
犬が尻尾を丸めるとき、ただ怖がっているだけだと思っていませんか?
実は、尻尾の丸め方には感情だけでなく、痛みや病気の前兆が現れることがあります。
この記事では、尻尾の役割から丸める理由、病気の可能性まで、飼い主が知っておきたいポイントを分かりやすくまとめました。

犬の尻尾の役割

犬の尻尾は、犬種によって長かったり短かったり、くるんと巻いていたりと特徴があります。
そして、犬の尻尾には役割があるのです。
バランスコントロール
犬は尻尾を使って、ジャンプしたり走ったりするときのバランスコントロールをしています。
急に方向転換するときにも、尻尾は舵の役割を果たしているようです。
保温と呼吸器保護
寒さから身を守るために、尻尾を使います。
尻尾を体に巻き付けて保温したり、鼻先を尻尾で覆って冷たい空気を直接吸わないようにして呼吸器を保護しています。
コミュニケーション
尻尾を振ることで、感情を表しコミュニケーションをとっています。
大きく振る、小刻みに振る、素早く振るなど、振り方によっても感情が違うので、どんな感情のときにどんな振り方をするのか飼い主さんはチェックしてみましょう。
虫などを追い払う
牛が尻尾でハエなどを追い払うのと同じように、犬の尻尾目障りな虫を追い払うために使っています。
犬が尻尾を丸める理由とは?

尻尾を丸めるときの感情を、ふたつに分けてご紹介します。
尻尾が低い位置に下がっているとき
だらんと下がっているときの理由は、「警戒•恐怖•不安」という感情が隠されています。
尻尾が後ろ足の間にまで丸めるとき
お腹にくっつくくらい、後ろ足の間まで尻尾を丸める理由は、「怖くて仕方ない•降参」という感情が隠されています。
この状態のときは、愛犬の様子を特に注意して観察してください。
悪いことをして怒られたときや、攻撃的な犬に対して降参しているときに、尻尾を丸めるのです。
特に、怒られたときは「許してください」という感情が強くなっているので、必要以上に怒りすぎないようにしましょう。
尻尾の丸め方で分かる“いつもと違うサイン”

犬が尻尾を丸める行動には、感情だけではなく“体調の異変”が隠れていることがあります。
普段の尻尾の位置や振り方との違いを比較することで、早期に異常に気づけることがあります。
ここでは、病気に至る前の“前兆としての尻尾の変化”を詳しくまとめます。
小刻みに震えながら丸めているとき
尻尾が細かく震え、後ろ足の間に向かってゆっくり入る場合は、恐怖以外に痛み・悪寒・ストレス反応が起きている可能性があります。
特に寒くない環境でも震えが続く場合は、体のどこかに違和感を抱えているサインです。
丸めたまま動かない・振れない
普段は飼い主を見ると尻尾を振る犬が、丸めたまま全く動かさないときは注意が必要です。
腰・尻尾・お尻周りの痛みが理由で動かせないことがあり、触ると嫌がったり鳴いたりする場合は早めの受診が安心です。
尻尾だけでなく姿勢も低くなる
丸めた尻尾に加え、体を丸める・背中を丸める・腰が落ちるなどの姿勢が見られる場合、腰痛・神経系トラブル・内臓痛が原因のことがあります。
食欲や歩き方にも変化がないか観察することで、異常の有無を判断しやすくなります。
触ると怒る・逃げる
尻尾や腰を触ろうとすると逃げる、振り返って威嚇するなどの行動は、感情ではなく「痛み」が理由のことが多いです。
無理に触らず、動物病院での診察を検討しましょう。
他の犬の接触後だけ丸める
ドッグランや多頭飼い環境で、他の犬に押される・ぶつかる・尻尾を引っ張られるような場面の後に尻尾を丸めている場合、軽度の打撲や捻挫の可能性もあります。
早期に気づけば悪化を防げます。
犬が尻尾を上に巻くときの感情もあわせて知っておこう

犬は尻尾の位置全体で気持ちを伝えています。
丸めているときは不安や恐怖、または痛みが隠れていることがありますが、反対に尻尾を上に巻くときは、まったく違う心理が働いています。
尻尾が“どの高さで、どのように動いているか”を合わせて観察することで、犬が今どんな気持ちなのかをより正確に読み取りやすくなります。
尻尾を上に巻くときの気持ち
尻尾を自信たっぷりに上に巻く時は、誇らしさ・優位性・興味・警戒心が入り混じる状態です。
他の犬との距離を測っている場面でも見られ、自信満々で歩いているときほど尻尾が高く立ちます。
特に巻き尾の犬種は、普段から高い位置ですが、それでも“より立つ”“より硬くなる”といった微妙な変化で気持ちが分かります。
水平に伸ばしたまま固まるときは緊張や集中
尻尾を水平にまっすぐ伸ばす姿勢は、興味・探索・わずかな不安が混ざった状態です。
知らない匂いを嗅いだり、視界の先をじっと見るときに現れます。
丸めるほど怖くはないものの、慎重に状況を確認しているため、体全体にも少し力が入って見えます。
下げているのに先端だけ小刻みに振るとき
尻尾は下がっているのに、先端だけ小さく震えるように振る場合は、緊張や服従、遠慮の気持ちが隠れています。
飼い主に怒られた直後や、強い犬に会ったときなどに見られる細かなサインで、「敵意はないです」と伝えている行動です。
激しく振るのは“喜び”だけでなく興奮状態も含む
ブンブンと力強く振るときは、喜び・期待・興奮の気持ちが強く表れます。
ただし、感情が高ぶりすぎていることもあるため、他の犬と会ったときには突発的な行動を起こす可能性も考えつつ観察しましょう。
位置の変化を見ると“丸める理由”がさらに分かりやすい
尻尾の位置は 「高い」→「水平」→「下げる」→「丸める」 のように連続した変化で気持ちが表れます。
丸めているときだけを見るより、その前段階の“上げていたかどうか” を確認することで、
・恐怖で縮こまったのか
・痛みから動かせないのか
判断しやすくなります。
尻尾と病気の関係

尻尾を丸めるときは、恐怖や警戒だけではなく、実は病気や怪我が影響している可能性もあるのです。
尻尾を丸めるのは、感情だけではなく「痛い•辛い」が隠されている可能性があります。
尻尾を触ったり、体を触ったりして、痛がる様子がないか、尻尾を丸めたままで普段のように元気がないなど観察してみてください。
骨折しているかも?
尻尾にも骨があるため、骨折していて上を向かなくなっている可能性があります。
もし、骨折していた場合は尻尾の形が変形していることもあるので気づきやすいかもしれません。
多頭飼いしている場合や、ドッグランなどで遊んできた場合などに、怪我をする場合もあります。
また、高齢犬になると骨密度が低くなることで、ちょっとぶつけた程度でも骨折しやすくなるので、注意してあげましょう。
我が家の愛犬は、なんとなく尻尾を下げているなぁと思っていて、抱き抱えたときに「キャン」と鳴いたのでそおっと尻尾を触ってみると嫌がったことがありました。
念の為病院へ行くと、骨にヒビが入っていたのです。
おそらくもう一匹の愛犬に尻尾を引っ張られたことが原因だったようで、かわいそうな事をしたなぁと思ったことがあります。
病気の可能性があるかも?
尻尾が上がらないときに考えられる病気があります。
- 椎間板ヘルニア
- 馬尾症候群
どちらの病気も、痛みを伴うことがあり、神経が麻痺して歩けなくなってしまう場合があります。
尻尾の形や、尻尾の振り方や上り方など、飼い主さんは愛犬の状態を日々チェックしてあげましょう。

犬が尻尾を丸める理由とは?【まとめ】
犬の尻尾は、感情も体調も分かる大切なサインです。
丸めた状態が続く、震える、触ると嫌がるなどの変化があれば、早めに様子を観察して必要なら受診しましょう。
普段の尻尾の動きを知っておくことで、愛犬の小さな異変にも気づきやすくなります。
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