
グッピーも金魚も、初心者が飼育を始めやすい人気の観賞魚です。
ところが、この2種を同じ水槽に入れるとトラブルが起きやすいのをご存じですか?
この記事では、グッピーと金魚の混泳が難しい理由と、代わりにグッピーと相性が良い生き物を紹介します。
グッピーと金魚は一緒に飼える?種類別に解説!

まず、グッピーと金魚の混泳は、お勧めしません。
金魚の適正温度などの環境は、グッピーと同じだと考えて良いでしょう。
しかし、金魚とグッピーでは大きさの違いが問題となります。
お祭りの金魚は和金(わきん)という種類が多いですが、成長すると30cm程度にもなります。
グッピーが成魚になっても、オスは3cm、メスは6cm程度です。
金魚は雑食性ですので、これほどに大きさが変わればグッピーが餌と認識されてしまうこともあります。
グッピーの仲間が増えたと喜んでいるときに、食べられてしまったら。
悲しいことが起こる前に、混泳は諦めた方が良いと思います。
とは言っても金魚の種類や体型によって性格や泳ぎ方が異なります。
ここでは代表的な金魚の種類別に、グッピーとの混泳可否を解説します。
和金・コメット系

お祭りの金魚すくいでよく見かける和金や、長い尾びれが美しいコメットは、成長すると30cm近くまで大きくなります。
泳ぎも速く、雑食性が強いため、小型のグッピーは捕食対象になる危険が高いです。
混泳は避けるのが無難です。
琉金・オランダ獅子頭系

丸い体型と長い尾びれが特徴の琉金やオランダ獅子頭は、泳ぎがゆったりしています。
捕食の可能性は和金より低めですが、適正水温は15~23℃程度と低めで、25~28℃を好むグッピーとは水温差が生じやすいです。
長期的には混泳は難しいでしょう。
ランチュウ系

頭部の肉瘤と丸い体が特徴のランチュウは、遊泳力が非常に低く、動きもゆっくりです。
捕食のリスクはほとんどありませんが、水温は低めを好み、また体が弱く病気にかかりやすいため、水質変化に弱いグッピーとの同居はおすすめできません。
ピンポンパール

ピンポン玉のような丸い体と、転がるように泳ぐ独特の動きが魅力のピンポンパール。
非常にデリケートな種類で、水温の急変や水質悪化に弱く、ヒレも傷つきやすいです。
グッピーがヒレをつついてしまうこともあるため、混泳には不向きです。
出目金(デメキン)

飛び出した大きな目が特徴の出目金は、視界が悪く動きもゆっくりです。
グッピーへの攻撃性はありませんが、視力の弱さから餌争いに負けやすく、また水温帯の違いもあるため、混泳すると体調を崩す原因になります。
単独または金魚同士での飼育が無難です。
どうしてもグッピーと金魚を混泳させたい場合は?

基本的にはグッピーと金魚の混泳はおすすめできません。
しかし「どうしても混泳させたい」という場合には、条件を工夫することでリスクを下げることは可能です。
ここではその方法を紹介します。
種類は琉金・オランダ獅子頭系
金魚の中では、琉金やオランダ獅子頭系がまだ混泳向きです。
丸い体型とゆったりした泳ぎ方をしており、グッピーを追いかけ回すことが少ないため、捕食のリスクが低いです。
ただし、長期的には体調管理が難しくなるため、常に健康状態をチェックする必要があります。
水温の管理方法
グッピーは25~28℃を好みますが、琉金やオランダ獅子頭は15~23℃が適温です。
そのため、混泳時には中間の23~24℃程度を目安に設定すると双方の負担が比較的少なくなります。
ただし、金魚側にはやや高め、グッピー側にはやや低めの水温になるため、どちらも長期間の飼育には注意が必要です。
エサの与え方
混泳では、泳ぎの速さや食べ方の違いから、どちらかがエサ不足になることがあります。
グッピーには浮上性の細かいフレークフード、琉金やオランダ獅子頭には沈下性の粒餌やペレットを与え、時間差で給餌することで取り合いを防ぎます。
また、餌が水槽底に残らないよう観察を続けることも大切です。
グッピーと混泳が可能な魚は?

金魚と混泳させるのは難しいということは、理解いただけたかと思います。
では、グッピーと一緒に生活できるのは、どのような生き物なのでしょうか?
それは下記の3つの条件で選ぶと良いと思います。
- 同じ位のサイズ:餌にされたり、いじめられたりしないためです。
- 温和な性格:グッピーも温和な性格のため、同じような穏やかな性格が良いでしょう。
- 生活する水位が異なる:生活圏が異なれば、トラブルも防ぐことができます。
いようにしてください。特に浮上性の餌だけでは、下層の生き物は餌を食べられないことが予想されます。
具体的にグッピーと混泳が可能な魚については以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

グッピーと金魚との混泳はできる?【まとめ】
いかがだったでしょうか?
今回は「グッピーと金魚は一緒に飼えるのか」「どんな魚と混泳できるのか」について解説しました。
基本的にグッピーと金魚の混泳はおすすめできません。
理由は、体のサイズ差や捕食リスク、水温の適正範囲が異なるためです。
特に和金やコメットなどの大型で泳ぎの速い金魚は、グッピーを傷つけたり食べてしまうことがあります。
ただし、どうしても混泳させたい場合には、丸型体型の琉金やオランダ獅子頭系が比較的安全です。
その場合も、水温は23~24℃程度に調整し、餌も時間差で与えるなどの工夫が必要です。
慎重に管理することで、短期間の混泳は可能になるかもしれません。