
うさぎは足の裏に肉球がないため、床材や体重の影響を受けやすく「ソアホック」という足裏の炎症を起こすことがあります。
この記事では、初期症状を見逃さないためのチェックポイント、動物病院での治療法、さらに飼い主が普段からできる予防ケアまでをわかりやすくまとめました。
愛うさぎの健康維持にぜひ役立ててください。
うさぎのソアホックとは?

ソアホックとは、うさぎの足の裏に起こる皮膚疾患の総称で、医学的には「潰瘍性足底皮膚炎」と呼ばれます。
多くのうさぎの足裏には肉球がなく、皮膚と毛だけで体重を支えているため、床材や体重の負担が直接かかりやすいのが特徴です。

そのため、ケージ環境や飼育方法によっては多くのうさぎがかかりやすい病気といえます。
初期段階では毛が抜けて皮膚が露出する程度ですが、進行すると皮膚が厚く硬くなり、やがて炎症や潰瘍を伴うことがあります。
重症化すると歩行困難や強い痛みを引き起こし、生活の質を大きく損なう恐れもあるため注意が必要です。
ソアホックは命に直結する病気ではないものの、慢性的に悪化するとストレスや食欲不振につながり、体調全体に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、うさぎを飼育するうえでは「かかりやすい生活習慣病」の一つと考え、日常的な観察と予防ケアがとても大切です。
うさぎのソアホックの症状

初期症状
うさぎのソアホックは症状が悪化してからだと完治までに時間がかかるので、できるだけ初期の段階から進行を防ぐことが早めの完治の肝になります。
ソアホックの初期症状としてまず初めに起こるのは「足の裏の脱毛」です。
この初期症状のいち早い発見が、早く回復するポイントになります。
飼っているうさぎの足の裏の毛が薄くなってきたらソアホックを疑い、早めに動物病院にかかるようにしましょう。
進行時の症状
ソアホックの初期症状に気付けずに脱毛が進んでいくと、足の裏の皮膚が厚くなり、硬くて白いタコのようになります。
その後炎症が起こってくると赤くただれていきます。
悪化してしまうと潰瘍となり、ひどくなると骨に達することがあります。
炎症が起こった頃から痛みが出るため、足を引きずって歩いたり、歩きたがらなくなるなどの様子がみたられ、痛みがストレスになると食欲不振に陥る子もいるようです。

ソアホックの治療方法

ソアホックの治療は「進行度」と「原因」によって方法が変わります。
軽度であれば自宅でのケアと環境改善だけで改善が期待できますが、中度〜重度では動物病院での治療が不可欠です。
軽度(初期段階)の治療
足裏の毛が薄くなってきた程度の段階では、患部を清潔に保ち、床材を柔らかいものに変えることが第一です。
牧草マットやタオルを敷き、清潔な環境を整えましょう。
この時点で動物病院を受診すれば、外用薬の塗布や保護パッドの使用で回復するケースも少なくありません。
中度(炎症がある場合)の治療
皮膚が赤くただれている場合は、消毒や洗浄を行い、抗生物質・抗炎症薬を処方されることが多いです。
また、患部を保護するために包帯や靴下を用いることがあります。
ただし、靴下は蒸れやすいため、短時間の使用にとどめるか、獣医師の指示に従って使うことが大切です。
重度(潰瘍や歩行困難がある場合)の治療
潰瘍や出血がある段階では完治までに数か月かかることもあります。
洗浄・抗菌治療に加えて鎮痛剤を併用し、痛みの緩和を行います。
さらに足裏への負担を軽減するために、長期的な体重管理や生活環境の改善が必須となります。
場合によっては外科的処置を検討することもあります。
ソアホックの原因は?

治療法の項目で原因に合わせた対処と記載しましたが、ソアホックの原因には主に5つがあります。
肥満
ソアホックはうさぎが適正な体重を超えてしまって肥満になっていると、足の裏に負担がかかってしまい、症状が悪化しやすくなります。
若いうちは大丈夫でも、年齢を重ねることでソアホックになってしまうこともあるのでこまめに体重を測ったり、定期的に動物病院にかかって体型をチェックしておきましょう。

頻繁に足ダンする
うさぎが起こっていたりストレスを抱えていたり、なにか訴えたいことがあるときに見られる「足ダン」。
正式名称はスタンピングと言います。
この足ダンを頻繁に行っている場合は足裏に負担がかかりすぎてしまうことからソアホックの原因にもつながるので注意が必要です。
頻繁に足ダンが見られる場合は、うさぎにとっては何かしらストレスがあるということなので、原因をさがしてみてください。

不衛生な環境である
ケージの床が知っていたり、排泄物がそのまま放置されているような不衛生な環境も、最近が増えやすく感染のリスクが高まります。
ソアホックは細菌感染でもなりますので、ケージ内は常に清潔に保っておくようにしましょう。
硬い床材
うさぎの足の裏には肉球がないので床の影響を受けやすいと言われています。
そのため、床材が硬かったり、すのこがザラザラしていた場合、ソアホックの原因につながりやすいといわれています。
床が硬い場合はマットや牧草を敷いて、出来るだけ足の裏の負担を軽減させてあげるようにしましょう。

遺伝
ソアホックは遺伝すると言われているので、体質的にソアホックにかかりやすい品種のうさぎもいます。
ソアホックになりやすいのは、ミニレッキスなどの短毛種がかかりやすいといわれています。
短毛種は足の裏だけでなく全身の毛が短いため、皮膚を守るための毛も薄くなっているため、足の裏にも影響が出やすいと言われています。
ソアホックの予防と飼い主ができる日常ケア

足裏チェックを習慣化する
ソアホックは進行すると治療が長引きやすいため、早期発見が何より大切です。
日常的にうさぎを抱っこして足裏の毛が薄くなっていないか、赤みや硬くなった部分がないかを確認する習慣をつけましょう。
特に換毛期や季節の変わり目は皮膚がデリケートになるので注意が必要です。

床材や環境を見直す
硬い床やザラザラしたすのこは足裏に負担をかけやすいため、ケージの中には牧草マットや柔らかいラグを敷くと効果的です。
また、トイレ周りは汚れやすく菌が繁殖しやすいため、こまめな掃除で清潔を保ちましょう。
湿気が多いと皮膚トラブルが悪化することもあるので、換気も意識してあげると安心です。
体重管理と適度な運動
肥満は足裏への圧力を増やし、ソアホックの発症リスクを高めます。
適正体重を維持するために、牧草を中心とした食事を心がけ、ペレットやおやつは与えすぎないようにしましょう。
また、部屋んぽの時間を設けて適度に運動させることも、体型維持とストレス解消につながります。
うさぎのソアホックに関するFAQ

うさぎのソアホック!初期の症状と治療は?【まとめ】
ソアホックは一度悪化すると治療に長期間かかる病気ですが、早期発見と予防を徹底すれば深刻化を防げます。
毎日の足裏チェック、清潔な環境づくり、適正体重の維持が最大のポイントです。