
フェレットの臭いが気になる、という声は多いですが、実際に生活してみると工夫次第で十分コントロールできます。
この記事では臭腺の有無や飼育環境による違いを踏まえ、布類やトイレのケア、シャンプーなど具体的な対策を紹介します。
さらに「フェレットはおならをするのか?」という疑問にも答えていきます。
フェレットの臭いを例えると?

フェレット独特の匂いは、飼い主や環境によって感じ方が異なりますが、よく例えられる表現があります。
たとえば、動物園の獣舎のようなにおい、あるいは人間のワキガを強くしたような匂いと表現されることがあります。
また、油っぽい皮脂のような香りや、古い布団や濡れた毛布を放置したときのようなにおいに近い、と言う人もいます。
もちろん、これらはあくまで「初めて嗅いだ人が感じやすい例え」であり、実際に一緒に暮らしている飼い主にとっては、不思議と「慣れる」「むしろ好きになる」と言われることが多いのも特徴です。
独特のフェレット臭は、人によっては嫌悪感よりも愛着へと変わっていく香りなのです。
フェレットの臭いの原因

体臭そのもの
フェレットはイタチ科特有の皮脂分泌が盛んな動物です。
皮膚から分泌される油分に独特の匂いがあり、これが「フェレット臭」と呼ばれる原因のひとつです。
特に換毛期は皮脂の量が増えるため、臭いを感じやすくなります。
排泄物の臭い
トイレの尿や便は、フェレットの臭いの中で最も強烈だといえます。
尿はアンモニア臭が強く、便は未消化の動物性タンパク質が含まれるため刺激臭を放ちます。
トイレの掃除が遅れると臭いが部屋中に広がりやすくなるため、毎日の掃除は欠かせません。
布類や生活環境
フェレットはハンモックや毛布に潜るのが大好きで、そこで長時間過ごすことで体臭や排泄物の臭いが布に染みつきます。
洗濯を怠ると臭いが蓄積し、部屋の全体に広がってしまいます。
また、湿気が多い環境では臭いがこもりやすくなるため、換気不足も大きな原因になります。
臭腺による独特の匂い
フェレットの強い臭いの原因のひとつが「臭腺」です。
肛門の両脇にあるこの腺からは非常に刺激の強い分泌物が出され、興奮時や発情期に特に匂いが強くなります。
ほとんどのフェレットは臭腺が除去済み
現在ペットショップで販売されているほとんどのフェレットは、生後まもなく去勢・避妊手術と一緒に臭腺を除去されているため、家庭で飼育しても人間が暮らしにくいほどの悪臭を放つことはほとんどありません。
手術を受けていないノーマルフェレットは強烈な臭いがする
一方で手術を受けていない「ノーマルフェレット」は、体格が大きく成長する魅力がある反面、発情期には強烈な体臭を発します。
特にオスは3kg近くまで大きくなる個体もおり、発情期の匂いは「人間のワキガを何倍にも濃縮したよう」と表現されるほどです。
逆にメスは600g前後と小柄で匂いも穏やかですが、発情期に交配できないと「エストラス」という病気を発症して命を落とす危険があるため、避妊手術が推奨されています。
このように、臭腺の有無と性別による体質の違いが、フェレットの臭いを大きく左右する要因となっています。
フェレットの臭い対策

フードと排泄物の関係
フェレットの体臭やおならの有無は、食事内容とも深く関わっています。
高タンパク・高脂肪のフードばかり与えると消化に時間がかかり、腸内でガスが発生しやすくなることがあります。
また、安価なフードは添加物や穀物が多く含まれている場合があり、便や尿の臭いを強める原因になることもあります。
消化に良いプレミアムフードや新鮮な水を用意してあげることが、臭い対策の第一歩です。
室内環境と通気性
フェレットは狭い空間で生活するため、部屋に臭いがこもりやすい動物です。
ケージの下に防臭マットを敷く、トイレ砂をこまめに交換する、空気清浄機を利用するなどで室内の空気を循環させると、臭いの蓄積を防げます。
とくに夏場は湿気と合わさり臭いが強まるため、除湿器やエアコンも有効です。
フェレット自身も清潔に
また、月に一度くらいは、シャンプーもしてあげてください。
これは臭い対策にもなりますし、フェレットの皮膚を健康に保つ効果もあります。
耳掃除も2〜3週間に一度くらいはしてあげてください。
臭いと耳ダニ対策になります。
ただし、フェレットに香水や消臭スプレーなどは絶対に掛けないでくださいね。
フェレットは臭いに敏感なので、くしゃみを連発したり、臭いで体調を崩して食欲が落ちたりします。
舐めてしまうのも危険です。
飼い主の習慣でできる工夫
日常のちょっとした工夫でも臭いは軽減できます。
たとえば、フェレットが好んで入るハンモックやタオルは週1回は洗濯すること、トイレ掃除は毎日行うこと、月1回程度のシャンプーは必ず「フェレット専用シャンプー」を選ぶことが挙げられます。
香り付きの柔軟剤や消臭剤は逆に刺激となるため避け、ナチュラルな洗剤や重曹を活用すると安心です。
こうした積み重ねで「フェレット独特の匂い」を心地よく付き合える範囲に抑えられます。
ノーマルフェレットの去勢による臭い軽減
臭い対策のひとつとして挙げられるのが、ノーマルフェレットの去勢手術です。
ノーマルフェレットは体格が大きく育つ反面、発情期になるとホルモンの影響で強烈な体臭を放つようになります。
このため、1歳を過ぎて身体が大人になり、成長が安定してから去勢することで、発情期特有の臭いを抑えることが可能です。
ただし、ここで行う「去勢」は睾丸を取り除く手術であり、臭腺を同時に除去するものではありません。
臭腺除去を希望する場合は、別途動物病院に相談する必要があります。
去勢だけでも大きな臭い軽減効果がありますが、臭腺による匂いは残る点を理解しておきましょう。
こうした知識を持っておくことで、体格の大きなフェレットを望みつつ、臭いを抑えた飼育を目指すことができます。
フェレットもおならをするの?

これは、手術済みのフェレットではないのでは?と、思います。
少なくとも我が家のフェレット達はしなかったし、フェレ友さん達の中で話題になったこともありません。
おならなら、犬の方がよくします。
私しかいない室内で、プオーンと異臭が漂ってきたので振り向くと、シレッとした顔でうちの犬がこちらを見ていることがあります。
尻尾を持ち上げて嗅いでみると、すごい臭いが……
フェレットでは、そういうことはありませんでした。
もしフェレットがおならをするとしたら、ノーマルフェレットのオスやメスが、興奮したり、身の危険を感じた時かもしれません。
犬でもありますよね。
犬の場合は「肛門腺」と呼びますが、動物病院に初めて連れて行った時などに、うちの犬はよく肛門腺を吹きました。
おならとも違う、不思議な臭いで、こちらは臭いというよりも、「何だこの臭い?!」と、首を傾げてしまうようなものです。
フェレットの場合は、先程お話ししたように、ワキガを濃縮した強烈な臭いです。
首を傾げるなんて甘いものではなく、思わず「ウッ」と息が詰まるような臭いです。
でも、ノーマルフェレットを飼っている家では、去勢せずに過ごしています。
もしかしたら、フェレットと共に生きると、そんな臭いすら愛おしく思うのかもしれませんね。
FAQ|フェレットの臭いに関するよくある質問

フェレットの臭いを抑える対策は必要?【まとめ】
フェレットの臭いは飼い主の工夫で軽減でき、独特の香りも次第に愛着に変わります。
布類やトイレの掃除を習慣化し、フードや生活環境を見直すことで快適に過ごせるでしょう。
おならや臭腺について知識を深めることで、フェレットとの暮らしはもっと安心に。