
ヤマトヌマエビを初めて水槽に導入する際、「水合わせは不要なのでは?」と思う方も少なくありません。
しかし実際には、水合わせをしないとpHショックで命を落とす危険があります。
本記事ではヤマトヌマエビに水合わせが必要な理由や具体的な手順、さらに失敗しないためのポイントを詳しく解説します。
ヤマトヌマエビに水合わせは不要?

ヤマトヌマエビにも水合わせは不要?と思われる方もいるようですが必ず水合わせを行ってください。
最悪死んでしまいます。
むしろ他の観賞魚よりもヤマトヌマエビの方が水質に敏感なので水合わせを慎重に行わないといけません。
水合わせを行わないということは、今まで住んでいた場所から空気も場所も全く別の場所に住まわされるということです。
人間でしたらどこでもドアでいきなり外国のどこかに連れていかれ、そのまま放置されるということですかね。
怖いですね。
ヤマトヌマエビにとって水は人間でいう空気です。ないと生きていけません。
それが何の準備もなく全く違う水にドボンされると、ヤマトヌマエビはpHショックを起こしてほぼ確実に死んでしまいます。
なので必ず水合わせを行いましょう。

ヤマトヌマエビの水合わせが不要と誤解される理由

ヤマトヌマエビの飼育について調べていると、「水合わせは不要」という情報を目にすることがあります。
検索サジェストにも出てくるのは、それだけ多くの人が疑問に思っているからです。
では、なぜこのような検索がされるのでしょうか。
ひとつは「ヤマトヌマエビは日本の川に住んでいる丈夫なエビだから、観賞魚ほど神経質に扱わなくても平気なのでは?」という誤解です。
確かにヤマトヌマエビは四季に対応できる強さを持っていますが、それと水質の急変に耐えられるかどうかは別問題です。
また、水合わせを行ったうえで導入した直後に死んでしまったという体験談から「水合わせをしてもしなくても同じでは?」と考えてしまう方もいます。
実際には水合わせの方法や時間に問題があっただけで、不要なのではなく失敗が原因です。
さらに、動画やSNSで「袋を浮かべるだけで大丈夫」といった簡易的な紹介がされることもあり、それを信じて検索する人が増えていると考えられます。
こうした背景から「ヤマトヌマエビ 水合わせ 不要」と検索されるのですが、結論としては必ず水合わせを行わないとpHショックで命を落とすリスクが高くなります。
ヤマトヌマエビの水合わせに必要な時間

水合わせは水質の差を少しずつなくすためにゆっくりと時間をかけて行います。
時間は1時間程度で大丈夫です。
通常の水合わせの方法
- 購入容器(袋)ごと水槽に浮かべて温度を合わせる(20分)
- 用意していたバケツなどに水ごとヤマトヌマエビを入れる
- バケツの水を1/4捨てる
- 捨てた分だけ水槽の水を入れる
- 10分後再度3と4を行う
5を4回行えば水槽の水とバケツの水はほとんど同じになったので、ヤマトヌマエビを網ですくって水槽に入れます。
点滴法
点滴法という方法もあります。
エアーチューブとコック、エアレーションをしたバケツを用意。
- 水槽にエアーチューブを入れて、バケツ側のチューブを口にくわえて水を吸う。
- 水が口に入る前に口から出し、コックを取りつける。
- 水が1滴ずつ落ちるようにコックを調節。
- 時々水を捨てたりあえてこぼすようにするとバケツの中は水槽の水と同じになる
エアーチューブやコックなど道具が必要で、時間がかかる為エアレーションもあった方が良いです。
時間もかかり道具を使用しますが、ほとんど失敗することのない水合わせ方法です。
どちらでも大丈夫なので自分に合った水合わせ方法を行いましょう。
ヤマトヌマエビが水合わせ後に暴れる理由

ヤマトヌマエビが狂ったように暴れている場合は水合わせに失敗している可能性があります。
また全く動かなくなった時も注意が必要です。
時間が経った後に何もなかったかのように活動を始めていれば問題ありません。
新しい環境にびっくりして暴れたり動かなくなったりすることもあるようです。
水合わせ失敗(pHショック)が起こってしまった場合、残念ながら特別な治療法はありません。
数日後亡くなってしまう場合がほとんどです。
そうならないようにしっかりと水合わせをしましょう。
ヤマトヌマエビの水合わせで失敗しないコツ

水質チェックをしてから始める
水合わせをする前に、水槽側の水質を確認しておきましょう。
pH、亜硝酸、硝酸塩などが大きく異なるとヤマトヌマエビに強いストレスがかかります。
市販の試薬や簡易的な試験紙を使えば数分で確認できるので、特に新規立ち上げ直後の水槽では必須です。
水質が安定していないと、水合わせをしても数日後に体調を崩す原因になります。
急がず、暗めの環境で行う
水合わせはエビにとって大きな環境変化なので、なるべくストレスを減らしてあげることが大切です。
直射日光や明るい照明の下で行うと暴れる原因になるため、部屋を少し暗くして作業すると落ち着きやすくなります。
また、時間を短縮しようと一気に水を入れ替えるとpHショックの危険が高まるので、ゆっくりと段階的に水を混ぜることが失敗しない秘訣です。
導入後も数日は観察する
水合わせが終わり水槽に移したあとも安心はできません。
ヤマトヌマエビは体が丈夫に見えても環境変化に弱いため、数日は餌の食いつきや動きに注意してください。
水槽の底でじっとしているだけなら休んでいる場合もありますが、赤みが強く出たり体色が極端に白くなっている場合はストレスや酸欠のサインです。
導入直後は水換えを控え、できるだけ環境を安定させてあげましょう。
ヤマトヌマエビに適当な温度

ヤマトヌマエビの水温の適正値は20℃~28℃と言われています。
ですがヤマトヌマエビ単体飼育の場合はヒーターは不要です。
理由はヤマトヌマエビは日本に生息しているエビで、日本の四季に対応できるからです。
冬場は温度が5℃位になっても生きていられるようですが、夏場は注意が必要です。
水温が30℃を超えるような環境だとヤマトヌマエビが弱ります。
理由は水温が高くなると、水中の酸素が少なくなり酸欠が起こります。
水質悪化もしやすくなります。
夏場はクーラーを使用して部屋の温度を下げるか、水槽用の冷却ファンを使用して水温を28℃くらいまで下げてあげましょう。

ヤマトヌマエビに水合わせは不要?【まとめ】
ヤマトヌマエビの水合わせは必ず必要で、丁寧に行うことで長生きにつながります。
導入後も数日は様子を観察し、安定した水質と水温を保ってあげることが大切です。
当サイトでは水質管理やメダカとの混泳方法など関連情報も紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。