サツマイモは炭水化物が豊富でエネルギー源になりやすく、さらに食物繊維やビタミンC、カリウムなども含まれています。
柔らかく甘味があるためサツマイモはセキセイインコが好んで食べることも多いおやつです。
ただし糖質が多いため与えすぎには注意が必要で、基本的には「時々与える特別なおやつ」として考えるのが良いでしょう。
与える際は必ず加熱して柔らかくしてから与え、皮の部分もよく洗って調理すれば安心です。
保存状態や調理法によっては注意点もあるため、詳しくは別記事でまとめています。

セキセイインコのご褒美用おやつのおすすめは?【まとめ】
セキセイインコのおやつは、栄養補給やストレス解消、そして飼い主との絆を深めるための大切な役割を果たします。
大事なのは「少量」「安全」「楽しく」の3つ。愛鳥の体調や好みに合わせて上手におやつを取り入れてください。