
暑くなる季節、ダックスフンドにサマーカットをしてあげたいと考える飼い主さんも多いでしょう。
でも実は「短くすれば良い」というわけではありません。
この記事では、涼しく見えるのに皮膚を守れる安全なサマーカットのやり方を詳しく解説します。
ダックスフンドのサマーカットのメリットとデメリット

ダックスフンドのサマーカットは、実は逆効果になることもあります。
暑くなる季節に「涼しそう」「お手入れが楽」といった理由でカットする人は多いですが、短くしすぎると被毛の断熱効果を失い、かえって暑さや紫外線の影響を受けやすくなることがあります。
ダックスの毛は、空気の層を作って体温を一定に保ち、直射日光や虫から皮膚を守る大切な役割を持っています。
必要以上に短くすると、その機能を失ってしまい、皮膚トラブルやケガの原因になることも。
一方で、サマーカットにはメリットもあります。
汚れが落ちやすく乾きが早い、ムレにくく皮膚病予防になる、抜け毛が減るといった効果です。
大切なのは「切りすぎないこと」。快適さを保ちながら皮膚を守れる長さで整えるのが、ダックスフンドにとって理想的なサマーカットです。
ダックスフンドのサマーカット
やり方

自宅でサマーカットを行う際は、安全に・ムラなく・犬にストレスを与えないことが大切です。
手順を追いながら、落ち着いた環境で進めましょう。
- バリカン・コーム・テーブルを準備する
すべらない素材のトリミングテーブルが理想です。家庭ならキッチン台やテーブルでもOKですが、タオルを敷いて安定させましょう。バリカンは犬用の静音タイプを使用し、事前に刃を消毒しておきます。 - バリカンの音に慣らす
初めての場合は、いきなり体に当てずに少し離れた場所で音を聞かせ、怖がらないよう慣らします。慣れてきたら、電源を切った状態で背中や足などに軽く当て、感触を覚えさせましょう。 - バリカンをかける順番
電源を入れたら、顔から遠い背中側や腰のあたりからかけていきます。
顔や胸などの敏感な部分は、慣れてきてから最後に行うのがコツです。バリカンは毛の流れに沿って、ゆっくり一定の速度で動かします。逆なでにかけるとムラになりやすいので注意しましょう。 - コームで整えながら仕上げる
全体をカットしたら、コームで毛をとかして長さを確認します。長く残った毛や段差があれば、ハサミで整えると自然な仕上がりになります。最後に体全体を軽くブラッシングして、切り残しを取り除きましょう。
ポイントは、短くしすぎない・焦らない・声をかけながら進めること。
ダックスフンドは警戒心が強い子も多いため、優しく声をかけながら少しずつ慣らしてあげるのが成功の秘訣です。
注意点

それでは、サマーカットをする場合の注意点をお話していきます。
・耳の縁
・乳首
・肛門周り
・足の指の間
・後足の付け根
これらは皮膚が薄かったり、柔らかい部分なので、バリカンでも傷つけやすい場所になりますので注意しましょう。
我が家はバリカンの音になかなか慣れず、ハサミで来ることが多いのですが、以前、後足の付け根の毛を切っていた時に1cm程度の傷をつけてしまったことがあります。
すぐに病院に連れて行ったのですが、獣医さん曰く縫うほどまではいかないとのこと。
それにしてもとても痛そうで申し訳なかったので、それ以来は細心の注意を払って切ってあげるようにしています。
こんなケガを避けるためにも、みなさんは必ずバリカンでやるようにしましょうね。
テーブルは高めのテーブルを用意する
低いテーブルだと、散髪を嫌がる子は逃げてしまうことがあります。
そのため、高めのテーブルを用意するようにしましょう。
テーブルを高めにすることで、犬も緊張して暴れなくなりますし、何より人と目が合う高さなので愛犬からすれば、緊張はするけれど安心しやすい環境になります。
短く切りすぎない
上でも話したように、犬の被毛には大切な役割がいくつもあります。
切っていると分からなくなり、もっともっと、とどんどんきってしまうことがありますので注意をしましょう。
我が家でも1度やってしまった失敗なのですが、背中側の毛を切っているときに、どこまで切る予定だったのか分からなくなってしまい、気付いたらとっても短くなってしまいました。
そのことはまだそこまで暑い時期ではなかったのですが、散歩後に背中の皮膚が赤くなっており、カサカサの乾燥した肌になってしまいました。
その時は病院に行き、保湿剤をもらい、服を着せて散歩に行って毛が伸びるのを待ちましたが、獣医さんにも「切りすぎないように」とクギをさされ、その後は注意するようにしました。
バリカンを使う
上でも話したように、ハサミで切るとや若い皮膚を傷つけてしまうことがあります。
そのため、なるべくなら犬用のバリカンを用意し、ケガをさせないようにしましょう。
バリカンの注意点は、下の項目でまとめておきます。
ダックスフンドのサマーカットの例
定番のショートカットスタイル

夏の定番といえば、全身をスッキリと短くしたショートスタイル。
毛の長さを3〜5ミリほど残すことで、見た目も涼しく、抜け毛対策にもなります。
ただし、皮膚が直接紫外線を受けやすくなるため、散歩の際は日差しの強い時間帯を避けましょう。
スムースヘアーのように見えるほど短くしてしまうと、毛質が変わったり再生が遅くなるケースもあります。
短くする場合でも、全身同じ長さに整えるより、胸・首・お尻などの凹凸を意識して段差をつけると自然な仕上がりになります。
背中短め×耳やしっぽを残す「ナチュラルサマーカット」

全体を短くしつつも、耳やしっぽの毛を少し残すと、可愛らしさがアップします。
ロングヘアーやワイヤーヘアーのダックスに特に似合うカットで、顔の印象も優しくなります。
バリカンは背中〜お腹にかけて3〜5ミリ、耳や尻尾はハサミで整える程度にとどめましょう。
毛先を丸く整えるだけで、まるで「子犬のような」柔らかい雰囲気になります。
胸・お腹・足回りだけ整える「部分サマーカット」

全身を短くするのが不安な場合は、部分カットで快適性だけ高める方法もあります。
胸の飾り毛やお腹、足の内側だけ短くして風通しを良くすれば、見た目の印象を変えずにムレや皮膚炎の予防になります。
特にシニア犬や皮膚の弱い子は、バリカンを使わずにハサミで整えるだけでも十分効果的です。
部分カットでも、毛の流れに沿って均一に切るように心がけましょう。
サマーカットのバリカン|ミリ数の使い分け

バリカンを使うときには「何ミリを使う」と決めるのではなく、場所によって使い分けるようにしましょう。
使い分けの例をご紹介しますね。
1ミリ
1ミリの刃は、足裏、腹部、肛門周りなど、短くしたい部位に使います。
ダックスフンドは垂れ耳の耳が特徴ですが、耳の通気性が悪く外耳炎を起こすことがあるので、耳周りをスッキリさせたい場合も1ミリを使います。
3ミリ
3ミリは全体を短くしたいときに使います。
ダックスフンドのサマーカットでは、最も使われる長さです。
1ミリ、3ミリの場合は刃と刃の間が広くなるため、ケガをしやすくなりますので注意しましょう。
5ミリ
ダックスフンドでは、少し長めのサマーカットにする時に使います。
この他にもマルチーズやトイプードルなどのサマーカットではこの刃を使うことが多いです。
8ミリ
毛を少し長めに残したいときには、この8ミリを使うことが多いです。
この8ミリをダックスフンドに使用した場合には、1㎝よりも長い毛がのこります。
ダックスフンドのサマーカットのやり方は?【まとめ】
サマーカットは見た目を変えるだけでなく、健康管理の一部です。
短くしすぎず、愛犬が快適に過ごせる長さを見極めることが大切。
不安な場合はプロのトリマーに相談し、愛犬にぴったりの夏スタイルを見つけてあげましょう。