
グッピーを観察していて、「昨日までは普通だったのに黒くなってきた」「体に黒い斑点が出てきた」と気になることがあります。
グッピーが黒くなるからといって、必ずしも病気とは限りません。もともとの体色や遺伝による模様、成長による変化のほか、メスでは妊娠によってお腹の黒い部分が目立つこともあります。
一方、急に体色が変化し、食欲がない、元気がない、泳ぎ方がおかしいなどの症状を伴っている場合は、水質や水温などの飼育環境、外傷や病気なども確認する必要があります。
この記事では、グッピーが黒くなる原因をはじめ、黒い斑点、お腹が黒い場合、目が真っ黒に見える場合について、それぞれの見分け方と対処法を解説します。
グッピーが黒くなるのは病気?まず確認したいこと

グッピーが黒くなったときに、見た目だけで「病気だ」と判断する必要はありません。
まず確認したいのは、いつから・どこが・どのように黒くなったのかです。
もともとの体色・模様か、急に黒くなったのか
最初に、そのグッピーが以前から黒かったのか、それとも最近になって黒くなったのかを確認します。
グッピーには非常に多くの品種や体色があり、もともと黒い部分を持っている個体も珍しくありません。
幼魚から成魚へ成長する過程で模様がはっきりしてきて、「最近になって黒くなった」と感じる場合もあります。
反対に、今までなかった黒ずみが短期間で現れたのであれば、飼育環境や体調の変化も確認しましょう。
全身・斑点・お腹・目のどこが黒いのか
「黒くなった」といっても、黒くなっている場所によって考えられる原因が違います。
全身や体の一部が黒くなったのか、点々とした黒い斑点なのか、お腹だけが黒いのか、目が真っ黒に見えるのかを確認してください。
特にメスのお腹の後方が黒い場合は、妊娠に伴う妊娠点が目立っている可能性があります。
食欲や泳ぎ方に異常がないか
体色だけで正常か病気かを判断するのは難しいため、グッピー全体の様子も確認します。
餌を普段通り食べているか、元気に泳いでいるか、呼吸が極端に速くないか、ヒレを閉じていないか、体表にほかの異常がないかなどを見てください。
黒い色だけでなく、行動や食欲にも変化がある場合は注意が必要です。
グッピーが黒くなる原因とは?

グッピーが黒く見える原因には、正常な体色から飼育環境の変化までさまざまなものがあります。
もともとの体色や遺伝による模様
グッピーの体色や模様には遺伝的な要素が大きく関係しています。
黒い体色を特徴とする品種もいれば、体の一部や尾びれなどに黒い模様が現れる品種もいます。
そのため、元気に泳いでいて食欲もあり、成長とともに徐々に黒い模様がはっきりしてきたのであれば、正常な体色の可能性があります。
ただし、「親が黒いから必ず遺伝」と見た目だけで断定するのではなく、体調にも異常がないことを確認しましょう。
水質悪化など飼育環境の変化
水質が悪化すると、グッピーの健康状態に影響します。
アンモニアや亜硝酸などが問題となる環境では、体調を崩したり、普段とは体色の見え方が変わったりする可能性があります。
餌の与えすぎ、過密飼育、メンテナンス不足、ろ過能力不足などがないか確認しましょう。
ただし、黒くなったという見た目だけで「アンモニアが原因」と決めつけることはできません。
可能であれば水質検査を行い、数値を確認する方が確実です。
急激な水温変化やストレス
グッピーは変温動物なので、水温など周囲の環境から大きな影響を受けます。
水換えの際に新しい水との温度差が大きかったり、ヒーターが故障して急激に水温が下がったりすると、グッピーに負担がかかります。
また、過密飼育やほかの魚から追い回されるなど、継続的なストレスも体調に影響します。
黒くなった時期と水換えや水槽環境の変化が重なっていないか確認してみましょう。
外傷や体調不良・病気
体表に傷ができた部分や、何らかの体調不良に伴って見た目が変化する場合もあります。
ただし、グッピーの体に黒い部分ができたというだけでは病名を特定できません。
「黒斑病」という言葉だけを頼りに自己判断するのではなく、黒い部分の形や広がり方、食欲、泳ぎ方、ヒレや体表の状態などを総合して考えることが大切です。
成長による体色の変化
稚魚のころには目立たなかった色や模様が、成長とともにはっきり現れてくることがあります。
特にグッピーは品種や個体によって体色の変化が大きいため、成長途中で黒い模様が出てきても、それだけで異常とはいえません。
以前の写真があれば比較すると、急激な異常なのか、徐々に進んだ体色の変化なのか判断しやすくなります。
グッピーに黒い斑点が出てきたのは病気?
国産ブルーグラスグッピー。
— せーだい (@tanakaseidai) April 1, 2016
国産ブリード種です。美しいエメラルドブルーの尾びれに黒の斑点が特徴のグッピーで、一般のグッピーと同様に飼育は容易です。
繁殖時は卵ではなく稚魚を産むため、隔離用ゲージをオススメします。 pic.twitter.com/5vnNndfCav
「グッピーの体に黒い斑点が出てきた」というケースもあります。
検索すると「黒斑病」という病名が出てくることがありますが、黒い斑点があるだけで黒斑病と判断することはできません。
品種や遺伝による黒い斑点
グッピーには、もともと黒い斑点や模様を持つ個体がいます。
尾びれや体に黒いスポット模様が入るタイプもあるため、以前から同じ場所にあり、グッピー自身も元気であれば、その個体本来の模様である可能性があります。
購入したショップで品種名が分かる場合は、その品種の一般的な体色や模様と比較してみるのもよいでしょう。
成長すると黒い模様が目立つことがある
稚魚のころは色が薄かった個体でも、成長すると体色が変化します。
その過程で黒い色素が目立つようになり、「突然黒い斑点が出てきた」と感じることがあります。
特に成長期で、黒い部分が徐々に現れ、元気や食欲に問題がなければ、体色の変化も考えられます。
急に黒い斑点が出た場合に確認すること
今までなかった黒い斑点が急に現れた場合は、体色だけでなく全身を観察してください。
食欲低下、元気がない、ヒレを閉じる、体を物にこすりつける、呼吸がおかしい、傷やただれがあるなど、ほかの症状がないか確認します。
黒い斑点だけを理由に薬浴や塩浴を始めるのではなく、まず原因を絞ることが重要です。
グッピーのお腹が黒いのは妊娠?
昨日お迎えしたグッピーのメス
— みーまるダビッドソン (@miyamiu1274) July 28, 2021
おなかの膨らみと黒い斑点と水槽上下に泳ぐところからお腹に赤ちゃんいる可能性大すぎる🥰
まじで今日早く帰ってきて産卵箱に移さないと!間に合って~😭 pic.twitter.com/Op0uIeneSx
メスのグッピーを飼育している場合、お腹が黒く見えるのは妊娠に関係していることがあります。
グッピーは卵胎生の魚で、メスは体内で卵を育てて稚魚を産みます。
メスのお腹が黒い場合は妊娠点の可能性
メスでは、お腹の後方から肛門付近に黒っぽく見える部分があります。
一般に「妊娠点」と呼ばれる部分です。
妊娠しているメスでは、お腹が大きくなるにつれてこの部分が目立って見えることがあります。
そのため、メスのお腹がふくらみ、お腹の後方が黒く見える場合は妊娠の可能性があります。
妊娠点が濃くなるだけで出産時期は断定できない
「妊娠点が真っ黒になったから今日産む」といった判断は避けた方がよいでしょう。
体色や個体差によって妊娠点の見え方は異なります。
お腹の大きさや形、行動なども合わせて観察し、黒さだけで出産時期を断定しないことが大切です。
オスのお腹が黒い場合は妊娠以外の原因を確認
当然ながら、オスのお腹が黒くなっても妊娠ではありません。
もともとの体色や模様である可能性のほか、急に変化したのであれば飼育環境や体調も確認します。
オスかメスか分からない場合は、体形だけでなく尻びれの形なども確認して性別を判断しましょう。
グッピーの目が真っ黒・目が黒いのは病気?
「グッピーの目が真っ黒になった」「以前より目が黒く見える」というケースもあります。
目が黒いというだけで、すぐに病気とは判断できません。
もともと目が黒く見える個体もいる
グッピーは品種や体色、光の当たり方などによって目の見え方にも違いがあります。
以前から両目が同じように黒く見え、元気や食欲にも問題がないのであれば、その個体本来の特徴である可能性があります。
写真を撮影すると照明や角度によっても見え方が変わるため、同じ環境で比較すると分かりやすくなります。
急に目の見た目が変わった場合は他の症状も確認する
以前とは明らかに目の見え方が変わった場合は、目だけでなくグッピー全体を観察しましょう。
片目だけ変化していないか、目が腫れていないか、白く濁っていないか、傷がないか、泳ぎ方や餌への反応に変化がないかなどを確認します。
急激な変化やほかの症状を伴う場合は、単なる体色と決めつけず注意してください。
稚魚のグッピーが黒いのは大丈夫?
生まれた稚魚の中に黒っぽい個体がいると、「病気なのでは?」と心配になるかもしれません。
しかし、稚魚の色には個体差があります。
最初から黒い場合は体色・遺伝の可能性
生まれたときから黒っぽく、ほかの稚魚と同じように泳いで餌を食べているのであれば、その個体の体色による可能性があります。
同じ親から生まれた稚魚でも、すべてが同じ色や模様になるとは限りません。
親だけでなく、その系統が持つ遺伝的な特徴によって異なる体色が現れることがあります。
成長途中で黒い模様が現れることもある
稚魚は成長するにつれて体色や模様が変化します。
最初はほとんど色がなかった個体に、徐々に黒い模様が現れることもあります。
黒いというだけで問題と考えるのではなく、成長状態や食欲、泳ぎ方などを合わせて確認してください。
グッピーが黒くなったときの対処法
グッピーが黒くなったときは、いきなり薬を使用するのではなく、順番に原因を確認していきます。
まず水温・水質を確認する
最初に確認したいのが飼育環境です。
水温計で実際の水温を確認し、ヒーターが正常に動いているかチェックします。
水質についても、可能であればアンモニアや亜硝酸などを測定します。
最近水換えをしていない、餌を多く与えた、魚の数を増やしたなどの変化がなかったかも振り返ってみましょう。
水換えは急激な環境変化を起こさないように行う
水質悪化が疑われても、急激に環境を変えることがグッピーへの負担になる場合があります。
新しい水の温度を合わせ、カルキ処理を行うなど、通常の適切な方法で水換えをしてください。
「黒くなったから水を全部交換する」といった極端な対応は避けましょう。
食欲・泳ぎ方・呼吸・フンなどを確認する
グッピーの状態を判断するうえでは、黒い部分以外の情報が重要です。
餌を食べるか、普段通り泳いでいるか、水面や底でじっとしていないか、呼吸が速くないか、フンに変化がないかなどを確認します。
複数の魚を飼っている場合は、ほかの個体にも同じ異常が出ていないかチェックしましょう。
異常のある個体は必要に応じて隔離する
ほかの魚から攻撃されている場合や、感染性の病気が疑われる場合などは、隔離が必要になることがあります。
ただし、移動そのものがストレスになるため、黒く見えるという理由だけで必ず隔離する必要はありません。
隔離する場合も水温や水質が急変しないよう注意します。
原因が分からないまま薬浴・塩浴をしない
「黒くなったら塩浴」「黒い斑点なら薬浴」と一律に考えるのは避けましょう。
薬には対象となる病気や使用方法があり、原因と合っていなければ期待する効果が得られないだけでなく、魚への負担になる可能性もあります。
症状が進行している、食欲が落ちている、ほかにも異常が出ているなどの場合は、原因として考えられる病気を確認したうえで適切な対応を検討してください。
グッピーが黒くなるのを予防する飼育管理
遺伝や成長による体色の変化を予防する必要はありません。
一方、飼育環境の悪化による体調不良を防ぐためには、日頃の管理が重要です。
水質を安定させる
定期的な水換えを行い、餌の与えすぎや過密飼育を避けます。
フィルターも適切に管理し、水槽内に汚れが蓄積しすぎないようにしましょう。
水が透明だから水質も問題ないとは限らないため、必要に応じて水質検査を利用するのも有効です。
急激な水温変化を防ぐ
グッピーを安定した環境で飼育するため、水温計を設置して普段から確認しておきましょう。
ヒーターを使用していても故障する可能性があります。
特に季節の変わり目や水換え後は、急激な温度差が生じていないか確認してください。
毎日グッピーの体色と行動を観察する
病気や体調不良を早く発見するには、健康なときの状態を知っておくことが大切です。
体色、食欲、泳ぎ方、ヒレの状態などを普段から見ておけば、「いつもと違う」という変化に気づきやすくなります。
気になる変化があったときに写真を残しておくと、数日前との比較にも役立ちます。
グッピーが黒くなる原因【まとめ】

グッピーが黒くなる原因には、もともとの体色や遺伝、成長による模様の変化、水質や水温などの飼育環境、体調不良などさまざまな可能性があります。
黒い斑点が現れても、それだけで病気とは判断できません。
また、メスのお腹の後方が黒く見える場合は妊娠点の可能性があり、稚魚では成長とともに黒い体色や模様が現れる場合もあります。
目が真っ黒に見える場合も、以前からそうなのか、急に変化したのかによって考え方が変わります。
大切なのは「黒くなった=病気」と決めつけず、どこが黒いのか、いつから変化したのか、食欲や泳ぎ方などに異常がないかを合わせて確認することです。
急激な変化や体調不良を伴っている場合は、水温や水質などの飼育環境を確認し、原因に応じた対応を行いましょう。