
メインクーンは猫の中でも特に体が大きく、筋肉質で活発な猫種です。
その分、食事内容や餌の量にも気をつける必要があります。
「どんな餌を選べばいいの?」「1日の量や餌代はどれくらい?」と迷う飼い主さんも多いでしょう。
この記事では、メインクーンに合う餌の選び方やおすすめ成分、1日の適量、年齢別の与え方、そして実際にかかる餌代の目安までをわかりやすく解説します。
健康で長生きできる体づくりのために、ぜひ参考にしてください。
メインクーンに合う餌の選び方とは?

メインクーンは、筋肉質で大きな体を持つ「大型猫」です。
そのため、一般的な猫よりもエネルギー消費量が多く、関節への負担も大きいのが特徴です。
健康を維持するためには、体格に見合った栄養バランスの良いフード選びが欠かせません。
ここでは、メインクーンにぴったりの餌を選ぶための基本ポイントを紹介します。
高たんぱく・低炭水化物が基本

猫はもともと肉食動物であり、体を維持するためには動物性たんぱく質が欠かせません。
特にメインクーンは筋肉量が多いので、たんぱく質が豊富なフードを選ぶことが大切です。
パッケージの成分表を見るときは、
- たんぱく質含有量が30%以上
- 主原料がチキン・サーモン・ターキーなどの肉や魚
といったポイントをチェックしましょう。
一方、とうもろこしや小麦などの穀物が多いフードは、猫の消化に負担がかかりやすく、肥満の原因にもなります。
「グレインフリー(穀物不使用)」と記載のある製品を選ぶのもおすすめです。
被毛ケアや関節ケア成分も大切

メインクーンは長くて美しい毛並みが特徴です。
被毛をツヤやかに保つには、オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸・ビオチンといった栄養素が重要です。
これらがバランス良く含まれているフードは、毛艶だけでなく皮膚の健康維持にも役立ちます。
また、大型猫であるメインクーンは、関節への負担も大きい傾向にあります。
グルコサミンやコンドロイチン配合のキャットフードを選ぶと、関節の健康をサポートできます。
避けたい原材料(穀物・添加物など)

価格の安いフードの中には、かさ増し目的で穀類や人工添加物が多く使われていることがあります。
これらは猫の体に負担をかけることがあり、長期的には腎臓や肝臓のトラブルの原因にもなりかねません。
避けたい原材料としては、以下のようなものがあります。
- 小麦グルテン、とうもろこし粉、動物性油脂(不明確な表記)
- 着色料・香料・保存料
猫は見た目や匂いではなく味と香りで食べ物を判断するため、人工的な香料は不要です。
できるだけ「自然素材」や「無添加」に近いフードを選ぶことが、メインクーンの健康維持につながります。
年齢別で変わるメインクーンの餌

メインクーンは一般的な猫よりも成長スピードがゆっくりで、成猫になるまでに2〜3年かかります。
そのため、年齢ごとに適したフードを選び、成長段階に合わせた栄養バランスを意識することが大切です。
ここでは、子猫・成猫・シニア猫の3つの時期に分けて解説します。
子猫期(〜1歳):成長を支える高たんぱくフード
メインクーンの子猫期は、体も骨格も急速に成長します。
この時期にたんぱく質や脂質が不足すると、筋肉や骨がしっかり発達せず、後々の健康にも影響します。
選ぶべきは、高たんぱく・高カロリーで消化吸収の良い子猫用フード。
具体的には
- たんぱく質含有量:35〜40%程度
- 良質な脂肪(サーモンオイルなど)を含むもの
- タウリン・カルシウム・DHA配合
これらがポイントです。
また、子猫のうちは胃が小さいため、1日3〜4回に分けて少量ずつ与えるようにしましょう。
成猫期(1〜6歳):筋肉維持と肥満対策
成猫期に入ったメインクーンは体の大きさが完成し、筋肉量がピークを迎えます。
この時期は筋肉を維持しながら体重を増やしすぎないことが重要です。
選ぶべきは、
- 高たんぱく(30%前後)で低脂質なフード
- グルコサミン・コンドロイチンなど関節サポート成分入り
- 被毛ケアに必要なオメガ3脂肪酸配合
肥満防止のため、与える量を計量し、「自由給餌(出しっぱなし)」は避けるようにしましょう。
1日2回の食事を基本に、体重の増減を見ながら量を微調整するのが理想です。
シニア期(7歳〜):関節・腎臓ケアを意識
メインクーンが7歳を過ぎると、代謝が落ち始め、運動量も減っていきます。
この頃からは肥満だけでなく、腎臓病や関節炎の予防を意識したフード選びが欠かせません。
ポイントは、
- ナトリウム・リン控えめの腎臓ケアフード
- 高品質なたんぱく質を適量含む(量より質)
- 関節を守るグルコサミン配合フード
また、ドライフードだけでなく、ウェットタイプを併用して水分補給を意識することも大切です。
飲水量を増やすだけでも腎臓への負担を減らせます。
メインクーンにおすすめのキャットフード

メインクーンの健康を守るうえで、フード選びはとても重要です。
市販されているキャットフードには「メインクーン専用」や「大型猫種向け」などの製品も多くありますが、どれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。
ここでは、栄養バランス・目的・コスパの3つの観点から、おすすめのフードタイプを紹介します。
メインクーン専用フード(ロイヤルカナンなど)
まず有名なのが、ロイヤルカナンのメインクーン専用フードです。
このシリーズは、体の大きいメインクーンの骨格や被毛、心臓・関節への配慮がしっかり考えられています。
特徴は以下の通りです。
- たんぱく質 31%前後で筋肉維持をサポート
- グルコサミン・コンドロイチン配合で関節保護
- タウリン・EPA・DHAで心臓や被毛の健康を維持
- 粒が大きく、ゆっくり噛んで食べる設計
2kgで約4,000円前後と高価ですが、栄養バランスが整っているため、特に純血メインクーンにはおすすめです。
高たんぱく系プレミアムフード
「できるだけ自然に近い食事を与えたい」という飼い主さんには、高たんぱく・グレインフリー系のプレミアムフードが適しています。
代表的なブランドには、
- オリジン(Orijen):85%以上が肉・魚由来成分。穀物不使用。
- アカナ(Acana):放牧鶏・天然魚使用で、消化にもやさしい。
- ファインペッツ:原材料が明確でアレルギーにも配慮。
これらは栄養価が非常に高く、少量でもしっかり栄養を摂取できます。
体格の大きいメインクーンでも、食べ過ぎを防ぎながら健康的な体型を維持できる点が魅力です。
コスパ重視派におすすめの選び方
毎月の餌代を抑えたい場合は、「プレミアムフード × 一般フードのブレンド」がおすすめです。
例えば、
- 朝は栄養重視でプレミアムフード
- 夜は国産の中価格帯フード(例:ピュリナワン、ニュートロなど)
というように組み合わせると、コストを下げつつ栄養バランスを維持できます。
また、定期購入や大容量パックを選ぶことで、1kgあたりの単価を20〜30%ほど抑えることも可能です。
ただし、急な切り替えは胃腸に負担をかけるため、1週間ほどかけて少しずつ混ぜて慣らすようにしましょう。
餌の量と与え方の目安

メインクーンは体格が大きく、1日の食事量も他の猫より多めです。
しかし「たくさん食べる=健康」とは限りません。
体格・年齢・運動量に合わせて、適切な量を与えることが大切です。
ここでは、体重別の目安量・与える回数・食べすぎ防止のコツを紹介します。
体重別の1日あたりの目安量
以下は、ドライフード(一般的なプレミアムタイプ・カロリー約400kcal/100g)を基準とした、メインクーンの1日あたりの目安量です。
| 体重(kg) | 1日の目安量(g) | 目安カロリー(kcal) |
|---|---|---|
| 4〜5kg | 約55〜65g | 約220〜260kcal |
| 6〜7kg | 約70〜85g | 約280〜340kcal |
| 8〜9kg | 約90〜100g | 約360〜400kcal |
| 10kg以上 | 約110g〜 | 約440kcal〜 |
※成猫基準。子猫期は上記よりも1.2倍〜1.4倍、シニア期は0.8倍程度を目安に調整してください。
メインクーンの中には10kgを超える大型個体もいますが、体重が増えるほど関節や内臓への負担も大きくなります。
「ちょっと足りないかな?」くらいが理想的な食事量と覚えておくと良いでしょう。
与える回数とタイミング
基本的に、メインクーンの食事は1日2回(朝・夜)が理想です。
子猫や食の細い子は、3〜4回に分けても構いません。
食後3時間以内に運動をする習慣がある場合は、吐き戻しを防ぐために食後の休憩時間を設けましょう。
また、食事の時間を毎日そろえると、生活リズムが安定してストレスが減ると言われています。
食べすぎ・偏食を防ぐコツ
メインクーンは好奇心旺盛で、食への関心も強めです。
食べすぎや偏食を防ぐには、以下のポイントを意識しましょう。
- フードを常に置きっぱなしにしない(自由給餌はNG)
- おやつは1日カロリーの10%以内に抑える
- 定期的に体重を計り、増減をチェック
- フードの銘柄を急に変えず、少しずつ混ぜて切り替える
また、運動不足も肥満の原因になります。
キャットタワーやおもちゃで日常的に体を動かす時間をつくりましょう。
餌代の目安と節約の工夫

メインクーンは体が大きいぶん、食べる量も多くなります。
そのため「毎月の餌代が思ったより高い…」と感じる飼い主さんも少なくありません。
ここでは、一般的な餌代の目安と、品質を落とさずに節約する方法を紹介します。
1か月あたりの餌代の目安
メインクーンの成猫が1日80g前後のフードを食べる場合、2kgのフードでおよそ25日ほどもちます。
主要ブランドの価格を基準にすると、以下の通りです。
| フードの種類 | 価格(2kg) | 1か月あたりの目安費用 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ロイヤルカナン メインクーン専用 | 約4,000円 | 約4,500〜5,000円 | 栄養バランスが整い、関節ケアにも対応 |
| アカナ/オリジンなどプレミアム系 | 約5,000〜6,000円 | 約5,500〜6,500円 | 高たんぱく・グレインフリーで健康重視 |
| ピュリナワン・ニュートロなど中価格帯 | 約2,500円前後 | 約3,000円 | コスパ重視。嗜好性が高く食いつき◎ |
このほかにウェットフードやおやつを与える場合、+1,000〜2,000円程度を見込むと良いでしょう。
平均すると、1か月あたり4,000〜6,000円前後がメインクーンの餌代の目安です。
プレミアムフードと市販品の比較
プレミアムフードは値段が高い分、消化吸収が良く、毛艶や便の状態が安定しやすいというメリットがあります。
一方で、市販の中価格帯フードは嗜好性が高く、猫が喜びやすいという長所があります。
両者の中間を取るなら、
- 朝は栄養重視のプレミアムフード
- 夜は食いつき重視の市販フード
といったブレンド方式がおすすめです。
栄養を確保しながらコストを抑えることができ、猫の満足度も高まります。
無理なく続ける節約術
フードの質を下げずにコストを抑えるには、次のような工夫が有効です。
- 定期購入・まとめ買いを利用する(割引5〜10%)
- 密閉容器で保存し、湿気や酸化を防ぐ(無駄を減らす)
- ウェットフードを週数回に限定(コストと嗜好性の両立)
- 手作りトッピングで満足感アップ(少量の鶏胸肉など)
また、フードを頻繁に切り替えずに継続することで、腸内環境が安定し、食欲不振や消化不良も起きにくくなります。
結果的に医療費を減らせるため、長期的には節約にもつながるのです。
手作り食やおやつは与えてもいい?

「愛猫の健康のために、手作りごはんを作ってあげたい」
「おやつをあげて仲良くなりたい」
そう思う飼い主さんも多いですが、メインクーンのような大型猫の場合は特に、栄養バランスの崩れに注意が必要です。
ここでは、手作り食の考え方と安全なおやつの与え方を解説します。
手作り餌を与える際の注意点
猫の栄養バランスは非常に繊細で、人間の感覚で作った手作り食では特定の栄養素が欠乏するリスクがあります。
特に不足しやすいのが、
- タウリン(心臓・視覚の健康に必須)
- カルシウムとリンのバランス
- ビタミンA・Eなどの脂溶性ビタミン
これらが欠けると、筋肉や骨格の発達不良・免疫低下・毛並みの悪化などを招く恐れがあります。
完全手作りではなく、総合栄養食のキャットフードに茹でた鶏胸肉や魚をトッピングする“半手作り”スタイル
が安全でおすすめです。
調味料・油・塩分は絶対に加えず、ゆでただけの素材を少量与えるようにしましょう。
安全なおやつの与え方
おやつはコミュニケーションにも役立ちますが、与えすぎは肥満の原因になります。
1日の摂取カロリーの10%以内を目安にしてください。
おすすめなのは、
- フリーズドライの鶏肉やササミ
- 無添加の魚系おやつ(まぐろ・かつお)
- 毛玉ケアや歯磨き効果のある機能性おやつ
反対に、チーズやジャーキー、塩分の多いおやつは避けましょう。
また、おやつを「しつけのご褒美」として活用すると、食べ過ぎを防げます。
与えてはいけない食べ物リスト
人間の食べ物の中には、猫にとって危険なものが多数あります。
特にメインクーンは体が大きくても少量で中毒を起こす可能性があるため、注意が必要です。
| 食材 | 理由・症状 |
|---|---|
| 玉ねぎ・ねぎ類 | 赤血球を壊す。貧血の原因に。 |
| チョコレート | テオブロミン中毒。嘔吐や痙攣を引き起こす。 |
| 生の魚(特に青魚) | ビタミンB1欠乏症を誘発。 |
| 牛乳 | 乳糖不耐症で下痢を起こす。 |
| アボカド | ペルシンによる中毒症状。 |
| 加工肉・ハム | 塩分・添加物過多。腎臓への負担。 |
「少しだけなら大丈夫」という油断が命取りになることもあります。
おやつや手作り食を取り入れる場合は、猫専用の商品に限定しましょう。
メインクーンは食欲旺盛で好奇心も強いため、飼い主の食べ物にも興味を示します。
しかし、与えるもの次第で健康に大きな影響を与えることを忘れず、正しい知識で管理してあげましょう。
水分補給と健康管理のポイント

メインクーンは長毛種で被毛が厚く、体温がこもりやすい猫です。
そのため、水分補給を怠ると腎臓や尿路に負担がかかりやすいという特徴があります。
健康を保つためには、フード選びと同じくらい「水の摂取量」が重要です。
ここでは、メインクーンに適した水分補給の工夫と、健康チェックのポイントを紹介します。
ウェットフードを活用する
ドライフードだけでは十分な水分を摂れません。
ドライフードに少量のウェットフードを混ぜると、食事から自然に水分を摂取できるようになります。
ウェットフードの水分含有量は約75〜80%。
1食のうち1/4〜1/3をウェットタイプにするだけで、1日の水分摂取量が大きく変わります。
また、ウェットフードは香りが強く、食欲が落ちたときの食べムラ改善にも役立ちます。
水分補給と栄養摂取を兼ねた方法としてとてもおすすめです。
自動給水器で飲水量を増やす
猫は「動いている水」を好む傾向があります。
そのため、循環式の自動給水器を使うと、水に興味を示して飲水量が自然に増えます。
また、家の中に2〜3か所に水飲み場を設置するのも効果的です。
場所を変えるだけで猫の気分が変わり、飲む回数が増えることがあります。
さらに、水の温度にも注意が必要です。
冷たすぎる水よりも常温の方が飲みやすく、内臓にもやさしいです。
毎日こまめに交換し、清潔な状態を保ちましょう。
健康チェックとフード切り替えのサイン
メインクーンの健康維持には、食欲・毛艶・排尿・体重の4つを日常的にチェックするのが基本です。
次のような変化が見られたら、フードや生活習慣の見直しが必要です。
- 食欲が落ちた・食べ残しが増えた
- 毛並みがパサついてきた
- トイレの回数が減った、尿が濃い色になった
- 体重が急に増えた/減った
これらは腎臓や肝臓への負担、または栄養バランスの乱れが原因の場合があります。
異常が続くようなら、早めに動物病院で相談し、フードを切り替える判断をしましょう。
水分補給と健康管理は、メインクーンの寿命を延ばすための最も大切なポイントです。
「飲む」「食べる」「出す」の3つを日々観察し、小さな変化を見逃さないことが長生きへの近道になります。
まとめ:食事管理がメインクーンの健康を守る
メインクーンは見た目の通り食欲旺盛で、筋肉質な体を維持するためにしっかり食べる猫種です。
しかし、大きな体を支えるには「量」よりも「質」が重要。
たんぱく質を中心に、関節や被毛をケアできる栄養をしっかり摂ることで、長く健康に過ごすことができます。
また、年齢によって必要なカロリーや成分が変わるため、ライフステージに合わせたフード選びが欠かせません。
体重の増減や毛並み、排尿の様子を観察しながら、定期的に餌の内容を見直すことが理想です。
さらに、食事だけでなく水分補給と適度な運動も健康維持には欠かせません。
腎臓病や肥満を防ぐためにも、ウェットフードや自動給水器を活用して、十分な水を摂らせるよう意識しましょう。
メインクーンの食事管理は、ただの「餌やり」ではなく、愛猫の健康を守る毎日のケアです。
バランスの取れたフード選びと、日々の観察を続けることで、10年以上の長い猫生を元気に過ごしてくれるはずです。