
犬が突然ふらついたり後ろ足に力が入らなくなると、一番気になるのが「トイレはどうしたらいいの?」という点です。
排泄の失敗や我慢が続くと体調を崩すこともあります。
本記事では、原因ごとの受診判断からトイレ介助の具体的なやり方、家庭でできる環境づくりまで、飼い主が今すぐ実践できる内容をわかりやすく解説します。
犬の後ろ足に力が入らない原因

愛犬の様子がいつもと違うと心配ですよね。
行動やしぐさにでている、病気のサインを見過ごすことがないように気をつけましょう。
ケガ
室内や散歩中、またはドッグランで遊んでいるときにぶつけたり転んだりした。
何かを足で踏んでしまいケガしている場合、痛めてしまった所をかばうので、歩き方や姿勢が普段と違う。
加齢
犬の年齢によって筋肉が落ちてくることから、しっかり踏ん張ることができなくなる。
立っている時に震えや、ふらつきもでる。
遺伝性疾患
後ろ足に異常が現れる病気がある。
若い時期、成長期に症状が見られる。
神経系の異状
神経系の異常が起こる病気。
よろけてしまったり、力が入らないようになる。
うまく動くことができなくなることがある。
犬の後ろ足に力が入らないとトイレの介助が、必要になることもあります。
症状によって心配がいらない場合と、早めに病院で受診をした方がいい場合があります。
犬の後ろ足に力が入らない時の軽症・重症の判別

心配のいらないケースとしては、加齢による筋力低下や、ぶつけた・踏んだ程度の軽い打撲が原因の場合です。
これらは一時的にふらつきや踏ん張りの弱さが出ても、痛みが落ち着けば自然に歩き方が戻ることがほとんどです。
普段どおり食べ、眠り、翌日以降に動きが回復してくるなら緊急性は高くありません。
無理のない散歩や、血行を良くする軽いマッサージが回復を助けます。
ただし同じ「ふらつき」でも、神経の異常が原因のケースは決して自然には治らず、放置で悪化することが多いのが重要なポイントです。
椎間板ヘルニアや脊髄のトラブルなど、早期対応が必要な病気も含まれるため、見極めが欠かせません。
特に次のような症状は、飼い主が素早く行動すべきサインです。
- 前足までおかしな動きが出ている(後ろ足だけの問題ではない)
- 強い痛みがあり、動くたびに鳴く・触るのを嫌がる
- 意識がもうろうとする、立てずに倒れる
これらは神経が強く圧迫されている可能性があり、命に関わる緊急性の高い状態です。
時間が経つほど回復率が下がる病気もあるため、「様子を見る」は禁物。できるだけ早く受診し、適切な検査と治療を受けることが安全につながります。
犬の後ろ足に力が入らないときの、トイレのさせ方

後ろ足に力が入らない症状がでるのが、ヘルニアです。
椎間板ヘルニアが、どの程度まで進んでいるかにもよりますが、自分の意思で排尿できないことがあります。
そうなると犬の膀胱は、おしっこでいっぱいになってしまい膀胱炎などの症状となります。
この症状をそのままにしていると危険な状態となります。
トイレのさせ方(ヘルニアの場合)
犬の後ろ足に力が入らないと、トイレは自分でするというより犬の意思とは関係なくお腹の中の働きにより出てきますが、ヘルニアの状態が非常に悪い状態の時にはうんちも出ません。
自分でおしっこをすることができなくなる犬の椎間板ヘルニアは、尿毒症や膀胱炎にならないように注意が必要となり、放っておくことはできません。

犬の後ろ足に力が入らないときのトイレのさせ方に、膀胱を圧迫して排尿させるやり方があります。
圧迫排尿は一日に数回必要となるので毎回、病院に行きケアをしてもらうのは難しいですよね。
やり方を教わり、自宅で一日に3〜4回程度トイレのケアをしてあげます。
排泄の姿勢を保つことが難しくなる犬の後ろ足に力が入らない原因は様々です。
犬のふらつきがある時は介助してあげましょう!
犬の後ろ足に力が入らないときのトイレの介助の仕方
一般的に犬は前足より後ろ足にやや体重が、かかります。
犬の後ろ足への負担を軽減させてあげることが効果的なので、お尻あたりを飼い主さんは支えます。
排泄時は姿勢が安定すると、トイレがしやすくなります。
後ろ足に力が入らない犬がトイレしやすくなる環境づくりのコツ

症状そのものへの対処と同じくらい、犬が安心して排泄できる環境を整えることはとても大切です。
トイレの失敗が増えると犬自身も不安になり、ストレスから排泄リズムが乱れることがあります。
ここでは、家の中でできる具体的な工夫を紹介します。
滑らない床に変えると排泄姿勢が安定しやすい
後ろ足の力が弱い犬にとって、フローリングは踏ん張れず最も転倒しやすい環境です。トイレまで歩く途中で滑ると排泄を我慢してしまうこともあります。
ジョイントマットや滑り止めシートを通路とトイレ周辺に敷いてあげると、犬が踏ん張りやすく姿勢も安定します。
特にヘルニアや変形性脊椎症の犬は、滑り防止だけで排泄の成功率が大きく変わります。
トイレの段差・縁をなくし“入りやすい形”にする
一般的なトイレトレーは縁が高めで、後ろ足の踏ん張りが弱い子には跨ぐ動作が負担になります。
老犬やヘルニアの犬は、平面タイプのペットシーツを床に固定する方式に変えるだけで、入りやすさが劇的に改善します。
また、大型犬の場合はシーツの面積を広げると、体勢を崩してもトイレからはみ出しにくく安心して排泄できます。
トイレの場所を“最短で行ける位置”に見直す
後ろ足の力が弱い犬は、トイレまでの距離が長いほど失敗しやすくなります。
以前は問題なく歩けても、症状が出ている間はこまめに位置を調整してあげましょう。
・寝床の近くに臨時トイレを設置する
・夜間や留守番中はトイレを複数置く
など、動線を短くするだけで「行きたいのに行けない」状況を避けられます。
体を支えやすい“排泄補助グッズ”を併用する
後ろ足の負担を軽くするために、介助ハーネスだけでなく、タオルスリングのような簡易サポートも有効です。
タオルの両端を持ち、股の後ろ側を通して軽く持ち上げるだけで、犬が前足でバランスを取れるようになり排泄姿勢が安定します。
急な症状悪化や一時的なふらつきにも対応でき、飼い主の負担も少なくすみます。
清潔維持とメンタルケアで“失敗の不安”を減らす
後ろ足が弱ると、排泄後に自分で体を避けられず汚れがつきやすくなります。
こまめに拭いてあげる、トイレ周辺をすぐに掃除できるよう準備しておくことで、犬が「汚れてしまった」というストレスを感じにくくなります。
また、トイレの失敗を叱ると排泄を我慢する悪循環が起こるため、成功したときだけ優しく褒め、安心して排泄できる雰囲気をつくってあげることが大切です。
犬の後ろ足に力が入らないときのトイレの対処法

犬の後ろ足に力が入らないときのトイレは、できる限り犬の負担を少なくしてあげたいですね。
大型犬の場合は支えるのが難しいこともありますが、犬専用の介助ハーネスを利用することで、飼い主さんの負担の軽減になります。
トイレの補助に使用できるハーネスは、対処法の一つとなります。
後ろ足が弱くなってしまった子には介助する人の負担を軽減してくれる優しい構造の介助用ハーネスや、犬の体型や個体差など個別対応でオーダーメイドのハーネスもあります。
ハーネスを選ぶどきには愛犬の体や犬種、目的に合わせて選ぶといいでしょう。
サポートを部分的にすると、飼い主さんの持ち上げる負担も軽減できます。
トイレが目的となる場合は着たまま排泄ができるタイプのハーネスを選ぶといいでしょう。
室内のみ使用は持ちての短いものがおすすめです。
犬の後ろ足に力が入らない時のトイレについて【まとめ】
犬の後ろ足に力が入らない症状は珍しくなく、原因によって必要なサポートも大きく変わります。
トイレが負担にならない環境を整え、症状に応じた介助を行うことで犬の不安を減らせます。
日々の様子を観察しつつ、必要なときは早めに動物病院へ相談しながら、少しでも快適に過ごせるようサポートしてあげましょう。