
メダカが増えてくると「販売してみたい」と思う方も多いはず。
中には無人販売所で売ることを検討する方もいるでしょう。
この記事では、メダカ販売に許可が必要かどうかをはじめ、無人販売やネット販売を行う際の注意点をわかりやすく解説します。
メダカの販売許可は必要なの?

結論からいうと、メダカを売るための許可は必要ありません。
生き物を取り扱う仕事をする際には、動物愛護法によって登録が必要になります。
しかし、この動物愛護法に定められている対象の動物は、『哺乳類、鳥類、爬虫類』です。
その為、魚類であるメダカにはこの動物愛護法は適用されず、メダカを売る際の登録や許可は必要ないのです。
メダカを売るのに必要な資格などもありませんので、売りたいと思えば誰でもメダカを売ることができます。
ただし、個人事業としてメダカの販売をおこなう場合は、税務署へ開業届の提出が必要になります。
メダカを売る方法

実際にメダカを売るにはどのような方法があるか、紹介します。
大きく分けて、現地で売るか、ネット上で売るかの2つの方法があります。
現地で売る
道の駅や観賞魚イベントなどで出店して、現地でメダカを売る方法です。
もちろん、場所を借りて商売するわけなので、出店先へ許可や手続きが必要になります。
現地でメダカを売る場合は、少なからず周りのお客様に目が届きやすく、立ち寄って売れる可能性が高いです。
また、お客様にとっても現物を見られるため、メダカを選別でき買いやすくなります。
ご自宅に庭などがあれば、自分の敷地内でメダカを売ることができるため、出店許可などは不要になります。
しかし前者と比較して集客率は低くなるため、SNSなどでの告知や宣伝が必要になるでしょう。
ネットで売る
オンラインショップやオークションへ出品してメダカを売る方法です。
全国、全世界に向けて発信できるため、多くの人に向けてメダカを売ることができますが、数多くの競合相手がいるので、これにもSNSなどでの告知や宣伝が必要になります。
ネットでメダカを売る場合は、メダカの現物が確認できないのが最大のデメリットになり、お客様にとってはメダカの選別がしづらく、購入まで至りづらいです。
その為、表示する写真や生体情報などに偽りがないよう、最大限気をかける必要があります。
お客様からの信用問題に関わります。
写真に関しては、写す角度や照明の度合いによってもメダカの色合いに違いが出てくるので、使用している照明の商品名などを併せて情報に載せておくとよいでしょう。
野生のメダカの販売はNG

注意として、野生のメダカを捕まえて売るのは法律で禁止されています。
野生のメダカは絶滅危惧種として指定されているためです。
飼育し繁殖することは可能です。
メダカの無人販売に必要な許可や注意点

無人販売そのものに特別な許可は不要
野菜や卵のように、メダカを無人販売すること自体に特別な許可は必要ありません。
前述のとおりメダカは「動物取扱業」の規制対象外(哺乳類・鳥類・爬虫類のみ対象)であるため、生体販売でも登録は不要です。
したがって、個人が自宅前や敷地内に販売所を設けて無人販売することは可能です。
ただし、規模によっては税務署への開業届や確定申告が必要になります。
自治体や道路使用の制限
注意したいのは設置場所です。
自宅の敷地内であれば問題ありませんが、公道や歩道に面して販売台を設置すると「道路使用許可」が必要となる場合があります。
また、地域によっては「景観条例」や「露店営業の規制」があることもあるため、必ず自治体に確認しておくと安心です。
防犯・管理面での工夫
無人販売は人件費をかけずに販売できる反面、盗難やいたずらのリスクがあります。
そのため、料金箱を鍵付きにしたり、防犯カメラを設置するなどの工夫が求められます。
また、メダカは生き物ですので、夏場の高温や冬場の低温により死着のリスクも高まります。
遮光ネットや簡易ヒーターを併用して温度管理を徹底し、販売中の個体を健康に保つことが信頼獲得につながります。
高く売れるメダカ品種

メダカの相場は品種によって非常に幅広く、1匹数十円のものから数万円になるものも存在します。
過去にはなんと100万円で取引されたメダカもいました。
ここでは現在取引されている人気のメダカの品種を紹介します。
- 錦鯉のような白、赤、黒の3色模様の体色が特徴の『三色メダカ』
- 虹色の体色色素を持ち、光を反射してキラキラと光るのが特徴の『幹之めだか』
- 赤い体色が特徴の楊貴妃メダカよりも、さらに濃い赤い体色を持った『紅帝メダカ』
- 体全体が漆黒に染まり光沢を放つ『オロチメダカ』
- 体全体が強い光沢をもち、金属質のような外見の『鉄仮面』
などなど、見た目が美しく水槽映えするようなメダカが人気で、高く売れているようです。
ここで紹介したものは繁殖が比較的容易なものが多いので、メダカを売る際には繁殖にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
メダカ販売をビジネスにする場合のポイント

開業届と確定申告
趣味の延長で少量を販売する程度であれば問題ありませんが、継続的に収入を得るなら事業としての届け出が必要です。
具体的には、税務署へ「開業届」を提出することで個人事業主としての扱いになります。
また、売上や経費を計算して確定申告を行う義務が生じるため、領収書や仕入れの記録をしっかり保管しておくことが重要です。
規模が大きくなれば青色申告を選ぶことで節税効果も期待できます。
送料・梱包方法の工夫
ネット販売では生体を安全に届けるための梱包が欠かせません。
一般的には酸素を充填したビニール袋にメダカを入れ、新聞紙や発泡スチロールで保温・断熱を施します。
夏場や冬場は保冷剤やカイロを加えて温度変化を防ぐことが必要です。
輸送中の死亡リスクを減らすため、発送当日は餌を控えるのも大切なポイントです。
梱包の丁寧さは購入者の安心感につながり、リピートにも影響します。
古物商許可が必要になるケース
基本的に自分で繁殖させたメダカの販売には許可は不要ですが、他人から仕入れて転売する場合は「古物商許可」が必要になる場合があります。
特にオークションやフリマアプリで仕入れた個体を再販売するようなケースでは注意が必要です。
知らずに販売を続けると違法行為とみなされる可能性があるため、自分が扱うメダカが「繁殖個体」か「仕入れ個体」かを明確にしておきましょう。
メダカを売る方法【まとめ】
メダカは魚類のため動物取扱業の登録は不要で、無人販売も可能です。
ただし設置場所によっては道路使用許可が必要になったり、防犯・温度管理の工夫が欠かせません。
現地・ネット・無人販売と方法はいろいろありますが、共通して大切なのは「信用を得ること」と「生体を大切に扱うこと」です。
販売スタイルに応じた準備を整え、健全で安心できるメダカ販売を実現しましょう。