フェレットは小さな身体ながら成長が早く、体重変化から体調を読み取れる繊細な動物です。
体重測定は健康チェックの第一歩。
この記事では正しい測り方に加えて、自然な増減と病気の兆候を見分けるポイントを解説します。
フェレットの平均体重

フェレットの平均体重は性別やファーム、個体差によって大きく異なります。
一般的にはオスの方がメスよりもひと回り大きく、骨格や筋肉量の差から成長後の体重にも違いが出ます。
オス
オスのフェレットは平均で 1.0〜1.5kg前後 に収まることが多く、しっかり育つと2kg近くになる子もいます。
体格が大きいため抱っこした時の安定感があり、筋肉質で力強い印象を与えます。
メス
一方、メスのフェレットは 0.6〜1.0kg程度 が目安で、1kgを超えるとやや大きめと感じられることが多いです。
小柄で軽い分、活発に動き回る子が多く、抱いた時にもふわっとした印象を受けます。
ファームによる傾向
また、ファーム(繁殖元)によっても傾向があり、カナディアンやニュージーランド系は比較的大柄、パスバレーなどは小柄な子が多いといわれています。
これらはあくまで平均値であり、必ずしも基準に当てはまるわけではありません。

ノーマルフェレットの体重
ノーマルフェレット(未去勢・未避妊のフェレット)は、ホルモンの影響で体格がしっかりしており、去勢・避妊済みのフェレットよりも体重が重めになる傾向があります。
特にオスは繁殖期に精巣が大きくなり、筋肉量や脂肪が増えるため、2kg近くまで成長することも珍しくありません。
フェレットが生まれてからの体重推移表
フェレットは生後わずか数週間の間に急激に成長する動物です。
ベビー期から成獣になるまでの体重推移を知っておくと、健康管理の目安になります。
以下はあくまで一般的な目安であり、個体差や性別、ファームの違いによって増減があります。
生後時期 | 平均体重(オス) | 平均体重(メス) | 特徴・ポイント |
---|---|---|---|
出生直後 | 約10〜12g | 約10〜12g | 目も耳も閉じており母乳のみで成長する |
生後2週 | 約40〜60g | 約40〜60g | 毛が生え始め、鳴き声も出すようになる |
生後1ヶ月 | 約150〜200g | 約120〜180g | 目が開き、離乳食を食べ始める時期 |
生後2ヶ月 | 約400〜500g | 約200〜300g | 活発に動き回り、ペットショップに並ぶ頃 |
生後3ヶ月 | 約600〜800g | 約400〜600g | 個体差が大きく出始める時期 |
生後6ヶ月 | 約1.0〜1.2kg | 約0.6〜0.8kg | 成獣に近づき、体格が安定してくる |
生後1年 | 約1.0〜1.5kg | 約0.6〜1.0kg | 成獣としての標準体重に達する |
2〜3年以降 | 変動少なめ | 変動少なめ | 季節や年齢による自然な増減が見られる |
シニア期(5歳〜) | 徐々に減少傾向 | 徐々に減少傾向 | 筋肉量が減り、病気による体重減少が目立つこともある |
補足
フェレットの体重の測り方

フェレットの体重は、人間が使う体重計を利用することもできますが、ベビーのうちはキッチンスケールを利用する方が正確に計測できます。
測り方のコツを知っておくと便利です。
体重計
フェレットは大きくても3kgは超えない動物です。
ある程度の重さがあれば、人間が抱き上げて一緒に体重計に乗り、次に人間だけの体重を測って差を出せば計測できますが、そのやり方だとフェレットの正確な体重はなかなか測ることができません。
もしも体重計を使うのであれば、小皿にバイトなどフェレットが好きなおやつを置き、フェレットがそれを舐めているところで測定すると、フェレットだけの体重を測ることができます。
ただし、多頭飼いの場合は、周りの子が一斉にバイトに押し寄せて来ますので、測りたい子だけを隔離して測ることをおすすめします。
キッチンスケール
キッチンスケールはデザインが様々ですが、フェレットが収まるくらいの、少し深めのお皿に乗せて測るとうまくいきます。
また、寝ている時がベスト!
フェレットは一度寝ると簡単には起きないので、落ち着いて計測できます。
我が家のキッチンスケールはレトロデザインだったので、上にステンレスのお皿が付いていました。
ステンレスだとひんやりして起こしてしまいそうだったので、そこにタオルハンカチを敷いて、その状態でメモリを0に合わせて、爆睡中のフェレットを乗せました。
フェレットは一瞬モゾモゾ動くのですが、お皿の深さがちょうどおさまりが良かったらしく、そのまま寝ていました。
平型のスケールの場合も、メラミンなどの軽い素材で少し深みのあるお皿を利用すると、良い具合にスケールに身体が収まるので測りやすいですよ。
フェレットの体重の減少/増加の原因とは

フェレットは平均1kg前後に成長しますが、減少/増加には個体差があります。
一般的には、どんなことで増減するのでしょうか。
ベビーは体重増加ラッシュ!
生後2ヶ月ほどのベビーをお迎えした方は、ぜひ週一で体重を測ってみてください。
我が家のフェレット達も、寝ている時を見計らって週一でキッチンスケールに乗せて体重を測っていましたが、面白いくらい正確に100gずつ増えていきました。
フェレットは生涯にわたり、常にフードを食べられるようにして、好きな時に好きなだけ食べられる環境にしておくのが良いのですが、この時期のフェレットは食べた分だけどんどん大きくなり、とても嬉しく感じます。
なかなか増えなくて気になることもあるかもしれませんが、メスのフェレットの場合は600〜800gくらいで成長が止まる子もいるので、元気で食欲もあり、ウンチやオシッコが正常ならば心配はいりません。
むしろそのくらいの大きさのメスは、小さくてもパワフルな性格の場合が多いです。
元気なのに体重が減る原因とは
フェレットは1歳くらいで大人と同じ大きさになります。
この時期を過ぎると、徐々に体重が減ってくることがあります。
どこも悪くなさそうなのに、なぜ?!と、思うでしょうが、一気に何百グラムも減るというわけでなければ、心配する必要はありません。
また、大人になっても体重が増え続けるフェレットもいます。
うちのフェレット達も、1匹は1.2kgくらいまで大きくなった後は、1kg前後まで減って、そのままの体重をずっと維持していました。
一方で、もう1匹のフェレットは、メスだったのですが、5歳で体調を崩すまで体重が少しずつ増え続けて、ピーク時は1.4kgでした。
動きは機敏なのですが、お腹に脂肪が付き過ぎて、こすれて少し赤くなっていました。
このメスのフェレットはカナディアンファームの子だったので、もしかしたらそのせいかもしれません。
ちなみに初めにお話しした1.2kgのフェレットは、パズバレーファームのオスです。
でもフェレットの場合は、太ってもダイエットは必要ありません。
できるだけ体力のある身体を維持させてあげる方が、シニア期を元気に乗り切れます。
好きなだけご飯を食べさせて、たくさん運動させてあげましょう。
病気での体重減少に注意
これはどの動物にも言えることですが、フェレットも病気をすると体重は減少傾向にあります。
うちのフェレットでお話しすると、パスバレーのオスの子は病気や手術をしてもほとんど体重に変化はありませんでしたが、カナディアンのメスの子は5歳で体調をくずしてから体重が減り始め、最後は1kg前後になっていました。
メスの子はお腹を壊しやすいところもあったので、それで体重が減ったようにも思います。
亡くなるその日までよく食べる子でしたが、体重を維持するのは難しいと感じた経験でした。
季節で変わる体重の増減
フェレットは四季の影響を大きく受ける動物です。
特に冬は毛が厚くなり活動量も減るため、自然と体重が増えやすくなります。
一方、夏は被毛が薄くなり、食欲も落ちやすいため体重が減少しがちです。
これは病気ではなく自然な変化であることが多いので、季節ごとの増減を見極めることが大切です。
シニア期の体重変化
7歳前後になると老化に伴い筋肉量が減り、体重が少しずつ減っていくのが一般的です。
ただし食欲や元気があれば大きな心配はいりません。
シニア期は「急激な減少」が要注意で、病気の兆候である可能性があります。
日常的に体重をチェックすることで、病気の早期発見につながります。
フェレットの体重の減少/増加の対処法

仮におデブさんになったとしても、フェレットにダイエットは不要ではないかと思います。
現にうちのメスのフェレットが1.4kgを超えた時、獣医さんは笑いながらも、「4歳でこれだけの体重を維持できるのは素晴らしい」と、褒めてくれました。
太ってお腹をこすって赤くなっていても、フェレットは太っているくらいがちょうど良いのだろうと思います。
逆にもし病気などが原因で体重が減っていくようであれば、普段のフードにプラスして、高栄養のものを与えてあげてください。
こうした高栄養のものは、インスリノーマによる低血糖の発作が起きた時にも活躍してくれることがあります。
フェレットは小さい身体なので、常に体力維持、体重増加を心がけることが大切です。
また、お腹の弱い子なら、早いうちからケアしてあげてください。
病気になった時に下痢を伴うと、体重だけでなく免疫力も落ちてきます。

効果に個体差はありますが、乳酸菌だけでなく、栄養剤やATPという生活の質を向上させるための薬などが処方されることもありますので、気になったら早めに獣医さんに相談してみてくださいね。
フェレットの肥満細胞腫とは?

「フェレット 肥満細胞腫」という言葉は、一見すると体重の肥満と関係があるように思われますが、実際には全く別のものです。
ここで言う「肥満」とは、体型ではなく「肥満細胞」という免疫細胞の名前を指しています。
肥満細胞腫とは
肥満細胞腫は、肥満細胞が異常に増殖してできる皮膚の腫瘍です。
犬や猫にも多い腫瘍の一つで、フェレットでも比較的よく見られます。
皮膚に赤いポツッとしたできものが現れ、かゆみを伴う場合もあります。
見た目は虫刺されやニキビに似ていて、飼い主が気づきにくいこともあります。
肥満との関係性
名前に「肥満」とありますが、これは細胞の名称であり、太っていることとは一切関係ありません。
そのため、肥満細胞腫になったからといって、ダイエットを考える必要はありません。
むしろ「体重の増減」よりも「皮膚にしこりがあるかどうか」を注意深く観察することが重要です。
対処方法
肥満細胞腫は良性であるケースも多いですが、放置すると悪化や再発のリスクがあります。
皮膚にしこりや赤いできものを見つけたら、早めに動物病院で診察を受けてください。
必要に応じて外科的に切除することで、予後は良好な場合が多いです。
FAQ|フェレットの体重に関するよくある質問

フェレットの体重【まとめ】
フェレットの体重は、成長や季節、年齢によって変化します。
自然な範囲の増減は心配ありませんが、急激な減少や食欲不振を伴う場合は要注意。
定期的な体重測定で早期に異常を発見し、元気で長生きできるようケアしてあげましょう。
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