
フェレットは室内飼育でも人間や動物病院を通じてノミダニに感染する危険があります。
本記事では、予防の必要性と使える薬の種類、注意点をわかりやすくまとめました。
フェレットの大敵!ノミ・ダニ・耳ダニ・蚊

ノミの被害
ノミは小さな昆虫で、ジャンプしてフェレットの体に取りつき血を吸います。
寄生すると強いかゆみを引き起こし、フェレットが皮膚を掻き壊してしまうことも少なくありません。
大量に寄生すると貧血を起こすこともあり、特に子フェレットや体力の落ちた個体にとっては命に関わるリスクになります。
さらに、ノミは瓜実条虫などの寄生虫を媒介することもあるため注意が必要です。
マダニなど体表に寄生するダニ
マダニは草むらなどに潜み、フェレットの皮膚に噛みついて長時間血を吸います。
吸血の際にバベシア症などの感染症を媒介する可能性があり、人間にも被害が及ぶことがあります。
マダニは口の部分が皮膚に深く食い込むため、無理に取ろうとすると頭部だけが残り炎症を起こす危険があります。
飼い主が自己判断で除去するのは避け、寄生を見つけた場合は必ず動物病院で対応してもらいましょう。
耳ダニ(ミミヒゼンダニ)
耳の中に寄生する耳ダニは、黒い耳垢や炎症を引き起こします。
フェレットによっては痒みをあまり感じない場合もありますが、痒みが出ると耳を掻き壊してしまい、細菌感染や外耳炎に発展することもあります。
耳垢の増加や耳をしきりに気にする仕草が見られたら、耳ダニが疑われるサインです。
早めに動物病院で診察を受けることが大切です。
蚊とフィラリアのリスク
蚊に刺されるとフェレットも強い痒みを感じ、掻き壊して化膿する恐れがあります。
しかし、それ以上に危険なのはフィラリア症です。
フィラリアは犬の病気として有名ですが、フェレットにも感染し、心臓や肺に深刻なダメージを与えます。
感染すると治療が難しく、命に関わるケースもあります。
そのため、蚊が出る季節には必ずフィラリア予防薬を投与する必要があります。
動物病院で処方されるノミダニ予防の薬
私が行っていた病気では、飲み薬が処方されていましたが、他のところでは首筋に薬を垂らすスポットタイプの薬が多いようです。
飲み薬もスポット剤も、1ヶ月に一度使います。
時期はだいたい4月の終わりから、11月、もしくは12月の終わりにかけての8、9ヶ月ほどになるでしょう。
飲み薬は錠剤になりますが、フェレットがそのままガリガリと食べることは難しいと思います。
私はピルクラッシャーで粉々にして、バイトに混ぜて与えていました。
フェレットが1匹分をきちんと飲みきれれば、与え方は自由です。
ミルクが好きな子なら、ミルクに混ぜて飲ませても大丈夫です。
犬猫用の虫除けスプレーでノミダニ予防の強化もできる

市販のペット用虫除けスプレーを利用して、ノミダニや蚊を予防することもできます。
ノミダニや蚊はハーブの匂いを嫌がるので、ハッカなどが入った虫除けを手作りするのも効果的です。
ただ、頭にかけると目や鼻、口に入ってしまうこともあるので、ご注意くださいね。
また、フェレットは匂いに敏感なので、フェレット自体も虫除けスプレーを嫌がるかもしれません。
そんな時は匂いが少ないスプレーを使ってあげると良いでしょう。
でもスプレーは全身くまなくかけることは難しいし、完璧な予防にはなりません。
動物病院に行く時や、オフ会に参加する時などに、補助的に使うことをおすすめします。
通常は、ノミダニや蚊の季節になる少し前に、動物病院できちんと予防薬をもらうようにしてくださいね。
フェレットのノミダニ予防薬の種類と注意点

フェレットに使える薬の種類
フェレットのノミダニ予防には、主に スポットタイプ(首筋に滴下する薬) と 経口タイプ(飲み薬) の2種類があります。
スポットタイプは皮膚から有効成分を吸収させて効果を発揮し、1回の使用で約1か月間持続します。
経口タイプは体内に取り込まれて全身に薬が巡るため、皮膚のベタつきを気にしなくて済むのがメリットです。
ただし、どちらも「犬用・猫用の薬をそのまま流用して良い」というわけではありません。
必ずフェレットに使用できるかどうかを動物病院で確認する必要があります。
犬猫用の薬を勝手に使ってはいけない理由
ネットや市販で犬猫用の薬を簡単に手に入れられますが、フェレットの体重や代謝に合わない用量で使うと、中毒や副作用を引き起こす危険性があります。
特にイベルメクチン系など、一部の成分は小動物には強すぎることもあります。
安全のため、必ず獣医師に処方してもらいましょう。
副作用と体調チェックの大切さ
予防薬を使用した後は、1~2日間はフェレットの様子をよく観察してください。
皮膚に赤みが出たり、よだれ・下痢・元気消失といった症状が出る場合があります。
もし異常が見られたら、すぐに動物病院に連絡を。
薬の種類や与え方を変更することで改善できることも多いので、決して自己判断で続けないようにしましょう。
フェレットのフィラリアの原因と対策

フィラリアは蚊によって媒介される寄生虫で、犬の病気としてよく知られていますが、フェレットにも感染します。
蚊が吸血する際にフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が血液中に入り込み、やがて心臓や肺の血管に寄生して成長してしまいます。
完全室内飼育であっても、人間が蚊を持ち込む可能性があるため油断はできません。
症状
初期段階ではほとんど症状が見られませんが、進行すると咳、呼吸困難、運動を嫌がる、元気消失などが現れます。
重症化すると腹水がたまったり、突然死を引き起こすこともあります。
フェレットは体が小さいため、犬に比べて少数のフィラリアでも命に関わるリスクが高い点が特徴です。
検査
フィラリアの有無は血液検査で調べます。
ただしフェレットは体が小さく、検査用の血液採取に負担がかかることもあります。
一般的には「予防を徹底すること」が最も現実的で安全な対策とされています。
薬(レボリューション)の値段
レボリューション(セラメクチン)はスポットタイプの予防薬で、首筋に滴下して使います。
フィラリアの予防に加え、ノミやダニ、耳ダニなどにも効果があるため、フェレットの健康管理に広く利用されています。
動物病院で処方されるレボリューションは、1回あたり1,000~2,000円前後が目安です。
体重や病院によって値段に差があり、まとめて処方してもらうと若干割安になることもあります。
予防薬はいつから?
フィラリア予防は蚊が活動し始める少し前からスタートし、活動が収まった後も1か月ほど続けます。
多くの地域では 4月~11月 が予防シーズンとされますが、暖かい地域ではもっと長く必要なこともあります。
必ず地域の蚊の発生状況を踏まえて、獣医師の指導を受けて開始しましょう。
フェレットの耳ダニの原因と対策

耳ダニ(ミミヒゼンダニ)は、他の動物や環境を介してフェレットに寄生します。
多頭飼育やペットショップから迎えた直後などに感染するケースが多く、外見上健康に見えてもすでに耳ダニを持っている場合があります。
症状
耳の中に黒い耳垢がたまり、強い痒みを伴います。
軽度ならフェレットが耳をしきりに掻く程度ですが、重度になると耳の周囲を掻き壊して出血や炎症を起こすこともあります。
放置すると外耳炎や中耳炎に発展し、長期治療が必要になる場合もあります。
人間にうつる
耳ダニは基本的にフェレットなど動物専用の寄生虫で、人間に定着して繁殖することはありません。
ただし、一時的に皮膚に付着し、痒みや赤みを引き起こす可能性はあります。
免疫力の低い人や子ども、高齢者がいる家庭では特に注意が必要です。
薬
耳ダニの治療は動物病院での駆除薬投与が中心です。
点耳薬やスポットオンタイプの薬を数回に分けて使用し、完全に駆除します。
加えて耳掃除を行い、耳垢やダニの死骸をきれいに取り除くことも必要です。
自己判断での耳掃除はフェレットの耳を傷つける危険があるため、必ず獣医師に相談してください。
レボリューション
レボリューションは耳ダニにも効果があります。
フィラリア予防と同時に耳ダニ対策もできるため、1つの薬で複数の寄生虫を防げるのが大きなメリットです。
ただし症状が強く出ている場合は、レボリューション単体では不十分なこともあり、耳掃除や追加の薬が必要になる場合があります。
フェレットにもノミダニ予防は必要?!【まとめ】
フェレットにとってノミダニ予防は健康を守る必須ケアです。
安易に犬猫用を流用せず、必ず獣医師の指導を受けて正しく予防しましょう。
フィラリアや耳ダニのリスクも忘れず、安心できる飼育環境を整えてあげてください。
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