
小赤を長年飼育していると、「この子たちを繁殖させてみたい」と思うことはありませんか?
小赤は金魚すくいや観賞魚としておなじみの金魚ですが、オスとメスが成熟し、飼育環境が整えば家庭でも繁殖できます。
ただし、卵を産ませることと、生まれた稚魚を無事に育てることは別の話です。
親魚が卵を食べてしまったり、水質の変化で稚魚が弱ったりすることもあるため、事前の準備が大切になります。
小赤を繁殖させるには、成熟したオスとメス、産卵床、卵を管理する環境、稚魚用の餌を準備することが基本です。
この記事では、小赤の繁殖方法から産卵後の卵の管理、孵化した稚魚の育て方まで順番に解説します。
実際に稚魚を育てたときの体験談や、繁殖前に知っておきたい注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
小赤を繁殖させる方法|産卵までの準備と手順

小赤は、成長して繁殖できる状態になれば家庭の水槽でも産卵することがあります。
ただし、オスとメスを一緒に飼育しているだけで必ず繁殖するわけではありません。
産卵する季節や水温、親魚の健康状態など、いくつかの条件が関係します。
繁殖を考えているなら、まず親魚の状態を確認し、卵を産みつけられる環境を整えておきましょう。
小赤が繁殖できる年齢・時期・水温
小赤が繁殖できるようになる年齢は、成長速度や飼育環境によって異なります。
一般的には1〜2歳以降に繁殖可能になる個体がいますが、体が十分に成長していることが大切です。
生後2年を迎えたからといって、すべての小赤が繁殖できるわけではありません。
また、小赤を含む金魚の繁殖期は、主に春から初夏です。
冬の低い水温から春に向けて水温が上昇し、日照時間が長くなることなどが産卵のきっかけになります。
水温は18〜23℃前後で産卵が見られる場合がありますが、適した条件には個体差があります。
そのため、水温を20℃以上にすれば必ず産卵するというわけではありません。
急激に水温を上げると親魚に負担がかかるため、自然な季節変化に合わせて管理するのが基本です。
繁殖を考える場合は、次の点を確認しましょう。
- オスとメスが十分に成長している
- 親魚が元気で食欲もある
- 水温が安定している
- 産卵できるだけの飼育スペースがある
- 孵化後の稚魚を育てる準備ができている
特に、金魚の繁殖では一度に多くの卵が産まれることがあります。
産卵後に慌てないよう、稚魚用の容器も事前に用意しておくと安心です。
小赤のオスとメスの見分け方
小赤を繁殖させるには、成熟したオスとメスが必要です。
ただし、普段の見た目だけで性別を判断するのは簡単ではありません。
特に小さな個体や繁殖期以外の個体では、違いが分かりにくいことがあります。
見分ける際の参考になるのが、繁殖期にオスに現れる「追い星(おいぼし)」です。
追い星とは、胸びれやエラぶたの周辺に見られる白い小さな突起のことで、成熟したオスに現れる場合があります。
また、産卵期になるとオスがメスを追いかける行動を見せることもあります。
一方、メスは卵を持つとお腹がふっくらする場合があります。
| 確認するポイント | オス | メス |
|---|---|---|
| 追い星 | 繁殖期に現れることがある | 通常は目立たない |
| お腹の形 | 比較的すっきりしている場合が多い | 卵を持つとふっくらする場合がある |
| 繁殖期の行動 | メスを追いかけることがある | オスに追われることがある |
ただし、これらはあくまで目安です。
お腹が膨らんでいるから必ずメスというわけではなく、追い星が目立たないオスもいます。
また、追い星と白点病などの異常を混同しないよう、魚の元気や症状も確認してください。
オスがメスを激しく追いかけている場合は、繁殖行動だけでなく、メスが弱っていないかも観察しましょう。
産卵床の準備と産卵が始まるサイン
小赤の繁殖では、卵を産みつけるための産卵床を用意します。
金魚の卵には粘着性があり、水草や産卵床などに付着する性質があります。
そのため、繁殖用の水槽には次のようなものを入れておくとよいでしょう。
- 金魚の産卵に利用できる水草
- 市販の人工産卵床
- 卵が付着しやすい専用の産卵用品
産卵床があると、卵をまとめて管理しやすくなるメリットもあります。
繁殖期になると、オスがメスを追い回し、体を寄せたり擦りつけたりするような行動が見られることがあります。
そして、メスが水草などに卵を放出し、オスが精子を放出して受精が行われます。
産卵は早朝に行われることも多いため、繁殖期には朝の様子も確認するとよいでしょう。
ただし、追いかける行動がすべて産卵につながるわけではありません。
メスが逃げ続けて疲れている場合は、無理に同居させず、必要に応じて分けて休ませてください。
また、卵が産みつけられたら、そのまま親魚と一緒にしておかないことが重要です。
小赤が産卵したら?卵の管理と孵化までの流れ

小赤が産卵したら、次は卵を守るための管理が必要になります。
金魚は卵を守って子育てする魚ではなく、自分が産んだ卵を食べてしまうことがあります。
せっかく産卵しても、親魚と卵を一緒にしていると食べられてしまう可能性があるため、早めに対応しましょう。
産卵後は親魚と卵を分ける
小赤が卵を産んだら、基本的には親魚と卵を分けて管理します。
方法としては、次の2つがあります。
- 親魚を別の水槽へ移す
- 卵が付いた産卵床を別の容器へ移す
どちらの方法でも、卵を親魚から守ることが目的です。
ただし、移動の際に水温や水質が大きく変わると、卵や親魚に負担がかかる可能性があります。
別の容器へ移す場合は、あらかじめ適切な水を用意し、水温差などに注意しましょう。
元記事でも紹介したように、卵をそのまま残して親魚を移す方法なら、卵のある環境を大きく変えずに済みます。
特に、卵が水槽の壁面や底に多数付着している場合は、この方法が取りやすいでしょう。
一方、産卵床にまとまって付着している場合は、産卵床ごと移す方法もあります。
どちらが適しているかは、卵が付いている場所や飼育設備によって異なります。
大切なのは、卵を傷つけず、水温や水質を急変させないことです。
小赤の受精卵と無精卵の見分け方・管理方法
小赤が産卵しても、すべての卵が受精しているとは限りません。
卵の中には、受精して正常に発生するものと、受精していないものがあります。
一般的に、正常に発生している金魚の卵は透明感があり、時間の経過とともに胚の様子が見える場合があります。
一方、白く濁った卵は、無精卵や発生が止まった卵の可能性があります。
ただし、産卵直後の色だけでは正確に判断できないため、少しずつ変化を観察しましょう。
特に注意したいのは、白く濁った卵に水カビが発生することです。
傷んだ卵を放置すると、周囲の卵にも影響したり、水質悪化につながったりする場合があります。
そのため、明らかに傷んでいる卵は、周囲の正常な卵を傷つけないよう、スポイトなどで慎重に取り除く方法があります。
ただし、卵は小さく傷つきやすいので、無理に触りすぎないようにしてください。
また、卵の管理では水質と酸素の確保も重要です。
エアレーションを利用する場合は、卵に強い水流が直接当たらないよう調整しましょう。
小赤の卵は何日で孵化する?
小赤の卵が孵化するまでの日数は、水温によって異なります。
水温が高めなら発生が早く進み、低めなら時間がかかる傾向があります。
例えば、金魚の卵は20℃前後なら4〜7日程度、やや高めの水温では3〜5日程度で孵化する場合があります。
ただし、これはあくまで目安であり、個体や環境によって前後します。
また、孵化を早めようとして急激に水温を上げることはおすすめしません。
卵の管理では、水温を一定に保ち、極端な変化を避けることが重要です。
孵化が近づくと、卵の中に稚魚の形や黒い目が見えることがあります。
やがて小さな稚魚が卵から出てきますが、孵化直後はすぐに泳ぎ回るとは限りません。
水槽の壁面や水草などに付いたまま、じっとしていることもあります。
この段階では無理に動かさず、静かに見守りましょう。
小赤の稚魚の育て方|餌やり・水換え・成長のポイント

小赤の卵が無事に孵化したら、いよいよ稚魚の飼育が始まります。
生まれたばかりの稚魚は非常に小さく、水質や水流の変化にも敏感です。
特に注意したいのは、餌を与え始めるタイミングと水の管理です。
孵化した稚魚はいつから餌を食べる?
小赤の稚魚は、生まれた直後から餌を食べるわけではありません。
孵化直後は、お腹にある「ヨークサック」と呼ばれる卵黄由来の栄養を利用して成長します。
そのため、最初の数日間は餌を与える必要がありません。
お腹の栄養が吸収され、稚魚が泳ぎ始めたころが、餌やりを始める目安です。
一般的には孵化後2〜3日程度ですが、発育の様子を見ながら判断しましょう。
最初に与える餌としては、次のようなものがあります。
- ゾウリムシなどの小さな微生物
- 市販の金魚稚魚用の粉末餌
- 口に入る大きさになってからのブラインシュリンプ幼生
稚魚の口は非常に小さいため、餌の大きさが合っていることが重要です。
粉末餌を利用する場合は、食べられているか様子を確認してください。
また、一度に大量の餌を与えると、水が汚れやすくなります。
少量ずつ、稚魚の状態を見ながら与えることが大切です。
筆者が実際に小赤の稚魚を育てたときのことですが、生まれた姿には本当に驚きました。
小さい小さい数ミリほどの稚魚が生まれます。(かわいい♡)
そして、筆者は「小赤なのに?!黒いじゃないか?!」と驚いてしまいました。
小赤という名前なので、最初から赤い金魚が生まれると思っていたんですね。(笑)
でも、実際には黒っぽい色をした稚魚が生まれることがあります。
小さなころはメダカの稚魚にも似ていて、初めて見ると戸惑うかもしれません。
それでも、ちゃんと小赤の稚魚です。
金魚の体色は成長とともに変化することがあり、黒っぽかった稚魚が赤やオレンジ色になる個体もいます。
ただし、すべての個体が同じ時期に色変わりするわけではありません。
どんな色に成長するのかも、稚魚を育てる楽しみの一つですね。
小赤の稚魚の水換え・エアレーションの注意点
小赤の稚魚を育てるうえで、餌と同じくらい大切なのが水質管理です。
稚魚は体が小さく、水温や水質の急激な変化に弱いため、慎重に管理する必要があります。
特に、餌の食べ残しや排せつ物がたまると、水質が悪化する原因になります。
水換えの際は、一度に大量の水を交換するのではなく、汚れ具合を確認しながら少しずつ行いましょう。
新しく入れる水はカルキを抜き、飼育水との温度差をできるだけ小さくしてください。
また、稚魚は泳ぐ力が弱いため、強い水流にも注意が必要です。
一般的なフィルターをそのまま使うと、稚魚が吸い込まれてしまう可能性があります。
稚魚用のスポンジフィルターなどを利用し、水流を弱めに調整するとよいでしょう。
エアレーションも、水面が激しく波立つほど強くする必要はありません。
稚魚が流されず、落ち着いて泳げる環境を目指してください。
水槽の底にたまった汚れは、細いスポイトなどで少しずつ取り除く方法もあります。
ただし、稚魚を一緒に吸い込まないよう、作業は慎重に行いましょう。
成長とともに餌の量や排せつ物も増えていくため、飼育数に応じた水換えや容器の追加も必要になります。
小赤を繁殖させる際の注意点と現実的な課題

小赤は家庭でも繁殖できる金魚ですが、産卵に成功したからといって、すべての稚魚を成魚まで育てられるとは限りません。
また、無事に育った場合にも、飼育スペースの問題が出てきます。
繁殖を始める前に、こうした現実的な課題も知っておきましょう。
稚魚がすべて育つわけではない
小赤は一度の産卵で、多数の卵を産むことがあります。
ただし、そのすべてが受精し、孵化して成長するわけではありません。
受精していない卵や、途中で発生が止まる卵もあります。
また、孵化後の稚魚は水質や餌の不足、飼育環境の変化などによって弱ることがあります。
どのくらいの稚魚が成魚まで育つかは、親魚の状態や設備、飼育管理によって大きく変わります。
そのため、「最終的に10〜20匹程度しか残らない」というような固定的な数字で判断することはできません。
反対に、管理がうまくいけば予想以上に多くの稚魚が育つ場合もあります。
そこで問題になるのが、成長後の飼育スペースです。
生まれたばかりの稚魚は非常に小さいものの、成長すれば一般的な金魚としての大きさになります。
小型水槽に何十匹も入れたままでは過密になり、水質が悪化しやすくなります。
成長に応じて水槽を分けたり、大きな飼育容器を用意したりする必要があるでしょう。
また、稚魚の成長速度には個体差があります。
大きな個体と小さな個体で餌を食べられる量が変わることもあるため、必要に応じてサイズ別に分ける方法もあります。
さらに、小赤は和金などの小型個体がこの名前で販売されることが多く、必ずしも同じ特徴の個体ばかりではありません。
そのため、繁殖しても、親魚とまったく同じ体色や尾びれになるとは限らないのです。
小赤の稚魚が黒っぽい状態から色変わりすることも含め、成長後の姿には個体差があると考えておきましょう。
繁殖は楽しいものですが、生まれた稚魚の数だけ世話の負担も増えます。
最終的に何匹まで飼育できるのか、成長後の水槽をどうするのか、あらかじめ考えておくことが大切です。
小赤を繁殖させる方法【まとめ】

小赤は、成熟したオスとメスがいて、適切な環境が整えば家庭でも繁殖を楽しめる金魚です。
繁殖を成功させるためには、次のポイントを押さえておきましょう。
- 春から初夏の繁殖期に親魚の状態を確認する
- 追い星や追尾行動などを参考にオスとメスを見分ける
- 産卵床を用意し、産卵後は卵と親魚を分ける
- 卵の水温や水質を安定させ、孵化を待つ
- 稚魚が泳ぎ始めたら、口に合う小さな餌を与える
- 水流を弱め、水換えは慎重に行う
- 成長後の飼育スペースまで考えておく
筆者も、初めて小赤の稚魚を見たときは、黒っぽい姿に驚きました。
でも、小さな稚魚が少しずつ成長していく様子を観察できるのは、繁殖ならではの楽しみです。
小赤の繁殖に挑戦するときは、親魚にも稚魚にも負担の少ない環境を整え、焦らずじっくり育てていきましょう。
他の金魚の記事も参考にしながら、よりよい飼育環境を整えてくださいね。