
小さな体で群れを作り、美しい姿を見せてくれるネオンテトラ。
ところが時に1匹だけ群れから離れてしまうことがあります。
病気なのか、ストレスなのか、飼い主にとって心配なサインですよね。
本記事ではその原因と、早めにできる対策をわかりやすく解説します。
ネオンテトラが群れから離れる原因
ネオンテトラが群れから1匹だけ離れている場合は病気の可能性があります。
泳ぎ方、体をよく観察してみて、いつもと違うようならば隔離して治療しましょう。
1匹だけではなく、ばらばらに泳いでいる場合はそんなに心配ありません。
水槽導入時に群れで泳いでいたネオンテトラがいつの間にかバラバラになって泳いでいる、という話をよく聞きます。
それはネオンテトラが水槽に慣れ、「ここは安全だ」と認識してくれた為自由に泳いでいます。
バラバラでも身の危険を感じると群れになって泳ぐ姿が見られます。
あまりおすすめはしませんが、水槽をたたいてみたり、揺らしてみるとバッと集まり群れで泳ぎます。
(ストレスになるので本当におすすめはしませんが)
ネオンテトラは病気だとなぜ群れから離れるの?

ネオンテトラは本来、群れで行動することで安心感を得ています。
しかし体調が悪くなると、群れで泳ぐこと自体が負担になり、無意識に隅に移動してしまいます。
また、弱っている姿を見せると外敵に狙われやすくなるため、本能的に群れから離れて身を隠す習性もあります。
これは自然界で身を守るための行動が、水槽内でも現れているのです。
そのため、群れから離れてじっとしている個体がいたら、まず「病気や体調不良を疑う」ことが重要です。
早めに隔離・観察を行えば、重症化を防げる可能性が高まります。
ネオンテトラがかかりやすい病気
ネオンテトラが群れから離れる理由は病気が主な原因です。
かかりやすい病気とその症状について紹介します。
ネオン病
・体が白くなる、症状が進むと脱色部分から内部出血が見られる
・餌を食べなくなる
・泳ぎ方がふらふらする、水流に流される
体が白くなることが最大の特徴で、前日は何もなかったのにいきなり真っ白になっていた、という話も聞きます。
自然治癒はしません、放置は厳禁です。
ネオン病は感染力が高く、1匹見かけたら他のネオンテトラにもすぐ感染してしまいます。
見つけたらすぐに薬浴で治療と水槽の消毒をしましょう。
具体的な治療方法
ネオン病は非常に感染力が強い病気で、治療効果もほとんど期待できません。
発症個体を隔離して薬浴しても助かるケースは少なく、他の個体への感染拡大を防ぐのが最優先です。
- 基本対応:発症したネオンテトラは隔離し、回復を試みる。
- 水槽全体への対応:水槽全体を消毒・リセットに近いレベルで管理する必要がある。健康そうに見えてもすでに感染している可能性が高い。

白点病
・体に白い点々が見られる、症状がすすむと全身が真っ白になる
・体をかゆがるようになり、レイアウトに体をこすりつけるような泳ぎ方をする
白点病はその名の通り白い点が体に現れることが特徴。
病と言われていますが、原因は菌ではなく寄生虫に寄生されることで発症します。
自然治癒はしません、放置は厳禁です。
白点病の原因である寄生虫は放置すると爆発的に増えます。
魚が全滅してしまいますので、見つけたら治療と水槽の消毒をしましょう。
具体的な治療方法
白点病は寄生虫によるもので、水槽全体に寄生虫が存在していると考えられます。
- 隔離治療だけでは不十分:見えるのは一部の個体ですが、すでに他の魚も感染しています。
- 水槽ごと治療が必須:水温を少し上げて寄生虫のライフサイクルを早め、薬浴を水槽全体で行うのが効果的です。

尾ぐされ病
・尾ヒレが白く濁りはじめる
・症状が進むと尾ヒレが溶けてボロボロになる、なくなる
ネオンテトラがかかる尾ぐされ病はその名の通り尾ヒレが腐っていく病気です。
原因菌はネオン病と同じ、「口ぐされ病」「エラぐされ病」とも同じカラムナリス菌という菌に感染するとかかります。
ネオン病と同じく自然治癒はしません。
感染力が高いため1匹見つけたら治療と水槽の消毒が必要です。
具体的な治療方法
尾ぐされ病の原因菌(カラムナリス菌)は水槽内に常在しており、免疫力低下などで発症します。
- 軽症の場合:発症した個体を隔離して薬浴すれば治る可能性があります。
- 複数個体が症状を見せている場合:水槽全体が感染源になっているので、水槽ごと治療するのが望ましいです。

ネオンテトラの病気対策

ネオンテトラが病気にならない為には日頃のお世話が大切です。
ネオン病、尾ぐされ病の原因菌であるカラムナリス菌は水槽内に常在している菌で、完全に予防することは出来ません。
感染のきっかけは免疫力が落ちているタイミングや、ストレス、けがなどをしている時に感染しやすいので日頃のお世話が大切です。
日々の水温チェックや餌やり、定期的な水換えを行っていれば対策は充分でしょう。

水槽のリセット時や季節の変わり目など、飼育環境に変化が訪れるタイミングは少し注意が必要です。
白点病の対策は購入直後のトリートメントで防ぐことが出来ます。
白点病は主に外部からの持ち込みが原因で発症します。
購入時にいきなり水槽に入れず、1週間程度塩浴で様子を見てみましょう。
塩浴は輸送で弱った魚の体力回復の他に、病気を持ち込まないようにするために行います。
この1週間で病気の症状が見られたらすぐに治療してください。
もし何もなければ水槽に入れて良いでしょう。
ネオンテトラが群れから離れるのはストレスが原因のこともある

病気以外にも、ストレスが原因で群れから離れてしまうことがあります。
例えば、水槽の環境変化(水温の急な変動・照明時間の乱れ)、水質の悪化、過密飼育による居場所の奪い合いなどです。
ネオンテトラはとてもデリケートな魚なので、こうした小さな変化にも敏感に反応します。
また、混泳している他種の魚に追いかけられたり、威嚇されることがストレスになり、群れを離れて隅でじっとしてしまうこともあります。
この場合は水槽内の水質を安定させ、落ち着ける隠れ家を設置することで改善されるケースもあります。
ネオンテトラが群れから離れるのはなぜ?【まとめ】
ネオンテトラが群れから離れるのは、いじめではなく体調不良やストレスが原因であることがほとんどです。
普段から水質管理や観察を怠らなければ、早期発見・早期治療が可能です。
気になる症状を見つけたら、他の記事で紹介している病気対策ページも参考にしてください。