盲導犬にゴールデンレトリーバーが少ない理由と一生|引退後の生活まで解説

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盲導犬と聞くとラブラドールを思い浮かべる人が多いかもしれません。

実は、同じレトリーバーでもゴールデンレトリーバーの数は意外と少ないのです。

なぜゴールデンは減っているのか?その理由と、盲導犬としての一生をやさしく解説します。

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目次

盲導犬にゴールデンレトリーバーが少ないのはなぜ?

ラブラドールが主流になった理由

かつては盲導犬といえばゴールデンレトリーバーの印象が強い時代もありました。

しかし現在では、盲導犬協会などの育成団体で活躍する犬のほとんどがラブラドールレトリーバーです。

理由は「扱いやすさ」と「訓練適性」にあります。

ゴールデンレトリーバーは優しく従順な性格ですが、感受性が非常に強く、使用者や周囲の雰囲気に影響を受けやすい面があります。

その点、ラブラドールは少々の環境変化にも動じにくく、訓練への集中力が高い傾向があり、公共の場でも安定した行動を取りやすいのです。

また、毛が短く手入れがしやすい点も、屋外活動の多い盲導犬にとって大きなメリットとなります。

盲導犬には適性検査がある

盲導犬候補として生まれても、全ての子犬が盲導犬になれるわけではありません。

1歳頃までに性格テストや健康チェックなど複数の段階を経て、落ち着きや集中力、社会性が見極められます。

この段階で「人の感情に敏感すぎる」と判断されると、たとえ温厚でも盲導犬としては不向きとされます。

そのため、ゴールデンレトリーバーは「優しすぎて繊細」という性格がマイナスに働くことも多く、盲導犬全体の中では少数派になっているのです。

現在の盲導犬育成での位置づけ

それでも、盲導犬協会ではゴールデンレトリーバーの持つ「穏やかさ」「人懐っこさ」を活かすために、ラブラドールとのミックス(ラブラドール×ゴールデン)の繁殖も進められています。

この“ゴールデンドール”と呼ばれる犬たちは、ラブラドールの安定性とゴールデンの優しさを併せ持つ理想的な盲導犬として注目されています。

つまり「ゴールデンが少ない=不向き」ではなく、「適性の違いによって使い分けられている」というのが実際の現状です。

それぞれの犬が得意分野で活躍できるよう、盲導犬の世界も進化し続けているのです。

ゴールデンレトリーバーで盲導犬の一生

厳しい適正検査を乗り越えたゴールデンレトリバーだけが盲導犬になる

ゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバーは、穏やかで人懐っこく、周囲に安心感を与える犬種として盲導犬に多く選ばれます。

特にゴールデンは優しい表情と柔らかな性格で、子どもや初対面の人にも怖がられにくい存在です。

盲導犬候補の子犬は、穏やかな両親のもとに生まれ、生後2か月ほどで「パピーワーカー」と呼ばれるボランティア家庭に預けられます。

ここで1歳頃まで、家庭犬としての基本的なしつけや社会性を学びます。

その後、専門施設で訓練を受けますが、盲導犬として活躍できるのは全体の3〜4割程度

明るすぎたり臆病すぎたりする犬は、人の目となる仕事には向かないため、適性が厳しく見極められます。

訓練を終えた犬は2〜3歳で実際の使用者と生活を始め、約7〜8年間働きます。

10歳前後で引退すると、再びボランティア家庭に迎えられ、穏やかな余生を送ります。

筆者が訪ねた引退犬のラブラドールは、リビングの真ん中でお腹を出してぐっすり眠っていました。

仕事を終えた安心感に満ちた姿は、とても幸せそうでした。

盲導犬のトイレの世話

盲導犬になると、使用者と呼ばれる、目の不自由な方と生活をともにすることになります。

使用者は実際に盲導犬と暮らす前に、1ヶ月ほど専用の施設で盲導犬と共同訓練を行います。

泊まり込みでの訓練をとおして、犬に不慣れな方でも盲導犬と一緒に暮らす方法を学ぶことになります。


実際の盲導犬との生活

餌やワクチンなど必要な世話の仕方を学び訓練が終了すると、いよいよ使用者と盲導犬は共同生活を始めます。

トイレは、普通の飼い犬と同じで、外派と家派に分かれるようです。

ただし、どちらにしても使用者の方の合図で排泄するようにトレーニングされています。

目が見えないと、盲導犬がトイレをしても気づくことが難しいですよね。

そのため、あらかじめその盲導犬のトイレの時間を把握して、時間になったら使用者が声をかけて排泄させるように促すのです。


外でウンチをする場合の対処法

外出中にウンチの時間がくる場合は、腰で固定した「ウンチ袋」をお尻に付けて使用者が合図することになっています。

盲導犬は直接袋の中に排泄するので、使用者は手探りでウンチを探さなくても片付けられるし、周りの環境を汚すこともないので清潔です。

それにしても、合図があるまでトイレを我慢するなんて、本当に盲導犬は立派な犬ですね。


使用者が外出しなくても散歩は必要

いくらトレーニングされていても、盲導犬は犬ですから、最低でも1日1回は外を歩くことが必要です。

使用者が外出する日はそれが散歩になりますが、用事がなくても散歩に出る必要があります。

そのほかの餌や水、狂犬病や混合ワクチンなどの様々な世話も普通の犬と同じに行われます。

盲導犬も、きちんと管理されているのですね。

盲導犬は幸せな生涯を送れるのか

盲導犬として生きるゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバーは、2〜10歳の間、人間のために働き続けます。

その間、他の犬のように自由に匂いを嗅いだり遊んだりすることは許されません。

訓練によって常に冷静さと集中を保つよう身についているのです。

それでも彼らが使命を全うできるのは、もともと人と協力して働くために生まれた犬種だから。

かつて狩猟で主人と呼吸を合わせたように、盲導犬も「人と一緒に歩くこと」を自分の仕事として誇りをもって取り組んでいるのでしょう。

自由は少なくとも、その忠実さと信頼関係の中で、彼らなりの幸せを感じているのだと思います。

ゴールデンレトリーバーで盲導犬が少ない理由【まとめ】

盲導犬の多くはラブラドールですが、ゴールデンレトリーバーも温厚な性格で多くの人を支えています。

少数派であっても、その優しさは唯一無二。

盲導犬たちの働きと幸せな余生を支える環境づくりを、社会全体で考えていきたいですね。

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