
柴犬といえば、ピンと立った三角形の耳を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
そのため、愛犬の耳が垂れていると「なぜ耳が立たないの?」「もしかして純血の柴犬ではない?」「病気なの?」と心配になることもあるでしょう。
しかし、柴犬の耳が垂れている理由はひとつではありません。
子犬なら成長途中で耳がまだ立っていないことがありますし、成犬になっても耳が完全に立たない子もいます。
大切なのは、もともと垂れ耳なのか、それまで立っていた耳が突然垂れたのかを分けて考えることです。
この記事では、柴犬が垂れ耳になる理由をはじめ、子犬の耳が立つ時期、成犬の垂れ耳、片耳だけ垂れている場合、病気を疑いたい症状や耳のケアまで分かりやすく解説します。

柴犬が垂れ耳になるのはなぜ?

柴犬は立ち耳のイメージが強い犬種ですが、子犬の時期には耳が垂れていることがあります。
また、成長後も耳の形には個体差があります。
そのため、柴犬の耳が垂れているからといって、それだけで病気やミックス犬と判断することはできません。
まずは、考えられる理由を見ていきましょう。
子犬は耳が発達途中で垂れていることがある
柴犬の子犬は、生まれたときから成犬のような立派な立ち耳をしているとは限りません。
幼い時期には耳がまだ柔らかく、垂れて見えることがあります。
成長していくにつれて耳の形も変化し、少しずつ立ってくる子もいます。
そのため、迎えたばかりの柴犬の子犬が垂れ耳だったとしても、すぐに異常だと考える必要はありません。
子犬の体が成長するのと同じように、耳も成長の途中にあると考えて見守りましょう。
耳の形や軟骨には個体差がある
柴犬の顔や体格が一頭ずつ違うように、耳の大きさや形にも個体差があります。
耳が小さくしっかり立っている子もいれば、耳先が少し前へ傾いて見える子もいます。
こうした違いによって、同じ柴犬でも耳の印象は変わります。
特に「少し耳先が折れている」「左右で耳の立ち方が違う」といった場合でも、ほかに異常がなければ、その子の耳の特徴として現れている可能性があります。
成犬になっても垂れ耳の柴犬はいる

数としては多くありませんが、成犬になっても耳が完全には立たない柴犬もいます。
耳全体が大きく垂れ下がるというより、耳先が前へ折れていたり、片方だけ立ち方が弱かったりする場合もあります。
このような耳の形でも、痛みや赤みなどがなく、以前から同じ状態であれば、必ずしも健康上の問題があるとは限りません。
「柴犬なのに耳が垂れている」という見た目だけで、病気と決めつけないことが大切です。
柴犬の子犬の垂れ耳はいつ立つ?

柴犬の子犬を迎えた飼い主さんにとって、特に気になるのが「この耳はいつ立つの?」ということでしょう。
耳が立ち始める時期には個体差があるため、「生後○ヶ月なら必ず立つ」と一律に決めることはできません。
成長とともに耳が立ってくる子が多い
子犬の時期に垂れていた耳は、成長に伴って徐々に立ってくることがあります。
最初は両耳とも垂れていたのに、ある時期から耳の根元が起きてきたり、耳先だけが少し折れた状態になったりすることもあります。
さらに成長すると、柴犬らしい三角形の立ち耳へ変化する子もいます。
子犬の耳の変化も成長過程のひとつとして観察してみましょう。
耳が立つ時期には個体差がある
同じ月齢の柴犬でも、耳の立ち方が同じとは限りません。
早い段階から耳が立つ子もいれば、ほかの子より時間がかかる場合もあります。
そのため、ほかの柴犬と比べて「うちの子だけ遅い」と必要以上に焦る必要はありません。
ただし、耳そのものに赤みや腫れ、痛みなどがある場合は、単なる成長の違いとは別に考える必要があります。
片耳だけ先に立つこともある
柴犬の子犬では、左右の耳がまったく同じタイミングで立つとは限りません。
両耳が垂れた状態から片耳だけ立ち、その後もう片方の耳も立ってくることがあります。
そのため、子犬の片耳だけが垂れている場合も、耳が立っていく途中の可能性があります。
左右差だけを見て異常と判断せず、耳の状態や愛犬の様子も一緒に確認しましょう。
成犬でも垂れ耳の柴犬はいる?

「子犬なら分かるけれど、成犬なのに垂れ耳なのはおかしいのでは?」と感じる方もいるでしょう。
しかし、成犬だからといって、すべての柴犬の耳がまったく同じ形になるわけではありません。
成犬でも耳が完全に立たないケースはある
成犬になっても、耳先が少し折れていたり、立ち方が弱かったりする柴犬はいます。
もともとそのような耳の形で、痛みや炎症などもなく元気に生活しているのであれば、耳の形そのものを理由に病気だと決めつける必要はありません。
大切なのは、「垂れている」という見た目だけではなく、いつからその状態なのかということです。
子犬の頃から同じ耳の形をしている場合と、成犬になって突然変化した場合では意味が異なります。
垂れ耳だからミックスとは限らない
柴犬の耳が垂れていると、「ほかの犬種とのミックスなのでは?」と思うこともあるかもしれません。
もちろん、柴犬と垂れ耳の犬種とのミックスで、耳の特徴が現れる可能性はあります。
しかし、耳が垂れているという特徴だけでミックス犬だと判断することはできません。
犬の見た目にはさまざまな特徴が現れるため、耳だけを根拠に判断しないようにしましょう。
耳の形だけでは純血かどうか判断できない
「垂れ耳だから純血の柴犬ではない」と判断することもできません。
純血かどうかを確認したい場合、耳の見た目ではなく、血統書など出生や血統を確認できる情報を見る必要があります。
耳の形だけで「純血」「ミックス」と決めるのは避けましょう。
柴犬らしい立ち耳と少し違って見えても、それだけで愛犬の健康状態や価値が変わるわけではありません。
柴犬の片耳だけ垂れているのは大丈夫?

柴犬の片耳だけが垂れていると、左右が違うため余計に心配になるかもしれません。
ここでも重要なのは、子犬の成長途中なのか、それとも今まで立っていた耳に突然変化が起きたのかという点です。
子犬なら耳が立つ途中の場合がある
子犬では、片方の耳だけ先に立つことがあります。
もう片方が垂れているからといって、すぐに問題があるとは限りません。
耳だけでなく体全体が成長している時期なので、耳の変化も個体差として見守ることが大切です。
左右の耳が同時に立つとは限らない
人間の体にも左右差があるように、柴犬の耳にも左右差が見られることがあります。
一時的に「右耳は立っているのに左耳は垂れている」という姿になることもあります。
子犬の頃から少しずつ耳の形が変化していて、元気や食欲にも問題がなければ、成長の様子を観察してみましょう。
急に片耳だけ垂れた場合は耳の状態を確認する
注意したいのは、これまで両耳が立っていた柴犬の片耳が突然垂れた場合です。
この場合は「垂れ耳の個性」と決めつけず、耳の中や愛犬の行動も確認しましょう。
耳を頻繁にかいていないか、頭を振っていないか、赤みや臭いがないかなどを見ることが大切です。
耳の変化と一緒に気になる症状がある場合は、動物病院へ相談しましょう。
柴犬の耳が急に垂れたら病気?

もともと垂れ耳の柴犬と、それまで立っていた耳が急に垂れた柴犬では、考え方が異なります。
突然耳の状態が変わった場合には、耳だけを見るのではなく、ほかに症状が出ていないか確認してください。
耳を頻繁にかく・頭を振る
柴犬が何度も後ろ足で耳をかいたり、頻繁に頭を振ったりしている場合は、耳に違和感を感じている可能性があります。
たまたま一度耳をかいただけなら珍しい行動ではありません。
しかし、繰り返している場合や普段より明らかに回数が多い場合は、耳の中も確認してみましょう。
耳に赤みや腫れがある
耳の入口や耳介に赤みや腫れがある場合も注意が必要です。
見た目だけでは原因を判断できないため、「垂れ耳だから蒸れただけ」と自己判断しないようにしましょう。
特に突然耳が垂れたうえに赤みや腫れが出ている場合は、耳のトラブルが起きている可能性も考えて動物病院へ相談してください。
臭いや耳垢が増えている
耳から普段とは違う強い臭いがしたり、耳垢が急に増えたりしていないかもチェックしましょう。
健康なときの耳の状態を普段から見ておくと、こうした変化にも気づきやすくなります。
耳垢の色や量などに気になる変化がある場合は、自宅で何度も掃除して様子を見るのではなく、獣医師に相談することも大切です。
耳を触ると痛がる・嫌がる
これまで問題なく耳を触らせていた柴犬が、突然耳を触られるのを嫌がるようになった場合も注意しましょう。
触ろうとすると逃げる、鳴く、怒るなどの変化が見られる場合は、耳に痛みや強い違和感がある可能性があります。
無理に耳の奥まで確認しようとせず、必要に応じて動物病院で診てもらいましょう。
柴犬の垂れ耳を立たせる必要はある?
子犬の耳がなかなか立たないと、「何かしてあげた方がいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、見た目だけを目的に自己判断で耳を立たせようとする必要はありません。
自己判断で耳を矯正しない
耳が立たないからといって、自己流で耳を固定したり強くマッサージしたりするのは避けましょう。
耳はデリケートな部分です。
見た目を変えるために無理に触るよりも、まずは成長を見守り、心配な点があれば獣医師に相談する方が安心です。
耳を立たせる目的で栄養を追加しない
「カルシウムを与えれば耳が立つのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、耳を立たせることだけを目的に、自己判断で特定の栄養素やサプリメントを追加するのは避けましょう。
特に成長期の子犬では、特定の栄養素だけを多く与えるのではなく、必要な栄養を適切なバランスで摂取することが重要です。
耳が立たないことと特定の栄養不足を単純に結びつけないようにしましょう。
子犬には成長段階に合った食事を与える
子犬には、成長段階に合った栄養バランスの食事を適量与えることが基本です。
耳を立たせるための特別な食事を考えるより、健康な体の成長を支える食生活を優先しましょう。
食事内容や成長について不安がある場合は、自己判断でサプリメントなどを追加する前に獣医師へ相談してください。
垂れ耳の柴犬で気をつけたい耳のケア
垂れ耳か立ち耳かにかかわらず、愛犬の耳の状態を普段から確認しておくことは大切です。
日頃の状態を知っていれば、赤みや臭いなどの変化にも早く気づきやすくなります。
赤み・臭い・耳垢などをチェックする
愛犬と触れ合うときに、耳の見える範囲を確認してみましょう。
赤くなっていないか、腫れていないか、普段と違う臭いがしないか、耳垢が急に増えていないかなどを確認します。
また、見た目だけではなく、耳を気にしている行動がないかを見ることも大切です。
耳掃除をやりすぎない
「耳を清潔にしなければ」と思って頻繁に掃除したくなるかもしれませんが、必要以上の耳掃除は避けましょう。
特に綿棒などを耳の奥へ入れて掃除すると、耳の中を傷つけたり、汚れを奥へ押し込んだりするおそれがあります。
汚れや耳垢が気になる場合は、愛犬の耳の状態に合ったケア方法を動物病院で確認すると安心です。
異常が続く場合は動物病院へ相談する
耳の赤みや臭い、耳垢、かゆみ、痛みなどが続く場合は、家庭での耳掃除だけで解決しようとしないことが大切です。
また、それまで立っていた耳が突然垂れた場合も、ほかに異常がないか確認しましょう。
耳の形そのものよりも、「いつもと違う変化があるか」を見ることが重要です。

柴犬の垂れ耳についてよくある疑問

最後に、柴犬の垂れ耳について気になりやすい疑問をまとめます。
垂れ耳の柴犬は珍しい?
成犬の柴犬は立ち耳の姿が一般的なので、成犬になっても耳が垂れている柴犬は珍しく感じるでしょう。
一方、子犬では成長途中に耳が垂れている姿が見られます。
そのため、「柴犬の垂れ耳」といっても、子犬なのか成犬なのかによって意味が異なります。
垂れ耳だと純血の柴犬ではない?
垂れ耳という特徴だけで、純血の柴犬ではないと判断することはできません。
ミックス犬でも耳が垂れる可能性はありますが、耳の形だけから血統を判別することはできないためです。
純血かどうかを確認したい場合は、見た目ではなく血統を確認できる情報を参考にしましょう。
成犬になってから耳が立つこともある?
耳が立つ時期には個体差があるため、「この月齢までなら必ず立つ」と単純に区切ることはできません。
ただし、成長が進んでも耳が立たないからといって、見た目だけを理由に無理な矯正を行う必要はありません。
また、一度立っていた耳が成犬になって突然垂れた場合は、「遅れて成長している」という話とは異なります。
急な変化があれば、耳の状態やほかの症状も確認しましょう。
折れ耳と垂れ耳は同じ?
「折れ耳」「垂れ耳」は、耳の見た目を表す言葉として使われることがあります。
耳全体が下向きに垂れている場合もあれば、耳の根元は立っていて先端だけが折れて見える場合もあります。
柴犬では耳先が少し前へ傾いているだけでも「垂れ耳」「折れ耳」と表現されることがあるため、言葉だけでは耳の状態を正確に判断できません。
病気かどうかを考える場合は、「折れ耳か垂れ耳か」という呼び方よりも、以前からその形なのか、急に変化したのか、痛みや赤みなどがないかを確認することが大切です。
柴犬が垂れ耳になるのはなぜ?【まとめ】

柴犬の子犬は、耳が発達している途中で垂れ耳になっていることがあります。
成長に伴って耳が立ってくる子も多く、左右の耳が同時に立たず、一時的に片耳だけ垂れている場合もあります。
また、成犬になっても耳先が折れていたり、耳が完全に立たなかったりする柴犬もいます。
垂れ耳という見た目だけで「病気」「ミックス犬」「純血ではない」と判断することはできません。
一方で注意したいのは、それまで立っていた耳が突然垂れた場合です。
耳を何度もかく、頭を振る、赤みや腫れがある、臭いがする、耳垢が増える、触ると痛がるといった変化も見られる場合は、耳のトラブルが隠れている可能性があります。
また、子犬の耳がなかなか立たなくても、耳を立たせるためだけに自己判断で矯正したり、特定の栄養素やサプリメントを追加したりするのは避けましょう。
柴犬の耳を見るときに大切なのは、ほかの犬と比べることではなく、その子にとって「いつもの状態」から変化していないかを見ることです。
垂れ耳もその子らしい特徴として見守りながら、急な変化や気になる症状があれば獣医師へ相談しましょう。