
底砂付近で過ごしていることが多いコリドラスが、突然水面近くに浮いていたら「病気なのでは?」と心配になりますよね。
しかし、コリドラスが浮いたり水面まで上がったりする行動は、必ずしも異常とは限りません。
コリドラスには水面まで上がって空気を取り込む「腸呼吸」という習性があるため、水面まで泳いでいき、そのまま底へ戻る行動であれば正常な可能性があります。
一方で、水面付近にずっといる、お尻だけが浮く、縦になる、横向きや逆さまになるといった状態が続く場合は、飼育環境や体調を確認したほうがよいでしょう。
大切なのは「浮いているかどうか」だけではなく、どのような姿勢で、どのくらいの時間浮いているのかを観察することです。
この記事では、コリドラスが浮く原因を浮き方別に整理し、正常な行動との見分け方や確認したいポイント、対処法をご紹介します。
コリドラスが浮くのは病気?まず浮き方を確認しよう

コリドラスが浮いているのを見つけても、すぐに病気と判断する必要はありません。
水面まで上がってすぐ底へ戻るのであれば正常な腸呼吸の可能性があり、浮いたまま姿勢を保てない場合は注意が必要です。
まずは「水面まで上がったあと底へ戻るのか」「水面付近に居続けるのか」「お尻だけが浮いているのか」「逆さまや横向きになっているのか」を確認しましょう。
浮き方を確認してから、呼吸や食欲、水槽内の環境などを順番にチェックしていくと原因を絞り込みやすくなります。
コリドラスが浮く原因|正常な行動と異常を見分けよう

コリドラスが浮いてくる原因は一つではありません。
正常な腸呼吸によって一時的に水面へ上がる場合もあれば、水質や酸素量、消化状態などが関係している可能性もあります。
まずはコリドラスがどのような浮き方をしているのか確認してみましょう。
水面まで上がってすぐ底に戻る|腸呼吸の可能性
コリドラスが底から勢いよく水面まで泳ぎ、空気を吸ったあと再び底へ戻るのであれば、腸呼吸による行動の可能性があります。
コリドラスはエラ呼吸だけでなく、口から取り込んだ空気を腸で利用することができます。
そのため、ときどき水面まで上がってくること自体は珍しい行動ではありません。
水面へ上がったあと普通に底へ戻り、泳ぎ方や食欲にも変化がなければ、すぐに病気と判断する必要はないでしょう。
ただし、以前と比べて水面へ上がる回数が明らかに増えた場合は、念のため水質や水槽内の酸素供給なども確認しておくと安心です。
水面付近にずっといる|酸欠や水質悪化を確認
腸呼吸の場合は、水面へ上がったあと再び底へ戻るのが一般的です。
それに対して、水面付近からなかなか離れない場合は、水槽の状態も確認してみましょう。
特にチェックしたいのが、水温や水質、エアレーション、フィルターの状態です。
水換えを長期間していない、急に水温が上昇した、フィルターやエアポンプが正常に動いていないといった変化がなかったか確認します。
また、コリドラスだけではなく、ほかの魚まで水面付近で苦しそうに呼吸している場合は、水槽全体の環境に問題が起きている可能性も考えてください。
お尻だけ浮く・縦になる|浮力の異常に注意
コリドラスのお尻が浮いてしまい、頭を下にしたような姿勢になることがあります。
通常の腸呼吸であれば、水面へ上がったあと自分で姿勢を保ちながら底へ戻ります。
ところが、お尻だけが浮いて底に戻りにくそうにしていたり、縦になった状態が続いたりする場合は、通常の腸呼吸とは様子が異なります。
消化管にガスがたまるなど、体内の状態によって浮力のバランスが崩れている可能性も考えられます。
一時的なものなのか、長時間続いているのかを観察するとともに、食欲やフン、お腹の状態などにも変化がないか確認しましょう。
逆さま・横向きに浮く|体調不良の可能性
コリドラスが逆さまになったり、横向きのまま浮いたりして、自分で正常な姿勢へ戻れない状態には注意が必要です。
コリドラスは腸呼吸のため水面へ泳ぐことがありますが、通常は自分で姿勢を保つことができます。
そのため、逆さまや横向きの状態が長時間続いている場合は、単なる腸呼吸とは区別して考えたほうがよいでしょう。
呼吸が速くなっていないか、餌を食べるか、体表に異変がないか、お腹が不自然に膨らんでいないかなどもあわせて確認してください。
浮いたまま寝ているように見える|姿勢と呼吸を確認
コリドラスが水面付近でほとんど動かず、「浮いたまま寝ているのでは?」と思うこともあります。
この場合も、浮いているという一点だけでは判断できません。
体勢を安定して保てているか、刺激に反応するか、呼吸に異変がないかなどを観察します。
その後いつも通り底へ戻り、餌にも反応しているのであれば、一時的に休んでいる可能性もあります。
一方、長時間同じ場所から動かず、呼吸が速い、姿勢を維持できない、食欲がないといった変化も見られる場合は、飼育環境や体調を詳しく確認しましょう。
コリドラスの腸呼吸とは?水面に浮いてくるのは正常なこともある

コリドラスは普通の魚と同じようにエラで呼吸しますが、それ以外に腸を利用した独特の呼吸ができることで知られています。
腸呼吸をするときは水面まで泳ぎ、口から空気を取り込みます。
その後、水底へ戻りながら取り込んだ空気を腸へ送り、余った空気を肛門から排出します。
そのため、お尻から気泡が出て、おならをしているように見えることもあります。
「普段は底にいるのに突然水面へ泳いでいった」という動きだけなら、コリドラス本来の習性である可能性があります。
ポイントは、水面付近に浮いたままになるのではなく、自力で水面と水底を往復していることです。
ただし、水面へ上がる頻度が以前より急激に増えた場合や、ほかの魚も水面付近に集まっている場合などは、腸呼吸だから大丈夫と決めつけず、水質や酸素供給なども確認しましょう。
コリドラスが浮いているときに確認する5つのポイント
コリドラスが浮いているのを見つけても、すぐに病気と決めつける必要はありません。
浮き方だけではなく、姿勢・呼吸・食欲・ほかの魚・飼育環境を順番に確認していくと、正常な行動なのか異変が起きているのか判断しやすくなります。
体が傾いたり逆さまになったりしていないか
最初に確認したいのが姿勢です。
水面まで泳いでいるだけで、体をまっすぐ保てているのであれば、腸呼吸による行動の可能性があります。
一方、お尻だけが持ち上がる、頭が下がる、横倒しになる、逆さまになるといった状態が続いている場合は注意しましょう。
自力で姿勢を戻せるかどうかも重要な観察ポイントです。
呼吸がいつもより速くないか
エラの動きも確認します。
水面付近にいても呼吸が普段と変わらない場合と、エラを激しく動かして苦しそうにしている場合では意味が異なります。
口を頻繁に開閉していたり、呼吸が明らかに速かったりする場合は、水温や水質、酸素供給なども確認してください。
餌を食べるか
食欲はコリドラスの状態を判断するうえで分かりやすいポイントの一つです。
普段通り餌を探して食べているのか、それとも餌を入れても反応しないのかを確認します。
浮いていることに加えて食欲まで低下しているのであれば、より注意深く様子を観察しましょう。
ほかの魚にも異変がないか
同じ水槽にいるほかの魚の様子も重要です。
コリドラス1匹だけに異変が起きている場合と、複数の魚が同時に水面付近へ集まっている場合では、考えられる原因が変わります。
複数の魚が同時に苦しそうにしている場合は、個体だけの問題ではなく、水質や酸素量など水槽全体の環境も確認してください。
水温・水質に問題がないか
見た目だけでは原因が分からないときは、飼育環境を確認します。
水温計で水温を確認し、可能であれば水質も測定してみましょう。
最近水換えをしていない、水槽を立ち上げたばかり、大量に餌を与えた、フィルターの流量が落ちたなど、直近の変化を振り返ることも原因を探す手がかりになります。
コリドラスが不自然な姿勢で浮く原因

水面へ上がってすぐ底へ戻るのであれば腸呼吸の可能性がありますが、姿勢を維持できず浮き続けている場合は別の原因も考えます。
ただし、浮き方だけを見て病気や原因を断定することはできません。
ほかの症状や飼育環境もあわせて確認しましょう。
消化不良やガスがたまっている可能性
コリドラスのお尻が浮く、頭を下にして縦になるといった状態では、消化管にガスがたまるなどして浮力のバランスが崩れている可能性があります。
餌の状態や与えすぎなど、食事に関係する変化がなかったか確認してみましょう。
お腹の膨らみやフンの状態、食欲なども一緒に観察します。
原因がはっきりしない段階で餌や薬を次々と変えるのではなく、まず現在の状態を把握することが大切です。
水質悪化や酸欠の可能性
水面付近にいる場合は、水槽内の環境も確認します。
水温が高くなった、フィルターが正常に動いていない、エアレーションが止まっていた、水換えの間隔が空いていたといったことがないか確認してください。
ほかの魚も同じように水面へ集まっている場合は、特に水槽全体の環境を疑う手がかりになります。
体調不良や病気の可能性
横向きや逆さまになったまま戻れない、食欲がない、呼吸が明らかにおかしい、体表にも異変があるといった複数の症状が見られる場合は、体調不良や病気の可能性も考えられます。
ただし、「浮いている」という症状だけから細菌感染など特定の病気を断定することはできません。
症状が続く場合は、ほかの個体への影響も考えながら隔離を検討し、必要に応じて観賞魚に詳しい専門店や獣医師などへ相談するとよいでしょう。
コリドラスが浮いているときの対処法
コリドラスが不自然に浮いていると、すぐに薬を使いたくなるかもしれません。
しかし、腸呼吸のような正常な行動もあるため、まず状態と飼育環境を確認することが重要です。
まず水温と水質を確認する
最初に水温を確認し、普段と大きく変化していないかチェックします。
可能であれば水質も測定し、水槽内の環境に問題が起きていないか確認しましょう。
水換えや掃除をした直後に異変が起きたのであれば、その前後で何が変わったのかも振り返ります。
急激な環境変化は魚への負担になるため、原因が分からない状態で水温や水質を大きく変化させることは避けましょう。
酸欠が疑われる場合はエアレーションを確認する
コリドラスだけではなく複数の魚が水面付近へ集まり、呼吸も速くなっている場合は、酸素供給の状態を確認します。
エアポンプが停止していないか、エアストーンから十分に気泡が出ているか、フィルターの流れが弱くなっていないかをチェックしましょう。
特に水温が高い時期は、水槽の状態をこまめに確認することが大切です。
餌やりを見直す
お尻が浮く、縦になるなど消化状態が気になる場合は、餌についても振り返ります。
餌を与えすぎていなかったか、古くなった餌を使っていないかなどを確認してください。
食欲が落ちている個体へ無理に餌を与え続けると、水槽内に食べ残しが増えて水質悪化につながることもあります。
異常な姿勢が続く場合は隔離を検討する
逆さまや横向きになる、姿勢を維持できないなど明らかな異変が続く場合は、ほかの魚から隔離して観察することも検討します。
隔離すると、その個体の食欲やフン、呼吸などを確認しやすくなるメリットもあります。
ただし、移動そのものが負担になることもあるため、水温や水質が大きく変わらないよう注意してください。
薬浴は原因を確認してから判断する
不自然に浮いているからといって、必ず細菌感染しているとは限りません。
そのため、「浮いた=すぐ薬浴」と考えるのは避けたほうがよいでしょう。
薬には種類によって対象となる症状や使用方法があり、魚種によって薬剤への耐性にも違いがあります。
薬浴を検討する場合は、浮き方だけではなく体表や呼吸、食欲などほかの症状も確認し、使用する製品の対象魚・用法・用量を確認したうえで判断してください。
原因を判断できない場合は、観賞魚に詳しい専門店や獣医師などへ相談する方法もあります。
コリドラスは本来ボトムデュエラーで底で過ごす魚

コリドラスの浮き方を判断するためには、普段どこで生活する魚なのかを知っておくことも大切です。
口ひげがチャームポイントになっているコリドラスは、ナマズの仲間の魚です。
世界的にみるとナマズには数多くの種が含まれていて、姿かたちや生活スタイルもさまざまです。
中にはトランスルーセントグラスキャットのように昼行性で遊泳性の強い種もいますが、コリドラスは基本的に夜行性で、底砂付近を主な生活場所としています。

コリドラスはナマズとしては比較的活発ですが、基本的に底砂の上を主な生活の場とする魚です。
このように、水底付近を主な活動の場とする魚のことを「ボトムデュエラー」と呼びます。
コリドラスは典型的なボトムデュエラーなので、普段から水面付近に居続ける魚ではありません。
だからこそ、「水面まで上がってすぐ戻る」のか「水面付近に長時間浮いている」のかを分けて観察することが重要になります。
コリドラスが浮くのは病気なの?まとめ
コリドラスが浮くからといって、必ず病気とは限りません。
水面まで泳いで空気を取り込み、すぐ底へ戻るのであれば、コリドラス特有の腸呼吸である可能性があります。
一方で、水面付近に長時間いる、お尻だけが浮く、縦になる、横向きや逆さまになって自分で姿勢を戻せないといった場合は、注意深く観察してください。
特に、呼吸が速い、餌を食べない、ほかの魚にも異変があるなど、複数の変化が同時に見られる場合は、水温・水質・酸素供給なども確認しましょう。
大切なのは、「浮いている=病気」と決めつけるのではなく、浮き方とほかの症状を一緒に見ることです。
正常な腸呼吸と異常な浮き方の違いを知っておけば、必要以上に慌てず、そのコリドラスの状態に合わせて対応しやすくなります。