
出目金が水槽の底でじっとして動かないと、「弱っているのでは?」「寿命が近いのかも」と心配になりますよね。
実際に出目金は環境や病気だけでなく、寿命や老化によっても行動が変化します。
出目金は他の金魚に比べて体型や視力に特徴があり、飼育環境の影響を受けやすい生き物です。
本記事では、出目金が動かない原因と寿命の目安、そして少しでも長生きさせるための飼い方のコツを解説していきます。
出目金の特性とは?

突出した目の特徴
出目金は名前の通り、左右に大きく飛び出した目が最大の特徴です。
視力はあまり良くなく、物体との距離感をつかみにくいため、他の金魚に比べて泳ぎがゆっくりで、動かないように見えることもあります。
球体に近い体型
出目金は丸みを帯びた体型をしており、和金のように細長い金魚よりも泳ぐ力が弱めです。
強い水流に流されやすく、環境によっては体力を消耗して動かなくなることもあります。
性格と飼育上の注意点
出目金は一般的に温厚な性格をしており、混泳には向きますが、餌取りが苦手な一面があります。
そのため、泳ぎが活発な金魚と一緒に飼育すると餌を十分に食べられず、弱って動かないように見えることがあります。

出目金が動かない原因と対策

住んでいる環境が悪いと出目金もストレスが溜まり、弱ってしまう原因になります。
水温は一定に保たれていますか?
水槽に直射日光があたって水温が高くなったり、逆に低くなっていたり。
水温計を使って確認しましょう。
出目金の飼育に適した水温は 18〜26℃前後 とされています。
この範囲であれば消化や代謝が安定し、動きも活発になります。特に20〜23℃程度が落ち着いて飼育しやすい温度です。
水温が低すぎる場合(15℃以下)
水温が低いと代謝が落ち、出目金はじっとして動かなくなることがあります。冬場はヒーターを使って急激な低下を防ぐと安心です。
水温が高すぎる場合(28℃以上)
真夏の高水温は酸素不足や体力消耗につながります。
水槽用ファンや凍らせたペットボトルを浮かべるなどして、水温を下げる工夫が必要です。
急激な変化に注意
出目金は水温そのものよりも 急な変化に弱い 生き物です。
1日のうちに3〜4℃以上変化するとストレスになり、動かなくなる原因になることがあります。
水換えの際も、必ず新しい水の温度を合わせましょう。
フィルターに汚れはないですか?
出目金に限らず金魚は餌やフンで、水質は日々汚れます。
定期的な水の取り替えとフィルターのメンテナンスが必要です。
水槽内の過剰なレイアウトで、泳ぎにくいのかも。
水草の位置や隠れ家となるデコレーションの位置が過剰になったり、水流によって位置が変わってしまうことで、出目金が動かない原因になることもあります。

水流は強すぎませんか?
またポンプから吐き出される水量も適切か確認しましょう。
ポンプの不調で水流が安定せず、出目金が泳ぎにくく動かない原因になることもあります。
その他、混泳の場合、泳ぐスペースが狭い、またはいじめられていることも動かない原因にもなります。
出目金の暮らす水槽内の環境を整える対策を行うことが大切です。
適切な栄養をとれてますか?
餌をきちんと食べていますか?
毎日、与えている餌は、食べていますか?
餌には、水中に浮かぶタイプや沈むタイプ、形状もフレーク状や玉タイプなど、色々な種類があります。
出目金によっては、好みもありますし、食べていないことで、動かない原因になることもあります。
食欲がない時には与えている餌を見直してみる対策も必要です。
餌を与えすぎてはないですか?
これは自分自身の体験なのですが、パクパクと餌を食べに水面に出てくる出目金の表情が見たくて、家族それぞれが餌をやってしまったことがあります。
当然食べすぎてしまったことが原因で不調にしてしまったことがあります。
対策としては、家族全員で餌の表示をしっかり確認して、出目金に餌をあたえすぎないよう注意しましょう。


照明は明るすぎませんか?
水槽用のライトが多種多様なものが売られていて、自分だけのアクアリウムにしたりと選ぶのが楽しいのですが、出目金にとっては華美になっていることが不調の原因になのかも。
夜間は消すなどして、昼夜のリズムを整えましょう。
出目金にとって、十分な休息と活動の時間を確保する対策を行いましょう。
出目金の寿命と老化による動きの変化
出目金の平均寿命
出目金を含む金魚の平均寿命は約10年と言われていますが、適切な環境で育てると15年以上生きることもあります。
特に出目金は体型や目の特徴から体への負担が大きく、一般的な和金や琉金に比べると寿命が短めになることもあります。
長年飼っている出目金があまり動かなくなった場合は、老化による自然な変化も疑ってみる必要があります。
老化で見られる行動の特徴
老化が進んだ出目金は、若い頃のように活発に泳がず、水槽の底や水草の近くでじっとしている時間が増えます。
また、餌を食べるスピードが遅くなったり、若い個体に比べて餌を取り逃すこともあります。
ひれを大きく動かさず、最小限の力で漂うように泳ぐ姿も老化のサインと考えられます。
老化した出目金への飼育の工夫
老化によって体力が落ちた出目金には、餌の量を控えめにしつつ、消化しやすいタイプの餌を与えることが有効です。
また、急な水質変化や強すぎる水流は大きな負担になるため、水槽内の環境はできるだけ安定させることが大切です。
混泳している場合は、若い金魚に餌を横取りされないよう、餌を沈下性にするなど工夫すると安心です。
病気にかかっているかも
これまでにあげた対策をやってみて、改善が見られない場合は、病気にかかっている可能性があります。
この症状は特に注意。
- 色の褪せ
鮮やかな色合いがくすんで見える。特に出目の部分の色があせたように見える。 - 浮き沈みの変化
水中での浮力が弱まり、底に沈んだり、浮いたりする動きが見られる。 - ひれや尾の変形
ひれや尾が異常に見え、広がりが悪くなっている場合があります。
その症状が出た場合には、専門家に相談するのがおすすめです。
ペットショップに行けば相談にのってくれますし、市販の薬もあります。
出目金を写真やムービーにして症状をみてもらいながら相談するのもわかりやすいと思います。
出目金の寿命は平均何年?

平均寿命と最長寿命の目安
出目金の平均寿命は 5〜10年程度 とされています。
一般的な飼育環境ではこの範囲で天寿を迎えることが多いですが、水質・水温・餌の管理を徹底すれば 15年以上生きるケース も報告されています。
実際に家庭で長く飼われた例では、20年近く一緒に過ごせたケースもあります。
寿命の長さは環境や飼育者の管理次第で大きく変わると言えるでしょう。
寿命が近い時に見られるサイン
出目金が寿命に近づくと、若い頃と比べて動きが鈍くなり、水槽の底や水草の近くでじっとしている時間が増えます。
また、食欲が落ちて餌を取り逃すようになったり、ひれを大きく広げなくなることもあります。
体色がくすむ、目の輝きが弱まるといった変化も老化や寿命のサインです。
こうした行動や見た目の変化を確認したら、無理に活動させるのではなく、静かで安定した環境を整えることが大切です。
他の金魚との寿命比較
出目金の寿命は、和金やコメットなどスリムな体型の金魚に比べるとやや短い傾向にあります。
和金は15年以上、条件が良ければ20年以上生きることもありますが、出目金は体型や目の特徴から体への負担が大きく、10年ほどで寿命を迎える個体が多いのです。
そのため「出目金だから短命」と考えるのではなく、飼育環境を工夫することで他の金魚に近い寿命を目指すことが重要です。
出目金を長生きさせる飼い方

広さのある水槽と適切な環境
そのため、最初から出目金にとって余裕のある水槽を用意してあげることが寿命を伸ばすための第一歩です。
小さな水槽では泳ぐスペースが足りず、運動不足やストレスにつながります。
目安としては1匹あたり30リットル以上、2匹なら60センチ水槽以上が望ましいでしょう。
また、鋭利な装飾品や尖った水草は目や体を傷つける恐れがあるため、配置はシンプルにするのが安心です。

安定した水温と水質管理
出目金は急な温度変化や水質の悪化に敏感です。
適切な水温は18〜26℃前後で、特に20〜23℃の範囲が安定しやすくおすすめです。
冬はヒーター、夏は冷却ファンなどで水温を一定に保ちましょう。さらに、水質を維持するために週1回の部分換水(全体の3分の1程度)を行い、カルキ抜きを忘れずに行うことが大切です。
水質が安定していれば病気予防にもつながり、寿命を延ばす効果があります。
餌の与え方と栄養の工夫
出目金の餌は「1日1〜2回、5分で食べ切れる量」を目安に与えましょう。
食べ残しや過剰給餌は水質悪化と消化不良を招き、寿命を縮める原因になります。
市販の金魚用フードで十分ですが、時々ブラインシュリンプや冷凍赤虫を加えると栄養のバランスが良くなります。
高タンパクすぎる餌は肥満や浮き袋の不調を引き起こすため、主食は消化に優れたフードを中心にしましょう。

酸素供給とフィルター管理
出目金を長生きさせるには酸素も欠かせません。
金魚はブクブク無しの飼育も可能ですが、長生きさせたいなら水面を揺らすエアレーションや、酸素供給機能のあるフィルターを導入して水中の酸素濃度を保ちましょう。
特に夏場は高水温によって酸素不足が起こりやすいため注意が必要です。
また、フィルターは水質維持にも重要な役割を持ちます。ろ材の洗浄や交換を定期的に行い、常に清潔な環境を維持することで、出目金の健康寿命をぐっと延ばすことができます。

出目金が動かない原因と対策【まとめ】
出目金が動かない原因には、水質や照明、餌の量、病気、そして寿命や老化までさまざまな要因があります。
大切なのは、日常的に出目金の行動をよく観察し、いつもと違うサインを見逃さないことです。
飼い主が原因を見極めて適切な対策を取ることで、出目金はより長く健康に暮らすことができます。
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