
イタリアングレーハウンドは見た目の優雅さからは想像できないほどのスピードとジャンプ力を秘めています。
本記事では、その速さの秘密と、安全に運動能力を引き出すための方法を紹介します。
イタリアングレーハウンドの足の速さは時速55㎞

イタリアングレーハウンドも属するサイトハウンドグループは、視力と足腰がとても優れており、獲物を追跡して捕獲することに特化した犬種です。
サイトハウンドグループに属する犬種は以下の11種類。
・ボルゾイ
・サルーキ
・スルーギ
・ウィペット
・アフガンハウンド
・イタリアングレーハウンド
・スパニッシュグレーハウンド
・ディアハウンド
・アイリッシュウルフハウンド
・アザワク
イタリアングレーハウンドの祖先であるグレーハウンドは、犬の中でも最速で時速70㎞に達すると言われています。
人類最速のウサイン・ボルトが時速約37㎞ですから、その倍近い速さです。
小型のイタグレでも全力疾走では時速55㎞ほど。まるで車並みのスピードですね。
この速さの秘密は「ダブルサスペンションギャロップ」というチーターと同じ走り方にあります。
背中をバネのようにしならせ、四肢を同時に動かすことで驚くほどの加速を生み出します。
我が家のイタグレ2匹も普段はおっとりしていますが、ドッグランで走る姿はまさにしなやか。
軽く流しているように見えても、目で追うのがやっとの速さです。
イタリアングレーハウンドのジャンプ力は?

サイトハウンド系の犬種は狩猟能力に優れ、ジャンプ力も抜群です。
ギネス記録ではグレーハウンドが172.7㎝を跳んだ例もあり、人の背丈を軽々と超える高さです。
イタリアングレーハウンドの正確な数値は不明ですが、我が家のイタグレは私のみぞおち(約1m)までジャンプしてきたことがあります。
あまりの勢いに思わずキャッチしましたが、もし落ちていたら骨折していたかもしれません。
それほどイタグレの跳躍力は驚異的なのです。
イタグレの速さを引き出す運動法
室内だけでは足りない?理想的な運動量と頻度

イタリアングレーハウンドは一見おとなしく見えますが、筋肉の質はスプリンター型です。
そのため、1日1回の短い散歩だけでは運動不足になりやすく、筋力が衰えるとケガのリスクも上がります。
理想は1日2回・合計1時間程度の運動。
特に「全力で走る時間(5〜10分でもOK)」を週に数回取り入れることで、持久力と関節の柔軟性を維持できます。
ただし、アスファルトの上は足への負担が大きいため、芝生や土のドッグランが最適です。
ジャンプ力を活かす遊び方と注意点

高いジャンプ力をもつイタグレには、上下運動を取り入れた遊びが効果的です。
たとえば、低めの段差を使った「段差ジャンプ」や、ロープトイを上下に動かしての「跳躍遊び」など。
ただし、1m以上の高さの障害物は避け、着地面には滑りにくいマットを敷きましょう。
繰り返しのジャンプで関節に負担がかかるため、無理をさせず休憩を挟むのもポイントです。
スピードを活かす競技やスポーツへの挑戦

イタグレの運動神経を活かすなら、ルアーコーシング(疑似獲物を追う競技)やドッグランレースへの参加もおすすめです。
どちらも「走りたい本能」を満たしつつ、安全な環境で全力ダッシュを体験できます。
特にルアーコーシングは、飼い主と愛犬の絆が深まるスポーツとして注目されており、各地で愛好会が活動しています。
初めて参加する際は、筋肉を十分にほぐし、ウォームアップを忘れずに行いましょう。
イタリアングレーハウンドの運動神経が抜群!それゆえに注意点も…?
上でも説明してきたように、サイトハウンド系に属するイタリアングレーハウンドは運動神経が抜群!走りでも、ジャンプ力でもピカイチです!
しかし、運動神経が抜群な故に、一緒に生活するにはいくつかの注意点もあります。
それでは注意点をご説明していきますね。
骨折には十分に注意!

イタリアングレーハウンドは特有の細身の体型をしていますよね。
走る・ジャンプするには特化した体型ではありますが、中にはジャンプの着地に失敗してしまうドジな子も多いと言われています。
高いジャンプ力でジャンプするのに、着地に失敗すると、間違いなくあの細い脚は折れてしまいますよね。
イタリアングレーハウンドは元々骨が細いため、骨折の治療が出来ない場合もあります。
治療がかろうじて出来たとしても、癒合がうまくいかずに捻じれて引っ付いてしまうことなどもあり、歩行障害を残してしまう子も多いようです。
そのため、イタグレがいる部屋にはマットを敷いたり、ソファーには上がらないようにしつけるなどの対策が必要になります。
小型犬の割に運動量が必要

小型犬と言えばあまり運動量がいらないイメージをもっている人も多いのではないでしょうか?
イタリアングレーハウンドは、元々の素質もあって、意外と運動量が必要になってきます。
我が家では、毎日朝晩の散歩とドッグランに行くことで運動量を補っていますが、現在は7歳と5歳という年齢だからこそ、それで足りていると思っています。
成犬になるまでは、散歩の距離や時間も多かったですし、ドッグランで走り回る時間も今よりは長かったです。
「小型犬だから楽に飼える」なんて思わないようにしましょう。
必要な運動量が足りてないと、神経質で繊細なイタリアングレーハウンドは体調を崩したり、問題行動に出やすくなると言われています。
イタグレの理想的な散歩スタイル

イタリアングレーハウンドはスリムな見た目に反して、筋肉質で瞬発力に優れた犬種です。
走ることに特化しているため、他の小型犬よりも多めの運動が必要になります。
とはいえ、長時間ダラダラ歩かせるよりも、短時間でも集中して走る時間を作るほうが向いています。
1日2回、朝と夕方にそれぞれ30分ほどの散歩を目安にし、途中で軽く走らせてあげると良いでしょう。
ドッグランなど安全に走れる環境があれば、週に1〜2回は全力疾走させるのもおすすめです。
しなやかな筋肉を維持できるだけでなく、ストレス解消にもつながります。
ただしイタグレは骨が細く、ジャンプや着地の失敗で骨折することもあります。
滑りやすい地面や段差のある場所ではスピードを抑え、芝生や土の地面を選ぶのが理想的です。
寒さにも弱い犬種なので、冬場の散歩では防寒ウェアを着せてあげてください。
逆に真夏はアスファルトの温度が高くなるため、早朝か夕方の涼しい時間を選ぶのが安全です。
無理なく楽しめるペースを見つけて、イタグレ本来のスピードと優雅な動きを引き出してあげましょう。
イタリアングレーハウンドの速さ【まとめ】
イタグレの魅力は、スピードとしなやかさが融合した美しい動きにあります。
ケガのリスクを防ぎながら、ドッグランや遊びの中でその才能を存分に発揮させてあげましょう。