
セキセイインコは可愛らしく、手の中でウトウトし始めると「一緒に寝たい」と思う飼い主も多いでしょう。
ですが、添い寝は危険を伴います。本記事では危険な理由と、代わりに安心して愛情を伝える方法を紹介します。
セキセイインコの本来の寝る場所と寝る時の姿勢

寝る場所
セキセイインコは夜になると、安心できる場所で眠りにつきます。
多くの場合、ゲージの中の止まり木で眠ることが一般的です。
野生では枝の上で休むため、その習性が飼育下でも引き継がれているのです。
止まり木は足でしっかりと掴む構造になっているため、眠っている間に落ちることはまずありません。
寝るときの姿勢
寝る時の姿勢は特徴的で、羽をふくらませて体温を保ちながら、首を少し後ろに回して背中に顔をうずめるようにします。
片足を体に引き寄せて休めることも多く、この姿勢はリラックスして熟睡している証拠です。
逆に両足で立ったままウトウトしている場合は、まだ浅い眠りの段階にあると考えられます。
眠る環境
また、眠る環境も大切で、静かで暗い場所を好みます。
部屋の明かりがついたままだと熟睡できないことが多いため、カバーをかけてあげると安心して眠りにつけます。
セキセイインコがいつも同じ姿勢で安心して眠っているなら、健康状態も良好だと判断できますよ。
セキセイインコと一緒に寝るのは危険!

セキセイインコは眠くなると羽をぷっくり膨らませて、目もウトウトしてきます。
その姿はとても愛らしく、手の平に乗せていると体温が上がってくるのもわかり、このまま一緒に寝たいなぁと思うと思います。
なぜか手の平でセキセイインコがウトウトしはじめると、飼い主にも眠気が伝染しちゃうのですよね。
あの心地よい温かさや、目のウトウトした感じ、首がすぼまる仕草、どれをとっても愛おしく眠りを誘います。
ですが、セキセイインコと一緒に寝るのはやめましょう。
危険です!
絶対にオススメしません!
セキセイインコと一緒に寝るのが危険な理由についていくつか考えてみます。
セキセイインコと一緒に寝るのは圧死の危険!

飼い主さんがどんなに寝相が良くても、寝ている間は当然意識を自覚していませんから、どんな行動を起こすかわかりません。
寝返りをうたないとしても、腕を動かしたり足を動かしたりはしますよね。
人間の体の仕組み上、寝ている間に動かないということは病気の人以外は基本的にないそうです。
あの小さなセキセイインコの体に、自分の体が乗ってしまったらどうでしょう?
加減をせずに片腕がセキセイインコに命中したらどうでしょう?
考えるほど悲しい結果しか生まれないとは思いませんか?
セキセイインコも生きているのですから、危険からはある程度身を守ると思います。
ですが、せっかくの睡眠時間に野生のように神経を使わせて眠りを浅くさせるなんて、家で安楽に過ごして欲しいはずなのに本末転倒ですよね。
セキセイインコに糞のしつけはできないので不衛生!

セキセイインコを放鳥していると、あちこちに糞を落としていきます。
ゲージの中で止まり木に止まっていると、たいていその下が糞でいっぱいになりますが、決めてしているわけではありません。
一緒に暮らしていると、なんとなく「今する?」ということがわかってくるのですが、基本的にしたい時にしています。
セキセイインコに限らず、鳥は空を飛ぶために体を軽くする必要があるので、糞を体にためておかないそうです。
さて、そういう習性のあるセキセイインコと一緒に寝ると、糞がどうなるでしょう。
布団はもちろん、枕や顔にも・・・
セキセイインコの糞は乾くと粉状になり、鼻や口から吸いこむことは人の体に良いことではありません。
鳥から感染する病気もあります。
ポカーンと口を開けて寝ている時に、口の中に直撃なんて考えてみてください。
セキセイインコと安全にスキンシップする代替方法

一緒に寝るのは危険ですが、安心できる形でスキンシップを楽しむ方法はいくつもあります。
ここでは、セキセイインコにストレスを与えずに愛情を伝える方法を紹介します。
添い寝の代わりに「就寝前の遊び時間」を設ける
どうしても「一緒に寝たい」と感じるときは、その前に短時間の遊びを取り入れましょう。
放鳥して手や肩に止まらせ、体温や羽毛の柔らかさを感じることで十分に癒しを得られます。
こうした時間がセキセイインコの安心にもつながり、寝る前の良い習慣になります。
「おやすみ」の声掛けで安心感を与える
人間の子供と同じように、セキセイインコも「おやすみ」という声掛けを毎日繰り返すことで習慣化しやすくなります。
ゲージにカバーをかけてから優しく声をかけると、インコは「これから休む時間なんだ」と理解し、落ち着いて眠れるようになります。
一緒に眠る代わりに「寝顔を見守る」
セキセイインコは羽をふくらませて眠る姿がとても可愛らしいものです。
安全なゲージの中で眠るインコをそっと眺めることで、添い寝をしなくても心は十分に満たされます。
写真や動画を撮って思い出に残すのもおすすめです。
セキセイインコとの生活は「無理に人間のやり方に合わせる」のではなく、「お互いの安全と健康を守りながら愛情を育む」ことが大切です。
添い寝は叶いませんが、別の形でしっかり信頼関係を築けますよ。
セキセイインコと同じ部屋に寝るのは?

1Rなどでセキセイインコと同じ部屋に寝るしかない場合、それはもう仕方ありませんよね。
セキセイインコの習性を理解しつつ、セキセイインコにも少し環境に慣れてもらい飼い主もなるべくセキセイインコの習性に寄り添えばいいと思います。
同じ部屋に寝る場合、乾燥した糞をなるべく吸い込まないためにも、ゲージはいつも清潔を保ちましょう。
セキセイインコの就寝時間をなるべく同じ時間にし、飼い主が起きていてもゲージにカバーをかけて暗くしてあげてください。
神経質になって「何時に起きる!何時に寝る!」などと決める必要はないですが、大雑把でもいいのでだいたいの眠る時間を決めてあげてください。
私の飼っていたとてもお喋りなセキセイインコは、寝る前に「おやすみ」と声掛けを続けた結果、自分が眠くなると「おやすみ」と繰り返しお喋りするようになってしまいました。
おやすみ前にそのようなコミュニケーションを取って癒され、一緒に寝ることは控えてくださいね。
セキセイインコと一緒に寝るのは危険?【まとめ】
セキセイインコと一緒に寝るのが危険だということが、おわかりいただけたと思います。
小さくて暖かいセキセイインコと眠れたら楽しいでしょう。
ふわふわの羽毛を頬に感じながら眠れるなんて、想像するだけで幸せな気持ちになりますね。
ですが、セキセイインコにとって私たち人間は「巨人」です。
自分のせいで大切なセキセイインコをつぶしてしまったら?
ずっと楽しく生活していきたいのに、セキセイインコと寝たことで不衛生になり自分が病気になってしまったら?
飼い主にとっては一緒に寝るのが嬉しいことでも、セキセイインコにとって大きなストレスになることをするのは私たちにも本望ではありませんよね。
セキセイインコも飼い主も、楽しく幸せな毎日を過ごすために、私たちも我慢するところはして、セキセイインコにも少しだけ私たちの生活に合わせてもらえるように、信頼関係を結んでいきましょう。