
ダックスフンドは可愛い見た目とは裏腹に、意外と抜け毛が多い犬種です。」
「掃除してもすぐ毛が落ちる」と悩む飼い主さんも多いでしょう。
この記事では、ダックスの毛が抜ける理由や、被毛タイプごとのケア、そして日常でできる抜け毛対策を詳しく解説します。

ダックスフンドの抜け毛は多い?

結論から言うと、ダックスフンドの抜け毛は多い方に入ります。
見た目がコンパクトで毛が短いスムースタイプなどは「抜け毛が少ない」と思われがちですが、実際には日常的にかなりの量の毛が落ちています。
抜け毛が多い理由はダブルコートだから
その理由は、ダックスがダブルコート(2重被毛)だからです。
表面を覆うオーバーコート(主毛)と、その下にあるふわふわしたアンダーコート(副毛)の二層構造になっており、このアンダーコートが生え変わるときに大量の抜け毛が発生します。
特に春と秋の換毛期は、気温の変化に合わせてアンダーコートが一気に抜け落ちるため、ブラッシングを怠ると部屋中が毛だらけになってしまうことも。
個体差あり
また、抜け毛の量には個体差もあります。
室内の温度が一定の環境で育つ犬は、季節の影響を受けにくい反面、一年中少しずつ抜け続けるタイプも多いです。
そのため、「うちの子は換毛期がない」と感じる飼い主さんもいますが、実際には一年を通して抜け毛が発生しているのです。
種類別ダックスの抜け毛の特徴
ダックスフンドは毛質が「スムース」「ロング」「ワイヤー」の3タイプに分かれます。
毛質によってケア方法が少し異なるため、それぞれに合ったお手入れをしましょう。
スムースヘアード

短毛で硬い毛質ですが、抜け毛の量は他タイプと同じくらいです。
目立ちにくいだけで、実際はよく抜けています。
ゴム製のラバーブラシで毎日ブラッシングし、皮膚をマッサージするようにケアすると抜け毛予防になります。
ロングヘアード

細く柔らかい毛質で、絡まりやすく毛玉ができやすいタイプです。
スリッカーで毛先から優しくほぐし、最後にコームで整えると毛艶が出ます。
サマーカットは皮膚を紫外線や刺激から守る被毛を失うため、避けたほうが安心です。
ワイヤーヘアード

ワイヤーダックスは、硬くカールした毛質が特徴で、水にも強いタイプ。
基本的にはロングと同じケアで問題ありませんが、毛質を保ちたい場合は専門の「プラッキング(ブラッキング)」をトリマーに依頼します。

ミニチュアやカニンヘンでも抜け毛の量は同じ?
ミニチュアやカニンヘンといった呼び方は、体のサイズによる分類です。
抜け毛の量はサイズではなく、毛質(スムース・ロング・ワイヤー)で決まります。
つまり「ミニチュアロングヘアードダックス」と「カニンヘンロングヘアードダックス」は、どちらも同じロングタイプの抜け毛量になります。
見た目の大きさは違っても、毛の構造が同じなら抜け毛の傾向も同じと考えてよいでしょう。
ダックスフンドの抜け毛を減らす生活習慣の工夫
ブラッシングの理想の頻度

ダックスフンドの抜け毛対策や皮膚の健康を保つためには、ブラッシングを習慣化することが何より大切です。
特にダブルコートの犬種であるダックスは、表面のオーバーコートよりも下毛(アンダーコート)の方が多く、放っておくと通気性が悪くなり、皮膚トラブルの原因になります。
ブラッシングの頻度は被毛のタイプによって変わります。
- スムースヘアード:
毛が短く絡みにくいので、週2〜3回程度で十分。ただし換毛期(春・秋)は毎日軽く行いましょう。 - ロングヘアード:
毛玉ができやすいため、毎日1回が理想。特に耳の後ろやお腹、脇の下はもつれやすいので丁寧に。 - ワイヤーヘアード:
週2〜3回でOK。硬い毛質のため、ラバーブラシよりスリッカーを使って軽く毛をほぐすと効果的です。
ブラッシングの目的は「毛を整える」だけではなく、抜け毛を取り除き、皮膚の血行を促すことにもあります。
また、日々のブラッシング中に皮膚の赤みやフケ、しこりなどを見つけやすくなるため、健康チェックの時間としても役立ちます。
最後に、ブラッシング後は柔らかい布やグルーミングスプレーで毛並みを整えると、静電気を防ぎツヤが長持ちします。
時間にして5〜10分程度で構いません。短い時間でも毎日続けることが、ダックスの健康な被毛を守るいちばんの秘訣です。
トリミングで抜け毛は減らせる?

ダックスフンドは基本的にトリミング(全身カット)が必須の犬種ではありません。
しかし、抜け毛を少しでも減らしたいという目的でトリミングを取り入れるのは、実は効果的な方法のひとつです。
ダックスはダブルコートのため、定期的に毛が生え変わります。
その際、長く伸びた被毛をトリミングで整えることで、古い毛が絡まりにくくなり、抜け毛の拡散を抑えることができます。
特にロングヘアードタイプでは、耳や胸、しっぽの飾り毛が伸びすぎると、ブラッシングしても下毛が取りきれず、余分な毛が抜け続ける状態になります。
トリミングの頻度は、毛質や季節によって異なりますが、
- ロングヘアード:1〜2ヶ月に1回、部分カットで毛量調整を。
- スムース/ワイヤー:伸びすぎることは少ないが、毛先を整える程度でも抜け毛の飛散を防げます。
ただし、「抜け毛を減らしたいから」と言って全身を短く刈り込むサマーカットは注意が必要です。
ダックスの皮膚は薄く、毛を短くしすぎると紫外線や虫刺され、乾燥ダメージを受けやすくなります。
抜け毛対策として理想的なのは、“短くする”よりも“整える”トリミング。
毛量のバランスを整えつつ、ブラッシングやシャンプーで抜け毛をしっかり取り除くことで、室内の毛の舞い散りを大幅に減らせます。
トリミングにおけるサロンと自宅ケアの使い分け

ダックスフンドは、定期的なトリミングによって抜け毛を減らしやすくすることが可能です。
ただし、その方法は「どこまでを自宅でやり、どこからをプロに任せるか」で大きく変わります。
サロンでのトリミング
抜け毛を減らす目的であれば、1〜2ヶ月に一度のサロン利用がおすすめです。
プロのトリマーは、通常のシャンプーに加えて「抜け毛除去(デスコート)」や「ブロー時の下毛処理」などを丁寧に行ってくれるため、家庭では取りきれないアンダーコートまでしっかり落とせます。
特にロングヘアードの子は、胸や耳まわり、しっぽの飾り毛に抜け毛が絡まりやすく、サロンで毛先を整えるだけでも通気性が良くなり、抜け毛の拡散が抑えられます。
また、シャンプー後のドライ工程をしっかり行うことで、皮膚環境が整い、健康な毛の生え変わりにもつながります。
自宅でのトリミング・部分ケア
一方、家庭でもできる範囲のトリミングは、日常的な抜け毛管理にとても有効です。
顔まわりや足裏、しっぽの先などの部分カットをハサミやバリカンで整えるだけでも、毛が絡まず抜け毛を溜め込みにくくなります。
ただし、全身のカットや毛量調整は、失敗すると皮膚を傷つけるおそれもあるため、無理は禁物です。
ロングヘアードでもスムースでも、最も大切なのは「トリミングで毛を減らすこと」よりも「古い毛を詰まらせないこと」。
ブラッシングとシャンプーの延長としてトリミングを取り入れると、抜け毛対策として非常に効果的です。
シャンプーとドライの頻度にも注意

シャンプーのし過ぎは皮脂を奪い、逆に抜け毛を増やすことがあります。
ダックスフンドの場合、月2回を目安にやさしい低刺激シャンプーを使用し、すすぎ残しのないように丁寧に洗いましょう。
洗ったあとは自然乾燥ではなく、ドライヤーを低温でしっかり乾かすことがポイントです。
湿ったまま放置すると、皮膚炎や臭いの原因になるだけでなく、毛根の健康にも悪影響を与えます。
室内環境を整えることが抜け毛対策の第一歩

ダックスフンドの抜け毛を減らすには、ブラッシングだけでなく「生活環境」を見直すことも大切です。
特に換毛期(春・秋)は、室温と湿度の変化が抜け毛量に影響します。
エアコンの風が直接当たる場所を避け、湿度40〜60%を保つようにしましょう。
乾燥し過ぎると皮膚が荒れて抜け毛が増え、湿度が高すぎると雑菌が繁殖してフケが増える原因になります。
また、布団やカーペットなどの繊維製品は抜け毛が絡まりやすいので、掃除機に加えてコロコロ(粘着クリーナー)を毎日使うと清潔に保てます。
食事の栄養バランスが毛並みを左右する

抜け毛の多さには、被毛そのものの健康状態も関係します。
特に、オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸を含むフードやサプリを摂取すると、皮膚の保湿力と毛のハリが向上し、過剰な抜け毛を防ぎやすくなります。
また、良質なたんぱく質(チキン・サーモンなど)は新しい毛の生成に欠かせません。
毛艶が悪い、毛がパサつく、フケが増えたといった変化が見られるときは、フードの質を見直してみましょう。

ダックスの毛が抜けるのはなぜ?【まとめ】
ダックスフンドの抜け毛は完全には防げませんが、毎日のブラッシングや室内環境の管理で大幅に軽減できます。
毛が健康に生え変わるサイクルを理解して、ストレスの少ないケア習慣を作りましょう。
あわせて「ダックスフンドのシャンプー頻度とケア方法」記事もチェックしてみてください。