
和金は活発で食欲旺盛な金魚の代表格ですが、混泳となると注意が必要です。
種類によっては相性が悪く、一方が弱ってしまうことも。
この記事では、和金と混泳しやすい種類・避けた方が良い種類をわかりやすく解説しつつ、飼育環境で工夫すべきポイントも紹介します。
和金の特徴

和金
まず和金の特徴を紹介しましょう。
形は原種のフナと同じ体形で通称『長物(ながもの)』と呼ばれます。
泳ぐスピードが比較的早く、餌を食べるのも早いです。
浮いている餌も沈んでいる餌もどちらでも食べます。
同じような特徴がないと、和金は遊んでいるつもりでも混泳している金魚にストレスを与えたり、混泳している金魚の分の餌も食べてしまいます。
そうなると混泳している金魚はだんだん弱っていき、そのままお星さまになってしまいますので、お気を付けください。
和金同士の混泳の相性について

和金は金魚の中でも活発で力強く泳ぐ種類ですが、同じ和金同士だからといって必ずしも混泳がうまくいくとは限りません。
個体差や飼育環境によって相性が左右されるため、注意が必要です。
性格の違いによる影響
和金は基本的に丈夫で元気ですが、性格には個体差があります。
中には攻撃的に他の個体を追い回すものもいれば、穏やかに泳ぐものもいます。
数匹を一緒に入れるときは、追いかけられる個体がいないか観察し、必要に応じて隔離できる環境を整えておきましょう。
体格差がある場合の注意点
和金は成長するとかなり大きくなります。
同じ種類でも体格差があると、小さい個体が餌を取れなかったり、力負けしてストレスを受けることがあります。
できるだけサイズの近い個体同士を一緒にするのが理想です。
水槽環境の広さ
和金は泳ぎ回るスペースを必要とするため、狭い水槽に複数を入れると縄張り争いや小競り合いが起こりやすくなります。
60cm以上の水槽で、個体数に見合った広さを確保することが大切です。
水草やレイアウトで視界を遮る工夫をすると、無駄な追いかけ合いを減らせます。
和金との混泳におすすめの種類は?

同じような特徴を持っている種類にコメットという金魚がいます。
コメットの特徴は和金と同じで、違いは長い尾ひれくらいです。
小さい水槽だと、和金と追いかけっこした時に口でつついてしまう可能性があるので、そこだけ注意です。
他には朱文金で特徴は尾ひれが長い、色が3色という以外は和金と同じです。
上記のように和金の混泳には、『長物』と言われるタイプの金魚がおすすめです。
和金との混泳に向いていない種類は?

金魚の体形の『長物』に対し、『丸物(まるもの)』があります。
琉金やらんちゅうなどが、その『丸物』となります。
丸物が和金との混泳に向いていない理由は簡単で、泳ぐスピードが比較的遅いという事です。
餌を食べるスピードも遅くなりますので、和金に全部食べられ栄養不足になる可能性があります。
琉金と和金の混泳について

琉金と和金は体型や泳ぎの速さが大きく違うため、混泳は難しい組み合わせです。
和金は泳ぎや餌を食べるのが早く、琉金は追いつけずに餌不足やストレスで弱ってしまうことがあります。
大きな水槽や隠れ家を用意し、餌の与え方を工夫すれば共存できる場合もありますが、初心者には別々に飼う方が安心です。
和金とらんちゅうの混泳について

和金とらんちゅうの混泳は、基本的にはおすすめできません。
和金はフナ型で泳ぎが速く、活発に餌を食べますが、らんちゅうは背びれがなく丸みを帯びた体型のため、泳ぐのが遅く方向転換も苦手です。
そのため同じ水槽に入れると、らんちゅうが和金に追いつけず餌を十分に食べられないことが多く、体力差やストレスから弱ってしまう可能性が高いです。
また、らんちゅうは水流にも弱く、落ち着いた環境を好むのに対し、和金は力強く泳ぐため水流を作る傾向があります。こうした環境の違いも両者の相性を悪くする要因です。
出目金と和金の混泳について

出目金と和金の混泳は注意が必要です。
和金は泳ぎが速く活発に動き回るのに対し、出目金は大きな目が特徴で視力が弱く、泳ぐスピードも遅めです。この違いから、和金に追いつけず餌を食べ損ねたり、追い回されてストレスを受けやすくなります。
さらに、出目金は目が突き出ているため、ちょっとした接触や衝突でも傷つきやすいデリケートな体質です。
泳ぎの速い和金と同じ水槽に入れると、知らないうちに目をぶつけてケガをするリスクもあります。
和金との混泳で注意したい水槽環境のポイント

和金と他の魚を一緒に飼う場合、相性だけでなく水槽環境の工夫も大切です。
特に広さや水流、隠れ家の有無などは混泳の成否を左右します。
以下で詳しく解説します。
水槽サイズとレイアウト
和金は成長すると20cmを超えることもあるため、小型水槽では窮屈になりストレスがたまります。
混泳を考えるなら最低でも60cm水槽、できれば90cm以上を用意しましょう。
水草や流木を配置して視界を遮ることで、追いかけ回しを防ぐ効果もあります。
餌の与え方を工夫する
和金は食欲旺盛で素早く餌を食べてしまうため、他の魚が食べられずに痩せてしまうことがあります。
沈下性の餌を混ぜる、餌を複数の場所に分けて与えるなど工夫すると、混泳相手も食べやすくなります。
隠れ家や仕切りの設置
混泳相手が追いかけられたときに逃げ込める隠れ家を設けると、ストレスを軽減できます。
石や人工シェルター、水草の茂みなどを使うと効果的です。場合によってはアクリル仕切りを使ってエリアを分けるのも良い方法です。
和金とメダカの混泳はできる?

和金とメダカの混泳はやめた方がいいです。
何でも食べてしまう和金(金魚全般も同様)は、間違えて自分より小さいメダカを口に入れてしまう可能性があるのでおすすめしません。
筆者の経験上ですが、金魚とメダカを同じ水槽に入れていた時期があり、気付いたら金魚の口からしっぽだけ見えているという事件がありました。
このような事件を起こさない為にも、やめた方がいいです。
他には小さいアカヒレや熱帯魚のグッピー、ネオンテトラもおすすめしないどころか、やめた方がいいです。
どうしても一緒に飼育したい方は、住み分けがきちんとできる環境を作ってから試してみてください。
ただし責任は取りませんので!!
和金との混泳で大きさは関係あるの?

和金との混泳におすすめできるコメットなどの長物の金魚でも、極端に大きさが違うと混泳は避けた方がいいかもしれません。
15cmの和金と5cmのコメットを同時に飼育するとします。
泳ぐスピード、餌を食べるスピードが極端に違うと思うので、5cmのコメットはストレスだらけになるでしょう。
人間の大人が、本気で子供を追いかけまわすと考えるとわかりやすいかもしれません。
これに関しては同じ和金同士でも同じことが言えるので、だいたい同じくらいのサイズ同士にした方がいいでしょう。
また、大きさは同じだとしても穏やかな性格、せっかちな性格など様々ですので混泳する時は、それぞれの性格に注目してください。
和金との混泳におすすめは?【まとめ】
和金との混泳は、相性の良い種類を選びつつ水槽環境を整えることが大切です。
長物タイプの金魚なら比較的うまくいきやすいですが、丸物や小型魚は注意が必要です。
広い水槽や餌の与え方を工夫しながら、仲良く泳ぐ姿を楽しみましょう。