
アフリカンランプアイを繁殖させたいけれど、卵の管理や稚魚の育成に不安がある方は多いのではないでしょうか。
本記事では、卵の採取方法から孵化後の育て方まで具体的に解説します。
初心者でも繁殖に挑戦できるポイントをまとめました。
アフリカンランプアイってどんな魚?
アフリカンランプアイはメダカの仲間

そもそも、アフリカンランプアイとはどんな魚なのでしょうか。
アフリカンランプアイはその名の通りアフリカに生息する魚で、メダカの仲間の魚です。
全長は約3.5センチと、メダカの仲間の中でも小型の部類に入ります。
原産地はアフリカですが、野生採集個体が流通することはあまりなく、ほとんどは東南アジアで養殖された個体です。
特徴は目の上の青い光沢です。
体色は地味なのですが、この光沢があることで非常に上品な美しさをもつ魚となっています。
性格はおとなしく、群れで泳いで暮らします。
同種、他種を問わずケンカしないので混泳も容易です。
新しめの水を好む性質はあるものの水質にうるさいわけではなく、かなり飼いやすい部類に入る魚と言えます。
群泳の魅力

アフリカンランプアイは単体で見ると控えめな体色ですが、群れで泳ぐことでその美しさが一層引き立ちます。
小さな青い輝きが水槽内を点々と流れる様子は、まるで星空のような幻想的な雰囲気を生み出します。
群泳させる理想の匹数
群れで生活する魚なので、最低でも6〜10匹以上を一緒に飼うと自然な群泳が見られます。
数が少ないと警戒心が強くなり、水槽の隅に隠れがちになるため、ある程度の匹数を確保するのがポイントです。
群泳を美しく見せるレイアウト
水草を背景に配置して前景を広く空けると、群れで泳ぐ姿がよく映えます。
特に暗めの底砂や流木を組み合わせると、青いアイラインの光沢がより強調され、群泳の美しさを堪能できます。
混泳との相性
アフリカンランプアイは性格が温和で、他種との混泳にも向いています。
グッピーやラスボラなど小型魚との相性がよく、一緒に群泳することで水槽全体がにぎやかになります。
ただし、大型魚や気性の荒い種類と混泳させると追われて群れが乱れるため注意が必要です。
アフリカンランプアイの繁殖とは?

環境づくり
アフリカンランプアイは丈夫で飼いやすい魚ですが、繁殖を狙うなら水槽環境を整える必要があります。
自然に産卵することもありますが、稚魚を残すには計画的な準備が大切です。
水槽サイズとレイアウト
繁殖を目的とするなら30cm以上の単独水槽がおすすめです。
底砂は掃除がしやすいよう薄く敷き、水草や人工産卵草を多めに配置すると産卵率が高まります。
特にウィローモスは卵が付着しやすく、稚魚の隠れ家にもなります。
水質と水温の条件
水質は弱酸性〜中性(pH6.5〜7.0前後)が理想的で、新しい水を好む性質を利用してこまめに換水すると繁殖行動が活発になります。
水温は24〜26℃が目安で、ヒーターを使って安定させると産卵のきっかけになります。
繁殖行動と産卵のサイン
ペアになったオスとメスは寄り添って泳ぐようになり、メスのお腹がふくらんでくると産卵が近いサインです。
オスは体を震わせるような仕草を見せ、メスを水草の近くへ誘うこともあります。
この時期を見逃さず、産卵草や産卵箱を用意しておきましょう。
ペアリング
アフリカンランプアイの飼育は初心者でも楽しむことができるくらい簡単ですが、繁殖もそこまで難しくはありません。
アフリカンランプアイの繁殖は、日本のメダカに近いものがあります。
繁殖を目指してアフリカンランプアイを飼う場合、水槽に入れる生き物はアフリカンランプアイだけにしましょう。
オトシンクルスやヤマトヌマエビといったクリーナーフィッシュを含めて、他の生き物は入れないほうがいいでしょう。
通常、熱帯魚ショップで売られているアフリカンランプアイは生後数か月の若魚です。このため、繁殖適齢に達するまで育てる必要があります。
一応、ひれが角ばっているか丸みを帯びているかで、オスとメスを見分けることができますが、もともと小さな魚なので区別は難しいでしょう。
最初から10匹以上の群れで飼育し、自然とペアができるのを待ちます。
ペアになると、なんとなく寄り添って泳ぐようになるので、ペアであることがわかると思います。
メスのおなかが大きく膨らんだら、産卵間近です。
アフリカンランプアイの卵の管理
産卵が近いと判断したら、産卵箱を用意しましょう。
見た目を気にしないなら、親と同じ水槽に、水槽内に設置するタイプの産卵箱を設置するのが手っ取り早いでしょう。
アフリカンランプアイは日本のメダカと同じように、水草にくっつけるようにして産卵します。
回収しないと親魚に食べられてしまうため、産卵が近くなったら毎日注意深く観察します。
卵を見つけたら、水草ごと切り取って産卵箱に入れましょう。
その個体の大きさや年齢によって変わりますが、産卵は数回にわたり、数十個産み付けるようです。
回収した卵は数個ずつくっついていることが多いのですが、できれば一つずつに分けましょう。
無精卵や死んでしまった卵にはカビが生えるのですが、このカビが健康な卵にうつってしまうことがあるためです。
軽く指で押したくらいでは卵はつぶれないので、そうっとバラバラにしましょう。
そのまま産卵箱で管理し、ダメな卵があったら取り除きます。
10日ほどで孵化しますが、孵化直後の稚魚はあまり動き回りません。
この間に、ブラインシュリンプの用意をしておきましょう。
稚魚が自力で泳ぐようになったら、孵化直後のブラインシュリンプを与えます。
稚魚用の粉末フードでもいいのですが、ブラインシュリンプのほうが嗜好性が高く、稚魚の生存率も高くなります。
アフリカランプアイの稚魚が生まれたら
育成環境と注意点

アフリカンランプアイの卵を無事に孵化させても、稚魚の管理ができなければ生存率は大きく下がってしまいます。
ここでは孵化後の稚魚の育成環境と注意点を解説します。
水質管理と水換えのポイント
稚魚は水質の変化にとても敏感です。
水換えは毎日少量(全体の1割程度)にとどめ、温度・水質の急変を避けましょう。
スポイトを使って底のゴミや食べ残しを取り除き、常に清潔な環境を保つことが大切です。
餌の種類と与え方
孵化直後はブラインシュリンプが最適ですが、少量ずつ何回かに分けて与えるのがコツです。
与えすぎると水が汚れて稚魚が死んでしまう原因になります。
粉末タイプの人工飼料を併用すると、手間を減らしながら栄養を補うことができます。
隠れ家と過密対策
稚魚はストレスや共食いを避けるために隠れ家が必要です。
ウィローモスや人工産卵草を水槽に入れることで安心して過ごせます。
また、稚魚が多く孵化した場合は育成水槽を分け、過密を防ぐことで成長が安定します。
増えすぎたときの対策

アフリカンランプアイは環境さえ整えば繁殖しやすい魚です。
そのため、気づかないうちに卵や稚魚が育ちすぎて「水槽がいっぱいになってしまった」というケースもあります
。ここでは増えすぎたときの対応方法を解説します。
稚魚の選別と育成数の調整
全ての稚魚を残すと過密飼育になり、水質悪化や成長不良につながります。
孵化した稚魚は数日で選別を行い、育てる数を制限しましょう。
あらかじめ「何匹育てるか」を決めておくと管理が楽になります。
別水槽や知人への譲渡
増えすぎた稚魚は別の水槽に分けることで過密を避けられます。
また、熱帯魚に興味のある知人や友人に譲るのも一つの方法です。
健康に育った個体は小型魚水槽でも人気があるため、喜ばれることが多いでしょう。
ショップやイベントでの引き取り
アクアリウムショップによっては、元気な稚魚を引き取ってくれる場合があります。
必ず事前に連絡し、受け入れ可否を確認しましょう。
また、地元のアクアリウムイベントやフリーマーケットでの譲渡会などを活用すれば、安全に新しい飼い主を見つけられます。
FAQ|アフリカンランプアイに関するよくある質問
アフリカンランプアイの卵の管理【まとめ】
アフリカンランプアイの繁殖は、卵の回収・カビ対策・稚魚への適切な給餌が成功のカギです。
手順を踏めば初心者でも実現可能なので、ぜひ挑戦してみましょう。あわせて他の小型熱帯魚の繁殖記事も参考にしてください。