
水槽のお掃除役として人気のコリドラス。実はナマズの仲間で、本来は夜行性の習性を持っています。
とはいえ、飼育下では昼間も活発に動くことも多く、種類や来歴によって行動パターンに差があります。
今回はコリドラスの夜行性について、種類ごとの違いや観察のコツ、昼間の餌やりの注意点までまとめました。
コリドラスとはどんな魚の種類?

初めて熱帯魚を飼う方も知っていることの多いコリドラスですが、実はナマズの仲間です。
ナマズは魚類としては世界で3番目に大きなグループで、約3000種類ものナマズが含まれています。
コリドラスは「ヨロイナマズ」とも呼ばれ、その名の通り非常に硬い鱗が特徴です。
よく見かけるのは「赤コリ」と呼ばれるアエネウス、「白コリ」と呼ばれるアエネウスのアルビノ(白い色彩変異)、「青コリ」と呼ばれるパレアータス、パンダあたりですが、発見されているだけでも160種のコリドラスが知られています。
日本のナマズは大型の肉食魚ですが、コリドラスは最大種でも10センチ程度で、砂の中にいる微生物や有機物を食べる雑食性の魚です。
特徴的な口ひげを底砂の中に突っ込み、食べられるものを探して食べます。
夜行性で、昼間は物陰に潜み、夜になると活発に動き回ります。
また、ゆるい群れを作ることでも知られていて、複数で飼育するとその様子を観察することができます。
コリドラスは夜行性?
コリドラスは本来は夜行性

先に述べた通り、コリドラスは本来は夜行性の魚です。
野性味の強い種やワイルドの個体は、水槽が明るいとまったく出てこないこともあります。
しかし、完全な夜行性というわけではなく、しばらく飼育して落ち着いてくると、明るくても活動する場合がほとんどです。
また、隠れているときも完全に隠れていることは少なく、水草の影や流木の近くに寄り添うようにしてじっとしていることが多いようです。
どうも、暗くないと活動しないというよりは、安心できる環境であればいい、という雰囲気があります。
私もコリドラス・パンダを飼育していますが、明るい照明の下、水草の間を元気に泳ぎ回っています。
ただ、せっかくなので、ときどき照明を消したあとの水槽をこっそり覗いてみましょう。
昼間よりも活発に泳ぎ回っているコリドラスの様子をみることができますよ。
夜行性らしい行動をしっかり観察したい場合は、部屋の照明や水槽ライトを落として30分ほど静かに待つのがコツです。
コリドラスは周囲が静かで暗いと、底砂をモフモフと掘り返しながら活発に動き回ります。
暗闇でも観察できるよう、常夜灯や青色LEDを使うと警戒せずに自然な姿を見せてくれます。
また、流木や水草で隠れ家を多く作っておくと、夜間に安全を感じて外に出やすくなります。
コリドラスの種類や個体による夜行性の違い

コリドラスの夜行性は基本的には共通していますが、種類や個体の来歴によって差があります。
- ブリード個体(養殖)
人工環境に慣れているため、昼間から活発に動くことが多いです。
白コリ(アルビノアエネウス)や青コリ(パレアータス)はその代表格で、ショップ水槽でも昼間から餌を探しています。 - ワイルド個体(野生採集)
自然界の習性を色濃く残しており、明るい時間は隠れて過ごす傾向が強いです。
特に採集されたばかりのレア種は、慣れるまでほぼ完全な夜行性を保ちます。 - 小型種と大型種の傾向
大きさそのもので差は少ないものの、大型種は落ち着いた性格で昼間の行動が控えめ、小型種は好奇心が旺盛で慣れるのも早い傾向があります。
コリドラスが「夜行性じゃない」と言われる理由

他のサイトの情報などを見ているとコリドラスは夜行性じゃないと結論付けている記事も散見します。
コリドラスは本来夜行性ですが、飼育下では昼間も活発に動くことが多く、必ずしも暗い時間だけ活動するわけではありません。
特にブリード個体は昼間に餌やりを繰り返すうちに行動が昼型に寄りやすく、環境や個体差によっては「夜行性じゃない」と感じられることもあります。
そのため、夜行性という習性はあくまで傾向であり、必ずしもすべてのコリドラスに当てはまるわけではありません。
コリドラスの餌は昼間に与えても良い?

本来は夜行性であるということを考えれば、餌も照明を消したあとに与えた方がいいような気がしますが、結論から言えば日中にあげても大丈夫です。
むしろ、餌やりを日中にすることで、コリドラスが明るさに慣れてくることもあります。
また、ちゃんと餌を食べているか確認するためにも、水槽内が明るいときに餌をやったほうがいいでしょう。
ちなみに、意外と悩むのがコリドラスの餌です。
お掃除役として飼育していると、あまりコリドラスのために餌をあげる、という感覚にならないかもしれません。
しかし、コリドラスは大食漢なので、ちゃんと食べさせないと徐々に弱ってしまいます。
一方、コリドラスは底砂に落ちたものを拾って食べるので、水面に浮いている餌や水中を漂っている餌は食べられません。
できれば、コリドラス専用のタブレットフードを与えましょう。
コリドラスは夜行性?【まとめ】
コリドラスは基本的に夜行性ですが、環境や種類によっては昼間でも活発に行動します。
ワイルド個体は夜行性が強く、ブリード個体は明るい時間にも慣れやすい傾向があります。
夜行性らしい姿を観察したいなら照明を落とし、静かな環境を作ることがポイント。
餌やりは昼間でも問題なく、観察と健康管理のためにも明るい時間に行うのがおすすめです。