
フェレットは室内飼育でも蚊を介してフィラリア症に感染する危険があります。
症状が出てからでは助かる確率が極めて低いため、予防が唯一の対策です。
本記事では、フィラリア症の怖さ、予防薬を始める時期、副作用や注意点まで詳しく解説します。
フェレットのフィラリア症とは?
フィラリア症(犬糸状虫症)とは、フィラリアという寄生虫が心臓に入り込み、産卵を繰り返して増殖し、血管を通じて全身に広がることで急激に血流を悪化させ死に至る病気です。
フィラリアが寄生したフェレットは、貧血や多臓器不全などを引き起こします。
フィラリアに感染した犬などの血液を蚊が吸い、また別の動物の血を吸うことでその動物もフィラリアに感染します。
そのため、夏場の蚊の接近には十分に注意する必要があります。
症状
- 咳
- 食欲不振
- 元気喪失
- お腹が膨らむ場合もある

これらの症状は他の病気でも起こり得るものですが、少しでも様子がおかしいと感じたらすぐに動物病院へ行きましょう。
夏場であれば、夏バテの可能性もあり、いずれにしても早い処置が必要です。
治療方法と治癒確率
症状が出たらすぐに動物病院に行くことが必須ですが、フィラリアが原因の場合は助かる確率はかなり低いと言われています。
フィラリアに特化した薬はあるものの、身体中に広がったフィラリアを不用意に殺すと、血管の中で大量の死骸が発生し、それが血管を詰まらせてしまいます。
仮に命が助かったとしても、慢性的な呼吸器系の病気や肝臓への後遺症も残ることが多く、その後の生活の質に不安を抱えることになります。
また、フィラリアを殺すことに成功しても、生存率は20%ほどです。
フィラリア予防の薬はいつから始める?

動物病院によって多少の前後はありますが、4月末〜12月末が一般的にフィラリア予防対策の必要な期間になります。
具体的にいつから始めるか、どのような薬で予防するかは、動物病院の方針で少しずつ違いがありますので、確認してみましょう。
私が通っていた動物病院では、完全な予防医療を第一方針に掲げていたため、4月に入るとフィラリア予防の案内が来ていました。
獣医さんの指示通りに薬を与えていれば、フィラリアの検査は行わずに薬を出してもらえましたが、病院によっては毎年薬をもらう前にフィラリア検査を行うこともあります。
フィラリア検査の料金はおおよそ3,000円前後になります。
予防薬とはどんなもの?

フェレットのフィラリア予防対策に使われる薬は、飲み薬や液を首筋などに垂らすスポットタイプのものになります。
これにより、身体にフィラリアの幼虫がいたとしても、退治することができます。
私が通う病院では、飲み薬を処方されていましたが、フェレ友(フェレット友達)さん達に聞くと、スポットタイプが多いようでした。
飲み薬の場合は錠剤が多いため、ピルクラッシャーなどで粉々にしてバイトに混ぜて与えることも可能です。
ただし、必ず全てを飲み切ることが大切です。
バイトに混ぜればたいていのフェレットは完食してくれるのですが、多頭飼いの場合は、早く食べ終えたフェレットが別の子の分まで食べてしまわないように、よく見ていてください。
フェレットって気が強そうに見えるのに、他の子が自分の分を食べに来ても気にならないのか平気でシェアして食べていたりします。
1匹ずつ、きちんと管理してあげてください。
また、滴下剤の場合は首筋に直接薬剤を付けるので、滴下剤を使用したら、皮脂を通じて浸透し効果を発揮する4日間ほどは、お風呂に入れることができない点に注意しましょう。
フェレットのフィラリア予防を確実にするための注意点

フィラリア検査は必要?
フェレットは犬よりも体が小さいため、少しの感染でも命に関わるリスクが高いといわれています。
そのため、病院によっては毎年薬を始める前にフィラリア検査を推奨するケースがあります。
血液検査で寄生の有無を確認することで、薬を安心して与えることができます。
検査費用は数千円程度で、春先に健康診断と合わせて受けると効率的です。
薬の副作用について
飲み薬やスポットタイプの予防薬は、基本的には安全性が高いとされています。
ただし、ごくまれに下痢や嘔吐、食欲不振などの副作用が出る場合があります。
初めて投与する際は特に注意して観察し、異変を感じたらすぐに動物病院に相談してください。
複数頭飼育の場合は、薬を分け合わないよう必ず個別に与えることが大切です。
継続が最大の予防になる
フィラリア予防薬は「その月に蚊に刺されて感染したかもしれない幼虫を駆除する薬」です。
そのため、1回でも投与を忘れると感染リスクが高まります。
カレンダーにチェックを入れる、スマホでリマインダーを設定するなど、毎月忘れずに与える仕組みを作ることが重要です。
飼い主の管理がそのままフェレットの命を守ることにつながります。
フェレットを連れての外出時の注意点

蚊の季節は気温も上昇するので、フェレットのオフ会が開催されることは少ないでしょうが、通院などで外に出る機会はあるかもしれません。
そんな時には暑さと蚊の対策をしっかり行いましょう。
キャリーバッグで移動する場合には、バッグの中に保冷剤を入れ、フェレットを入れる前にバッグの外側から虫除けスプレーをかけておくことをおすすめします。
ハードキャリーの場合、専用の目隠しバッグが販売されていることもありますので、そちらを利用すると蚊の侵入を防ぐことができますが、このカバーバッグはしっかりとした素材でできているため、暑い時期に使用する時は暑さ対策を万全にしてください。
気づかないうちにキャリー内の温度が上がり、フェレットが熱中症になってしまう恐れがあります。
手作り虫除けスプレーの作り方
市販のペット用の虫除けスプレーを使っても良いのですが、多用する場合は手作り虫除けスプレーを利用すると経済的です。
人間にも使えるので便利ですよ。
用意するもの(約100ml分)
- ハッカ 2ml
- エタノール 10ml(※消毒用ではないもの)
- 精製水 90ml
- 計量用のシリンジ 2、3本
- ペットボトルの蓋(ハッカ計量用)
作り方
それぞれ計量したものを、100均で売っている化粧品用のスプレーボトルに入れてよく振って混ぜる。
※スプレーボトルは、特にアルコール対応のものでなくてもOKです。
私も作りましたが、ハッカ、エタノール、精製水は全て薬局で簡単に手に入りました。
シリンジは薬局に置いていない場合もあるので、確認し、売っていないようであれば、インターネットで購入できます。
ハッカ液はペットボトルの蓋に目分量で出した後、シリンジで吸い上げると計量しやすかったです。
エタノールと精製水はボトルから直接シリンジで吸い上げました。
シリンジは、精製水とエタノールは使い回しができますが、ハッカ液は匂いも強く、シリンジがきしみやすいようなので、専用で使う方が良さそうです。
スプレーはフェレットの身体に悪いものではありませんが、直接吹きかけるとくしゃみの原因にもなりますし、アルコール成分が少し気になりますので、ケージやキャリーなど、間接的なものに吹きかけるのが理想的です。

人間に使う場合は、アレルギーがなければ直接皮膚にスプレーしても大丈夫です。
フェレットのフィラリア予防の薬はいつから?【まとめ】
フィラリア症は小さな蚊がもたらす命に関わる病気です。
症状が出てからの治療は難しく、予防が何よりも重要になります。
毎月の投薬管理を徹底し、外出時は虫除けや暑さ対策も忘れずに。
あなたのフェレットを守るために、今日からできる対策を実践してください。