
ポリプテルス・アンソルギーは、古代魚らしい迫力ある姿と穏やかな性格で人気の高いポリプテルスの一種です。
体色は落ち着いたオリーブグリーンから褐色を基調とし、模様の入り方に個体差があるのが特徴です。
エンドリケリーやデルヘッジと並んで大型種に分類され、アクアリストから「幻のポリプ」と呼ばれることもあります。
この記事では、アンソルギーの特徴・最大サイズ・他種との違い・飼育方法について詳しく解説します。
ポリプテルス・アンソルギーとは?

ポリプテルス・アンソルギー(学名:Polypterus ansorgii)は、西アフリカのギニアやナイジェリアに生息する大型の古代魚です。
硬い鱗と原始的な胸びれを持ち、水面から空気呼吸もできるという独特な特徴を持っています。
体色はオリーブグリーンや褐色をベースに、不規則なバンド模様やまだら模様が入り、個体ごとに模様の出方が異なるのも魅力のひとつです。
観賞魚としては流通量が少なく、エンドリケリーやデルヘッジと比べても珍しい存在です。
そのためショップに並ぶことはあまりなく、ポリプテルス愛好家の間では「レア種」として扱われています。
大きく育つポリプテルスのなかでも特に迫力があり、コレクション性の高さから人気を集めています。
最大サイズと寿命
ギニア・コリバ川産
— アクアショップしなの (@aqua0015) September 29, 2018
ポリプテルス・アンソルギー
約75cm
価格応談
でかいアンソルギーどうですか?よく泳ぎます。《ディー 》 pic.twitter.com/7LHd04WwTr
ポリプテルス・アンソルギーは、ポリプテルス属の中でも大型に成長する種類です。
成魚になると 全長70cm前後 に達し、飼育下でも60cm以上に育つ個体が多く見られます。
特に幼魚期は成長が早く、1年ほどで30cmを超える場合もあります。
そのため、小型水槽での長期飼育は難しく、将来的には大型水槽が必須となります。
寿命は環境が整っていれば 10年以上 生きるとされ、なかには15年以上飼育された記録もあります。
長生きさせるためには、清浄な水質の維持や十分な広さの確保、そして偏りのない餌やりが重要です。
大型に育ちやすく長命な性質から、飼い始める際には将来のサイズと飼育設備を見据えた計画が必要になります。
性格と他種との違い

ポリプテルス・アンソルギーの性格は、一般的に穏やかでおとなしい部類に入ります。
縄張り意識はそこまで強くなく、同種や他種との混泳も比較的しやすいといわれています。
ただし肉食魚であることに変わりはないため、自分の口に入るサイズの小魚は捕食してしまう可能性があります。
混泳を考える場合は、同等以上のサイズ感を持つ魚種を選ぶのが安心です。
他のポリプテルスと比べたとき、アンソルギーは 体型や模様 に特徴があります。
エンドリケリーと並んで大型に育つ点は共通していますが、アンソルギーの方がバンド模様がはっきりしやすく、全体的にワイルドな印象を与えます。

デルヘッジと比べると色合いは地味ですが、その渋い体色こそがマニアに好まれる理由でもあります。

また、セネガルスのような小型種と違い、成長すると迫力ある存在感を示すため、ポリプテルス飼育に慣れた中〜上級者向けといえるでしょう。

ポリプテルス・アンソルギーの飼育
水槽サイズ

ポリプテルス・アンソルギーは大型に育つため、将来的なサイズを見越した水槽選びが欠かせません。
幼魚のうちは60cm水槽でも飼育可能ですが、成長が早いため数か月〜1年ほどで手狭になります。
成魚では最低でも90cm水槽、できれば120cm以上の大型水槽を用意するのが望ましいです。
水槽レイアウトは、底に流木や岩を配置して隠れ家をつくってあげると安心して過ごします。
ただし大きく成長するにつれて狭い隙間に入り込むことは危険なので、十分な広さと強度のあるレイアウトを心がける必要があります。
底砂は敷いても敷かなくても飼育は可能ですが、体表を傷つけないように細かい砂利や大磯砂を選ぶのが無難です。
また、飛び出し事故を防ぐために水槽にはしっかりとフタをすることが必須条件です。
アンソルギーは空気呼吸を行うために水面に上がる習性があり、その勢いで外に飛び出してしまうことがあるからです。
餌と与え方

ポリプテルス・アンソルギーは肉食性の強い魚で、幼魚期から成魚まで動物性の餌を好みます。
人工飼料にも慣れやすく、市販されている大型肉食魚用のペレットを主食として与えるのが基本です。
人工飼料に慣れれば栄養バランスを取りやすく、健康的に長く飼育できます。
補助食としては、冷凍赤虫やクリル、小魚(ドジョウ・メダカなど)、エビ類を与えると食いつきが良くなります。
ただし、生き餌ばかりに偏ると栄養が偏ったり、寄生虫や病気を持ち込むリスクもあるため、あくまで補助的に利用するのが安心です。
給餌の頻度は、幼魚期には1日2回、成魚になれば1日1回程度で十分です。
残餌が多いと水質悪化につながるため、与える量は数分で食べきれる程度を目安にしましょう。
大食漢なイメージのあるアンソルギーですが、与えすぎよりも適量を守ることが健康維持には欠かせません。
注意点と病気対策

ポリプテルス・アンソルギーを健康に育てるためには、まず 水質管理 が重要です。
大型魚は排泄量が多く、水がすぐに汚れてしまいます。
ろ過能力の高いフィルターを使用し、定期的な水換えを行うことでアンモニアや亜硝酸の蓄積を防ぐ必要があります。
特に水質が悪化すると体表がただれたり、ヒレが溶ける病気にかかりやすくなるため注意が必要です。
また、アンソルギーは空気呼吸をするために水面に上がる習性がありますが、その際に水槽から 飛び出してしまう事故 が少なくありません。
必ずフタをしっかり閉め、隙間のない状態を維持しましょう。飛び出しは命に直結するため、最も注意すべきポイントのひとつです。
病気に関しては、白点病やカラムナリス症など一般的な淡水魚に見られる病気にかかる可能性があります。
特に水温変化やストレスが引き金となりやすいため、安定した環境づくりが最大の予防策です。
さらに、導入時に新しい魚や生き餌から寄生虫を持ち込むリスクもあるので、可能であれば検疫水槽を用意すると安心です。
FAQ|ポリプテルス・アンソルギーに関するよくある質問

まとめ
ポリプテルス・アンソルギーは、西アフリカ原産の大型ポリプテルスで、落ち着いた体色とワイルドな模様が魅力の古代魚です。
最大で70cm近くに成長し、寿命も10年以上と長生きするため、飼育には大きな水槽と長期的な計画が必要になります。
性格は比較的穏やかで、同サイズ以上の魚とは混泳も可能ですが、小型魚を捕食してしまう点には注意が必要です。
人工飼料にも慣れやすく、餌の管理はしやすい反面、水質の悪化や飛び出し事故には十分な対策が欠かせません。
希少性の高さから入手は容易ではありませんが、その迫力ある姿と存在感は他のポリプテルスにはない特別な魅力があります。
中〜上級者のアクアリストにとって、まさに「飼育する喜びを味わえる一匹」といえるでしょう。