
コリドラスは底砂をほじって餌を探すため、底床の粒の大きさや形状は健康に大きく関わります。
特に粒が大きすぎたり角が尖っている砂利は、ひげの摩耗や水質悪化の原因になることも。
本記事では、大磯砂・川砂利・伊勢砂利・白砂利・着色砂利・クォーツグラベルの特徴と、コリドラスに適しているかどうかをわかりやすく解説します。
コリドラスに適した底床とは?

コリドラスは、常に底床の真上を泳ぎ回り、そのまま底床で止まって休んでいることも多い魚です。
餌を探すときも底床に鼻先を突っ込み、そのひげで食べられるものを探して食べています。
つまり、底床がコリドラスにとっては生活の場となるのです。
このため、底床選びはコリドラス飼育の重要なポイントとなります。
掃除などのメンテナンスやコリドラスの性質を考慮すると、底床に求められるのは次の条件です。
- 粒が小さく角が丸いこと
- 水質に影響を及ぼさないこと
- 比重が重くクリーナーでの掃除がしやすいこと
これを踏まえて、私が使ったことのあるものも含めておすすめの底床をご紹介します。
ただし先にお断りしておくと、底床といっても日々新しい商品が開発され、ショップに行けば何種類も販売されています。
特定の商品や種類で判断するのではなく、上記のポイントを満たすかどうかで判断するといいでしょう。
コリドラスの砂利は、大きくても大丈夫?
コリドラスは餌を探すとき、ひげを使って底をくまなく探ります。
しかし、粒が大きすぎる砂利はこのひげを擦り減らしやすく、場合によっては傷つけてしまうことがあります。
特に角が尖った砂利は摩耗が早く、そこから細菌感染を起こすリスクも高まります。
また、粒が大きいと餌が間に落ち込んでしまい、コリドラスが食べきれずに腐敗し、水質悪化の原因にもなります。
粒の大きさは3〜5mm程度までの丸みのあるタイプが理想で、大きめの砂利を使う場合は水草や流木などでレイアウトを工夫し、コリドラスが直接掘る機会を減らすと安心です。
コリドラスに砂利を使ってもOK?
大磯砂

海産の天然砂利で、観賞魚用底床の定番。
粒はやや大きく硬いため、角があるとコリドラスのひげを摩耗させやすいのが難点。
ただし粒径の小さい「細目大磯」や角の丸いものを選べば使用可能。
底面フィルターとの相性も良く、掃除もしやすい。
使い始めは水質に影響することがあるため、十分な洗浄と慣らしが必要。
川砂利(河川砂利)

河川や河口で採取された天然砂利で、自然な色合いと丸みを帯びた粒が特徴。
大粒だとひげの摩耗や餌残りによる水質悪化の恐れがあるため、小粒で滑らかなタイプが望ましい。
園芸用もあるが、観賞魚用は水質への影響が少なく安全性が高い。自然風レイアウトとの相性も良いが、粒サイズの選定が重要。
伊勢砂利
茶~赤茶系の天然砂利で、和風水槽や金魚飼育に使われることが多い。
粒はやや丸いが大きめのタイプは摩耗リスクあり。
観賞魚用の小粒タイプならコリドラスにも使用可能。
濃い色はコリドラスの体色を引き立て落ち着かせる効果がある一方、糞や餌のカスが目立ちにくく、水質悪化に気づきにくい点には注意。
白砂利(ホワイトグラベル)

石英などを原料とした白色~乳白色の砂利。水槽を明るく見せる効果があるが、光の反射が強くコリドラスが落ち着かない場合がある。
粒が大きいとひげの摩耗リスクが高いため、小粒で角の丸いタイプを選ぶのが基本。水草や流木で陰を作ることで反射の影響を緩和できる。
着色砂利(カラーサンド/カラーグラベル)
人工的に色を付けた砂利で、赤や青など派手な色も多く装飾性は高い。
しかし塗装が剥げて水質に悪影響を与えるリスクや、表面の質感によるひげ摩耗の可能性があるため、コリドラス用には基本的に非推奨。
安全性が確認できた製品のみ使用を検討するのが望ましい。
クォーツグラベル(石英砂利)
透明~白系の石英を砕いた硬質な砂利で、光を反射し水槽を明るく演出する。
粒が大きいとひげ摩耗や餌残りの問題が出るため、小粒で角の丸いものが前提。
光反射が強いため、水草や流木で陰を作るレイアウトが望ましい。硬質で比重があり、底面フィルターとの相性は良い。
砂利の種類 | コリドラスに使えるか | 理由・注意点 |
---|---|---|
大磯砂 | △(条件付き可) | 粒が大きく硬い。角が丸く粒径が小さい「細目大磯」なら比較的安全。 |
川砂利(河川砂利) | △(状態による) | 天然で角が丸いが、大粒はひげを傷つけやすい。小粒で滑らかなタイプ推奨。 |
伊勢砂利 | △(観賞魚用なら可) | 粒はやや丸いが、大粒は摩耗リスクあり。濃い色は汚れが目立ちにくい。 |
白砂利(ホワイトグラベル) | △(条件付き可) | 小粒で角が丸ければ可。明るすぎる色はコリドラスが落ち着かない場合あり。 |
着色砂利(カラーサンド/カラーグラベル) | ×(非推奨) | 塗装剥がれや水質悪化のリスクがあるため安全性に難あり。 |
クォーツグラベル(石英砂利) | △(小粒限定) | 硬質で大粒は摩耗リスク。半透明で光反射が強いので陰を作るレイアウトが望ましい。 |
コリドラスに使える砂利以外の床材
草用ソイル
ソイルと一口にいってもたくさん販売されています。
どれも自然な雰囲気が魅力で、当然ながら水草も良く育つので、私も使っていたことがあります。
ただ、粒が簡単に崩れてしまうのでクリーナーでの掃除ができません。
また、コリドラスによって粒がすり減ってしまうのか、だんだん細かな粒子が増えてヘドロのようなものが溜まってきます。
そのため、私は1年で丸ごと水槽をリセットしてソイルを交換していました。
とても大変なので、おすすめはしません。
ボトムサンド
実は、「コリドラス用」と銘打った底床も何種類か販売されており、私が使っていたボトムサンドもそのひとつです。
粒は細かく、色もきれいなのですが、比重が軽いためクリーナーを使うと底床ごと吸い出されてしまいます。
コリドラスが鼻先を突っ込むたびに砂が大きく舞い上がるので見ていて楽しいのですが、掃除は大変でした。
田砂
粒が小さく角が丸いため、コリドラスのひげをあまり傷つけません。
ボトムサンドと同じくらい粒が小さいのでクリーナーの使用は心配でしたが、こちらの方が比重が重いためほとんど吸い込みませんでした。
コリドラスの居心地の良さと掃除のしやすさのバランスがとれた底床だと思います。
ベアタンク(何も敷かない)

私が意外とアリだと感じたのが、コリドラスのベアタンクでの飼育です。
先に欠点を述べると、当然ながら砂利や砂がないので、コリドラスが鼻先を底床に突っ込む行動は楽しめません。
また、底面のガラスが反射してコリドラスが落ち着かなくなることがあります。
一方、砂利の角で自慢のひげを痛めることもありませんし、汚れが目立つのでメンテナンスもしやすくなります。

あまりに殺風景だし魚が落ち着かない、という場合、「一層敷き」という方法をおすすめします。
これは、砂粒一個分の厚みで薄く敷く、という方法です。
魚が動く水流で砂粒が動き、どうしてもまばらになってしまいますが、ガラスの反射を抑えることができ、見た目も完全なベアタンクよりは自然に見えます。
まとめ
コリドラスに砂利を使う場合は、粒の大きさや角の有無を必ず確認しましょう。
大磯砂や川砂利なども小粒で角の丸いタイプなら使用可能ですが、着色砂利のように安全性に不安がある素材は避けたほうが無難です。
適切な底床を選び、コリドラスが安心して餌探しできる環境を整えてあげましょう。