
メダカの餌を切らしてしまったとき、「家にあるもので代用できないかな?」と思うことはありませんか。
実は、身近な食材の中にもメダカに与えられるものがあります。
本記事ではおすすめの代用品、避けるべきNG食材、そして注意点を詳しく解説します。
専用餌が手元になくても慌てず対処できるようになりますよ。
メダカの餌を家にあるもので代用したいときとは?

そもそもどんな状況でメダカの餌を家にあるもので代用したいと考えるのでしょうか。
*メダカの餌を買う費用をコスト削減したい
*メダカの餌の在庫を切らしてしまった、もしくは川で捕まえてきてまだ餌を用意していない
主に上記2つの理由くらいしか思いつきませんでした。
ちなみにメダカの餌は100円均一でも売っているような安いものですので、そのコストすら削減したいと思うような方はそもそもメダカの飼育に向いていません。
川に返してあげるか、どなたかに譲られることをお勧めします。
また、メダカの餌の在庫を切らしてしまった場合については、健康な成魚のメダカであれば、1日や2日は餌を与えなくても健康上に問題がないことがほとんどです。(1週間位は餌なしでも餓死しません。)
通常は毎日、メダカに餌を与えていると思いますが、在庫を切らしているのであれば今日は餌抜きにして、翌日や翌々日に購入に向かうのが理想的な対応策です。
よって、メダカの餌を家にあるもので代用せざるを得ない状況というのはほとんどあり得ないと思うのですが、物事には例外がつきものです。
想像の範囲を超えたどうしてもメダカの専用の餌を与えざるを得ないこともあるかもしれませんので、その際の対処法としてお伝えいたします。
あくまでも、緊急の処置としての対応であり、通常はメダカ専用の餌を与えてあげるようにしてください。
メダカの餌に含まれる成分は?

メダカの餌に表示されている主な成分は下記です。
「粗」というのは、純粋な成分以外にもいろいろな物質が含まれていることを表します。
・粗タンパク質 タンパク質+アミノ酸やアミンなど
・粗脂肪 脂肪+ビタミン類など
・粗繊維 炭水化物+ケラチンなど
・粗灰分 カルシウムやリンなどのミネラル+酸化物
タンパク質はメダカの成長、生命維持のための主成分で、肉を増強するため体を大きく元気にし、エネルギー源になります。
脂肪はメダカを増体させエネルギー源となります。
繊維はメダカの腸内環境を整え生命活動を支えます。
灰分はメダカの骨を形成し、不足してしまうと成長不良や背骨が湾曲してしまいます。
これらの成分を意識すれば、家にあるものでも餌としてメダカに与えられます。
メダカの餌|家にある金魚や熱帯魚の餌で代用できる?

金魚やグッピー、ネオンテトラなどの熱帯魚を同時に飼育している方は少なくありません。
そのため、「メダカの餌が切れたとき、他の魚の餌を代用できないか?」と気になる方も多いでしょう。
結論としては、どちらの餌も一時的な代用は可能です。
粒の大きさを調整する
金魚用・熱帯魚用ともにメダカ用より大きな粒やフレーク状のものが多いため、そのままでは口が小さいメダカが食べられません。
指で砕いたり、すり潰して細かくしてから与えるようにしましょう。
栄養価はほぼ問題なし
どちらの餌もタンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルなどを含んでおり、短期間ならメダカの健康に支障はありません。
実際、同じ淡水魚なので栄養面での互換性は高いといえます。
あくまで緊急時だけに
ただし、金魚や熱帯魚用の餌はそれぞれの魚に合わせた配合になっているため、毎日の主食にすると栄養バランスが崩れたり、水質を悪化させやすい場合があります。
必ず「数日間のつなぎ」と割り切り、早めにメダカ専用の餌を準備してください。
犬猫や爬虫類・両生類の餌はメダカに代用できる?

家にある餌といっても、魚用だけでなく犬猫のペットフードや、爬虫類・両生類用の餌があるご家庭もあるかもしれません。
これらをメダカに代用できるかどうかを見てみましょう。
犬猫の餌はNG
ドライフードやウェットフードには、塩分・油分・添加物が多く含まれており、メダカの体には負担が大きすぎます。
粉末にしても栄養バランスがまったく異なるため、犬猫の餌は代用不可と考えてください。
爬虫類の餌は種類による
コオロギやミルワームなどの昆虫を餌にしている場合、それを細かく砕いてメダカに与えることは一応可能です。
ただし脂質が多く消化に負担がかかるため、常用は危険です。
また人工フード(爬虫類用ペレット)は動物性成分が多すぎて水を汚しやすいため、これもおすすめできません。
両生類の餌は短期間なら可
イモリやウーパールーパー用の人工餌には魚粉や甲殻類由来のタンパク質が多く含まれています。
そのため、一時的な代用であればメダカも食べることができます。
ただし粒が大きいものが多いため砕いて与える必要がありますし、長期利用は栄養バランスを崩すので避けましょう。
餌の種類 | 代用可否 | 理由 |
---|---|---|
金魚の餌 | ○(短期のみ) | 栄養は概ね問題ないが粒が大きい。砕けば可。長期は栄養バランス崩れる。 |
熱帯魚の餌 | ○(短期のみ) | グッピー・ネオンテトラ用は粒が小さく代用可。長期は配合が異なるためNG。 |
犬猫の餌 | ❌ | 塩分・油分・添加物が多く、メダカには有害。 |
爬虫類の餌 | △ | 昆虫(コオロギ・ミルワーム)は細かく砕けば可。ただし脂質過多で常用不可。人工フードは水を汚しやすくNG。 |
両生類の餌 | ○(短期のみ) | イモリやウーパールーパー用人工餌は魚粉主体で代用可。粒を砕く必要あり。 |
メダカの餌を家にあるもので代用できるおすすめ5選

おすすめの食材5つを紹介します。
餌として与える際はメダカの口に入るよう細かくすり潰して与えましょう。
また、メダカが食べ残したものは放置すると水質を悪化させてしまうのですぐに取り除くようにしてください。
かつおぶし(出汁用)
味付けされていない出汁用のものを選びましょう。
かつおぶしは高タンパク質でカルシウムやビタミンも含まれており、栄養豊富です。
昆布(出汁用)
かつおぶし同様、塩分のすくない出汁用を選びましょう。
昆布にはカルシウムや鉄、ナトリウムやアミノ酸などが含まれています。
ただし塩分も含まれるので与えすぎには注意です。
煮干し(出汁用)
こちらも塩分無添加の出汁用を選びましょう。
煮干しにはタンパク質、カルシウムや鉄、アミノ酸などが含まれています。
しかしこれも塩分も含まれているので与えすぎないようにしましょう。
きな粉(無糖)
きな粉にはタンパク質、脂肪、炭水化物、カルシウムや鉄、ビタミン類など栄養価が高く、またきめ細かいためそのままメダカに与えることができます。
注意点として、砂糖が入っていると水に砂糖が溶け、微生物が急増して水槽内が酸欠になってしまい危険なため無糖のものを与えましょう。
ゆで卵の黄身
ゆで卵の黄身にはタンパク質、脂質、ビタミンなどが豊富に含まれています。
ただし、水を汚しやすいので乾燥させたものを少量ずつ与えるようにしてください。
野菜を茹でたものはメダカの餌に代用できる?
ほうれん草や小松菜などの葉物野菜を茹でて柔らかくしたものは、細かく刻んで与えればメダカも食べます。
特にビタミンやミネラルの補給になり、稚魚よりも成魚に向いています。
注意点
・与える量はごく少量に限定:食べ残しはすぐに水を汚します。
・油や調味料は厳禁:人間用に調理したものは絶対に使わないこと。
・繊維が多い部分は避ける:硬い茎などは消化不良の原因になります。
避けるべき野菜
じゃがいも、玉ねぎ、にんにくなどはメダカにとって有害成分を含む可能性があるためNGです。
また、糖分の多いにんじんやかぼちゃも水を汚しやすくおすすめできません。
メダカの餌を家にあるもので代用する際の注意点

一度に与える量を必ず少なくする
家にある食材は、メダカ専用の餌と比べて水に溶けやすく、また消化に負担をかけやすいものが多いです。
与えるときは爪先でつまめる程度のごく少量に抑え、残りは必ずすぐに取り除くようにしましょう。
少しの食べ残しでも水が急激に汚れ、病気の原因になりかねません。
与える頻度は一時的に抑える
専用の餌を切らしてしまったとき、代用品はあくまでも「つなぎ」として考えるのが理想です。
毎日続けて与えると栄養のバランスが崩れたり、内臓に負担がかかります。
可能であれば代用品は1〜2日程度にとどめ、その間に必ず市販の餌を用意するようにしてください。
稚魚への代用は避ける
稚魚はまだ体が小さく消化能力が未熟なため、代用品の餌では栄養不足や消化不良を起こす危険があります。
稚魚を飼っている場合は、緊急時でも無理に家にあるもので代用せず、必ず専用の稚魚用餌を与えるか、1日程度の絶食で乗り切る方が安全です。
家にあるものでNGの食材

メダカや水環境に悪影響を与える食材を紹介します。
パンまたはパン粉
池のコイなどにパンを与えているところをよく目にすることがあり誤解されがちですが、体の小さなメダカには毒です。
パンには塩分や砂糖、食品添加物が多く含まれています。
また、小麦素材の食材は消化不良を起こしやすいです。
米ぬか
米ぬかは魚釣りの餌としても使用されます。
米ぬかは栄養が豊富です。
しかし、栄養が豊富すぎて水槽内に富栄養化を招き、微生物を爆発的に増殖させてしまいます。
お米
朝食や夕飯のあまりでついでとしてメダカに与えやすそうですが、水中では腐りやすく水を汚してしまいます。
絶対ではないですが、他に代用に適した食材があればそちらを与えましょう。
メダカの餌!家にあるもの【まとめ】
家にあるものをメダカの餌として代用できるのは便利ですが、あくまで一時的な応急処置にとどめるのが大切です。
与える量や頻度を控え、水質の悪化にも注意しましょう。
メダカが元気に暮らせるためにも、できるだけ早く専用餌を用意してください。