
ネザーランドドワーフを飼うと「部屋が臭いのでは?」と気になる方も多いでしょう。
実際には体臭はほぼ無臭で、匂いの正体はおしっこやマーキングによるものです。
ここでは原因と具体的な対策、さらに季節や部屋の環境による匂いの違いについても詳しく解説します。
ネザーランドドワーフの匂いは臭い?

ネザーランドドワーフのように毛がもふもふの動物は、なんだか臭いがするようなイメージがありますよね。
実はネザーランドドワーフを始めとするうさぎは体臭がほとんどなく、無臭と言っても過言ではないくらいです。
感じ方は人それぞれですが、ほとんどの人が「たんぽぽの臭い」「晴れた日の草原の香り」など、良いにおいで表現しています。
しかし肛門の近くには臭腺という場所があり、その分泌液が毛に絡まって固まると、ネザーランドドワーフからツンとする独特の臭いがすることがあります。
ネザーランドドワーフの部屋が臭いのはフンのせい?

ネザーランドドワーフの体がいくら無臭でも、ネザーランドドワーフを飼っている部屋がなんだか少し臭うことがありますよね。
通常、何か臭うときにはフンを疑いますが、うさぎの糞は2種類あり、硬くてコロコロしたフンと、盲腸便と言われるうさぎがお尻に直接口をつけて食べるフンがあります。
うさぎの場合は主食が牧草で、硬くてコロコロしたフンは繊維質が多いためあまり臭いません。

そのため、部屋の中を散歩させている際にネザーランドドワーフがしてしまったフンを素手で拾ってしまう飼い主さんもいるほどです。
食べ残した盲腸便の場合は、コロコロの硬い便よりは臭いがしますが、相当放置をしない限りはそのせいで部屋中が臭いがきつくなるということはありません。
うさぎのフンが臭う場合、体長が悪くて下痢をしている場合がありますので、フンの形状をチェックしておきましょう。
ネザーランドドワーフ匂いの正体は「おしっこ」と「マーキング」

ネザーランドドワーフがいる部屋の匂いが気になる場合は、おしっこが原因の場合、マーキングが原因の場合の2つの原因が考えられます。
おしっこが原因の場合
うさぎのおしっこは人間と同様、アンモニア臭がします。
また、カルシウムが多く含まれているため、尿石となってトイレにこびりつきやすいと言われています。
この尿石がトイレにこびりついてしまうと、さらに尿臭が強くなってしまいます。
マーキングが原因の場合
うさぎはアゴと肛門の横に臭腺を持ち、産んだ子どもに顎を擦り付けてマーキングをしたり、オスの場合はおしっこを飛ばすことで自分の縄張りを主張することがあります。
このマーキング時の臭いはアーモンドのような香ばしいにおいがすると言われており、部屋の中に充満しやすい匂いになっています。
さらに、体臭と一緒で個体によって匂いの濃さは全くちがい、大人や赤ちゃんに比べて思春期の個体のほうが臭いがアーモンドのような匂いや玉ねぎのような臭いがすることがあります。
餌の腐敗による匂いについて
牧草の匂い
牧草は基本的に乾燥しているため、すぐには腐敗しません。
ただし湿気が多い場所に置いていたり、水入れの水がかかってカビが生えたりすると、独特の酸っぱい匂いやカビ臭が出ます。
特に梅雨時や夏場は注意が必要です。
ペレットの匂い
ペレットは開封後、湿度や温度の影響を受けやすく、酸化したりカビが発生したりするとツンとした臭いを放ちます。
長期間放置すると食欲不振や健康被害にもつながるため、開封後は密閉容器に入れて早めに使い切ることが大切です。
野菜の匂い
最も強い臭いを発しやすいのが野菜です。
特に水分が多い葉物野菜(キャベツ・レタスなど)は、数時間放置するとしんなりして嫌な臭いを出し、夏場は半日もすれば腐敗臭になります。
食べ残した野菜は必ずその日のうちに片付けましょう。
腐敗臭を防ぐための工夫
- 食べ残しはその都度すぐに片付ける
- 牧草は清潔な容器に入れて、湿気がこもらないようにする
- ペレットは小分け保存して鮮度を保つ
- 野菜は必要な量だけ与えて余らせない
季節や環境によるネザーランドドワーフの匂いの変化とは?

夏場に匂いが強くなる理由
夏は気温や湿度が高いため、おしっこのアンモニア臭やマーキングのにおいがこもりやすくなります。
さらに高温で尿石が乾燥して固着しやすく、掃除を怠ると匂いが強くなる傾向にあります。
特にエアコンを使わずに締め切った部屋では、においが倍増しやすいので換気や除湿が重要です。
冬場でも匂いに注意すべき点
冬は空気が乾燥しているため匂いが拡散しにくいのですが、暖房を使用すると部屋の空気が循環しにくく、トイレ周辺のにおいが強く感じられることがあります。
また、寒さで水分摂取量が減りおしっこが濃くなることで、アンモニア臭が強まる場合もあります。
部屋の環境と匂いの関係
部屋の広さや換気状況によっても匂いの感じ方は大きく変わります。
ワンルームで飼育している場合は空気がこもりやすいため、空気清浄機やサーキュレーターを導入すると効果的です。
逆に広い部屋で風通しが良ければ、匂いはほとんど気にならないケースもあります。
ネザーランドドワーフの匂い対策の為に飼い主が出来ることは?
それでは飼い主が出来る匂い対策について説明していきます。
体の匂い(肛門腺の臭い)の対策

犬や猫のようにシャンプーをして肛門腺の周りをきれいにできればよいですが、実はネザーランドドワーフを始めとするうさぎは水に濡れることが大嫌いであるため、シャンプーには向きません。
そのため、もし匂いがしたらうさぎを仰向けにして肛門腺周りの汚れをチェックしましょう。
汚れていた場合はグルーミングスプレーやウエットティッシュ、綿棒などで優しく落としてあげましょう。
嫌がったり、飼い主が慣れていない場合には、動物病院やペットサロンでケアしてもらうとうさぎのストレスも少なく終わります。
トイレの臭い対策

正直、うさぎを飼育する時点でトイレが匂うのは仕方ないことです。
どうしても気になる場合は、消臭効果の高いトイレシートを敷くことで匂いを吸収してくれます。
また、トイレゾーンにはトイレ用の砂を使用することで消臭効果もさらに高まります。

また、こまめにトイレの掃除をしましょう。
うさぎ専用の尿石除去スプレーもありますから、使ってみると良いかと思います。
汚れがひどくなった場合は、トイレの買い替えを検討しましょう。
トイレシーツなどを捨てるゴミ箱から臭うこともあるため、捨てる際にはきちんと袋に入れて口を縛っておくことが必要です。
最近は匂いが漏れないペットシーツ用のゴミ箱も販売されているので検討してみても良いのではないでしょうか。

うさぎの飼育時の臭い対策に消臭剤・芳香剤は使える?
ネザーランドドワーフをはじめ、うさぎを飼っていると部屋の匂いが気になることがあります。
そこで「消臭剤や芳香剤を置いても大丈夫なの?」と考える飼い主さんも多いでしょう。
結論から言うと、人間用の芳香剤や強力な消臭スプレーはうさぎに適していません。
理由は、うさぎの呼吸器がとても敏感で、人工的な香料や化学成分によって体調を崩す恐れがあるためです。
人間用の芳香剤やスプレーは避けるべき

市販されている芳香剤や消臭スプレーの多くは、アルコールや化学香料を含んでいます。
うさぎは空気中の匂いや成分を敏感に感じ取りやすいため、呼吸器のトラブルやストレスの原因になることがあります。
特にケージ周辺やトイレに直接使用するのは危険です。
ペット専用の消臭アイテムなら安心度が高い

うさぎや小動物用に販売されている消臭シート・消臭砂・消臭スプレーなどは、成分が安全性に配慮されており比較的安心です。
例えば「活性炭入りトイレ砂」「天然由来成分の消臭スプレー」などを活用すると、匂いを和らげつつうさぎの体に負担をかけにくくなります。
本当に効果的な臭い対策は「掃除と換気」
結局のところ、一番の消臭対策はこまめな掃除と換気です。
トイレを毎日掃除し、週に1〜2回はケージ全体を洗うと匂いはかなり軽減されます。
加えて、空気清浄機を導入するのも有効です。機械的に空気を浄化する方法は、うさぎに負担をかけず部屋全体の快適さを保てます。
ネザーランドドワーフの匂いが臭い?【まとめ】
ネザーランドドワーフ自体は無臭に近い動物ですが、部屋が臭うのは排泄物やマーキングが原因です。
季節や部屋の環境によっても匂いの強さは変化します。
こまめな掃除や換気を心がけ、必要に応じて空気清浄機や消臭アイテムを活用すれば、快適に一緒に暮らせます。