
マルチーズを外で飼っている家を見たことがありますか?
実は日本の気候では外飼いが難しく、法律で禁止されていないものの、厳しい条件を満たさなければなりません。
この記事では、マルチーズを外で飼う場合の現実的な条件と注意点をわかりやすく説明します。
犬の外飼いに関する法律

日本では「犬の外飼い」を一律に禁止する法律は存在しません。
しかし、2020年に改正された「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」によって、飼い主には犬を「適正な環境で飼養する義務」が明確に定められました。
この中で特に重要なのが「第7条(適正飼養)」と「第44条(虐待の禁止)」です。
これらの条文では、犬に不必要な苦痛や危険を与える飼育方法を“虐待”とみなし、違反した場合は罰則が科される可能性があります。
つまり、外飼い自体が違法ではないものの、極端な暑さや寒さ、雨風にさらされた状態で放置すれば「虐待」に該当する恐れがあるということです。
また、各自治体でも動物愛護条例を定めており、犬を飼う場合には「常に清潔な寝床の確保」「鎖の長さの規定」「屋根付きの犬小屋の設置」など、具体的な飼養基準が設けられています。
特に近年では、炎天下での係留や寒冷地での屋外放置が通報され、行政指導や動物保護センターによる立ち入り調査が行われるケースも増えています。
つまり、「外飼い=違法」ではなくても、「外飼いの環境が不適切=動物虐待」と判断される可能性がある、というのが現状です。
犬を屋外で飼う場合は、法的リスクと動物福祉の両面を理解し、快適で安全な環境を整えることが求められます。
マルチーズの外飼いは環境を整える必要がある!

マルチーズの外飼いは法律で禁止されてるわけではありません。
ですが、どのような環境でもいいわけではなく、整えなくてはいけない環境の注意点がいくつかあります。
気温や天候
マルチーズは寒さや雨や風にも弱いことから冬の寒さが厳しい地域は特に適切な保護を提供する必要があります。
適切な環境
外飼いには適切な屋外エリアの用意や日光浴ができ安全な散歩のスペースが必要となります。
監視と安全
小型犬のマルチーズは外での飼育中は常に監視が必要となります。
なぜなら、脱走や他の動物との接触を防ぐ必要があるからです。
なのでフェンスやリードの使用も必要です。
適切な環境と注意を払って飼育ができるのであれば、マルチーズの外飼いは可能ということです。
マルチーズは外飼いより室内飼いが向いている理由

マルチーズは寒さや暑さ、雨風に非常に弱く、日本の気候では屋外での生活に適していません。
体が小さいため体温を保ちにくく、外飼いでは低体温症や熱中症などのリスクが高まります。
さらに、外では騒音や他の動物などの刺激を受けやすく、ストレスや興奮による体調不良を起こすこともあります。
脱走や事故の危険もあり、安全管理も難しくなります。
また、屋外では感染症や寄生虫のリスクが高く、孤独や放置によるストレスから心身の健康を損ねるケースも見られます。
こうした背景から、多くの自治体が外飼いを制限または禁止する動きを進めています。
一方で、室内なら温度や衛生環境を安定させやすく、飼い主とのコミュニケーションも密に取れるため、マルチーズの性格にも合っています。
つまり、マルチーズが安心して長生きするためには、家族と同じ空間で過ごせる「室内飼い」が最も適した飼育方法です。

マルチーズを外で飼う現実的な条件とは?
日本の気候でマルチーズを外飼いできる地域は限られる

マルチーズは地中海の温暖な地域が原産です。
つまり、寒暖差の激しい日本では外飼いに非常に不向きな体質です。
特に冬は10℃を下回ると震え始め、5℃以下では低体温症の危険もあります。
真夏も直射日光で熱中症のリスクが高く、屋外での常時飼育には向きません。
仮に外飼いを考える場合は「1年を通して温暖な沿岸地域」など、極端な気温変化が少ない地域に限定されます。
理想的な外飼いスタイルは「半外飼い」

完全な外飼いではなく、昼間は屋外で遊び、夜は室内に戻す“半外飼い”スタイルが現実的です。
屋外に屋根付きデッキやサンルームを設置し、風雨を防ぎつつ、直射日光や虫からも守る環境を整えることで、日中の外遊びを安全に楽しませることができます。
この方法なら外の刺激も得ながら、健康リスクを抑えることができます。
外飼いを選ぶなら「防寒・防暑」対策を徹底

どうしても外飼いする場合は、以下のような設備が必須です。
・断熱材入りの犬小屋(冬は湯たんぽや毛布を追加)
・屋根付きの囲いスペース(直射日光・雨風を防ぐ)
・蚊・ノミ・ダニ対策(感染症やフィラリア予防を徹底)
・夜間の防犯灯や見守りカメラ(安全監視)
これらを整えなければ、外飼いは「虐待とみなされる」リスクもあります。
マルチーズにとって外飼いとは、設備・管理・気候条件のすべてを満たしてやっと成立する非常にハードルの高い飼育方法です。
マルチーズの外飼いのメリットやデメリット

外飼いを検討する際は安全であることや健康を考えましょう。
大切なことは適切な管理やケアを行うことです!
外飼いには、メリットやデメリットがあります。
小型犬であるマルチーズの外飼いのメリットやデメリットをみていきましょう。
メリット
広いスペースで運動することができます。
他の犬と人との交流は増えます。
屋外で遊ばせることから自由となり探索できることで新しい刺激を受けることができます。
デメリット
外での生活では気温や天候の変化から影響を受けやすいので体調を崩す可能性があります。
室内に比べ屋外は不衛生なことから、感染症や怪我のリスクが高まります。
一緒に過ごす時間が少なくなることから、体調の変化に気づきにくという点もあります。
マルチーズは外飼いできるの?【まとめ】
マルチーズは原産地の温暖な気候に適した犬種であり、日本の屋外環境では過酷な条件になりがちです。
法律で禁止されてはいませんが、現実的には「半外飼い」や「室内中心+外遊び」スタイルが理想。
愛犬の安全と健康を第一に、無理のない飼育環境を整えてあげましょう。