
「抱っこしようとすると暴れる」「咬もうとする」——そんな悩みを持つ飼い主さんへ。
ダックスフンドは体が長く抱き方に注意が必要な犬種です。
正しい抱っこの仕方と、嫌がる理由、そして上手に慣らすコツをわかりやすく解説します。

ダックスが抱っこを嫌がる理由

犬の約8割は、抱っこやハグにストレスを感じるといわれています。
特にダックスは体が長く不安定になりやすいため、抱かれること自体が怖いと感じることもあります。
抱っこを嫌がる主な理由は以下の3つです。
- 抱っこされた時に嫌な思いをした
- 不安定な抱き方をされている
- 抱っこに慣れていない
病院や車移動など、抱っこが必要な場面は多いもの。
日頃から正しい抱き方で優しく慣らしていくことが、安心して抱かれるコツです。
ダックスフンドの抱き方|負担をかけない正しい方法
背中とお尻をしっかり支えるのが基本

ダックスの中には、立て抱っこが好きな子もいますが、縦抱きは腰への負担が大きく、長時間続けるのは避けましょう。
もっとも安定するのは、横向きで体全体を支える抱き方です。
まず、犬の外側(自分の体と反対側)の脇腹に片手を差し込み、前足のすぐ後ろから胸のあたりまでを手のひらで支えます。
もう一方の手でお尻を包み込むように持ち、下半身をしっかり固定します。
腕を体に密着させて脇を締めることで、犬の体が安定し、落下防止にもつながります。
首を支えて落下を防ぐコツ

胸を支える手で、首輪に軽く指を引っかけるように持つと、犬が動いた時にバランスを崩しにくくなります。
ただし、引っ張るように持つのではなく、あくまで補助的に支える程度でOKです。
この姿勢なら、背中を真っすぐ保ちながら抱けるため、ダックス特有の腰の弱さをカバーできます。
体格別の抱き方のポイント

小柄なカニンヘンやミニチュア・ダックスは、片手で胸を支え、もう片方でお尻を支える基本形で十分安定します。
一方、体が大きいスタンダード・ダックスは、同じ方法だと抱えにくいことがあります。
その場合は、片手で肩から首あたりを支え、もう片方の手でお尻を持ち上げるように抱えましょう。
腰を痛めないためにも、低い位置から持ち上げず、ソファや台の上など少し高い場所から抱くと楽です。
抱っこの基本は「背中とお尻を守る」

どのサイズでも共通して大切なのは、背中を反らせないことと、お尻をしっかり支えること。
胴が長いダックスは、抱っこの際に背中がたわむと、椎間板ヘルニアのリスクが高まります。
「体をまっすぐに」「両手で支える」この2点を意識するだけで、安心して抱っこできるようになります。
ダックスが安心する抱っこの練習方法3ステップ

抱っこ嫌いを克服するためのステップ
抱っこが苦手なダックスでも、少しずつ慣らしていけば安心して身を任せてくれるようになります。
最初は抱き上げず、床に座った状態で犬の体を軽く支える練習から始めましょう。
数秒間だけ優しく支え、落ち着いていられたら褒めておやつを与えます。
これを繰り返すうちに、抱っこの時間を少しずつ延ばしていくと、恐怖心が和らいでいきます。
抱っこに慣れていない子にいきなり持ち上げるのは逆効果です。
「抱かれると安心できる」という体験を積ませてあげましょう。
飼い主の姿勢と環境づくり
抱っこを嫌がる犬の多くは、抱かれる瞬間の「不安定さ」や「高さの恐怖」に反応しています。
そのため、飼い主自身が安定した姿勢でいることが重要です。
ソファや床に座り、犬と同じ目線で抱えることで不安を減らせます。
また、滑りやすい床や騒がしい環境では犬が緊張しやすいので、静かで安心できる場所を選びましょう。
抱っこを好きにさせる声かけとスキンシップ
抱っこ中に「大丈夫」「いい子だね」と優しく声をかけることで、犬は安心感を覚えます。
人の声のトーンやリズムは、犬の心拍数にも影響するため、できるだけ落ち着いた声を意識しましょう。
抱っこが終わった後には必ず褒めるか、ご褒美を与えると、「抱っこ=うれしいこと」と学習します。
日常のスキンシップとして短時間の抱っこを取り入れると、絆が深まり、いざという時もスムーズに抱えられます。
ダックスの抱っこでやってはいけない行為

身体が長く、下半身に負担が掛かりやすいダックスの体型は、他の犬種以上に気を使わなければいけないポイントがあります。
ダックスにとって、これはNG!と言うのをあげておきますね。
- 両脇腹を持ってぶら下げる=下半身に負担が掛かり過ぎて、椎間板ヘルニアの要因になりえます
- 仰向けで抱っこ=人間の赤ちゃんの様な抱っこですが、身体が湾曲する事で腰に負担が掛かります
足がぶらぶらする体制はどんな犬にもNGですが、特にダックスには負担が大き過ぎます。
ダックスと抱っこ紐の使い方

最近では、赤ちゃん用のように犬を抱っこできる「ドッグスリング」をよく見かけます。
スリングは幅広の布でできた袋状の抱っこ紐で、肩から斜めに掛けて使うタイプです。足がぶらつかず、犬の体を包み込むように抱けるため、小型犬の飼い主に人気があります。
ただし、ダックスフンドのように胴の長い犬には注意が必要です。
スリングの中で体が縦向きや斜めになると、背骨や腰が不安定になりやすいからです。
ダックスにスリングを使うときは、片手をスリングの外側から添え、もう片方の手を底の部分に入れてお尻を支えるのがポイント。
こうすることで体勢が安定し、犬も安心してリラックスできます。
スリングは便利な道具ですが、「両手で支える意識」を忘れずに使うことが大切です。

ダックスの抱っこの仕方【まとめ】
抱っこは、ダックスとの信頼関係を築く大切なスキンシップ。]
焦らず、犬のペースで少しずつ慣らしてあげましょう。
日々の抱っこ練習が、安心と絆を深める時間になります。