
水槽のコケ掃除で頼りになるオトシンクルス。
実はナマズの仲間で夜行性の性質があります。
では、昼間はどう過ごしているのか、睡眠時間はどれくらいなのか気になりますよね。
本記事では、オトシンクルスの夜行性や睡眠、苔取り能力、さらに夜間観察のコツまで詳しく解説します。
オトシンクルスはこんな魚

コケ取り魚として古くから親しまれているオトシンクルスですが、実はナマズの仲間です。
プレコやロリカリアの仲間に近縁で、口の形などはそっくりです。
全長は最大で4センチ程度と小型で、明るい褐色に焦げ茶色のラインが入ったツートーンカラーの体色が特徴です。
「オトシンクルス」というのは厳密にはこの仲間のグループ名で、特定の種を指す言葉ではありません。
よく流通するのは「オトシンクルス・ヴィッタートゥス」という種ですが、時折違う種が混ざっていました。
近年ではこの仲間の魅力が見直され、オトシン・ネグロやゼブラオトシンのようにある程度固定化されて流通している種もいます。
主食はコケで、水草を食害することもなくとてもありがたい魚なのですが、コケが少ない環境で人工飼料を使って飼育するのは意外と難しく、長期飼育となるとちょっと身構えてしまう魚でもあります。
オトシンクルスは夜行性?

プレコやロリカリアに近縁ということもあり、オトシンクルスも基本的に夜行性です。
昼間の明るい時間より、照明を落とした後の方が、活発に動き回っている様子が観察できます。
ただし、そこまで厳密な夜行性というわけでもなく、飼育環境に慣れれば明るくても活発に活動するようになります。
本来夜行性の魚が昼間にも活発に活動していると、いったいいつ寝ているのか気になるところかもしれません。
そもそも、魚の仲間は人間のようにまとまった睡眠時間をとることはありません。
自然界では、いつなんどき天敵に襲われるかわからないためです。
人間でいえばうたた寝のような状態で睡眠をとり、ふたたび活動します。
そのため、見かけ上は眠っていないようにも見えるのです。
熱帯魚全体では夜行性は少数派

熱帯魚といっても、すべてが夜行性というわけではありません。
実は観賞魚としてよく見かける種類の多くは昼間に活動する昼行性です。
ネオンテトラやカージナルテトラなどのカラシン類、エンゼルフィッシュ、グラミー、アフリカンシクリッドなどは昼間に泳ぎ回るため、観賞もしやすく飼育にも人気があります。
一方で、夜行性が多いのはナマズ類やローチ類、プレコなど。
これらは天敵を避けたり、夜間に動き出す餌を探すため、暗い時間帯に活発に行動します。
オトシンクルスはナマズの仲間であるため基本は夜行性ですが、飼育環境に慣れると昼間も活動するようになるのが特徴です。
夜行性のオトシンクルスを観察するコツ
オトシンクルスは基本的に夜行性の性質を持っていますが、昼間でも活動する姿が見られることがあります。
それでも、夜間により活発な動きを見たい場合にはちょっとした工夫が有効です。
まず、照明のオンオフ時間を固定して、昼夜のサイクルを安定させることが大切です。
暗くなった直後は警戒心が薄れやすく、動きが活発になる時間帯です。
観察するならこのタイミングがおすすめです。
また、夜間の観察には赤色LEDライトが便利です。
赤い光は魚に認識されにくく、明るい光に驚かせることなく自然な行動を観察できます。
青色や白色のライトよりも負担が少ないため、オトシンクルスの行動を邪魔せずに楽しめます。
こうした方法を取り入れることで、夜行性ならではの行動を安全に観察でき、飼育の楽しみがさらに広がります。
オトシンクルスは夜行性だと苔取りも夜に行われるのか?
オトシンクルスは基本的に夜行性の性質を持っているため、「苔取りも夜だけ行っているのでは?」と思うかもしれません。
実際には、苔取りは昼夜を問わず行われます。これは、オトシンクルスが特定の時間にまとめて食事をする魚ではなく、常に少しずつ口を動かして餌を食べる性質を持っているためです。
夜間は外敵が少なく落ち着いて動けるため、より活発になることがありますが、飼育環境下では照明がついている昼間でも苔を食べ続けます。
特に水槽内に十分な苔がある場合は、時間帯に関係なく動き回りながら表面をこそげ落としています。
余談ですが、オトシンクルスが得意とするのは、ガラス面や流木表面にべったりと広がるタイプのコケです。
一方で、糸状やひげ状のコケは苦手でほとんど食べません。こういったタイプのコケには、ヤマトヌマエビなどエビ類のほうが向いています。
オトシンクルスとエビ類を組み合わせると、より幅広いコケ対策が可能になります。
オトシンネグロも夜行性なの?

オトシンネグロも、オトシンクルスと同じくナマズの仲間で、基本的には夜行性の性質を持っています。
暗い時間帯のほうが落ち着いて動き回り、餌を探す行動が活発になります。
ただし、オトシンネグロも飼育環境に順応しやすい性質があり、水槽環境や照明に慣れてくると昼間でも動き回るようになります。
特に水槽内で外敵の心配がない場合、昼夜問わず活動が見られます。
また、オトシンネグロも苔を主食とするため、照明が点いている時間帯にもガラス面や流木表面で口を動かし続けます。
夜間のほうが行動は増えますが、苔取り作業は昼夜を問わず行われます。
オトシンクルス同様、観察のタイミングとしては消灯直後や部屋を暗くした時間帯が最も活発な様子を見やすく、赤色LEDライトを使えばストレスを与えずに自然な行動を確認できます。
オトシンクルスは夜行性で睡眠時間はどの位?【まとめ】
オトシンクルスはナマズの仲間らしく夜行性ですが、飼育環境に慣れると昼間も活動します。
睡眠は人間のようにまとまった時間ではなく、短時間をこまめに繰り返します。
苔取り能力も優秀ですが、得意なコケと不得意なコケがあるため、他の生体と組み合わせると効果的です。
夜間は赤色LEDなどを活用すれば、自然な姿を観察できます。