いつもはちょこちょこと元気に泳ぎ回っているコリドラス。
ところが、ある日ふと見ると、状態を崩していることがあります。
妙にぼうっとして動かなくなっていたり、じっとしているときの姿勢が傾いていたり。
これは、体調不良や病気のサインです。
そんなときに行う対処のひとつが、塩水で一定期間過ごさせる塩浴です。
今回は、コリドラスの塩浴についてご紹介します。
熱帯魚が不調の時の対処法、塩浴の意味って?
熱帯魚が体調を崩したときに行う塩浴には、大きく分けて2つの効果があります。
1つめは、魚の体力を温存することです。
私たちの体も同じですが、生き物の体には一定の塩分が含まれています。
そして、塩分を一定に保たないと、体の大切な機能が失われてしまいます。
体の中の塩分濃度を一定に保つ機能を、浸透圧調整といいます。
浸透圧調整は生きていくうえで不可欠なのですが、具合の悪い魚にとっては負担の大きな働きです。
塩浴によって、体の内側と外側の塩分濃度を同じにしてやることで、浸透圧調整をする必要がなくなり、そのぶんの体力を温存できるのです。
2つめは、殺菌です。
生きていくうえで浸透圧調整が必要なのは寄生虫や病原菌も同じなのですが、これらの体内の塩分濃度は魚より低くなっています。
つまり、飼育水の塩分濃度を魚の体内と同じにすることで、寄生虫や病原菌にとっては塩分濃度の高すぎる環境にし、殺菌することができるのです。
ただし、寄生虫や病原菌の種類によっては、魚がダメージを受けない程度の塩分濃度では殺菌できない場合もあります。
塩分による殺菌効果はあくまでも補助的なもので、主な効果は1つめの体力温存です。
コリドラスの塩浴のやり方とは?期間や濃度について!
まず、具合の悪い個体を別水槽に分けましょう。
このときは水が共有される産卵箱などではなく、違う水槽を用意します。
隔離水槽には砂利などは敷かず、フィルターは投げ込み式か、エアレーションのみにします。
この水槽にコリドラスを入れ、塩を入れていきます。
ここがポイントになるのですが、濃度は0.5パーセント程度にしておきましょう。
普通、熱帯魚の塩浴で推奨されるのは1パーセントですが、コリドラスは薬品や塩分に対する耐性が低いといわれています。
そこで、大事をとって0.5パーセント程度にとどめておくのです。
塩を入れるときは直接水槽に入れるのではなく、カップなどで少量の水に溶いてから入れるようにすると、水槽をかき混ぜて魚に負担がかかるのを防ぐことができます。
また、一気に0.5パーセントにするのではなく、2日ほどかけて塩分濃度を上げていきましょう。
塩を入れ始めてから3日経過したら、2日かけて半分ずつ水替えをして淡水に戻します。
これで個体の状態を確認し、改善していれば完治するまで続けましょう。
コリドラスの塩浴中の餌やりと水替えについて
塩浴中、本来なら水をきれいにしてくれるバクテリアは存在しません。
バクテリアも、塩分を含む水中では生きられないのです。
そのため、塩浴に使っているのと同じ塩分濃度の水を用意し、毎日半分程度の水替えを行いましょう。
これを怠ると、せっかく体調を戻すために塩浴を行っているのに水質悪化で弱らせることになってしまいます。
餌については、与えても与えなくてもどちらでもかまいません。
そもそも具合が悪くて塩浴をさせているので、食欲がないこともじゅうぶん考えられます。
食べ残しも水質悪化の原因ですので、食べるようなら少しずつ与え、食べないなら無理に与えず様子をみましょう。
コリドラスの塩浴の最適なやり方とは?【まとめ】
コリドラスに限らず、魚が体調を崩すのには必ず理由があります。
体調不良にならないよう、普段から水質管理に気を配るのが一番です。
でも万が一、大切な魚が体調を崩してしまった場合、まずは塩浴を行い、体力を温存させながら様子をみるといいでしょう。