繁殖が簡単と言われるグッピーですが、なぜか「うちでは増えない…」と悩んでいませんか?
グッピーはオスとメスがいれば自然と繁殖すると言われますが、実は見落としがちなポイントがいくつもあります。
この記事では、グッピーが繁殖しない4つの主な原因と、それぞれの対策方法を詳しくご紹介します。
グッピーのオスとメスの見分け方は?間違えやすいポイントに注意

グッピーを繁殖させたいと思っても、そもそもオスとメスの区別ができていなければ話が進みませんよね。
実際、見た目が華やかな個体を集めた結果、すべてオスだった…というケースは意外と多いのです。
オスとメスの違いを見分けるためには、以下のポイントをチェックしてみましょう。
まず、尾ひれが長くてカラフルなのがオス、尾ひれが短くて体がふっくらしているのがメスです。
特にメスはお腹が丸く、妊娠している場合は「妊娠点」と呼ばれる黒い斑点が体の後方に見えることもあります。

また、肛門近くにある「生殖器(ゴノポディウム)」の形状も大きな違いです。
オスは細長くとがった形をしており、メスは丸みを帯びた形をしています。
この部分は慣れると一目で見分けられるようになりますが、小さいうちは判断が難しいため、体の色やヒレの形を中心に見ていくと良いでしょう。
「繁殖のつもりで飼っていたのに、どうも増えないな…」と思ったら、まずはこの見分け方で性別を再確認してみてください。
グッピーが繁殖しない原因とその対策とは?
オスしか飼っていない

ちょっと意外かもしれませんが、相談を受けていてもっとも多い原因がこれです。
尾ひれが長く美しいのはオスで、メスは体形がオスよりもふっくらしていて、尾ひれが短く丸みを帯びています。
簡単に言えば、オスのほうがきれいです。
水槽の見栄えを優先して美しい個体ばかりそろえると、オスしかいない水槽になってしまうことがあります。
もちろん、オスしかいなければ繁殖するはずがありません。
オス同士が争うわけではないので、繁殖を目的にしないならオスだけの水槽でもいいと思いますが、繁殖させたいのなら必ずメスを入れましょう。
メスが若すぎるor年老いている

グッピーは性成熟が早い魚で、生後3か月で繁殖可能な状態になります。
ただ、これはオスのほうが早く、同じ時期に生まれたメスはオスよりも繁殖開始年齢が遅れる傾向にあります。
そのため、同じような月齢のグッピーをそろえると、オスは繁殖適齢なのにメスが妊娠しない、ということが起こるのです。
また、ある程度の大きさがあり、出産経験のあるメスのほうが繁殖に適していますが、あまり大きな個体は年老いていてすでに妊娠しなくなっている場合があります。
繁殖適齢のグッピーを選んで購入するのは難しいかもしれませんので、若い個体を飼育し、繁殖適齢になるまで待つのがいいでしょう。
かなり若い個体を飼育したとしても、数か月で繁殖可能になるはずです。
適温で飼育していない

基本的に、グッピーの繁殖に特別な条件はありません。
繁殖適齢に達したオスとメスを適温で飼育していれば、気付けば数が増えているくらいです。
ところが、グッピーが丈夫な魚であることが災いして、適温で飼育されていない場合があります。
よくあるのは、冬など室温の低い環境でヒーターが設置されていない場合です。
この場合、グッピー自体は健康そうに過ごしているものの、繁殖には至らない、ということがおこります。
繁殖させたいのなら、適温で飼育するように心がけましょう。
稚魚が生き残れない

繁殖適齢のペアがそろっていて適温で飼育されているのなら、間違いなく交尾して妊娠しているはずです。
それにも関わらず稚魚が見られない場合、せっかく生まれた稚魚が食べられてしまっている可能性があります。
実は、グッピーは共食いする魚なんですね。

さすがに生んだ母親が即座に食べてしまうことはないものの、ほかの個体を一緒に入れていた場合はすぐに食べられてしまうことがあるのです。
もっとも確実な対策は、別の水槽や産卵箱に妊娠したメスを隔離することです。
すべての稚魚を出産するのに最大24時間程度ですから、産み始めて丸一日経過したら、親魚を稚魚と分けましょう。

手軽な方法としては、水槽内にウィローモスなどの密生するタイプの水草を入れることです。
この水草の中が隠れ家となり、稚魚が生存することができます。
隔離するのに比べれば多少、生存率は下がりますが、効率にこだわらないのならこれでも十分だと思います。
グッピーが繁殖したあとの「増えすぎ問題」にも注意!
グッピーは一度繁殖環境が整うと、驚くほどのスピードで増えていきます。
繁殖に成功したあと「今度は増えすぎて困る…」という悩みが出てくるのもグッピー飼育あるあるです。
繁殖の予防方法や、グッピーが増えすぎた個体の対処法については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

グッピーが繁殖しないのはなぜ?【まとめ】
グッピーが繁殖しない原因としては、オスだけの飼育やメスの年齢、適温の管理不足、そして稚魚が食べられてしまうなどが考えられます。
どれか一つでも当てはまっていれば繁殖がうまくいかないこともあるため、環境や個体の状態をもう一度見直してみましょう。
繁殖を望む場合は、しっかりとした準備と観察が鍵になりますよ。