
グッピーはカラフルで飼育しやすく、初心者にも人気の熱帯魚です。
一方で繁殖力が強く、「気づいたら稚魚がたくさん増えていた」「増えすぎたグッピーを食べてくれる魚はいないの?」と悩むこともあります。
グッピーを食べる可能性がある魚には、ベタ、エンゼルフィッシュ、小型シクリッドなどがいます。また、親グッピー自身が生まれた稚魚を食べてしまうこともあります。
ただし、「グッピーを食べる魚=グッピーと安全に混泳できる魚」ではありません。
稚魚だけでなく成魚まで攻撃されたり、水温や水質が合わなかったりする可能性があるため、増えすぎ対策として肉食魚を入れる場合にも注意が必要です。
この記事では、グッピーやグッピーの稚魚を食べる魚、肉食魚に与える場合の注意点、グッピーが増えすぎる理由、肉食魚を使わない繁殖対策まで詳しく解説します。
グッピーを食べる魚は?代表的な魚を紹介

グッピーやグッピーの稚魚を捕食する可能性がある魚としては、次のような種類が挙げられます。
| 魚 | 稚魚を食べる可能性 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| ベタ | あり | グッピーの成魚を攻撃する可能性がある |
| グラミー | あり | 種類や個体によって性格が異なる |
| エンゼルフィッシュ | あり | 成長するとグッピーへの危険性が高まる |
| 小型シクリッド | あり | 縄張り意識や攻撃性に注意 |
| 金魚 | あり | グッピーとは適した飼育条件が異なる |
| ミドリフグ | あり | グッピーとの常時混泳には向かない |
「稚魚を食べてくれるから」という理由だけで魚を選ぶのではなく、相手の魚の性格や成魚時の大きさ、必要な飼育環境まで確認しましょう。
ベタ

ベタは口に入るほど小さなグッピーの稚魚を捕食する可能性があります。
しかし、ベタは個体によって攻撃性が強く、グッピーの成魚を追いかけたりヒレを傷つけたりする可能性があります。
特にグッピーのオスは大きく華やかなヒレを持っているため、「稚魚を食べてもらうための安全な混泳魚」と考えるのは避けた方がよいでしょう。
グラミー

グラミーも小さな稚魚を捕食することがあります。
ただし、グラミーにはさまざまな種類があり、成魚の大きさや性格も異なります。
「グラミーならどの種類でもグッピーと混泳できる」と考えず、飼育したい種類ごとに相性や適した水質を確認してください。
エンゼルフィッシュ

エンゼルフィッシュはグッピーの稚魚や、口に入る大きさの小魚を捕食することがあります。
そのため稚魚の数を減らす可能性はありますが、成長したエンゼルフィッシュは体が大きくなります。
グッピーの稚魚だけを都合よく食べてくれるとは限らないため、増えすぎ対策だけを目的に同じ水槽へ入れるのは慎重に判断しましょう。
小型シクリッド

ラミレジィ
アピストグラマやラミレジィなどの小型シクリッドも、小さな稚魚を捕食することがあります。
一方でシクリッドには縄張り意識があり、繁殖時などには攻撃性が強くなることがあります。
稚魚を食べるかどうかだけではなく、水槽の広さや隠れ場所、ほかの魚との相性も考えて飼育する必要があります。
金魚

金魚も口に入る大きさの小魚や稚魚を食べる可能性があります。
しかし、金魚とグッピーでは適した飼育環境が同じとは限りません。
金魚がグッピーの稚魚を食べる可能性があるからといって、増えすぎ対策のために同じ水槽で飼育することを前提にしない方が安全です。
ミドリフグ

ミドリフグも小魚を捕食したり、ほかの魚を追いかけたりすることがあります。
グッピーが口に入る大きさであれば捕食される可能性があり、食べられない大きさでも攻撃される可能性があります。
また、必要な飼育環境についてもグッピーと同じとは限らないため、単純な混泳相手として考えるのは避けましょう。
グッピーの稚魚を食べる魚を入れれば増えすぎ対策になる?

グッピーが増えすぎたとき、「稚魚を食べる魚を同じ水槽に入れれば増えなくなるのでは?」と考えるかもしれません。
確かに捕食によって稚魚の生存数が減る可能性はあります。しかし、繁殖そのものを止める方法ではありません。
稚魚の数を減らすことはできる
生まれたばかりのグッピーは非常に小さいため、ほかの魚に捕食されることがあります。
稚魚を捕食する魚がいる水槽では、すべての稚魚を隔離して育てる場合と比べ、生き残る数が少なくなる可能性があります。
そのため、結果としてグッピーの増加を抑えられる場合があります。
繁殖そのものを止められるわけではない
稚魚が捕食されても、オスとメスが繁殖できる状態であれば新しい稚魚が生まれる可能性があります。
グッピーは繁殖力が強いため、本格的に増加を防ぎたいのであれば、捕食だけに頼るのではなくオスとメスを分けるなどの対策も必要です。
成魚まで攻撃される可能性がある
肉食性や攻撃性のある魚が「稚魚だけを食べて成魚には何もしない」とは限りません。
グッピーの成魚が追い回されたり、ヒレを傷つけられたり、魚の大きさによっては捕食されたりする可能性があります。
稚魚を減らす目的だけで、新しい魚を安易に追加しないようにしましょう。
親グッピーも自分の稚魚を食べる?

グッピーの稚魚を食べるのは、ほかの種類の魚だけではありません。親グッピーを含む成魚が、生まれたばかりの稚魚を食べてしまうことがあります。
親グッピーが稚魚を食べることがある
グッピーには、生まれた稚魚を親が守り続けて育てる習性はありません。
生まれたばかりの稚魚は非常に小さいため、親グッピーに捕食されることがあります。
「出産したはずなのに稚魚が少ない」という場合には、見つける前に食べられている可能性も考えられます。
稚魚を食べられたくない場合は隔離する
繁殖を楽しみ、できるだけ多くの稚魚を育てたい場合は、親魚から稚魚を守る必要があります。
産仔箱や別水槽などを利用して、親魚と稚魚を分けて管理する方法があります。
ウィローモスなど細かな水草を多めに入れて、稚魚が隠れられる場所を作る方法もあります。
増やしたくない場合は稚魚をすべて隔離・保護しない
反対に、これ以上グッピーを増やしたくないのであれば、すべての稚魚を積極的に隔離して育てると個体数が増えやすくなります。
飼育できる数を考えながら繁殖管理を行うことが大切です。
ただし、稚魚を食べさせる目的で親グッピーへの餌を意図的に止める必要はありません。
グッピーはなぜ増えすぎる?
グッピーは観賞魚の中でも繁殖しやすく、オスとメスを一緒に飼育していると短期間で数が増えることがあります。
「数匹から飼い始めたのに、いつの間にか水槽がいっぱいになった」ということもあります。
卵胎生で稚魚を直接産む
グッピーは卵胎生という特徴を持っています。
一般的な卵生魚のように水槽内へ卵を産み付けるのではなく、メスの体内で卵が発育し、泳げる状態の稚魚を産みます。
そのため、飼育者が卵の存在に気づかないまま、突然水槽内に稚魚が現れることもあります。
メスは貯精できる
グッピーのメスには、一度交尾したオスの精子を体内に保持し、その後の出産に利用できる特徴があります。
そのため、オスとメスを分けたあとでも、すでに交尾していたメスがその後も出産する場合があります。
「オスを別水槽へ移したから、すぐに出産しなくなる」とは限らない点に注意しましょう。
繁殖サイクルが短い
グッピーは稚魚が成長すると、その個体も繁殖に参加するようになります。
親世代だけでなく、生まれた子どもたちも繁殖するようになれば、個体数はさらに増えやすくなります。
水質や水温を適切に管理している飼育環境では生存率も上がるため、計画的に個体数を管理することが重要です。


増えすぎたグッピーを肉食魚に与える方法と注意点

すでに肉食魚を飼育していて、その魚がグッピーを捕食できる場合には、増えすぎたグッピーを生き餌として利用する方法を考える人もいるでしょう。
ただし、グッピーをそのまま投入すればよいわけではありません。
肉食魚が食べられるサイズか確認する
肉食魚の口の大きさと、与えるグッピーの大きさを確認します。
小型の魚に大きなグッピーを与えても捕食できない場合があります。
反対に大型の肉食魚であれば、稚魚だけでなく成魚も捕食する可能性があります。
飼育している肉食魚の種類や大きさに合わせて判断することが重要です。
一度に大量に与えない
一度に大量のグッピーを入れると、すべてを捕食できない場合があります。
残った魚や死骸などが水質悪化につながる可能性もあるため、様子を確認しながら管理します。
生き餌だけに偏った食事にせず、飼育している肉食魚に適した食事内容を基本にしてください。
病気や寄生虫などに注意する
グッピーの健康状態にも注意が必要です。
病気が疑われる個体をほかの魚の水槽へ入れると、病原体などを持ち込む可能性があります。
体表や泳ぎ方などに異常が見られるグッピーを、生き餌として安易に与えるのは避けましょう。
水温・水質の違いにも注意する
グッピーと捕食する魚では、適した水温や水質が異なることがあります。
「グッピーを食べる魚だから同じ水槽で飼える」とは限りません。
捕食するかどうかと、長期間安全に混泳できるかどうかは分けて考えましょう。
肉食魚とグッピー、どちらの水槽に入れる?

グッピーを肉食魚に与える場合には、「グッピー水槽に肉食魚を入れる方法」と「肉食魚の水槽にグッピーを入れる方法」が考えられます。
それぞれリスクが異なります。
グッピーの水槽に肉食魚を入れる場合
グッピー水槽へ肉食魚を入れると、稚魚だけではなく成魚まで追いかけられる可能性があります。
また、肉食魚にとってグッピー水槽の水温や水質が適切とは限りません。
捕食させる目的だけで肉食魚を一時的に移動させると、肉食魚自身にも環境変化による負担をかける可能性があります。
そのため、「増えた稚魚だけ食べてもらおう」と安易に肉食魚をグッピー水槽へ追加する方法はおすすめできません。
肉食魚の水槽にグッピーを入れる場合
すでに飼育している肉食魚へ生き餌としてグッピーを与えるのであれば、肉食魚を別の環境へ移動させる必要がありません。
与えるグッピーの数も調整しやすくなります。
ただし、グッピーを別水槽へ移すことで病原体などを持ち込む可能性や、水質の違いによる影響には注意が必要です。
どちらの方法でも「魚を移動させる」というリスクがあることを理解しておきましょう。
肉食魚を使わずにグッピーの増えすぎを防ぐ方法

グッピーが増えすぎたからといって、肉食魚を新しく飼い始める必要はありません。
むしろ、新しい魚を追加すると水槽や飼育スペースがさらに必要になります。
長期的には、繁殖そのものを管理する方法を考える方が個体数をコントロールしやすくなります。
オスとメスを分けて飼育する
繁殖を防ぐ基本的な方法は、オスとメスを分けて飼育することです。
別々の水槽を用意するほか、飼育環境によってはセパレーターなどを利用する方法もあります。
ただし、すでに交尾したメスは貯精している可能性があるため、オスと分けたあともしばらく出産する場合があります。
稚魚をすべて隔離・保護しない
グッピーを増やしたい場合には、稚魚を親魚から隔離して生存率を高めます。
反対に個体数を増やしたくない場合、すべての稚魚を産仔箱や別水槽へ移して育てれば、当然ながら飼育数は増えやすくなります。
現在飼育できる水槽の大きさや匹数を考え、繁殖させるかどうかを事前に決めておきましょう。
アクアショップに引き取りを相談する

増えすぎて自宅で飼育できなくなった場合には、購入したショップや近隣のアクアショップへ相談する方法があります。
店舗によって対応は異なるため、必ず事前に問い合わせましょう。
突然魚を店舗へ持ち込むのではなく、種類や匹数、サイズなどを伝えて引き取り可能か確認してください。
飼育できる人へ譲る
グッピーを飼いたい知人などへ譲渡する方法もあります。
その際は、相手が適切な飼育環境を用意できるか確認しましょう。
また、グッピーは繁殖しやすいことも事前に伝えておくことが大切です。
川や池には絶対に放流しない

飼育できなくなったグッピーを川や池などへ放すことは避けてください。
グッピーは日本の自然環境にもともと生息していた魚ではありません。
飼育していた生き物を「自然なら生きられるだろう」と自己判断で放流せず、最後まで飼育者の管理下で対応することが重要です。
グッピーを食べる魚についてよくある質問

グッピーや稚魚を食べる魚について、疑問になりやすいポイントをまとめます。
グッピーの稚魚を食べる魚は?
ベタ、エンゼルフィッシュ、小型シクリッドなど、口に入るサイズの小魚を捕食する魚がグッピーの稚魚を食べることがあります。
また、親グッピーを含む成魚のグッピーが稚魚を食べることもあります。
ただし、稚魚を食べるからといって安全に混泳できるとは限りません。
グッピーの成魚を食べる魚は?
グッピーより十分に大きく、小魚を捕食する魚であれば成魚のグッピーも捕食する可能性があります。
ただし、グッピーを食べさせることだけを目的に新しい大型魚や肉食魚を飼育すると、その魚を長期間飼育する設備も必要になります。
ベタはグッピーの稚魚を食べる?
ベタが口に入るサイズのグッピーの稚魚を捕食する可能性はあります。
一方で成魚のグッピーを追いかけたり、ヒレを攻撃したりする可能性もあるため、稚魚の数を減らす目的だけで混泳させるのは慎重に判断しましょう。
金魚はグッピーを食べる?
金魚も口に入るほど小さなグッピーや稚魚を食べる可能性があります。
しかし、グッピーと金魚では適した飼育条件が同じとは限りません。
「食べる可能性がある」ことと「混泳相手として適している」ことは別です。
親グッピーは稚魚を食べる?
親グッピーを含む成魚が、生まれた稚魚を食べることがあります。
稚魚をできるだけ多く育てたい場合には、親魚との隔離や隠れ場所の確保を検討しましょう。
グッピーを食べる魚と混泳させても大丈夫?
魚種や個体によって異なるため、「グッピーを食べる魚」という理由だけでは混泳できるか判断できません。
成魚への攻撃性、水温、水質、成魚時の大きさ、水槽サイズなどを確認する必要があります。
増えすぎたグッピーを川に放してもいい?
飼育しているグッピーを川や池などの自然環境へ放流するのは避けてください。
飼育できない場合には、ショップへの相談や飼育できる人への譲渡など、自然環境へ放さない方法を検討しましょう。
グッピーを人間が食べることはできる?

「グッピーを食べる魚」を調べていると、「人間が食べることはできるの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、家庭で観賞用として飼育しているグッピーを食用として利用することはおすすめしません。
グッピーは一般的に観賞魚として飼育・流通しており、家庭の飼育環境も人間が食べることを前提として管理されているわけではありません。
増えすぎたグッピーの対処方法として、人間が食べることを前提にする必要はないでしょう。
繁殖を防ぐ、飼育できる人へ譲る、ショップへ相談するなど、ほかの方法を検討してください。
グッピーを食べる魚と増えすぎ対策【まとめ】

グッピーの稚魚を食べる可能性がある魚には、ベタ、グラミー、エンゼルフィッシュ、小型シクリッドなどがいます。
金魚やミドリフグなども小さな魚を捕食する可能性がありますが、グッピーを食べる魚だからといって、安全に混泳できるとは限りません。
また、親グッピー自身が稚魚を食べることもあります。
グッピーが増えすぎて困っている場合は、肉食魚による捕食だけに頼るのではなく、オスとメスを分ける、稚魚をすべて隔離・保護しない、ショップへ相談する、飼育できる人へ譲るなどの方法も検討しましょう。
そして、飼育できなくなったグッピーを川や池などへ放流することは避けてください。
グッピーの繁殖力を理解したうえで、自分が最後まで管理できる個体数を保つことが、長く安全に飼育するための大切なポイントです。