
小さく美しいネオンテトラを自宅で繁殖させたいと考える方は多いですが、実は繁殖はかなり難しいとされています。
その理由はアマゾン川の環境を再現する必要性や稚魚の生存率の低さにあります。
本記事では、繁殖の難しさの背景や成功させるための条件、オスメスの見分け方から稚魚の育成方法まで、繁殖を目指す方に役立つ知識をまとめました。
ネオンテトラの飼育は難しい?

ネオンテトラの繁殖は難しいと言われています。
理由は以下の2つです。
- ネオンテトラの住むアマゾン川の特性の再現が難しい
- その後の稚魚の生存率の低さ
アマゾン川のネオンテトラの繁殖期は、雨の季節に訪れます。
繁殖の条件はアマゾン川に大量の雨水が混ざり、水温・水質が大きく変化することで産卵を開始します。
室内飼育で繁殖させようとするとなると、この水温・水質変化がポイント。
急激な水質変化はネオンテトラの負担になりますし、変化させても産卵しないこともあります。
産卵した場合ネオンテトラの卵はとても小さく、孵化した稚魚も小さいです。
ネオンテトラの稚魚は生存率がとても低いので、もし産卵しても孵化後2週間までは油断できません。
ちなみに国内で販売されているネオンテトラの95%が輸入されている魚のようです。
そのくらいネオンテトラの繁殖は難しいことがわかりますね。
ネオンテトラのオスとメスの見分け方

繁殖を目指すなら、まずはネオンテトラのオスとメスをしっかり区別できることが大切です。
ネオンテトラは小さな魚なので見分けが難しいですが、慣れてくると次のような違いが分かるようになります。
オスは体がややスリムで、青いラインがまっすぐに伸びています。
一方でメスはお腹がふっくらしていて、青いラインがわずかに曲がって見えることがあります。
繁殖が近いメスはさらにお腹が丸く大きくなるため、判別しやすくなるでしょう。
ただし、個体差もあるため100%見分けられるわけではありません。
複数匹を一緒に観察して比較すると、違いがより分かりやすくなります。
繁殖用には成熟したオスとメスを2~3ペア用意するのがおすすめです。

ネオンテトラの繁殖条件と方法
用意するもの
・成熟したネオンテトラのオスとメス
・繁殖用水槽
・ヒーター
・フィルター
・水槽を覆えるくらいの暗い紙
繁殖条件
・ブラックウォーターで飼育
・暗い場所
・phは6前後
・水温は26℃
最初はこの条件をそろえて様子を見てみましょう。
アマゾン川の環境を再現
ネオンテトラの住むアマゾン川はブラックウォーターと呼ばれる水です。
繁殖の可能性を上げるためアマゾン川をなるべく再現した方が良いですね。
暗くするために水槽を覆う紙、段ボールなどで水槽を暗くします。
ネオンテトラは暗い場所で交尾することと、生まれた稚魚は光を当てると死んでしまうので暗くする必要があるのです。
産卵が見られないようでしたらペアを変えてみると上手くいくことがあります。
飼育に慣れている方ならばアマゾン川をもっと再現しても良いかもしれません。
水温
一度水温を20℃ほど下げて1週間、その後26℃に戻して(一気に上げずにゆっくり)様子を見てみる。
水温を変えることはネオンテトラの負担になりますので、ゆっくり様子を見ながら行ってください。
pH
phをすこし変えるのも良いでしょう。
phとは酸性・中性・アルカリ性を表す数値。
1~14の数値が存在し、中央値の7が中性、7より小さければ酸性、大きければアルカリ性です。
ネオンテトラは酸性から中性の水(弱酸性ともいう)が適していて、phは6.0~7.0が良いと言われています。
繁殖を促すために少しphを下げてみるのも良いでしょう。
通常の水槽のphが6.5ならば6.0など、繁殖用水槽は通常の水槽とは少し変えてみた方が繁殖しやすいと思います。
ネオンテトラの稚魚の飼育方法

産卵後は親を隔離
ネオンテトラの産卵は卵をバラまきます。
そのままにすると親が卵を食べてしまいますので親は取り出しましょう。
孵化後3日程度は餌が不要
孵化までは半日から1日程度。
孵化したばかりのネオンテトラは目を凝らしてやっと見える程度の小ささ。
産まれてから3日程度はヨーサックと呼ばれる栄養袋を持っていて、そこから栄養を取れますので餌はなくて大丈夫です。
餌の与え方
その後は溶かした卵黄やインフゾリアなどを与えます。
その際与え過ぎは水質悪化につながりますので良くありません。
様子を見ながら少しずつ与えます。
稚魚が上手く餌を食べられず餓死してしまうことも多いです。
もし食べないようなら餌を変える、水を換えてみる、などして様子を見てみましょう。
水換え
その後3日に1回1/3程度の水換えをし、水質を安定させます。
1週間後には泳ぐことがとても上手になり、市販の稚魚の餌やブラインシュリンプなども食べられるようになります。
産まれてから2週間が過ぎれば一安心しても良いでしょう。
稚魚が生まれて1か月も経てば親と同じ餌が食べられるようになり、水槽も一緒にしても大丈夫です。
ネオンテトラの繁殖について【まとめ】
ネオンテトラの繁殖は簡単ではありませんが、条件を整えて挑戦すれば成功の可能性もあります。
オスメスの見分け方を理解し、産卵から稚魚育成まで丁寧に対応することが大切です。
繁殖をきっかけにネオンテトラの奥深い魅力をさらに楽しんでみてください。
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