
メダカを健康に育てるために欠かせないのが「水換え」です。
しかし成魚と違い、稚魚や卵の時期はとてもデリケートで、間違った水換えをすると命にかかわります。
本記事では、メダカの基本的な水換え方法に加え、稚魚や卵の安全な換水のコツ、さらに「水換え不要説」の真実まで詳しく解説します。
メダカの水換えが必要な理由とは?

メダカにとって水は私たちにとっての空気と同じ存在です。
時間が経つにつれて、フンや食べ残しが分解されてアンモニアや亜硝酸といった有害物質が発生します。
これらは透明な水でも見えないため、放置すると気づかないうちにメダカの体を弱らせてしまいます。
また、水が汚れると酸素不足や雑菌の繁殖を招き、病気の原因になります。
特に夏場は水温上昇によって水質悪化が早く進み、冬場は水温低下でバクテリアの働きが弱まるため注意が必要です。
「自然界の川や池では水換えをしていないのに?」と思う人もいるかもしれませんが、自然環境では常に水が循環しています。
飼育容器の限られた水量では自然の浄化作用が働きにくいため、人の手による水換えが欠かせないのです。
メダカの水換えのやり方

水をすべて入れ替えると、急激な水質変化によって「水換えショック」を起こし、メダカが死んでしまうことがあります。
交換するのは多くても半分、基本は1/3程度にとどめましょう。
水換えの手順は次のとおりです。
- 水槽の底付近から1/3ほどの水をホースやスポイトで吸い出す
- 新しい水は必ずカルキ抜きをしてから使う
・市販のカルキ抜き剤を水道水に数滴入れて中和する方法
・バケツに汲み置きして半日〜1日置き、塩素を自然に飛ばす方法 - カルキを抜いた水を少しずつ注ぎ足す
- 作業中は生体を別容器に移すと安心
この方法なら安全に換水できます。
ただし底のフンや食べ残しは残りやすいため、時々スポイトで吸い出してあげると水質を保ちやすくなります。
メダカの水換えの頻度

目安は月1回程度。
小型水槽や夏場など水質が悪化しやすい環境では、2週間に1度を目安にしてください。
ただし次のような場合はすぐに水換えが必要です。
- 病気の発生
- 油膜が張る
- 悪臭がする
- 水が濁る
また、水換えが遅れたからといって一度に大量の水を替えるのは逆効果です。
負担を減らすために、1/4程度の少量換水に留めましょう。
メダカは水質に強い魚ですが、最低でも月1回は水を入れ替えることで健康を保てます。
メダカの水換え方法は室内飼育か屋外飼育で異なる?
室内飼育での水換え方法

室内飼育の場合、水槽やプラケースなど比較的小さな容器で飼うことが多いため、水質の変化が早いのが特徴です。
特に人工照明やヒーターを使っている場合、気温や光の影響で水質が変わりやすいので、1〜2週間に一度は少量の水換えを行うと安心です。
水槽にはフィルターや水草が入っていることが多く、見た目以上に汚れが溜まります。
水を抜く際は底のフンや残餌をスポイトで吸い出すようにし、全体の1/3程度を目安に換水します。
屋外飼育での水換え方法

屋外で睡蓮鉢やビオトープを使って飼育している場合は、水量が多いため水質の変化が緩やかになります。
太陽光や雨水、植物の働きである程度の浄化作用もあるため、室内ほど頻繁に水換えをする必要はありません。
ただし落ち葉や泥、餌の食べ残しなどが溜まりやすいため、定期的に観察して必要に応じて部分換水を行いましょう。
真夏の高水温や真冬の低水温の時期は、水換え自体がメダカに強いストレスになるため、足し水で対応するのが無難です。
室内と屋外で共通する注意点
どちらの場合でも一度に大量の水を換えないことが大切です。
室内飼育では「水質ショック」、屋外飼育では「水温差によるショック」で体調を崩しやすくなります。
また、新しい水を加えるときは必ず汲み置きした水やカルキ抜きした水を使うようにしましょう。
室内・屋外に関わらず、日々の観察で水面の油膜や濁り、臭いをチェックし、異常があればすぐに対応することがメダカを長生きさせる秘訣です。
メダカ稚魚や卵の水換えはどうする?
稚魚の水換えの注意点

メダカの稚魚は体が小さく水質変化にとても弱いため、成魚以上に慎重な水換えが必要です。
基本はスポイトを使って底のフンや食べ残しを少しずつ吸い取り、その分だけ新しい水を追加する「部分換水」が安全です。
特に孵化から1か月以内は水質変化で簡単に死んでしまうので、1回に交換する水量は全体の1/10程度に留めましょう。
稚魚は密集して飼うと水が悪化しやすいので、できるだけ広めの容器で飼うことも大切です。
卵の水換え方法

メダカの卵は水カビや雑菌に弱いため、卵を管理している水槽では水の鮮度を保つことが欠かせません。
ただし、強い水流や急激な水質変化は卵の成長を妨げるため、こちらも少量の換水を繰り返すのが基本です。
卵を隔離して管理している場合は、スポイトでフンや汚れを吸い出し、新しい水を少しだけ足す程度で十分です。
メチレンブルーなどの薬剤を使用している場合も、薬の濃度を急に薄めないよう注意しましょう。
メダカの水換え不要論|メダカの水換えしないとどうなるの?

「足し水だけで大丈夫」という意見は、自然環境に近い屋外の大きな睡蓮鉢やビオトープで、バクテリアや水草がしっかり働いている場合に限られます。
特に卵や稚魚を育てている時期は水質悪化のスピードが速いため、放置は禁物です。
最低でも数日に一度は観察し、水のにおいや透明度を確認して、必要に応じて少量換水を行うようにしましょう。
水換えをしないと病気になったり、弱ったり死んでしまいます。
観賞魚にとって、水槽内の水は人間にとっての空気と同じです。
水質の変化に強いと言われているメダカも、さすがに水を換えていない汚い水の中では簡単に病気になったりしてしまいます。
メダカを野外飼育している飼育者の中には、足し水だけで大丈夫という声も聞きます。
確かにバクテリアなどのおかげで足し水だけでも大丈夫な場合がありますが、過信は禁物。
野外の場合は季節に合わせたメダカの飼育方法があり、それは簡単なものではありません。
まだ飼育に慣れていない、こまめな管理が出来ない場合はきちんと頻度と水量を守って水換えをしてあげましょう。
メダカの水換えのやり方【まとめ】
メダカの水換えは量と頻度を守れば決して難しくありません。
成魚はもちろん、稚魚や卵の時期も少量換水を心がければ健康に育てられます。
足し水だけでは限界があるため、観察を続けて適切に換水していきましょう。
メダカ飼育を楽しみながら、長く元気な姿を見守ってあげてください。