
「フェレットはなつくの?」と疑問に思う飼い主さんは多いはず。
犬や猫とは少し違いますが、フェレットもきちんと愛情を持っています。
本記事ではフェレットがどんな時に飼い主を頼るのか、なつく方法とコツを具体的にご紹介します。
フェレットは人になつくの?
「なつく」という意味を、みなさんはどう考えるでしょう。
「フェレットはなつくのか?」と聞かれた時、みなさんのとらえる意味によっては、私はなつくとも言えるし、なつかないとも言えます。
犬や猫と同じ感覚でなつくのか?

こちらに関しては「NO」ではないかと思います。
猫のように、目覚まし時計が鳴ったら起こしに来るとか、ノドをゴロゴロ鳴らしておねだりをするとか、そういう人間的な意思を感じることはフェレットにはあまりありません。
また、犬のように、帰宅したら大興奮、大歓迎!という爆発的な愛情表現も、フェレットにはほとんど感じません。
でも、おやつが欲しい時に、おやつが入っている冷蔵庫に私を誘導したり、帰宅すると、「外に出して」と、アピールしてくることはあります。
私利私欲のための意思の表現はフェレットの得意技です!
絶体絶命の大ピンチには飼い主を頼る

フェレットは爬虫類のように「なつかない」わけではなく、むしろピンチの時ほど飼い主を頼ります。
動物病院で検査後に一目散に飼い主へ走り寄ったり、手術後には「帰りたい」と膝にしがみついたりする姿が見られます。
雷に怯えた時も同じで、普段は気の強い子でも飼い主に飛びついて離れませんでした。
こうした行動から、フェレットは飼い主を「大切な存在」と認識しているのだと分かります。
フェレットがなつくとできること
フェレットにも個体差があるので、皆が皆同じ行動ができるわけではありませんが、一般的にフェレットが人になつくと以下のような行動ができるようになります。
飼い主の手から餌を与える
なついたフェレットは、警戒せずに飼い主の手から直接餌を食べるようになります。
最初は警戒して距離を取る子もいますが、信頼関係が築けると「手は安心できるもの」と覚え、手渡しのおやつを楽しみに待つようになります。
飼い主の顔を覚える
フェレットは嗅覚だけでなく視覚や聴覚でも飼い主を認識します。
毎日お世話をしている人の顔や声を覚え、他の人とは違う安心感を持って近づいてくる姿が見られます。
名前を呼んだら反応する
個体差はありますが、名前を繰り返し呼んでいると反応する子も出てきます。
完全に犬のように呼び戻しができるわけではありませんが、声に耳を動かしたり、顔を向けて小走りで寄ってくる姿はなついた証拠です。
撫でられても大人しくしてる
フェレットは抱っこやスキンシップを嫌がる子も多いですが、なつくと少しずつ撫でられることに慣れ、落ち着いた様子で受け入れてくれます。
気持ちよさそうに目を細めたり、ゴロンと横になって触らせてくれることもあります。
添い寝する
飼い主への信頼が強いフェレットは、一緒に横になって眠ることがあります。
ベッドやソファに寄り添って眠るのは、安心して心を許している証拠です。
ただし、踏んでしまう事故を避けるため、添い寝は十分に注意しながら行う必要があります。

一緒に遊ぶ
おもちゃを使った遊びや追いかけっこを楽しむのも、なついたフェレットならではの行動です。
「遊んでほしい!」と自ら近づいてきたり、飼い主の動きに合わせてはしゃいだりします。
楽しい時間を共有することで、さらに絆が深まっていきます。

フェレットがなついてもできないこと

フェレットは人になつく動物ですが、犬や猫のように万能ではありません。信頼関係があっても、できないこと・苦手なことはいくつかあります。
まず、しつけの限界があります。
犬のように「おすわり」「待て」といった高度なしつけを完全に覚えることは難しいです。
呼べば来る子もいますが、気分によって無視することも多く、常に従順ではありません。
また、長時間の抱っこも苦手です。
なついていても活発で好奇心旺盛な性格から、じっと抱かれるより自由に動き回りたい子が多いです。
数分のスキンシップなら大丈夫でも、ずっと大人しくしているのは期待できません。
さらに、留守番の理解も犬猫ほどはできません。
飼い主が外出する時に「行ってきます」と伝えても理解できるわけではなく、ただ「構ってくれない」と感じてしまいます。
放っておく時間が長すぎるとストレスや問題行動につながることがあります。
フェレットがなつくための環境づくり

安心できる生活リズムを整える
フェレットは環境の変化に敏感で、生活リズムが乱れるとストレスを感じやすい動物です。
ご飯や遊び、ケージから出す時間を毎日同じタイミングにすると、「この人と一緒に過ごすのは安心だ」と感じやすくなります。
規則正しい生活は健康維持にもつながり、信頼関係を築く第一歩になります。
適度なスキンシップを続ける
抱っこやナデナデを嫌がるフェレットも多いですが、短時間であればスキンシップを受け入れてくれることもあります。
大切なのは「無理に触らない」ことです。
機嫌が良い時に少しずつ触れ合う練習を続けると、次第に飼い主の手を安心できる存在として認識してくれるでしょう。
遊びを通じて信頼を深める
安全なおもちゃを使って一緒に遊ぶと、フェレットは「この人といると楽しい」と学びます。
単にお世話をする人ではなく「遊び相手」と認識してもらえることで、よりなつきやすくなります。

飼育者家族の中でも「なつき度合い」の差が出る理由とは?

メリットになることには近づく
フェレットは、愛情を込めて生活を共にすれば、先ほどお話ししたとおり、絶体絶命の時には飼い主を頼ってくれるはずです。
あとは、彼らのメリットになること、おやつをくれたり遊んでくれたりする人にも近寄って来ると思います。
犬や猫に比べると思考回路がシンプルで、嫌なことをされ続けない限り、極端に人を嫌うこともないようです。
毎日お世話してくれる人になつく
でも少しだけ家族の中で差がつくとしたら、いつも水やご飯を整えて、ハンモックや敷物を綺麗にして、トイレも片付けて、決まった時間にケージから出して遊ばせてくれる、そんな当たり前のことが毎日淡々と繰り返せる人を慕ってくれる傾向はあります。
いつも自分達を見ていてくれて、決まった合図で声を掛けてくれて、フードはどうしよう、病院にはいつ行こうか、可愛いから写真を撮ろう、と、とにかく自分達のことを何かにつけて気にしてくれる人。
同じ家族の1人でも、そういう人にはフェレットは、よりなつくようです。
いつも同じ態度で接することが大事
また、いつも同じ態度で接してあげることも大切です。
人間だって、落ち込んだり、泣きたかったり、怒っていたり、具合が悪かったり、逆にとってもハッピーだったり、色んな気持ちの中で生きています。
でも、機嫌が悪いからといって少しのことで怒りを爆発させたり、無視したりはやめてくださいね。
機嫌が良い時も、必要以上に絡んだり、執拗に抱っこしたりもNGです。
これは、人間同士のコミュニケーションでも必要なことですよね。
いつも淡々と。
できればそんな人になりたいですね。
心がつながる瞬間を大切に

フェレットは犬や猫よりは意思の疏通が少ないとお話ししましたが、心が通じる瞬間が必ずあります。
たぶんフェレットって、飼い主になつくし、愛情も持っているけれど、その気持ちを表に出すことが少ないのではないかと思います。
だから、自分がどうにもならないくらい追い込まれないと、飼い主への気持ちを見せないのかもしれません。
飼い主さんが一生懸命に自分達のお世話をしてくれているのを、彼らはちゃんと見ています。
好き勝手に遊んでいても、飼い主さんが落ち込んでいたら、「どうしたんだろう」と、心配してくれています。
でもそれが、犬や猫のように行動に現れないだけなのです。
私は、フェレットが亡くなる瞬間に、やっとそれがわかりました。
いや、亡くなってしばらく経ってからかな。
見返りを求めてお世話したことなんてなかったけれど、せめて彼らが生きている時に気づきたかったなって思います。
どうかみなさんは、フェレットが生きている間に、心が通じ合う瞬間を見逃さずにキャッチしてくださいね。
フェレットがなつく方法とコツは?【まとめ】
フェレットは犬猫のようなわかりやすい愛情表現は少ないものの、確実に飼い主を信頼し、心を通わせています。
日々のお世話や遊びの積み重ねが「なつく」行動につながります。
記事内で紹介したコツを意識して、あなたとフェレットだけの絆を深めてください。