熱帯魚を本格的に飼育しようと思ったとき、意外と困るのがフィルター選びです。
上部式、外部式、外掛け式、投げ込み式、水中ポンプ式、そして底面式と、大雑把なグループ分けをしただけでこれだけの種類があります。
この中でも、安価で濾過能力が高いと言われるのが底面式のフィルターです。
今回は、底面で生活するコリドラスに底面フィルターは使えるのか、解説します。
底面フィルターって?
私が熱帯魚を飼い始めたころは主流のフィルターでしたが、今はあまり一般的ではないのかもしれません。底面フィルターとは、どんなフィルターなのでしょうか。
底面フィルターは、穴の開いた板状の本体と、その横に直立した立ち上がりパイプで構成されています。
水槽の底に本体を置き、その上に砂利などの床材を敷きます。
そして、パイプから水が出るようにすると、床材である砂利を通った水がパイプから出てくることになります。
つまり底面フィルターは、床材である砂利をろ過材として使用する仕組みです。
パイプにエアポンプをつなぎ、パイプの中を空気が通る力で水を押し出すエアリフト式と、水中ポンプをつなぐポンプ式があります。
最も安価な組み合わせはエアリフト式ですが、流量とパワーがあるのはポンプ式です。
底面フィルターのメリット
私より上の世代の熱帯魚経験者の中には、熱烈な底面フィルター支持者が多いと思います。
底面フィルターのメリットとはなんでしょうか。
底面フィルターは水槽の底面全体がフィルターになるため、濾過面積が広く濾過能力の高いフィルターです。
床材にバクテリアが発生するまでは不安定ですが、一度落ち着けば非常に優れたフィルターとなります。その濾過能力の割に仕組みは単純なので、投げ込み式のフィルターに次いで安価なフィルターだともいえるでしょう。
底面フィルターのデメリット
ただし、デメリットもあります。
まず、その能力が発揮されるまでに時間がかかることです。床材はフィルター用に開発されたろ材ではないので、バクテリアの発生が遅くなります。
その間、どうしても水質が不安定になります。
また、まめに床材を掃除しないとフィルターの能力に直結してしまいますし、年一回程度はどうしても床材をすべて取り出して大掃除する必要があります。
どちらかといえば、熟練者向けのフィルターかもしれません。
コリドラスに底面フィルターは使用できる?
コリドラス飼育のポイントは、濾過の効いたきれいな水と、きれいな床材です。
落ち着いた底面フィルターは非常に高い濾過能力をもつので、コリドラスの飼育でも十分使用に耐えうるでしょう。
また、底面フィルターを使っていると否が応でもクリーナーで床材を掃除することになるので、結果的に清潔な床材を保てるようになります。
つまり、底面フィルターがきちんと稼働し適切なメンテナンスが行われている状況なら、コリドラスに適したフィルターだといえます。
ただ、コリドラスのために床材を選んでいると、粒子の細かい床材を使いたくなる時があります。
底面フィルターの本体の穴から入り込んでしまったり、目が詰まったりするような細かな床材は使用できないので、この場合は底面フィルターをあきらめるか床材をあきらめるか、どちらかしかありません。
同じ理由でソイルにも使用できません。当然ながら、床材を敷かないベアタンクでも、底面フィルターを使うことはできません。
基本的に、コリドラスに対して致命的な欠点をもつフィルターはありません。
まとめ
どんなフィルターでも、特性を理解して適切に使用していれば問題なく使えます。
底面フィルターでも同様なので、コリドラスだから使えるかどうかということよりも、自分に底面フィルターが向いているかどうかで判断するといいでしょう。