
グッピーといえば、小さな体でひらひらと泳ぐ姿が魅力ですが、突然元気がなくなることがあります。
妊娠や病気、環境の問題など原因はさまざまです。
本記事では、元気をなくす主な原因と対策をわかりやすく解説し、すぐに確認できる緊急チェックリストもご紹介します。
グッピーが「元気がない」とはどんな状態?

グッピーの元気がないとき、飼い主は次のような行動や状態から異変を察知することが多いです。
- 水槽の隅や底でじっとして動かない
- 他の魚に比べて泳ぎが遅く、ふらつく
- 水面や底に長時間とどまり、上下に移動しない
- 餌を与えても反応が鈍く、食べない
- ヒレをたたんだまま動かない
こうした行動は一時的な休憩ではなく、体調不良や環境の問題が隠れているサインかもしれません。
少しでも違和感を覚えたら、早めに原因を探ることが大切です。
グッピーの元気がない!妊娠でぐったりすることはない?

グッピーの元気がない場合の原因についてご紹介する前に、妊娠との関係について触れておきましょう。
ときどき、グッピーは出産間近になると安静にするため水底でじっとしている、という意見をみることがあります。
確かに、大型個体で稚魚数が多い場合に、お腹が重すぎて動きが鈍くなっている個体を見ることはありますが、そういった例は稀です。
むしろ、泳ぎながらばらまくように出産するので、お腹をパンパンにしたままいつも通り泳ぎ回り、突然稚魚を出産するケースがほとんどです。
そのため、妊娠中だからじっとしている、というケースはほとんどないと考えていいでしょう。

元気がないときの緊急チェックリスト

グッピーが急に元気をなくした場合は、落ち着いて次のポイントを順番に確認しましょう。
- 水温を測る
適温(25〜28℃)から外れていないかを確認します。低すぎても高すぎても動きが鈍くなります。 - 水質を測る
pH・アンモニア・亜硝酸などをテストキットでチェック。数値が大きく崩れている場合は水換えを検討します。 - 外傷や異常行動がないか見る
ヒレの欠け、白い斑点、体を擦りつける行動などがあれば病気の可能性があります。 - 水槽全体を観察する
他の魚も同じように元気がない場合は、水温や水質など環境全体の問題を疑いましょう。
このチェックリストで原因の見当をつけたら、以降の原因別対策を参考にして対応してください。
グッピーの元気がない原因3選
温度が低い
グッピーは水温が適温よりも低いと底の方に沈んで動けなくなります。
魚は変温動物なので、水温が適温でないと動けなくなってしまうのです。
この場合、特定の個体だけでなく水槽内のすべての個体が同じようにぐったりしますので、見ていてすぐにわかると思います。
また、水槽のガラス面に触れれば、保温した状態よりも明らかに冷たいのですぐにわかるはずです。
もちろん、ヒーターなどを使わず常温で飼育していてもこのような状態になります。

ヒーターで保温しているはずなのにグッピーの元気がない場合、ヒーターやサーモスタットの故障を疑いましょう。
最近ではヒーターとサーモスタットが一体になっているオートヒーターが主流ですが、基本的にヒーターのほうが短命です。
長くても2年使えば故障の危険性があると考え、予備を用意するようにしましょう。

水質が合わない

これは、新しく導入してから1~2週間ほど経過したころに見られやすいケースです。
水槽の水質になじむことができず、無理をして元気に泳ぎ回っていたけれど、徐々に体調を崩して元気を失ってしまうことがあります。
理論上、同じタイミングで導入したすべての個体で同じ症状が起こる可能性がありますが、実際には個体差があります。
この場合、pHや硬度など、具体的にどの部分の水質が合わないのかわからないため、手の施しようがありません。
自力で立ち直ってくれるか、最悪の場合は死んでしまうこともあるでしょう。
ショップと自宅の水質が違う程度でここまでの状態にはなりませんが、海外から輸入した直後の個体だと、海外と日本の水質の差でショックを受けることが多いようです。
ショップに入荷してから少なくとも1週間以上経過した個体を購入するようにしましょう。
何らかの病気になっている

寄生虫や細菌感染など、何らかの病気にかかって体調を崩しているケースも考えられます。
一口に病気といっても何種類もありますが、いずれにしてもかかってしまった個体の体力が著しく削られ、普通に泳ぐこともままならない状態になります。
私たちが風邪をひくとぐったりしてしまうのと同じように、魚も動けなくなるのです。
かかった病気によって、水底で動けなくなってしまうこともあれば、水面付近から沈めなくなってしまうこともあります。
元気がない、という状態だけでは何の病気なのか特定できないので、まずは隔離してよく観察しましょう。

グッピーの元気がない?【まとめ】
グッピーが元気をなくす原因は、水温や水質の変化、病気、まれに妊娠など多岐にわたります。
まずは緊急チェックリストで状況を確認し、原因を絞り込みましょう。
早期に対策を講じれば回復の可能性も高まります。
普段から適温・適切な水質を保ち、異常を感じたらすぐ対応できる環境を整えてあげてください。