
ザリガニを飼育していると「何を食べるの?」「どれくらい与えればいいの?」と悩む方は多いでしょう。
雑食性だからこそ食べられる物は幅広いですが、間違った餌を与えると体調不良や水質悪化の原因になります。
本記事では、アメリカザリガニと二ホンザリガニを例に、与えてよい餌・避けるべき餌・与える頻度までわかりやすく解説します。
ザリガニは何を食べるの?エサの種類と頻度

ザリガニは雑食性の生き物で、野生下では水辺にある植物の葉や茎、小魚、昆虫の幼虫、さらには死んだ生き物の残骸まで幅広く口にします。
身近な水辺でスルメやパンを使って釣った経験のある方も多いでしょう。
こうした経験からもわかるように、ザリガニは「何でも食べる」印象を持たれがちです。
しかし実際の飼育では、栄養バランスを意識した餌を選ぶことが健康のために欠かせません。
ここからはアメリカザリガニとニホンザリガニ、それぞれの食性について詳しく解説します。
アメリカザリガニ

真っ赤な色でよく知られるアメリカザリガニは、典型的な雑食性です。
水辺では小魚や昆虫、藻類や落ち葉を食べ、飼育下では人工飼料や冷凍赤虫、野菜の切れ端なども口にします。
とくに殻の形成に必要なカルシウムを補うため、魚や煮干しを与えるのも効果的です。
とはいえ、油分や塩分を含む人間用の食品は健康を損なうため避けましょう。
餌やりは2〜3日に1回程度で十分で、食べ残しを放置すると水質悪化につながるので注意が必要です。
ニホンザリガニ

北海道や東北の一部に生息するニホンザリガニは、アメリカザリガニに比べると植物質を好む傾向があります。
人工飼料の中でも植物性の配合が多いタイプや枯れ葉に強く反応し、野生環境に近い自然素材の方がよく食べる姿が見られます。
赤虫などの動物性餌も食べますが、主食としては植物質を多めに与えると調子を崩しにくいです。
餌の頻度は同じく2〜3日に1回でよく、自然な落ち葉を用いると活動が活発になりやすい点も特徴です。
ザリガニの餌の頻度はどれくらい?
ザリガニは雑食でよく食べるイメージがありますが、実際には毎日餌を与える必要はありません。
むしろ食べ過ぎは水質の悪化や肥満につながるため、適切な頻度を守ることが健康維持のポイントです。
基本は2〜3日に1回
アメリカザリガニもニホンザリガニも、基本的には2〜3日に1回の餌やりで十分です。
ザリガニは体内にある程度栄養を蓄えられるため、毎日与えなくても問題ありません。
食べ残しが出ない量を少しずつ与えるのが理想的です。
幼体や成長期はやや多めに
まだ小さいザリガニや、成長期で脱皮を繰り返す時期は栄養を多く必要とします。
そのため1日1回、または隔日程度で少量をこまめに与えると良いでしょう。
ただし与えすぎると水がすぐに汚れてしまうので、残餌は必ず取り除きます。
成体や冬場は控えめに
成体になったザリガニは代謝が落ち着くため、餌の頻度はさらに少なくても問題ありません。
冬場など水温が低下して活動が鈍る時期は、ほとんど食べないこともあります。
この場合は無理に与えず、様子を見ながら週に1回程度に抑えるのが安全です。
ザリガニの餌にできる家にあるもの
ザリガニを飼っていると「今日は餌を切らしてしまった」ということもあるでしょう。
そんなとき、家庭にある身近な食材を一時的に餌として利用することができます。
ただし、あくまで非常食的な位置づけであり、常用は避けた方が安心です。
野菜や果物

キャベツやキュウリ、にんじんなどは小さく切って与えることができます。
リンゴやバナナなどの果物も好んで食べますが、水に溶けやすい果物は水質を悪化させやすいため、必ず少量を与えましょう。
残りは数時間で取り除くのが鉄則です。
ご飯やパン

炊いたご飯やパンも食べることはできます。
ただし人間用の味付けはNGで、塩やバターが含まれているものは危険です。
白ご飯をほんのひとつまみ程度与えるのなら問題ありません。
パンも耳を少しだけ与えるくらいにとどめ、水の汚れに注意してください。
煮干しやかつお節

台所によくある煮干しやかつお節も、カルシウムやたんぱく質を含んでいるためザリガニに適しています。
特に煮干しは殻づくりの栄養補給にもなります。
ただし脂の多い魚を干したものは避け、与える際は少量に抑えることが大切です。
ザリガニの餌は100均で購入できる?
ダイソー
ダイソーでは観賞魚用の餌だけでなく、ザリガニ専用の餌を扱っている店舗もあります。
小粒のペレット状で沈下性があり、ザリガニが食べやすい仕様になっています。
ただし、すべての店舗で取り扱いがあるわけではないため、見つからない場合もあります。
その場合は金魚・メダカ・熱帯魚用の人工飼料を代用できます。
カルシウムや動物性たんぱく質が不足しないよう、時々煮干しや乾燥赤虫などを補助的に与えると安心です。
セリア
セリアも同じく、店舗によってはザリガニ専用の餌を販売していることがあります。
ダイソーと同様に少量パックが多く、試しやすいのがメリットです。
ただしこちらも必ずしも全店に置いてあるわけではないため、在庫がないときは熱帯魚や金魚用の餌を代用しましょう。
水質悪化を防ぐため、与えすぎず食べ残しは必ず取り除くことが大切です。
アメリカザリガニの色は餌で変化!

ちなみに、真っ赤なアメリカザリガニも、サバなどの青魚を与えると少しずつ青い色に変化することがわかっています。
大体1ヵ月くらいアジのような赤身成分のない餌を与えることにより色が抜けていくことによるものです。
ずっと続けているとやがては白くなります。
夏休みの自由研究的にも面白いので、気になる人はやってみてもいいかもしれませんね。
ザリガニは自分の殻も食べる!

見たことがる人は多いでしょうが、ザリガニは脱皮をします。
脱皮をすることにより、体を大きくするわけです。
感動的なほどきれいにこれまで自分が身にまとっていた殻を脱ぎ捨てるわけですが、この、脱ぎ捨てた殻はあまりに美しいからと言って回収しないようにしましょう。
脱ぎ捨てた殻をザリガニは食べるので、そのままにします。
貴重なカルシウム補給源になります。
また脱皮直後のザリガニは他のザリガニに狙われる危険があります。
脱皮直後は体がびっくりするほど柔らかくふにゃふにゃしています。
おいしいのか他のザリガニに狙われやすいのです。
そのため、脱皮しそうなザリガニは一匹のみに隔離して飼育します。
体が硬くなってから元に戻してあげます。
ザリガニに与えてはいけない食べ物

ザリガニは雑食性で色々なものを食べますが、中には与えると体調を崩したり、最悪の場合死んでしまう危険な食べ物もあります。
飼育下では「食べられるかどうか」ではなく「安全かどうか」で判断することが大切です。
塩分を含む食品
ハムやソーセージ、味付けしたパンやスナック菓子など、人間が普段食べる加工食品は塩分が高く、ザリガニの体に大きな負担をかけます。
甲殻類は塩分濃度の変化に弱いため、わずかな塩分でも浸透圧のバランスを崩し、体調不良や死亡につながる恐れがあります。
油分や脂肪分が多い食品
揚げ物やバターを使った料理など、油分を多く含む食べ物は消化不良を起こしやすく、甲殻類にとって大きなストレスになります。
腸内環境の悪化や水質汚染にも直結するため、絶対に避けましょう。
病気や水質悪化の原因になる食べ物
チョコレートや玉ねぎ、ニンニクなどはザリガニにとって有害成分を含んでおり、少量でも危険です。
また、生肉や生魚は傷みやすく水質を悪化させるため与えない方が無難です。
ザリガニは水質に敏感なので、餌が原因でアンモニア濃度が上がるとすぐに弱ってしまいます。
ザリガニが餌を食べないときの原因と対処法

ザリガニは普段よく食べる印象がありますが、時に餌を口にしないことがあります。
これは必ずしも異常とは限りませんが、原因を見極めないと体調を崩す恐れがあります。
脱皮前や脱皮直後
脱皮の前後は体力を温存したり、殻が柔らかく不安定な状態になるため食欲が落ちます。
この場合は数日餌を食べなくても自然なことです。脱皮後には自分の殻を食べて栄養補給を行うので、慌てて追加の餌を与える必要はありません。
水質や水温の悪化
ザリガニは水質に敏感な生き物です。
水槽の水が汚れてアンモニア濃度が高くなったり、水温が急変したりすると、ストレスから餌を食べなくなります。
フィルター掃除や部分的な水換えを行い、水温は20〜25℃程度に保つことで改善することが多いです。
餌の種類や与えすぎ
与えている餌の種類が好みに合わない、あるいは単純に与えすぎて満腹になっている場合もあります。
人工飼料ばかりでは飽きてしまう個体もいるため、赤虫や煮干し、野菜などをローテーションして与えると食欲が戻ることがあります。
残餌が多いときは量を減らすことも大切です。
ザリガニは何を食べるのか?【まとめ】
ザリガニは人間と同じように、栄養バランスが崩れると体調を崩します。
正しい餌選びと与える頻度を守ることが長生きの秘訣です。
安全な餌を選んで健康的に育てましょう。