グッピーは観賞魚の中でも特に繁殖が簡単なことで知られています。
ある日突然、水槽に小さな稚魚が泳いでいて驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。
グッピーには「産卵兆候」と呼ばれるわかりやすいサインがあります。
本記事では、妊娠マークやお腹の形、行動の変化など、出産が近いグッピーを見分けるためのポイントを詳しくご紹介します。
グッピーの産卵の仕方

卵を産まず直接、稚魚を生む
グッピーの産卵は卵ではなく人間と同じように稚魚を産みます。
グッピーは1年を通し産卵が可能で、一度に産卵する数は10匹から20匹。
産卵する数は初産だと少ないのですが、産卵を重ねるほど多くの稚魚を産むようです。
なかには一度に50匹もの稚魚を産んだ母グッピーが存在するようですよ。
グッピーの寿命は約1年と短く、それは産卵回数の多さが原因なのではないか、と言われています。
話を戻しますが、グッピーは他の魚の産卵のように水草に卵を産み付けるという産卵ではありません。
グッピーの体から稚魚が生まれ水槽内を泳ぐ姿は感動的ですよ。
卵を産む場合と比べて、生存率が高い
余談ですが、卵から孵った稚魚と、親の体内から生まれてきた稚魚だと圧倒的に後者の方が生存率が高いようです。
グッピーの稚魚の生存率は数字で70%、他の小型熱帯魚の生存率は30%ほどと言われています。
数字だけ見ても驚きますね。
グッピーの生命力は素晴らしいです。
グッピーは簡単に増えることで有名、それは稚魚の生存率の高さも理由の一つです。
グッピーの産卵兆候|お腹の形の変化

グッピーが妊娠して数日たつと、お腹がふっくら大きく成ってきます。
さらに産卵が間近になると、お腹が四角く角ばるようになります。
グッピーは餌を食べた後にすこしお腹が膨らみますので、餌を与える前に確認してみるとわかりやすいと思います。
グッピーの妊娠マーク|「妊娠点」の見つけ方と変化の目安
多分24日目の朝。
— KUMA's AQUA CAFE (@k_aquacafe) October 10, 2023
また妊娠マークが黒くなってました。
スマホが古いので撮ってもわかりにくいですが肉眼では無数の点に見えます。#アクアリウム #熱帯魚 #グッピー pic.twitter.com/D1WMfTXHtB
グッピーの妊娠を判断するうえで特に分かりやすいのが、「妊娠点(にんしんてん)」と呼ばれる黒い斑点です。
これはお腹の下側、肛門付近に見える小さな黒い影で、「妊娠マーク」や「グラビディスポット」とも呼ばれています。
この妊娠マークは、妊娠初期~後期まで変化していく特徴があり、観察することで出産のタイミングを予測することも可能です。
妊娠マークはどこにある?
妊娠点は、メスのグッピーの腹部後方・肛門付近に見える黒い斑点です。
体の色が淡い個体ほど見つけやすく、色が濃い系統(黒、赤など)は見えにくい場合があります。
妊娠していないときはほとんど目立たず、薄いグレーや褐色に見える程度ですが、受精後は徐々に濃くなり、明確な黒色に変化していきます。
妊娠マークの色の変化とタイミング
妊娠マークは日ごとに変化していきます。
以下はあくまで目安ですが、出産時期の予測に役立ちます。
妊娠マークの状態 | 妊娠の段階 |
---|---|
薄いグレー〜褐色 | 妊娠初期(交尾後すぐ) |
はっきりした黒色 | 妊娠中期(10日前後) |
真っ黒で境界がくっきり | 妊娠後期(出産まで数日) |
黒の中に白い点(稚魚の目) | 出産直前〜当日 |
稚魚の目が透けて見えるようになると、まさに出産の直前。
この状態が確認できたら、隔離の準備を整えるタイミングです。
妊娠マークが見えにくい場合もある
グッピーの体色や光の加減によっては、妊娠マークが見えづらいこともあります。
また、個体差によって妊娠マークが濃くならないまま産卵に至ることもあるため、妊娠マークだけでなく以下も合わせて観察するのが安心です。
- お腹のふくらみ(四角くなっているか)
- 行動の変化(隅でじっとする、上下運動など)
- 食欲や泳ぎ方の変化
妊娠マークはあくまで目安のひとつ。
複数の兆候を観察することで、より正確な判断ができます。
妊娠マークの正体とは?
妊娠マークと呼ばれるグッピーの腹部の黒い斑点。
これは実は、お腹の中にいる稚魚の“目”や“色素細胞”が透けて見えているものです。
グッピーは卵を産まず、メスのお腹の中で稚魚を育てる「卵胎生」という特殊な繁殖スタイルを持っています。
妊娠が進むにつれて、胎内の稚魚の目が大きくなり、体の外からも黒い点として確認できるようになります。
特に、光の加減や体色の淡い個体では、複数の稚魚の目が密集して“黒いかたまり”のように見えることもあり、「妊娠マークが濃くなってきた=出産が近い」という判断材料になります。
なお、赤や黒の色素が多い品種では、妊娠マークが見えづらいこともあるため、お腹のふくらみや行動の変化とあわせて観察するのがベストです。
グッピーの産卵兆候【産卵前の行動】とは?

グッピーのメスは産卵が近づくと、いつもとは違う行動を取ります。
・水槽に沿って上下に泳ぐ
・水槽の底でじっとしていて動かない
・他のグッピーが近づくと逃げる
・突然泳いだり、止まったりする
見た目の変化も合わせて行動の変化も確認出来たら、ほぼ間違いなく妊娠しています。
ただ上下に泳ぐ、じっとしていて動かない、という行動はストレスや病気などでもこのような動きをするので注意が必要です。
例えば水槽内の他のグッピーがこのような行動を取っていたら、妊娠ではなく病気かもしれません。
その時はグッピーを塩浴や薬浴などで体力の回復をさせてあげてください。
産卵直前のグッピーの隔離は必要?

グッピーのメスが産卵間近になると、「隔離したほうがいいのでは?」と悩む方も多いと思います。結論からいうと、稚魚を守るために隔離は有効です。
グッピーは子育てをしない魚であり、生まれてきた稚魚を親魚や他の魚が食べてしまう共食いが起きることがあります。

そのため、産卵が近いと判断できたら、メスを別の隔離用水槽や産卵ケースに移すのが理想的です。
ただし、隔離によってメスにストレスを与えてしまうと、出産がうまくいかなかったり、稚魚が未熟なまま産まれてしまうこともあるので注意が必要です。
ポイントとしては以下の通りです。
- お腹が四角くなり、妊娠点が濃くなった時点で隔離を検討する
- 隔離先の水温・水質を元の水槽と揃えることでストレスを軽減できる
- 産後は速やかにメスを元の水槽に戻すことで、稚魚の安全が保たれる
また、水草や隠れ家が多めの水槽であれば、隔離せずとも稚魚が自然に隠れて成長するケースもあります。
「隔離はしたいけど別の水槽は難しい…」という場合には、産卵ケース(ネット型やプラ製)を導入すると手軽に対応できます。
出産が終わったあと、親魚だけを元の水槽に戻すことで、稚魚だけを安全に育てられますよ。
母グッピーの産卵時の環境づくり|水温・餌・水換え・隠れ家に注意!
グッピーの産卵を成功させるには、ただ隔離するだけでは不十分です。妊娠中や産後の母グッピーが安心して過ごせるように、水温・餌・水質・レイアウトなどの環境面にも配慮が必要です。
ここでは、産卵時に気を付けたいポイントを詳しく解説します。
水温は26〜28℃が理想
グッピーにとって最も快適な水温は26〜28℃。とくに産卵前後は、急激な水温変化がストレスになり、流産や体調不良の原因になることがあります。
- 冬場はヒーターを使い、一定の温度をキープ
- 夏場はファンや冷却グッズで高温を避ける
- 水温計で常にチェックしよう
安定した水温は、母グッピーの体力回復と稚魚の健康維持にもつながります。
餌は高栄養で少量ずつ

妊娠中〜産後のグッピーには、通常よりも栄養価の高い餌を与えましょう。
ブラインシュリンプや赤虫などのタンパク源は特におすすめです。
- 一度に多く与えず、1日2回に分けて与える
- 消化に負担のかかる餌は控える
- 稚魚用の粉餌や液体フードを用意しておくと安心
産後は食欲が落ちることもあるので、無理に与えず様子を見ながら調整してください。
水換えは控えめ&慎重に

産卵前後の水換えは、刺激が強すぎると逆効果になることがあります。
- 産卵予定の2~3日前から水換えは控える
- 水換えをするなら1/3程度まで
- 新しい水は水温・pHを揃え、ゆっくり注ぐ
- 残餌やフンはスポイトでこまめに掃除
水質の急変を避けることで、母グッピーも安心して過ごせます。
隠れ家やレイアウトも大切

稚魚は生まれた直後から泳ぎ回りますが、大人のグッピーに食べられることもあります。
- ウィローモスやマツモなど、細かい水草で隠れ家を作る
- 水流は弱めに設定
- 夜間は照明を切って、ストレス軽減
特に稚魚は強い水流に流されやすいので、フィルターはスポンジタイプに変更するのもおすすめです。
稚魚の飼育と初期ケア|エサ・隔離期間・成長の目安
グッピーの稚魚が無事に産まれたら、次に大切なのはいかに安全に育てるかです。
特に産後すぐの時期は体が小さく弱いため、初期ケアをしっかり行うことで、生存率をグッと上げることができます。
稚魚の餌はいつから?何を与える?

産まれたばかりの稚魚は24時間以内には餌を食べ始めます。
最初はとても口が小さいため、大人用の餌は食べられません。
- 稚魚用のパウダー餌(専用フード)
- 茹でた卵の黄身を潰して溶かしたもの(ごく少量)
- インフゾリア(ゾウリムシ)やブラインシュリンプ(最初はやや難易度高)
1日2~3回、食べ残しが出ないよう少量ずつ与えるのがポイントです。
残餌はすぐにスポイトで取り除き、水質悪化を防ぎましょう。
稚魚の隔離はいつまで?

稚魚の隔離は、親魚が食べてしまう危険がなくなるサイズまでが基本です。
だいたい生後3~4週間ほどが目安になります。
- 他の魚の口に入らない大きさ(1.5〜2cm程度)まで育てる
- 活発に泳ぎ、餌をしっかり食べられるようになったら親水槽に戻す
- 元の水槽の水としっかり合わせてから戻すこと(水合わせ)
急な移動はストレスになるため、様子を見ながら慎重に行いましょう。
稚魚の成長の目安

- 生後1日目: 透明な体でふらふら泳ぐ
- 1週間後: 形がしっかりしてきて、餌に反応するようになる
- 2週間後: 模様やヒレが少しずつ現れはじめる
- 3~4週間後: 大人の半分ほどのサイズに。混泳できる大きさに近づく
個体差はありますが、1ヶ月ほどで見た目もぐっと「グッピーらしく」なってきますよ。
グッピーの産卵兆候【まとめ】
グッピーの産卵兆候には見た目と行動の両面から分かるサインがあります。
妊娠点の濃さやお腹の変化、水槽内でのそわそわとした動きなどに注目すれば、出産のタイミングを予測しやすくなります。
稚魚の生存率を高めるためには、兆候を見逃さず適切なタイミングでの隔離や観察が重要です。
ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、グッピーの繁殖を楽しんでくださいね。