
小赤を長年飼育していると、「この子たちを繁殖させてみたい」と考える方も多いでしょう。
実際に小赤は条件が揃えば産卵しますが、稚魚を育てるには水質管理やスペース確保など想像以上に大変な点があります。
この記事では、小赤の繁殖の流れと育て方に加え、知っておきたい注意点や現実的な課題も詳しく解説します。
小赤を繁殖させる方法

小赤は条件が整えば家庭の水槽でも繁殖が可能です。
ただし、無計画に行うと卵や稚魚が全滅したり、水槽が一気に過密状態になるリスクもあるため、事前に流れを理解して準備しておくことが大切です。
生後2年経過した成熟個体になると繁殖が可能
まず、小赤は生後2年ほど経ち成熟した個体でなければ繁殖しません。
繁殖期は春から夏にかけて、水温が20℃以上に安定している頃です。
オスとメスを見極めてペアをつくり、繁殖用に広めの水槽を用意しましょう。
産卵床を入れておくと卵が産みつけられやすい
水槽には産卵用の水草やスポンジ状の人工産卵床を入れておくと、卵が産みつけられやすくなります。
産卵が始まると、オスがメスをしきりに追い回し、体を擦りつけるような行動を見せます。
メスが卵を放出すると、オスがすぐに精子をかけて受精します。
受精後は卵から親魚を隔離
卵は水草や産卵床に粘着するため、これをそのまま稚魚用の水槽に移すか、逆に親魚を移して分けるようにしてください。
親は卵を食べてしまうため、同じ水槽に残しておくのは厳禁です。
1週間程で孵化
卵は水温や環境によって数日〜1週間ほどでふ化します。
ふ化直後の稚魚はヨークサックと呼ばれる栄養を体内に持っているので、すぐに餌を与える必要はありません。
2〜3日経ち遊泳を始めたら、市販の稚魚用粉末餌やゾウリムシ・ブラインシュリンプなどの生餌を与えて育てていきます。
小赤の稚魚の育て方
小赤が産卵したのを確認できたら、たまごと親の小赤を離します。
親がたまごを食べてしまうので、たまごと親は、別々にしましょう。
注意ポイント
たまごは1回の産卵で、かなりの量です。
この時、たまごを別容器に移してしまうと、水質、水温、環境が変わるため、ふ化するたまごの数が減る可能性があります。
稚魚になるたまごが減る可能性があるのです。
別容器に移すのは、親の小赤を移すほうが、良いです。
稚魚が生まれたら?
小さい小さい数ミリほどの稚魚が生まれます。(かわいい♡)
筆者は、小赤なのに?!黒いじゃないか?!
と、驚いてしまいましたが。
小赤は大人になると、赤い小さい金魚ということで、小赤とよびます。
ですが、小赤の稚魚は、黒っぽい色をしています。(笑)
大きさ、見た目は、メダカの稚魚と変わらないです。(笑)
生まれた姿はびっくりしますが、ちゃんと、小赤の稚魚です。
稚魚がうまれた生後2~3日経った頃から、餌やりを始めてください。
口に入る大きさの粉タイプであれば食べてくれるので、様子をみながら与えて見てください。
小赤を繁殖させる際の注意点と現実的な課題

小赤は比較的繁殖しやすい金魚ですが、実際に家庭で繁殖を試みると多くの課題に直面します。
ここでは、繁殖を考えている飼育者が押さえておくべき現実的な注意点をまとめます。
稚魚の生存率は決して高くない
小赤は1回の産卵で100〜500個の卵を産みますが、そのすべてが稚魚になるわけではありません。
水質や温度のわずかな変化で多くが死んでしまい、実際に成魚まで育つのはごく一部です。
自然淘汰が働くため、最終的に10〜20匹程度しか残らないことも珍しくありません。
遺伝的に雑種が多く親の姿を引き継がない
小赤はもともと和金やコメットなどの余剰個体が流通名としてまとめられた存在です。
そのため、繁殖しても「親そっくりの小赤」になるとは限りません。
尾びれの形や体色にバリエーションが出やすく、時に鯉のような特徴を持つ個体が混ざることもあります。
見た目の固定性は低いことを理解しておきましょう。
飼育スペースの確保が必須
繁殖が成功すると数十匹以上の稚魚が一度に生まれます。
小型水槽1つではとても収まりきらず、成長に伴い水質悪化も進みやすくなります。
稚魚用の小分け容器や育成用水槽を複数用意するなど、十分なスペースと設備をあらかじめ整えておくことが重要です。
小赤を繁殖させる方法【まとめ】
小赤は成長すれば産卵可能ですが、稚魚を成魚まで育てるには高い水質管理と十分な飼育環境が求められます。
繁殖を試みる前に、卵や稚魚の数、スペースや世話の負担を現実的に考えることが大切です。
小赤の繁殖に挑戦する際は、事前準備をしっかり整え、楽しみながら計画的に進めていきましょう。
他の金魚記事も参考にして、より良い飼育環境を整えてください。