
コリドラスの稚魚は成魚よりも餌やりの頻度が多く、初期は特殊な餌が必要です。
この記事ではふ化直後から人工飼料に切り替えるまでの流れと、各段階での与え方を詳しく解説します。
初めての繁殖でも安心して稚魚を育てられるようになる内容です。
ふ化したてのコリドラスの稚魚の餌

ふ化直後のコリドラスには餌は不要
実は、ふ化直後のコリドラスには餌を与える必要がありません。
稚魚の姿をよく観察すると、お腹に黄色い袋を付けているのが見えると思います。
ヨーサックの中に栄養分が詰まっている
孵化したばかりのコリドラスの稚魚は、おなかに栄養分(ヨークサック、黄色っぽい)があります。
— aquarium (@aquarium879) March 27, 2016
孵化水槽で、稚魚が少し大きくなるまでペアタンク(底砂を入れない水槽)で育てます。
この段階では、餌は食べません。
写真は孵化したばかりの稚魚 pic.twitter.com/V1AHffZNbh
この黄色い袋はヨークサックといい、中には稚魚の栄養分が詰まっています。
このヨークサックから栄養を補給できるうちは、稚魚は餌を食べる必要がないのです。
ヨークサックが吸収されるまでに数日かかりますから、この間に初期飼料の準備をしましょう。
コリドラスの稚魚のヨークサックが取れたら餌を与える

コリドラスの稚魚に餌を与えるタイミング
ヨークサックがすべて吸収されると、それまでじっとしていた稚魚が自力で動き始めるようになります。
自分で泳ぎ回り、餌を探しているのです。
こうなれば、与えた餌を食べられるようになるので、飼い主が餌を与える必要があります。
コリドラスの稚魚の餌は、インフゾリアを与える
ただし、コリドラスの稚魚はかなり小さく、初期飼料に苦労することになります。
いくつか飼育関係の本やサイトを見ると、
「インフゾリアを与えるように」
と書かれています。
確かに、コリドラスの稚魚はインフゾリアを食べて成長しますが、インフゾリアそのものも小さすぎて、見た目にはいるのかどうかわからない生き物です。
成魚を飼育している水槽にインフゾリアが発生しているはず(たぶん)
成魚を飼育している水槽には多少は発生していると考えていいでしょう。
そこで私の場合、一日に二回、成魚を飼育している水槽の水で稚魚の水槽の水替えを行いました。
そうすることで、成魚の水槽に発生しているインフゾリアが稚魚に与えられる、と考えるのです。
正直、ちゃんと食べている保証はありませんが、仕方がありません。
コリドラスの稚魚の餌でインフゾリアを卒業したら
次はブラインシュリンプに

稚魚が一回り大きくなったら、餌をブラインシュリンプに切り替えましょう。
ブラインシュリンプとは、海外の塩水湖に生息する甲殻類の一種で、日本では
「シーモンキー」
などの名前で売られていることもあります。
ショップでは乾燥した粉末状の卵が売られていて、これを海水と同程度の塩水に入れてエアレーションし、30度前後に温めながら24時間経過するとふ化します。
コリドラスの稚魚にブラインシュリンプの与え方
コリドラス稚魚がブラインシュリンプ食べる瞬間撮れたーーーーーーーー!!! pic.twitter.com/QI6STE1p3c
— えびてん (@ebiten_wao) September 25, 2021
コリドラスの稚魚に与える場合、このふ化したばかりのブラインシュリンプを使います。
光に集まる習性があるので、ふ化したブラインシュリンプを懐中電灯などで一か所に集めてスポイトで吸い取り、目の細かい網で濾して真水でゆすいでから与えましょう。
ここでの餌やりの回数が重要なので、できれば一日四回、少なくとも三回は与えたいところです。
ブラインシュリンプを与えてしばらく経過したら稚魚が大きくなるので、四回の餌やりのうち一回を砕いたタブレット飼料にするなどして、徐々に人工飼料にならしていきましょう。
人工飼料へ切り替えるタイミング
稚魚の餌をインフゾリアやブラインシュリンプから人工飼料へ切り替えるタイミングは、体長が1cm前後になり、底砂の上で活発に餌を探すようになった頃が目安です。
急に切り替えると食べ残しが増え、水質悪化の原因になりますので、最初は1日のうち1回だけ人工飼料を砕いたものを与え、残りはブラインシュリンプにするなど「混合期間」を設けましょう。
人工飼料は沈下性で粒が細かいタイプを選び、水面に浮きやすいものは避けます。
切り替え完了までには1〜2週間かかることもありますが、この間も水換えをこまめに行うことで、稚魚の成長と水質の安定を両立できます。
ここまでくれば、かなり飼育が楽になるはずです。
コリドラスの稚魚の餌はいつから与えるの?【まとめ】
コリドラスの稚魚の餌やりは、ヨークサックがなくなってから始まり、インフゾリア→ブラインシュリンプ→人工飼料と段階的に進めます。
焦らず切り替え期間を設けることで食べ残しや水質悪化を防げます。
稚魚期を乗り越えれば飼育はぐっと楽になるので、日々の観察とこまめな水換えを心がけましょう。