
メインクーンといえば、ふわふわとした長い毛が魅力的な猫ですよね。
その堂々とした見た目に惹かれる一方で、「抜け毛が多そう」「暑い時期は大丈夫?」と心配になる方も多いのではないでしょうか。
実際、メインクーンはシングルコート構造で、一般的な長毛種よりは抜け毛が少ないとされています。
しかし、毛量自体が多いため、少ない=抜けないというわけではありません。
季節の変化や体調、環境によって抜け毛が増えることもあります。
この記事では、メインクーンの被毛の特徴をはじめ、
・抜け毛の量やその理由
・短毛個体の有無
・毛色ごとの特徴
・シャンプーやブラッシングのコツ
・サマーカットによる夏の快適対策
まで、メインクーンの毛に関するすべてをまとめて詳しく解説します。
お手入れのポイントを知っておくことで、1年を通して快適に暮らせる環境を整えられますよ。
メインクーンの抜け毛の量は少ない?

メインクーンの被毛はシングルコートと呼ばれています。
これは毛の層が1層であることを示しています。
ダブルコートの猫と比べると、シングルコートの猫では抜け毛が少ないと言われています。
しかし、1層といってもメインクーンの被毛の量は多いため、抜け毛もそれなりに多いです。
特に換毛期を迎える春や秋では、非常に多くの毛が抜けます。
その時期には洋服やカーテンまで毛だらけになってしまいます。
メインクーンには短毛もいる?被毛の特徴

メインクーンといえば、ふわふわでゴージャスな長毛が特徴です。
その美しい毛並みは飾りではなく、もともと寒い地域で生き抜くための進化によるものです。
原産地は北アメリカ北東部。冬には氷点下まで冷え込む地域でも快適に過ごせるよう、長く厚みのある被毛で体温を保つようになりました。
この毛は防寒だけでなく、防水効果もあり、雪や雨から身を守る役割も果たしています。
一見ダブルコートのように見えますが、実際はシングルコート構造。
それでも毛量が非常に多いため、見た目には重厚感があり、他の長毛種に劣らないボリュームを誇ります。
冬場はよりふっくらとした毛並みになり、夏には自然に抜け落ちて軽やかになります。
短毛のメインクーンはいるの?

純血のメインクーンは、すべてが長毛の個体です。
短毛の子が存在する場合は、他の猫種とのミックス(雑種)であることがほとんどです。
例えば、アメリカンショートヘアやノルウェージャンフォレストキャットなど、短毛寄りの猫と交配された場合、メインクーンの顔つきや体格を保ちながら、毛が短めの子が生まれることがあります。
こうした子は「短毛メインクーン」や「メインクーンミックス」と呼ばれることもあります。
短毛のミックス個体は、毛玉になりにくくお手入れも楽なため、「見た目はメインクーンっぽいけれど、お掃除は簡単」という点で人気があります。
また、異種交配により体が丈夫で病気に強い傾向もあります。
ただし、血統登録される純血種としてのメインクーンはすべて長毛です。
そのため、短毛の個体はあくまで「メインクーンの特徴をもつ猫」として楽しむのがよいでしょう。
毛色ごとの印象と抜け毛の違い

メインクーンの毛色には、ブラウンタビー・レッド・シルバー・クリーム・ブルー・ホワイト・キャリコなど、実に多彩なバリエーションがあります。
なかでも最も人気が高いのは、野生的で力強い印象のブラウンタビー。
一方で、ホワイトやシルバーは上品で神秘的な印象を与えます。

毛色によって抜け毛の量にわずかな違いもあり、一般的にはシルバー系の毛はやや抜けやすい傾向があります。
しかし、それは毛色よりも毛質や生活環境の影響が大きく、抜け毛の量に劇的な差が出るわけではありません。
また、明るい毛色の猫は抜け毛が目立ちやすいという点もあり、黒い衣類やソファなどには白っぽい毛がつきやすいという実感を持つ飼い主さんも多いでしょう。
どの毛色であっても、毎日のブラッシングと月1回のシャンプーで清潔に保つことが、美しい毛並みを維持する一番の秘訣です。
メインクーンの抜け毛対策
毛球症の予防

抜け毛対策として、まず毛のお手入れがあります。
メインクーンをはじめ、猫は自分で毛づくろいをすることができます。
よく被毛をなめているのがそれです。
しかし、飼い猫の場合は毛づくろい以外にも飼い主が手入れを行う必要があります。
あまりに毛を舐めとってしまうと、お腹の中に抜け毛が溜まり、それが毛玉となってしまう毛球症という病気にかかるリスクが高まります。
また、春・秋の換毛期には抜け毛が多くみられますが、最近の家猫は空調の効いた環境に慣れてしまっていて、換毛期がずれたり長引いたりすることがあります。
健康のための温度管理は大切ですが、例えば床に冷却シートやホットカーペットを一部分に設置して冷暖房をオフにするなど、季節の変化を感じてもらうことも抜け毛対策になるそうです。
ブラッシングの方法

被毛のお手入れにはスリッカーブラシやコームを使用します。
方法としてはいろいろな説があり、ブラッシングから行う人もコーミングから行う人もいるようです。
メインクーンの長い被毛は、からまったりもつれたりしやすいです。
ブラシもコームも尾→頭の方向に入れ、少しずつ絡まりやもつれをほどいてあげてください。
一気に多くの毛に行うと、毛が引っ張られて痛みが出ます。
少量の毛をとり、少しずつ丁寧に行いましょう。
また、どちらの道具から行うにしても、仕上げはコームをかけてあげることで良い毛並みを保つことができます。
どうしても痛がってしまってうまくできない場合には、歯ブラシを使ったブラッシング方法もあるそうです。
それなら痛みが少ないため、比較的どの猫ちゃんも受け入れてくれます。
シャンプーの方法と頻度

ふわふわで美しい被毛を保つために、また抜け毛を防ぐためにメインクーンは定期的なシャンプーが欠かせません。
一般的な猫では年に1〜2回程度でも十分ですが、メインクーンは月に1回ほどのシャンプーがおすすめです。
毛量が多いため、汚れや皮脂がたまりやすく、放置すると毛玉やにおいの原因にもなります。
シャンプーの前に準備しておくもの
シャンプーの成功は事前準備にかかっています。
以下のようなアイテムをあらかじめ揃えておきましょう。
- 猫用シャンプー(低刺激・ノンシリコンタイプ)
- リンスまたはコンディショナー
- 洗面器やシャワーヘッド
- 吸水タオル
- ドライヤー(静音タイプ)
特に、ドライヤーは音に敏感な子も多いため、静音モード付きのものを選ぶと安心です。
シャンプーの手順
- ブラッシングで毛玉を取る
洗う前に、もつれをほぐしておくことで洗いやすくなります。 - ぬるま湯で全身を濡らす(37〜38℃)
熱すぎるお湯は皮膚を刺激するため、人肌より少し低い温度が理想です。 - シャンプーで優しく洗う
首まわりから尻尾に向かって泡を伸ばし、毛の根元までしっかり洗います。
顔は濡れタオルで軽く拭くだけでOKです。 - すすぎを念入りに行う
泡が残るとフケやかゆみの原因になるため、時間をかけて丁寧にすすぐのがポイント。 - タオルドライとドライヤー
吸水タオルでしっかり水分をとり、根元まで完全に乾かします。
嫌がる子への対処法
メインクーンは比較的穏やかな性格ですが、水が苦手な子もいます。
そんな時は、ペット用のドライシャンプーや泡タイプのシャンプーを使うと良いでしょう。
また、お風呂場で無理に洗おうとせず、洗面台や脱衣所など狭めの空間で行うと安心感が得られます。
サマーカットで夏を快適に過ごす
牛乳パックと、サマーカットしたカプラン16kg。 #メインクーン pic.twitter.com/NwEHB90VZY
— なんちゃん (@achu_uhca) June 19, 2023
日本の夏は高温多湿。
長毛のメインクーンにとっては、まさに試練の季節です。
冷房を使っていても、厚い被毛の下では熱がこもりやすく、熱中症のリスクもあります。
そんな時に役立つのがサマーカット(夏毛カット)です。
サマーカットの目的と注意点
サマーカットは見た目を楽しむだけでなく、体温調整と被毛の衛生維持が目的です。
ただし、被毛は紫外線や虫から体を守る役割もあるため、全身を短く刈るのは避けましょう。
特にお腹や背中を短くしすぎると、日焼けや皮膚炎を起こすこともあります。
安全に行うなら「お腹まわりや内ももなど、蒸れやすい部分を軽く整える」程度が理想です。
カットは春〜初夏(5〜7月)限定にとどめ、秋以降は自然に毛が伸びるようにしてあげましょう。
ライオンカットのスタイルとやり方
メインクーンのサマーカットで人気なのが、ライオンカットと呼ばれるスタイル。
顔まわりとしっぽの先端の毛を残し、胴体部分を短くカットすることで、小さなライオンのような姿になります。
自宅で行う場合は、次のように進めると安全です。
- バリカンはペット用を使用(人間用は振動・音が強すぎる)
- 背中→お腹の順に、毛の流れに沿って少しずつ刈る
- 嫌がったらすぐ中断し、日を分けて行う
- 最後に軽くブラッシングして毛並みを整える
シャンプー後の乾いたタイミングで行うと、毛の絡まりが少なくスムーズです。
サマーカットを嫌がる子への対応
メインクーンは穏やかな性格ですが、音や振動に敏感な子もいます。
初めてのカットでは無理に行わず、一度バリカンを近くで動かして慣らすところから始めましょう。
また、短時間で終わる範囲だけ整える「部分カット」でも十分に快適になります。
もしどうしても難しい場合は、動物病院併設のトリミングサロンに相談すると安心です。
ただし、猫の場合は全身麻酔が必要な施設もあるため、事前確認は必須です。
室温・湿度のコントロールで抜け毛を防ぐ

猫は気温や湿度の変化を敏感に感じ取ります。
エアコンの効いた室内では、体が「常に換毛期」と勘違いしてしまうこともあります。
理想的な室温は20〜25℃、湿度は50〜60%程度。
冷暖房を使いすぎず、季節を感じられる環境を作ることで、無駄な抜け毛を減らせます。
また、加湿器や除湿機を活用することで毛の乾燥や皮膚トラブルも防げます。

食事による被毛ケアも効果的

被毛の健康は、食事内容にも深く関係しています。
特にオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)やビオチン、タンパク質が不足すると、毛が細く抜けやすくなります。
市販フードを選ぶ際は「皮膚と被毛の健康をサポート」と記載されたものや、サーモン・チキンベースの高たんぱくフードを選ぶと良いでしょう。
また、毛玉ケア用フードも毛球症対策と同時に被毛維持に役立ちます。

静電気対策で抜け毛を減らす

冬場の静電気は、メインクーンの長毛にとって大敵です。
ブラッシングの際には静電気防止スプレーや天然オイル入りのブラシを使うと、毛の広がりや絡まりを抑えられます。
また、加湿器を使用して部屋の湿度を保つことも有効です。
静電気を防げば、抜け毛が家具や衣類にまとわりつくのも減ります。
メインクーンの抜け毛は多い?【まとめ】
メインクーンの被毛は長く立派ですが、シングルコートゆえの繊細さもあります。
季節や環境に合わせてブラッシング・シャンプー・サマーカットを組み合わせることで、抜け毛の悩みを減らし、美しい毛並みを一年中保てます。